ジャパンカップを当てるために知っておくべき3つのこと

Japancup

■1■日本馬のレベルアップ
ジャパンカップで最も大きな問題となってくるのが、外国馬と日本馬の比較である。近年は完全な日本馬の優勢であり、日本馬が1~3着だけでなく、掲示板を独占することがあっても驚かなくなってきた。ここ十数年で、生産、調教の技術が飛躍的に向上したことによって、日本の競走馬のレベルそのものは、海外のそれと比較しても同等かそれ以上のところまで上がってきている。

日本国内における一流馬であれば、海外に出ていっても十分通用することは、古くはジャックルマロワ賞のタイキシャトル、凱旋門賞のエルコンドルパサーから、インターナショナルSのゼンノロブロイ、アメリカンオークスのシーザリオ、メルボルンCのデルタブルース、そしてハーツクライ、ディープインパクト、そして最近でいうとナカヤマフェスタやオルフェーヴルまで多くのG1ホースらが示してくれた。もちろん自分の土俵(日本の競馬)で戦うのであれば、堂々と胸を貸すぐらいの気持ちで立ち向かうことができるはずだ。

外国馬に関する情報は極めて少なく、日本の馬場で一度も走ったことがない馬の実力を推し量ることは、はっきり言って非常に難しい。それでも、ひとつだけ大きなものさしを示すとすれば、「力をつけた日本馬に地の利がある以上、外国馬は余程の実力、実績を持った馬でないとジャパンカップで勝ち負けにはならない」ということになる。日本の軽い馬場が合いそうだとか、招待されたからなどというレベルの外国馬では勝負にならないところまで日本馬のレベルは上がってきている。
ちなみに、外国馬に関して述べると、海外遠征未経験馬は疑ってかかるべきである。今回のジャパンカップ挑戦が初めての遠征になるような馬では、よほど能力が抜けていないと極東の地での激しい戦いを勝つことは出来ない。ヨーロッパの馬でヨーロッパの外に遠征した経験がない馬も同じである。

■2■凱旋門賞、ブリーダーズC馬は消し ジャパンカップの前にはヨーロッパで凱旋門賞、アメリカでブリーダーズカップとG1レースの中のG1レースが行われている。海外の馬は当然そちらを目標に出走するため、ジャパンカップにはピークを過ぎた状態で出走してくることが多い。

特に、凱旋門賞、ブリーダーズCを勝った馬は、ほぼ間違いなく調子落ちでの出走となるはず。ピークの仕上げで臨まなければ、凱旋門賞やブリーダーズCといった大レースは勝てないため、勝った勢いでジャパンカップに挑戦してきても、結局、状態は下降線を辿ることになるのだ。ブリーダーズカップを勝ったコタシャーン、凱旋門賞を勝ったエリシオ、モンジュー、デインドリーム、ソレミアなどがあっさりと敗れてしまったのは、明らかにピークを過ぎた状態で出走してきたからである。また、凱旋門賞を勝つ馬は、深い芝で走れるだけのパワーとスタミナが勝っている馬である(今年の凱旋門賞は別)。軽い芝でスピードと瞬発力を要求される日本の競馬には合わないことが多いだろう。また、ブリーダーズCを勝った馬はローテーション的に厳しい。死力を尽くして大レースを勝った後に、遠征を含めて、もうひとつG1レースで勝つことは難しい。

逆に言うと、凱旋門賞、ブリーダーズCで負けてしまった馬の巻き返しは期待できるということだ。

■3■迎え撃つのは4、5歳馬
過去10年の勝ち馬は、4歳馬が5勝、続いて5歳馬と3歳馬が2勝、6歳以上の馬は0勝となっている。ジャパンカップのレベルが上がったことにより、肉体的に最も充実する4、5歳馬が圧倒的に有利なレースとなった。百戦錬磨の外国馬を迎え撃つのは日本の4歳馬という図式が成り立つだろう。

また、ジャパンカップを勝ち切るためには高い壁があって、日本馬、外国馬に関わらず、連対率が50%を切るような馬では厳しい。高い競走能力と、どのような状況や環境にも対応できる資質の持ち主であることが問われるのだ。


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勝ちポジが最大の勝因


マイルCS2018―観戦記―
内からアルアイン、ロジクライが押し出されるようにして先頭に立つかと思いきや、外からこちらも押し出されるようにしてアエロリットがハナを切る形で、まるで中距離戦のようにゆったりとした序盤でレースは始まった。それは最後の直線に向くまで変わることなく、レースが終わってみれば、前半マイルが47秒1、後半マイルが46秒2という、G1のマイル戦としては考えられないほどのスローペース。1、2、3番の馬が1、2、3着したように、内が伸びる馬場であったこと以上に、馬群の内で脚をためた馬が極めて有利になる展開であった。

勝ったステルヴィオは、スローペースの内の2、3番手という基本の勝ちポジ(勝つためのポジション)を走ったことが最大の勝因である。一列後ろのポジションであれば、ひとつ着順が下がるという繊細なポジション争いを制したのも、1番枠を引いたことが全て。この馬自身、マイラーとしての資質が高く、夏を越して古馬にも通用する成長を遂げたこともあるが、今回は展開とポジションに恵まれての勝利であることは間違いない。ロードカナロア産駒の成長力を裏付ける勝利と言うには、やや物足りなさの残るレースレベルであった。

ウイリアム・ビュイック騎手は大仕事をやってのけた。スタートしてから普通に馬を出して、ステルヴィオのペースで走らせ、直線に向いて追い出したら勝ってしまった、と言えばその通り。陣営からは抑えて後ろから差し脚を生かすという指示が出ていたが、スタートしてから変に抑える必要がないと判断して、素直に行かせたことが吉と出た。一瞬の判断の良さではあるが、簡単なようで簡単ではない。自信と経験がそうさせたとも言えるし、また海外の競馬場で無心に乗ったことがそうさせた面もあるのではないか。

昨年の覇者であるペルシアンナイトは、もうひとつ前のポジションであったならというところだろう。ひとつ枠番が違うだけで、全てが勝ち馬の後手に回ってしまい、最終的にも頭ひとつ競り負けてしまったのだから、競馬における枠順の差は大きい。レースの綾を抜きにすれば、ペルシアンナイト自身は力を出し切っているし、ミルコ・デムーロ騎手としても完璧な立ち回りをしている。同じことはアルアインにも言えるが、この馬にとっては瞬発力勝負になってしまい、生粋のマイラーに切れ負けしてしまった。

この展開の中、後方から差して差を詰めたカツジとミッキーグローリーの兄弟は、揃って切れ味があることを証明した。もう少し前目のポジションを楽に走られるようになれば、持ち前の瞬発力がさらに生きるはず。今回のようなレースで後方から行けば、どれだけ走っても、掲示板に載るまでがやっとである。

1番人気に推されたモズアスコットは見せ場なく大敗を喫してしまった。前進気勢に欠けるところを見せ、走ったポジションも悪く、最終コーナーでは他馬と接触するシーンもあり、最後まで脚を使うことができなかった。安田記念までタイトなローテーションで使われてきたことの反動が出ている面もあるかもしれない。牝馬ながらも2番人気に推されたアエロリットも馬群に沈んだ。切れ負けしてしまったというよりは、この馬自身が自分の脚を使えておらず、長距離輸送がこたえたのか、精神的にムラがあるところが出てしまった。

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冬場のレース毛艶を重視する

Jiromaru

サラブレッドは冬場になると冬毛が伸びるため、どうしても毛艶が悪く見えてしまうことは仕方ありません。しかし、レースを間近に控えた馬が、あまりにも毛艶が悪いのはいただけません。冬毛が生えてきて毛艶が冴えないのは、内臓が休眠状態に入っているということを意味するからです。内臓機能が優れていて、新陳代謝が活発な馬ならば、冬でもほとんど冬毛が生えることなく毛艶が悪くなることはありません。あのサクラローレルが冬場でもピカピカに毛艶を輝かせていたのは有名な話です。

毛艶は馬の内臓の状態を映し出す鏡です。内臓の状態が良ければ、毛艶はピカピカに輝きます。逆に、疲労から内臓に問題のある馬の毛艶はくすんでしまいます。ブラッシングをすれば、ある程度取り繕うことは出来ますが、滲み出てくるような毛艶の良さは、やはり内臓の状態が良くないと表れてこないものです。さらに毛艶が良いということは、皮膚が薄いということもつながります。皮膚が薄い馬は、総じて馬体が柔らかく、伸びのある走りをすることができるのです。

冬場のレースは、毛艶の良し悪しが如実に表れます。寒くなるにつれて、新陳代謝が悪くなり、内臓の働きが活発さを失い、皮膚にも硬さが出て、明らかに毛艶が冴えない馬が増えてくる一方、冬場にもかかわらず、ピカピカの毛艶を誇る馬もいるのです。冬場はそうした臨戦態勢が万全であることが伝わってくる馬を狙いたいものです。

毛艶の輝きを見る以外に、毛艶の良し悪しを見極める他の方法として、馬体に銭型の斑点が映るときには、毛艶が良いサインであることが挙げられます。内臓の調子が良かったり、きっちりと仕上げられたことで皮膚が薄くなってくると、不思議なことに内側から小判の形をした模様が外に浮かび上がってくるのです。

今週行われるマイルチャンピオンシップの出走馬の中で、全身に斑点が浮かび上がっている馬がいます。ミッキーグローリーです。前走を快勝した勢いと調子の良さをそのまま持ち込んできていることが毛艶から伝わってきます。

もうひとつ、芦毛の馬が黒く映るときは毛艶の良いサインです。普通の毛色の馬であれば、パッと見た瞬間に毛艶を見分けることができます。しかし、芦毛の馬に限っては、白毛が差し毛のように混じって入っているため、毛艶の良し悪しを見分けることが非常に難しい。皮膚のなめらかさや光具合から、毛艶を判断するのが難しいのです。

そこで、芦毛の馬の毛艶については、いつもより黒く見えるかどうかという見方をします。芦毛にも白さの度合いがあるので、他の馬と比べて黒く見えるかどうかではなく、1頭の馬を見る時に、いつもと比べて黒く見えたときは毛艶が良いということです。アエロリットは前走の毎日王冠よりもさらに黒味を帯びていて、毛艶の良さは文句なしです。

毛艶の良さだけで判断すると、ミッキーグローリーとアエロリットは迷うところですが、京都競馬場で行われるということや人気も含めて、ミッキーグローリーを思い切って狙ってみたいと思います。大型馬だけに、馬体が出来上がってくるのに時間が掛かってしまいましたが、じっくりと使いながら完成の域に近づいてきています。さすが国枝厩舎ですね。ディープインパクト産駒らしい、鋭い末脚を繰り出してくれるのではないでしょうか。

Milecs2018wt


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京都芝1600m

Kyoto1600t1

向こう正面の直線を2コーナー側に延長したポケットからのスタート。第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は711mと長く、逃げ馬が気分よく行ってしまうとオーバーペースになりやすい。しかし、3コーナー過ぎてからは下り坂となるため、多少のハイペースで行ったとしても、前もなかなか止まらない。結果として、平均ペースのレースになりがちで、実力どおりの決着となることが多い。力さえあれば、展開にはあまり左右されることのないコースといえる。

京都の1600mコースには内回りと外回りがあり、G1であるマイルチャンピオンシップは外回りを使って行われる。外回りコースは、4コーナーで内回りコースと合流するため、内にポッカリとスペースが開きやすい。そのため、直線で前が詰まる心配がほとんどなく、差し馬にとっては安心して乗れるコースである。

第1コーナーまでの距離が長いため、枠順による有利・不利はほとんどない。あるとすれば、最初の直線において、ポケットの直線から本線に入る際、わずかに内の馬が窮屈になることぐらいか。とはいえ、1番枠でない限り、ほとんど気にする必要はないだろう。


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マイルCSを当てるために知っておくべき3つのこと

Milecs

■1■マイルの連対率は重要な目安
マイルのチャンピオン決定戦である以上、1600mのレースにおける連対率が50%を割っているような馬はチャンピオンとして相応しくない。1600m戦での連対率は、その馬のマイル戦に対する適性を顕著に表すからだ。

大荒れとなった平成7年は、出走馬18頭中、1600mのレースにおける連対率が50%を超えている馬がわずか2頭しかいないというレベルの低いレースであった。その2頭が、安田記念も勝ったトロットサンダーと、なんと大穴のメイショウテゾロである。このことからも、マイルチャンピオンシップにおいて、マイルの連対率がどれだけ重要なデータとなるかが分かる。マイルの連対率が50%を切っている馬は軽視すべきである。

■2■勝つためにはスタミナが必要
京都1600m外回りコースで行われるため、スピードだけでは押し切れないレースである。前4走ともに1600m未満の距離を使っていたスプリンタータイプの馬では、最後の直線でスタミナ切れすることになる。スプリンタータイプの馬では勝ち切ることは難しい。勝つためには、中距離を走り切れるだけのスタミナが必要とされる。1600m以上の中距離レースでの実績は必要。 

■3■サンデーサイレンスの血を引く馬?
過去12年のレースラップ(下参照)を見ても、昔は前半から飛ばす馬がいてハイペースになることが多かったが、ここ最近は、さすがにスローにはならなくても、全体的にフラットな落ち着いた流れになる傾向が強い。1分32秒台後半から33秒前半という全体時計は変わらないということは、前半が厳しい流れになる昔のレースの方がレベルは高かったということになる。

そのため、ズブズブのスタミナ勝負になることは少なく、スッと先行して4コーナーを持ったまま先頭で押し切れるぐらいスピードに富んだ馬、もしくは瞬発力勝負に長けた馬にとっては競馬がしやすいレースになる。デュランダル、ハットトリック、ダイワメジャーと、サンデーサイレンス産駒が5年連続でこのレースを勝ったのも、そういう特性(軽さと瞬発力)こそが問われるからである。もし血統的に狙いを絞るとすれば、ありきたりではあるが、サンデーサイレンスの血を引く馬ということになる。

12.3-10.6-11.1-12.0-11.5-11.6-11.2-12.4(46.0-46.7)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.6-10.6-11.2-12.0-11.6-11.5-11.3-11.9(46.4-46.3)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.5-10.6-11.3-11.9-11.6-11.4-11.6-11.7(46.3-46.3)M
1.32.6 ブルーメンブラッド
12.1-10.9-11.8-12.4-11.5-11.4-11.2-11.9(47.2-46.0)S
1.33.2 カンパニー
12.1-10.7-10.9-11.6-11.4-11.1-11.9-12.1(45.3-46.5)H
1.31.8 エーシンフォワード
12.4-10.8-11.2-12.3-11.9-11.8-11.6-11.9(46.7-47.2)M
1.33.9 エイシンアポロン
12.5-11.1-11.4-11.9-11.3-11.3-11.5-11.9(46.9-46.0)M
1.32.9 サダムパテック
12.5-11.1-11.5-11.7-11.5-11.2-11.4-11.5(46.8-45.6)S
1.32.4 トーセンラー
12.0-10.4-11.3-11.6-11.4-11.5-11.3-12.0(45.3-46.2)M
1:31.5 ダノンシャーク
12.6-10.9-11.1-12.5-11.9-11.1-11.5-11.2(47.1-45.7)S
1.32.8 モーリス
12.3-10.9-11.2-11.7-11.4-11.7-11.6-12.3(46.1-47.0)M
1.33.1 ミッキーアイル
12.2-10.8-11.6-12.1-11.9-11.5-11.6-12.1(46.7-47.1)M
1.33.8 ペルシアンナイト

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騎手が違えば、結果も違う


エリザベス女王杯2018―観戦記―
昨年のリプレイのようにクロコスミアが先頭に立ち、前半1000mが61秒4、後半1000mが59秒2という超スローペースをつくりだした。道中で脚をしっかりとためられた馬や前目のポジションを走れた馬にとって有利であり、後ろから行き過ぎては勝負にならないレースとなった。分かっていても後ろから行って同じように負けてしまう日本人騎手と分かっているから積極的にポジションを取りに行く外国人ジョッキーとの差は、最後の着順という形で如実に現れることになる。もし仮に騎乗馬に明らかな力差があるとすれば、その差を少しでも縮めるために日本人騎手こそが動かなければならないはずである。

リスグラシューはようやくG1のタイトルを手にすることができた。マジックマンの手を借りてというありがちな勝利ではあるが、リスグラシュー自身の成長も大きい。特に昨年のエリザベス女王杯から今年にかけての馬体の成長が著しい。馬体重にしておよそ20kg。これまで惜しくも届かないレースが続いていたが、今回は最後の直線で1頭だけ異次元の伸びを見せた。本来はこれぐらい中団から追走しても、末脚の破壊力は鈍らない馬なのであろう。

ジョアン・モレイラ騎手は日本で初めてのG1レース制覇となった。これほどのジョッキーであっても、異国での初G1勝利は嬉しいものに違いない。リスグラシューの背に張りつくようにして乗り、道中は馬群の真ん中で我慢を重ね、他の有力馬が先に動いても気にすることなく脚をためることに専念していた。その結果として、1頭だけ3ハロン33秒台の末脚を繰り出すことになり、リスグラシューの良さを生かし切る見事な騎乗であった。たまたまリスグラシューが充実してきたときにモレイラ騎手が乗ったと考えるか、それともモレイラ騎手が充実してきたリスグラシューの力を出し切ったと見るかはあなた次第である。

クロコスミアは無心で乗られたことで、シンプルに自身の力を発揮することができた。距離も2200mぐらいある方が良く、最後の直線が平坦なのも合っている。全ての条件が重なるのがエリザベス女王杯ということだ。1番人気のモズカッチャンは内の3番手を進み、昨年の再現をするかと思わせる騎乗であった。それでも伸び切れなかったのは、この馬自身がやや調子を落としていているからであろう。馬体は充実してきているが、その分、脚元に不安があるのではないだろうか。

レッドジェノヴァはスタートしてから第1コーナーのところで、外から発送したモズカッチャンに前に入られてしまったことが痛かった。ひとつ前にいれば、もう少し早目から動くことができたはずだが、結果的に最後の直線に向いてから追い出す形となり、上位の馬たちに切れ負けしてしまった。瞬発力よりもスタミナ型の馬だけに、もう少し早目に動きたかったはず。序盤のスタミナロスを避けたい気持ちは分かるが、明確な意思を持ってポジションを取りにいかなければ、外国人ジョッキーたちに先を越されてしまうのである。

ノームコアは人気になりすぎていた。紫苑ステークスを勝ったばかりの馬がG1初挑戦でいきなり古馬に勝てるわけがない。クリストフ・ルメール騎手が乗っていたことも過剰人気の要因のひとつだが、さすがに相手が強すぎた。この先、少しずつ強くなりそうな馬だが、現時点での5着は褒められるべきである。ルメール騎手も5週連続G1制覇とならなかったのは残念だが、この馬の力は出し切っている。


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距離適性は馬体のシルエットで判断する

Jiromaru

メルボルンカップを観に、オーストラリアに行ってきました。10年以上前から、ずっと観に行きたいと思っていましたので、ようやく念願が叶ったということです。メルボルンカップが行われる日はカップデーと言われ、オーストラリア全体が休日となり、国民全員でレースを見守るほどのビッグイベントなのです。レース当日の競馬場には、10万人を超える着飾った男女が集います。どちらが良い悪いではなく、日本では競馬はギャンブル色が強いのに対し、オーストラリアではスポーツとして観戦されていると感じました。

メルボルンカップデーの翌日、オーストラリアのリーディングトレーナーであるダレン・ウィアー調教師に話を聞きに行ってきました。ダレン・ウィアー調教師は2013―14年のシーズンから躍進を遂げ、2015-16のシーズンでは全豪で347・5勝(0.5は同着)を挙げて新記録を打ち立てました。名実共に、オーストラリアで最高の調教師です。最近では、トーセンスターダムやブレイブスマッシュ、トーセンバジルなどの日本馬が多く移籍して、向こうで再生して復活を遂げていますね。

調教に対する考え方や施設の活用法を伺っている中で、馬の体型に話は及びました。トーセンスターダム(ディープインパクト産駒)は手脚も長く、胴部にも伸びがあって、雄大で立派な馬体を誇っていたのに対し、ブレイブスマッシュはパッと見たところ、胴部が短くて、筋肉量の多い馬体をしていたのでスプリンターだと判断したそうです。オーナーサイドからはマイルから2000mぐらいの距離で使ってほしいとオーダーされていたのですが、馬体を見て短距離路線に切り替えたとのことです。結果的にその判断は正しく、現時点でブレイブスマッシュはスプリントG1を2勝し、世界最高額賞金のG1レース、ジ・エベレスト(1200m)でも3着に入りました。

どういう馬体の馬が走るのですか?と単刀直入に質問してみたところ、「ルールはない」とう表現が返ってきました。こういう馬体の馬が走るという明確な法則やマニュアルのようなものは存在しないということです。当たり前のことですが、様々な馬体をした馬が走り、また走らないのです。しかし、その他の活躍馬の話を聞くにつれ、馬に対する見かたが言葉の端々に表れてきて、僕はその断片を拾い集めてみたところ、ダレン・ウィアー調教師は馬の特性を体型(馬体のシルエット)で判断しているのだと分かりました。部分的な筋肉の付き方とか気性とか脚の付き方などには全く触れることなく、体長や体高といった馬体の長さや、部分的な首や脚の長さ、そして馬体の幅など、パッとみたときの体型(馬体のシルエット)を重視しているようです。

今週行われるエリザベス女王杯は京都競馬場の芝2200mで行われます。春に行われる牝馬限定G1レース・ヴィクトリアマイルがマイル戦で、スピードや瞬発力を競うのに対して、エリザベス女王は基本的にスタミナや底力が問われる位置づけのレースです。もしダレン・ウィアー調教師が京都競馬場の芝2400m戦で走りそうな馬を選ぶことになったならば、おそらく体型(馬体のシルエット)をパッと見るはずです。そして1頭だけ、レッドジェノヴァの写真を指差しながら、「この馬は胴部にも長さがあって、手脚も長いので、長距離が得意そうなステイヤーの体型だね」と言うはずです。それ以外の牝馬たちに対しては、マイラー体型の馬がほとんどであり、下手をすると短距離の方が合いそうな馬もいるねと正直にコメントするのではないでしょうか。道中が淀みなく流れ、スタミナや底力が問われるレースになり、レッドジェノヴァのステイヤーとしての特性が開花されることを期待して、この馬に僕も本命を打ちたいと思います。

Elizabeth2018wt


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京都芝2200m

Kyoto2200t1

スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多く、コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。かと思えば、前半から飛ばす馬がいて意外に前半のペースが速くなったりするため、折り合いの難しい馬や器用に立ち回ることの出来ない馬にとっては、勝ち切ることが難しいコースである。

道中がスローの団子状態で流れた場合、外々を回されてしまうと、かなりの距離ロスになってしまう。外を回されやすい外枠よりも、経済コースを進むことができる内枠を引いた馬の方が有利になる。

外回りコースでは、4コーナーの出口で内回りコースと合流するため内柵がなくなり、内にポッカリとスペースができる。そのため、内埒沿いを走っていても前が詰まることが少なく、脚さえ残っていれば確実に馬群を割ることができる。よって、脚を余して負けるということが極めて少ない、実力が正直に反映されるコース設定となっている。

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エリザベス女王杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Elizabeth

■1■秋華賞→エリザベス女王杯の連勝は難しい
秋華賞→エリザベス女王杯という路線が3歳の有力馬にとって自然な選択となってきているが、秋華賞→エリザベス女王杯という連勝は難しい。秋華賞馬はエリザベス女王杯でもほぼ1番人気になるが、人気に応えられているとは言い難い。

平成13年 テイエムオーシャン(1番人気)→5着
平成14年 ファインモーション(1番人気)→1着
平成15年 スティルインラブ(1番人気)→2着
平成16年 スイープトウショウ(1番人気)→5着
平成17年 エアメサイア(1番人気)→5着
平成18年 カワカミプリンセス(1番人気)→12着(1位降着)
平成19年 ダイワスカーレット(1番人気)→1着
平成20年 ブラックエンブレム(不出走)
平成21年 レッドディザイア(不出走)
平成22年 アパパネ(1番人気)→3着
平成23年 アヴェンチュラ(2番人気)→2着
平成24年 ジェンティルドンナ(不出走)
平成25年 メイショウマンボ(2番人気)→1着
平成26年 ショウナンパンドラ(4番人気)→6着
平成27年 ミッキークイーン(不出走)
平成28年 ヴィブロス(不出走)
平成29年 ディアドラ(4番人気)→12着

秋華賞とエリザベス女王杯の連勝が難しい理由としては、やはり秋華賞とエリザベス女王杯が違った性格のレースになるからだろう。秋華賞は京都2000m小回りコースで行われ、スピードの持続が求められるレースになりやすい。それに対し、エリザベス女王杯は京都2200m外回りコースで行われるため、折り合いとスタミナが要求される緩急のついたレースになりやすい。

また、小回りコースの高低差が3.1mに対し、外回りコースは4.3mと、外回りコースは丘をひとつ越えていかなければならない。そのため、秋華賞とエリザベス女王杯では、200mの距離以上に要求されるスタミナの量が異なってくるのである。

■2■世代交代について
エリザベス女王杯において、世代交代の問題は避けて通れない。一般的に、牝馬は牡馬に比べ、現役の競走馬として活躍できる期間が短いとされる。それは牝馬には血を繋ぐという役割があるからであって、肉体的そして精神的にも競走馬から繁殖牝馬へと変遷していく時期が自然とあるからだ。

ダイイチルビーは4歳時にスプリンターズステークスを制したが、5歳となった翌年は目を覆いたくなるような惨敗を繰り返しそのまま引退していった。その時に、伊藤雄二調教師が言った、「ルビーはもうお母さんの目になっているね」というセリフが印象的であった。肉体的には走れる状態にあったが、精神的にはレースを走り抜くだけの闘争心がすでに失われていたのであろう。

もちろん、馬それぞれにおいてピークは異なってくるので、この年齢以上では走れないというような線引きはできない。ただし、あと2ヶ月も経てばもう6歳馬となってしまう5歳の秋は、牝馬にとって非常に微妙な時期なのではないだろうか。明日にでも、まるで坂を転げ落ちるように競走馬としての能力が衰えてしまう、ギリギリのラインに立っているのである。

衰えゆく5歳馬から、充実の4歳馬、そして更なる上昇が期待される3歳馬への世代交代というクロスオーバーが行われるのがこのエリザベス女王杯である。平成12年から秋華賞が1週間繰り上げられ、エリザベス女王杯までが中3週となった。これにより勢いのある3歳馬の挑戦も増えることからも、5歳馬にとってはさらなる苦戦を強いられることになるであろう。

■3■牡馬と勝負になっていた馬でないと×
牝馬の中でチャンピオンを決める戦いではあるが、牝馬限定戦でずっと戦ってきたような馬では、このレースは勝てない。牡馬との厳しいレースで揉まれ、牡馬を相手に好勝負になっていた馬を狙うべきである。もちろん3歳馬については、牡馬混合戦に出る機会もなかっただろうから、この条件は当てはまらない。

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首の高い馬、低い馬

Jiromaru

頭の高い馬と低い馬がいます。首が立っている馬と首が寝ている馬と言い換えても同じです。前者としてパッと思いつくのは、キングヘイローでしょうか。父ダンシングブレーヴ、母グッバイヘイローという、当時としては超がつくほどの良血の馬でした。2012年の「The Winner」というJRAのCMでキングヘイローが高松宮記念の優勝馬として取り上げられ、「2000年、高松宮記念。その馬は、10度の敗北を超えて、血統を証明した。敗れても、敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった」と紹介されました(https://www.youtube.com/watch?v=7PoNbuwP8ts)。首が高いと前駆に無駄な力が入ってしまい、長い距離を走ることができなくなるため、高い首を少しでも矯正しようとする緑のシャドーロールも印象に残っていますね。

後者として僕の頭に浮かぶのは、天皇賞春や有馬記念、宝塚記念を制したマヤノトップガンです。首をずっと水平にして走る馬で、こういうタイプの走りをする馬はなかなか止まらない(バテない)という特徴があります。その反面、ジョッキーとしては手綱を通して馬をコントロールするのが難しく、一旦折り合いを欠いてしまうと大変だと、主戦の田原成貴元騎手は語っていましたね。

サラブレッドの首については、太さと長さだけではなく、首と頭の角度や位置も見るべきなのです。首と頭の角度については、自然な形で立っているとき、頭の軸と首の中心線の交わる角度は90度が理想的です。この角度が90度よりも小さいと、咽喉(のど)の空間がなくなって窮屈そうであり、実際にこうした馬はノド鳴りや呼吸障害になりやすいとされます。

頭と首の角度にさらに位置を加えると、首の形ができあがります。まず理想的なのは、首の方向が地面に対して45度であり、よって頭の方向も45度が自然な形です。この首の形で立っている馬は、僕たちから見ても、リラックスして立てているように見えるはずです。肉体の構造にも無理がなく、普通に立つと、自然な首の形になるということです。

それに対し、首が地面に対して垂直に近くなり、頭を巻き込んだような形になっている馬には力みが感じられます。気性的に入れ込みが強い馬かリラックスできない馬だと解釈することができます。また、頭が上を向いてアゴが上がっているように映る馬は、他のことに気持ちが行ってしまって心ここに在らず、集中力に欠ける馬だと解釈します。馬は遠くのものを見るときに、首を垂直にして、頭を水平にして見ますから、つまり目の前のことに集中できていないということです。

もうひとつ、自然な形で立ったときに、首が水平すぎる馬にも問題があります。普通に立たせたときに、首が水平になり、うなだれたように映る馬は、首の肉付きが貧弱であり、全身の筋力も乏しいことが多いです。馬体全体の筋力が弱いから、首の位置や形をきちっと保つことができないということです。

首が高いことにも低いことにも、メリットとデメリットがあるのです。首が高いから勝てないということではなく、低いから競走馬として成功することが難しいというわけでもありません。自分に合った条件のレースであれば、弱点をカバーしつつも自身の持てる資質を十分に生かすことができるはずです。

今週のJBCクラシックに出走するサンライズソアは、新馬戦を快勝し、続く2戦目で新潟2歳Sに挑戦し、4戦目までは芝のレースを使われていました。芝でも好勝負をしたのですが、5戦目にダートに変わってからは堅実な走りを見せるようになります。この馬の首の高さからして、どうしても走りが一本調子になってしまいますので、芝のレースでは切れ負けしてしまうのです。ダート戦でこそ、首が高いことによる一本調子がある面はカバーされて、この馬のスピードとパワーが生きるのです。

前走は前半600mが34秒7、上り3ハロンが36秒5というハイペースを2番手で追走しましたので、さすがに最後は力尽きてしまいました。1、2着は後方から差してきた2頭であり、3着に粘り込んだサインライズソア自身は後続を5馬身離しています。先行して押し切る、ダート戦では王道の競馬が最も合っていますし、今回、内枠を引くことができれば、より有利にレースが進められるはずです。鞍上も絶好調の(というべきか圧倒的な技量を誇る)クリストフ・ルメール騎手ですから、期待して本命を打っても良いのではないでしょうか。

Jbcclassic2018wt

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ファンタジーSを当てるために知っておくべき3つのこと

Fantasys

■1■キャリアは2、3戦が理想的
キャリア別の成績は以下のとおり。
1~3戦 【8・8・8・106】 連対率14%
3戦以上【2・2・2・27】 連対率11%

キャリアが豊富な馬よりも少ない馬の方が、僅かながらも連対率が高い。ファンタジーSの時点で3戦以上のキャリアがあるということは、素質がないため出走したレースで順当に勝ち上がれなかった、もしくは将来を見据えて大事に使われていないことの証明でもある。キャリア3戦以内の素質馬を出来れば狙いたい。

とはいえ、キャリアがあまり少なすぎる(1戦)のも怖い。キャリア1戦でこのレースを勝った馬には、プリモディーネ、スイープトウショウ、ラインクラフトと、後にG1レースを制した名牝たちがいる。このレースをキャリア1戦で勝つような馬は、かなりの素質と将来性を秘めていると考えて間違いない。

■2■スプリント的な要素が求められる
この時期の京都は、成長は止まっても野芝の状態が良いため、軽さが維持される馬場である。そのため、1400mの距離ではあっても、短い距離を一気に走り抜けることの出来るスプリント能力がまず問われる。過去10年間で、前走から距離を短縮して臨んできた馬の成績は【0・1・1・19】と意外に振るわないのはここに理由があって、前走ゆったりとしたマイル戦で好走した馬は人気になるが、このレースに関しては疑ってかかるべき。

■3■先行馬有利
京都1400m外回りコースは、最初のコーナーまでの距離が512mと長く、緩やかな登り坂になっていることもあり、先行争いが激化することはほとんどない。そのため、前半3ハロンの平均タイムは34秒8、後半のそれが35秒2と、ほぼ平均ペースに近い流れになる。軽さが維持されているオーバーシード芝であることも加わって、前が止まりにくく、先行した馬にとっては有利になる。

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走ることが好き


天皇賞秋2018―観戦記―
ダンビュライトの放馬にどよめきが起こった場内も、天皇賞秋のスタートが切られる瞬間には静寂に包まれ、ゲートが開いた途端に再び沸いた。1番人気のスワ―ヴリチャードが立ち遅れてしまったのだ。あとからパトロール映像を観て分かったことだが、隣のマカヒキがいきなり左に倒れるように寄りかかってきたことで、スワ―ヴリチャードの進路が閉じられてしまうアクシデントに見舞われていたようだ。スタートがほんの少し悪かったことは確かだが、スワ―ヴリチャードにとっては何ともタイミングの悪い一瞬の出来事であった。しかも前半1000mが59秒4、後半が57秒4という超スローペースになったのだから、スタートで万事休す。これも競馬である。

勝ったレイデオロは3歳時の日本ダービー以来の勝利となった。ダービーを勝つことの消耗は私たちには計り知れないものがあり、これまで数多くのダービー馬たちが、ダービー以後に肉体的にも精神的にも燃え尽きてしまってきた。私が思いつく限りにおいても、ダービー以後に復活を果たすことができたのは、オルフェーヴル、ウオッカ、ディープインパクト、スペシャルウィーク、ナリタブライアンぐらいではないか。これらの名前を見るだけで、レイデオロの今回の勝利がどれだけの意味を持つか分かるだろう。レイデオロの復活を支えたのは、彼の走ることが好きという気持ちである。

クリストフ・ルメール騎手はスローペースを読み切っていたのだろうか、スタートしてからレイデオロのリズムを崩さないように気を付けながらも、少しでも前のポジションを走らせようと心掛けていた。あれ以上後ろから行くと厳しかっただろうし、あれ以上急かせることはできなかっただろうから、勝つためには完璧なポジションであった。アーモンドアイからフィエールマンに続き、これでG1レース3連勝となり、神がかっているとしか表現しようがないぐらい見事な騎乗である。

サングレーザーはレイデオロよりも後ろから進み、直線でも良く伸びているが、2着を確保するのが精いっぱいであった。脚質を考えると、この馬としては前目につけて追走できた方であり、力を出し切ったと考えるべきであろう。ジョアン・モレイラ騎手もテン乗りにもかかわらず、サングレーザーの力を十全に発揮させた。キセキは川田将雅騎手の積極的な騎乗が功を奏して、3着に粘り込んだ。秋華賞もそうであったが、各ジョッキーの出方をうかがうことなく、決め打ちしていたかのようにハナに立つ割り切りが素晴らしいく、バテた馬を最後までファイトさせる技術もさすがであり、外国人ジョッキーに太刀打ちできる唯一の日本人騎手という評価で間違いない。

スワ―ヴリチャードはレースの流れに乗ることができず、自ら動くことさえできず、最後の直線半ばでは流すようにしてゴールした。不完全燃焼といえばその通りだが、道中の反応や動きを見る限りにおいて、仕上がりが万全であったかにも疑問がある。最終追い切りを馬なりの不完全な形で終わらせたことで、スワ―ヴリチャードの気持ちも浮ついてしまっていたのではないだろうか。パドックでの姿を見た印象としては、馬体が仕上がっていなかったのではなく、気持ちが仕上がっていなかった。次走のジャパンカップこそは、気持ちもビッシリと仕上げて本気で臨んでもらいたい。

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目を見れば分かること

Jiromaru

「目は口ほどにモノを言う」ということわざがあるように、もともと口がきけない馬にとって、目は心を映し出す窓になります。ディープインパクトやキングカメハメハ、マカヒキ、今年のダービー馬であるワグネリアンなど、数々の名馬を探し当てた金子真人オーナーは、馬選びの際に「まずは目を見る」とおっしゃっていました。馬の目には、喜怒哀楽といった感情だけでなく、その馬の性格さえも映し出されます。気性が穏やかで賢い馬は、黒く澄んだ目をしているものです。

レースにおいても、やる気や気合は目に表れてくるものであり、生き生きとして底光りするような眼光の馬は、間違いなく体調が良く、走ることに対して前向きです。逆に精彩を欠き、どんよりと濁っているような目の馬は、明らかに調子を落としています。走る気のない馬は、相手をうかがいながら走るフリをしているズルそうな目になります。

それでは、具体的にどのようにして、サラブレッドの目つきから体調を推し測ることができるのでしょうか。恥ずかしながら、私も言葉で説明するのは難しいと思っています。しかし元来、僕たち人間には、相手の目を見て心を推し量る能力が備わっているのではないでしょうか。あなたが馬を見て、「走る気に満ちている」、「元気がなさそう」などと感じたら、その直感をまずは大事にしてみることから始めてください。

たとえば、今週の天皇賞秋に出走してくるスワ―ヴリチャードの目だけを見てみてください。そして、前走の安田記念のときの目と比べてみてください。もしかすると私の主観が少し入ってしまっているかもしれませんが、安田記念時はどんよりと曇っていて、どこか寂し気で、何かをこちらに訴えているような目に映りませんか?それに対して、今週の天皇賞秋の目は、いくらか活気に満ちていて、闘争心が宿っているように映りませんか?

瞳には僕たちの姿も映りますので、なるべく思い込みを排して観ることが大切です。それでもやはり、僕には安田記念時と今回の天皇賞秋時のスワ―ヴリチャードの目には違いがあるようにしか見えないのです。ただ単純に距離適性がない(距離が短い)という理由だけで、安田記念ではスワ―ヴリチャードに本命を打ちませんでしたが、陣営の言うように、夏負けの傾向があったのかもしれませんし、大阪杯を強引に勝ったことによる反動が出ていたのかもしれません。調子の悪さをスワ―ヴリチャードは目で訴えかけていたのです。それでも、あれだけの走りを見せて3着したのですから、この馬の能力は相当なものです。

ということで、今回の天皇賞秋の目を見る限りにおいて、スワ―ヴリチャード自身の体調は良さそうなので、迷わず本命を打ちたいと思います。まるで恋人同士みたいですが、目を見れば分かるということですね(笑)。能力的にはぶっつけでも天皇賞秋を勝つだけのものは十分にあります。あとは展開やミルコ・デムーロ騎手の乗り方、そして最後は運次第でしょうか。本格化した今のスワ―ヴリチャードならば、無理に押したりせずとも先行でき、あとは最後の直線でタイミングを見計らってゴーサインを出すだけです。

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東京芝2000m

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改修前の東京2000mのコースは、スタート地点から最初のコーナーまでの距離が極端に短く、急激に左に曲がることから、外枠に入った先行馬は非常に不利であった。コーナーを回りながらのポジション取りになるため、先へ行こうと思うと遠心力で外へ外へと振られてしまい、1番と10番に入った馬とでは約1秒のタイム差があると言われていたぐらいである。

しかし、平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬がスムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。このことにより、各馬(騎手)が力を出し切れるコースへと一変した。さらにゲートを外目に置くようになったため、外枠の馬も最初のコーナーへゆったりとロスなく入れるようになり、内外の有利不利はほとんどないと考えてよい。そうはいっても、10番手以内のポジションを確保するためには、やはり内の方が乗りやすいのは確かである。

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天皇賞秋を当てるために知っておくべき3つのこと

Akiten

■1■前から10番手に付けられる馬
平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬が比較的スムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。さらにゲートを外目に置くようになったため、最初のコーナーに各馬が殺到して、馬群が詰まってしまうということが緩和された。

最初のコーナーへの先行争いが緩和されたことにより、ハイペースが常であった天皇賞秋が平均ペースになりやすくなった。サンデーサイレンス産駒のワンツーフィニッシュ(平成16年、17年においてはサンデーサイレンス産駒のワンツースリー)が目立つように、「瞬発力」が求められるレースに様変わりしたということである。牝馬の活躍が目立つようになったのもここに理由がある。

馬場がまだ軽さを保っている時期ということも含め、前に行ける馬でないと、もう少し具体的に言うと前から10番手に付けられなければ、勝つことは難しい。

■2■穴は夏競馬を使ってきた馬から
かつては天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念が古馬の王道であったが、最近は3戦全てに全力投球する馬は珍しくなった。ひとつのG1レースを勝つことによる消耗が激しくなったことに加え、良い意味でも悪い意味でも各路線が分業化されたことにより、それぞれの有力馬がどこかのレースに照準を絞るようになった。

そのため、実績馬であっても天皇賞秋にはビッシリ仕上げてこない馬もいるため、ここがピークになるように夏競馬を使われてきた伏兵馬が台頭することもありうる。たとえば、2005年を制したヘヴンリーロマンスなどはその典型で、2006年のスウィフトカレント、そして2007年のアグネスアーク、2011年のトーセンジョーダンなどが激走して穴を開けた。特に札幌記念はG1の登竜門でもあり、ここを好走してきた馬には注目しておきたい。

■3■宝塚記念とは直結しない
同じ中距離で行われる春と秋のG1レースである宝塚記念と天皇賞秋であるが、意外なことに勝ち馬が直結しない。過去20年でこの2つのレースを連勝した馬はテイエムオペラオーとラブリーデイのみである。その理由としては、以下の2つが考えられる。

ひとつは2つのレースで勝ち馬に求められる資質が違うということ。6月の阪神競馬場で行われる宝塚記念は、ほぼ洋芝100%に近い力の要るオーバーシード芝で行われるため、勝利を手にするには何よりもパワーが求められる。それに対し、10月の東京競馬場で行われる天皇賞秋は、ほぼ野芝100%に近い極めて軽い馬場で行われるため、勝ち馬には何よりも軽いスピードが要求される。全く反対のベクトルを持つ資質が問われるだけに、宝塚記念と天皇賞秋を2つとも勝つのは至難の業である。

ふたつ目は、宝塚記念と天皇賞秋との間がわずか4ヶ月しかないということ。シーズンオフに近い宝塚記念を勝つということは、一滴も残らず春シーズンの力を使い果たしてしまったということを意味する。そこからわずか4ヶ月の間で、疲労を回復して、秋のG1シリーズ初戦である天皇賞秋に万全の体調で臨むことはなかなか難しい。見た目は出来ていても、目に見えない疲れが残っていたり、精神的な消耗が回復していなかったりすることは案外多い。


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