宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【5・3・2・20】、天皇賞馬に限っては【3・3・1・5】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

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函館スプリントSを当てるために知っておくべき3つのこと

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スプリント路線は別定条件が実績馬に有利なことが多く、夏のローカルG3であるこのレースにも例年メンバーは揃う。独特の重い馬場とコース形状によって、底力のあるスプリンターでないと勝ち切ることが出来ないレースとなっている。

■1■重い洋芝で構成される特殊な馬場

函館競馬場の最大の特徴は、路盤に野芝のない重い洋芝である。過去ほとんどのレースの勝ちタイムが1分9秒台で、かなり時計の掛かる特殊な馬場あることが分かる。このことによって、勝ち馬に求められる要素は以下の2つ。

1、ダートをこなせるぐらいのパワーがあること

2、1200m以上のスタミナを有していること

1はダート戦で実績のある馬、もしくはダートに強い血統構成の馬ということである。軽快なスピードや切れ味だけでは苦しく、速い時計のレースで強さを見せたことは、かえってマイナス材料になることもある。

2は1200m以上のレースで実績のある馬ということである。直線に坂のない小回りコースとはいえ、これだけ時計の掛かる馬場だと、軽快なスピードを武器にした1200mがギリギリという馬では厳しい。1400m~1600mをこなせる底力が問われる。そういった意味からは、安田記念(好走)組も信頼できる。

そして、こういった函館特有の馬場だけに、函館競馬場で実績を残している馬はもちろん素直に評価したい。

■2■余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬

過去10年のラップは以下のとおり。

12.0-10.4-11.4-11.7-11.2-12.2 (33.8-35.1)H

11.7-10.2-10.9-11.7-11.9-12.0(32.8-35.6)H

12.1-10.5-11.2-11.5-11.4-11.8(33.8-34.7)M

12.0-10.2-10.9-11.6-11.4-12.1(33.1-35.1)H

11.8-10.4-10.9-11.5-11.4-12.0(33.1-34.9H

12.1-10.8-11.4-11.9-11.4-11.8(34.3-35.1)M

12.0-10.7-11.4-11.6-11.0-11.8(34.1-34.4M

11.9-10.8-11.1-11.4-11.3-12.0(33.8-34.7M

11.7-10.3-11.0-11.6-11.8-11.9(33.0-35.3)H

11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2(32.2-34.6H

11.8-10.4-10.9-11.3-11.3-11.9(33.1-34.5H

スタートしてから第1コーナーまでの直線は489mと長い。ダッシュを利かせた先行馬がそのままの勢いで行ってしまうので、ペースは自然と速くなる。ほとんどのレースは前が速い前傾ラップとなり、直線が短いことを考慮しても、逃げ馬には厳しいペースとなる。余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬を狙うべきである。枠順の内外による有利不利はほとんどない。

■3■牝馬の活躍

平成24年、27年、そして昨年こそ牡馬同士の決着となったが、平成15年のビリーヴから5年連続で牝馬が制したこともある。過去10年の勝ち馬を見ても、牡馬5勝に対して、牝馬4勝とほぼ互角となっている。直線に坂のある中央のコースに苦しめられていた牝馬がローカルの競馬場で巻き返すというパターンである。また、総じてスプリント戦は牝馬でも活躍できる舞台でもある。

 

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ユニコーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Unicorns

■1■現時点での完成度が問われる
過去10年の人気別の着順を見ると以下のとおり。
1番人気  【4・3・0・3】連対率70%
2番人気  【3・3・1・3】連対率60%
3番人気  【3・1・4・2】連対率40%
4番人気  【0・1・0・9】連対率10%
5番人気以下【0・2・6・111】連対率1%

分かりやすいほどに、人気馬が強く、人気順に連対率も高いという結果が出ている。東京ダート1600m戦というコース設定上、実力に劣る馬が勝ち切るのは難しい。とはいえ、将来的にG1馬となったのは過去10年でカネヒキリぐらいしかおらず、このレースの勝ち馬の将来性が高いとは言えない部分もある。つまり、実力だけではなく、現時点での完成度も問われるレースであるということだ。

■2■関西馬が強い
過去10年の関東・関西馬の成績は以下のとおり。
関東馬 【3・3・4・60】連対率9%
関西馬 【7・7・7・68】連対率16%

関東で行われる重賞レースであるにもかかわらず、関西馬が圧倒的に強い。ダートに適性を見いだされた3歳馬が集結する舞台であり、現時点で最も強いダート馬を決めるレースでもある。また、これまでは関西の競馬場で昇竜S、端午Sといった適切なステップレース(マイルよりも距離が長い)があることも、関西馬がユニコーンSで好成績を残せることにつながっている面もあったはず。

■3■スタミナが問われる
ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。実質的な第1コーナーは3コーナーとなるため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。それでも、意外と前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められ、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

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マーメイドSを当てるために知っておくべき3つのこと

Marmaids
■1■スタミナ型を狙え
阪神2000mで行われるマーメイドSは、上がり3ハロンが33秒台のような瞬発力勝負にはならず、この時期の馬場が傷んでいることも加わり、上がりの掛かるレースになることが多い。また、ハンデ戦となった2006年以降の勝ち馬の血統を見ても、ステイゴールド産駒が2頭とスペシャルウィーク産駒、マンハッタンカフェ産駒、ゼンノロブロイ産駒が1頭ずつと、サンデーサイレンス系の中でもスタミナ寄りの馬が活躍している。字ズラ以上にスタミナを問われるレースとなることは明白で、中距離以上のスタミナを有している馬を狙いたい。

■2■馬体重の少ない軽ハンデ馬の活躍
過去10年間で、トップハンデ馬は【1・1・2・9】と振るわず、1番人気馬に至っては【2・1・1・6】と連対率は決して高くない。逆に、狙い目は軽ハンデ馬で、1~3着馬の30頭のうち、18頭がハンデ53kg以下という成績を残している。特に、普段は別定戦での斤量を負担に感じている馬体重の少ない馬が、ハンデ戦で軽量となった時にあっと驚く好走をすることもある。

■3■ヴィクトリアマイル組は疑問
ヴィクトリアマイル組は実績上位であるので、出走してくれば人気になるはず。ただし、以下の2つの理由で好走を望むのは難しい。

1) ヴィクトリアマイルで仕上がっているので、体調が下降線を辿っている。
2) ヴィクトリアマイルよりも豊富なスタミナが問われる。

1)はヴィクトリアマイルが目標である牝馬がほとんどである中で、ヴィクトリアマイル後、マーメイドSに出走してくるのは、ヴィクトリアマイルで勝てなかったため消化不良のケースが多い。ただ、当然のことながら、ヴィクトリアマイルに向けて100%に仕上げた馬の体調は、下降線を辿るため、ピークが過ぎた段階での出走となり、力を出し切れない。

2)ヴィクトリアマイルはヨーイドンの瞬発力勝負になることが多く、マイル戦とはいえ、意外とスタミナを問われないレースになりやすい。そこからいきなり阪神の2000m戦でレースをしてしまうと、要求されるスタミナが全く違うのである。求められる要素が違うためヴィクトリアマイルの好走馬が、そのままマーメイドSでも好走するのは難しい。

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エプソムCを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■4、5歳馬が中心
4歳   【7・5・2・18】 連対率38%
5歳   【2・3・1・38】 連対率11%
6歳   【1・2・4・31】 連対率7%
7歳以上【0・0・3・50】 連対率0%

5、6歳馬が中心であった先週の安田記念と比べると、明らかに4、5歳馬が強い。これといった理由は思いつかないが、安田記念より距離が200m伸びて、ペースが落ち着きやすいということだろうか。前半3ハロンの平均が35秒8、後半3ハロンの平均が35秒7と、ほぼミドルペースで流れる。その分、スピードに任せて前に行ける若い馬の方が有利になるということだ。

■2■馬場によって適性が180℃変わる
東京の1800mはコーナーが2つで、サンデーサイレンス系のタメて切れる脚質が合う舞台である。ただ、この時期は雨が降りやすく、馬場が変化しやすい。ダービーが終わって、さすがに芝も荒れてくる頃だけに、雨が降ってちょっと時計の掛かる馬場になるとジワジワと脚を使う血統の馬が台頭する。具体的に言うと、キングマンボ、ペンタイア、マヤノトップガン、フレンチデピュティなど、非サンデーサイレンス系の馬である。サンデーサイレンス系でいえば、ダンスインザダークやマンハッタンカフェなど、どちらかというと長距離を得意とする種牡馬の産駒たちの方が適しているか。

■3■マイラーにとっては厳しいレース
ヨーロッパの血を持つ馬が活躍しているように、府中の1800mはスピードだけでは押し切れない、スタミナが問われる舞台である。過去10年の連対馬20頭のうち、18頭が芝1800m以上の中距離で勝ち星を挙げていたことからも、マイラーにとっては厳しいレースになることが分かる。

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離見の見


安田記念2019―観戦記―
アエロリットが内から先頭に立ち、前半マイルが45秒8、後半が45秒1という、このメンバーにしてはスローな流れで引っ張った。先週に続く超高速馬場で、とにかく前に行き、そして内ラチ沿いのポジションを走った馬にとって極めて有利なレースであった。

勝ったインディチャンプは内の2番手という絶好のポジションを確保し、この時点で福永祐一騎手はかなりの手応えを感じたはず。外を回されたくない後続の馬たちがスローだと分かっていても動くことができない中、東京新聞杯を再現したような、ラスト2ハロンの瞬発力勝負を見事に制してみせた。パドックから気持ちが入りすぎて心配したが、レースでは掛かる仕草も見せずに走るのだから、スピードの出るマイル戦が合っているのだろう。追い出されてから耳をグッと絞って怒るようにして前を追う気持ちの強さは、父ステイゴールド譲り。母父キンカメからスタミナを受け継いでいることも見逃せない。

何と言っても今回の勝利は、福永祐一騎手の冷静な手綱さばきに依るところが大きい。スタート後に内のポジションを取ることだけに意識を集中し、ゴーサインもギリギリのタイミングまで待つことができた。あれ以上遅ければ前を捕まえられなかったし、あれ以上早ければ後ろにやられていたかもしれない。2007年の安田記念にて、安藤勝己騎手がダイワメジャーに乗って、最後の直線に向いて、手応え十分の中、待って待って追い出して、ゴール前でコンゴウリキシオーを捕らえたあのレースを思い出した。前を見ながら後ろにも目が付いているような、離見の見のような神騎乗であった。

昨年に続き、2着に粘り込んだアエロリットは、安定の先行力とパワーを生かしてあわやという競馬であった。このレベルのマイル戦で切れ味勝負になってしまうと、勝ち切れないのは仕方がない。かといってハイペースで引っ張っても自身がバテてしまう。精いっぱいの力を出し切っての誇るべき惜敗である。

アーモンドアイはスタートで不利を受け、やや後手を踏んだことで、思っていたよりも後ろを走らざるを得なかった。できるだけ外を回らないように、ルメール騎手は前後ろよりも、内外のポジションを意識して最後の直線に賭けた。上手く馬群を捌いて最後まで良く伸びたが、僅かに届かず。負けて強し。古馬になって筋肉量が増えており、決してマイル戦が短いつくりではない。むしろ、現時点ではマイル~2000mが適距離ではないか。今回は特殊な馬場とスタート直後の不利で敗れてしまったが、悲観すべき内容ではなく、負けてガス抜きができて良かったと考えるべき。秋は天皇賞・秋が目標となるだろう。

ダノンプレミアムはパドックから入れ込みがきつく、スタート後に横からぶつけられて余計に馬がエキサイトしてしまった。外々を回らざるを得なかったことで、直線に向く頃にはすでに脚がなかった。そもそも返し馬の時点で脚元を気にするように走っていたので、川田騎手も無理をさせなかったのだろう。ダノンプレミアムが下馬したのは、スタート直後にロジクライにぶつかられたからではない。今回の件に関しては、ロジクライが暴走してしまったものであり、武豊騎手に非は全くない。だからこそ、前に行かなければならない馬場でスタート後にぶつけられて前をカットされた有力馬3頭の運の悪さが際立つ。

しかしこれはオープンコースで行われる競馬である以上、どうしようもないことである。ジョッキーたちは細心の注意を払い、馬をできるだけ真っ直ぐに走らせるように努力するしかない。勝負どころにおいてのぶつかり合いは、勝負事であるからある程度は許容すべきだが、スタート後のそれは誰も得しない。

そして最後に言っておくと、JRAはいつまでこの特殊でアンフェアな馬場で競走を続けるのか。枠順でポジションが決まり、ポジションで勝ち負けが決まってしまう競馬を、どの関係者が望んでいるのか。それも含めて競馬というならば、競馬はスポーツではなく、ただのギャンブルに成り下がるだろう。


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2度叩かれて皮膚が柔らかくなったステルヴィオ:5つ☆

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人も馬も普通ではいられない


日本ダービー2019
リオンリオンが思い切った逃げを打ち、高速馬場であることを考慮に入れても、前半1000mが57秒8という速いペースで飛ばした。道中のラップとしても、前半1200mが69秒8、後半1200mが72秒8だから、かなりの前傾ラップといえる。しかし、隊列を見るとまた違った風景が見えてくる。

ハイペースで逃げたのはリオンリオンだけで、2番手のロジャーバローズは平均ペース、その後に続く集団はややスローペースとそれぞれが別のレースをしていたことが分かる。結果的に見ると、ロジャーバローズが最適なペースで走っていたということだ。後続集団はせめて前にいないと勝負にならなかった。

勝ったロジャーバローズは、ディープインパクト産駒らしくなく一瞬の切れ味に欠ける馬だけに、道中も積極的に攻めて、後続を待つことなく早めに仕掛けたことが勝利につながった。さらに言うと、内枠を引けたことが最大の勝因である。勝ちポジを走れたことで、この馬の能力が最大限に生きた。

馬場やポジション、走ったコースの全てに恵まれたことは確かでも、もともと能力の高い馬だからこそ、運を掴むことができた。角居調教師としては複雑な気持ちだろう。圧倒的な人気に推された僚馬にとっての敗因が、ロジャーバローズにとっての勝因となったのだから。ダービーは運の良い馬が勝つのだ。

浜中俊騎手は人気薄の気安さもあっただろう、狙っていたプラン通りの、これ以上ない騎乗ができたはず。岩田康誠騎手を背に、ディープブリランテが高速馬場を粘り込んだ2012年のダービーに良く似ている。人気馬であればあるほどジョッキーは慎重になるので、こうした捨て身の騎乗が功を奏するのである。

惜しくも敗れたダノンキングリーは絶好のポジションを走り、戸崎圭太騎手の仕掛けのタイミングも抜群で、持てる力を出し切れた。最後にもうひと伸びできなかったのは、スタミナが足りなかったからである。2000mでも長いぐらいの馬であり、マイル前後の距離で走れば極上の切れ味を発揮できるはず。

ヴェロックスは外枠が響き、道中外を回らざるを得なかった分、最後に伸びあぐねてしまった。もう少し前の内目にポジショニングしたかったが、よほど強引に行かなければ、前につけることも、内に入ることも難しかった。後にも書くが、外枠を引いてしまったことで勝てない日本ダービーとは一体何なのか。

サートゥルナーリアは、馬場入りから入れ込み始め、精神状態が不安定なままゲートに入り、ゲート内でおかしな格好をしているところをスタートが切られてしまった。あれだけ落ち着いていた馬が、ダービー直前に入れ込み始めるとは、陣営にとっては悪夢のようだったに違いない。なぜ入れ込んだのか、サートゥルナーリアがこれまで負け知らずで来たからだと私は思う。無敗のダービー馬を誕生させるため、陣営にかかっていたプレッシャーはいかほどのものだったか。絶対に負けられないと追い詰められた人間の精神状態は馬にも伝わる。知らずのうちにサートゥルナーリアをも追い込んでしまっていたのだ。

あのディープインパクトでさえも、ダービーではパドックからずいぶんと入れ込んでいた。生涯一度も負けたことのない馬で、圧倒的な人気を背負って日本ダービーに臨むというのは、そういうことだ。関係者でなければ分からない、計り知れないプレッシャーが人馬を襲う。人も馬も普通ではいられない。

サートゥルナーリアは入れ込んで、道中力んで走ってしまったため、最後はスタミナが尽きてしまった。いつも通りリラックスして走れたら、もうひと伸びできたはず。この中間、見た目でも分かるぐらい筋肉量がアップしていたのもスタミナ切れを誘発する原因にもなったかも。これでは凱旋門賞は難しい。

ダミアン・レーン騎手は、批評する必要もないほどの拙騎乗。気が進まないまま書くと、安全に乗ろうとしすぎて新人騎手のような立ち振る舞いであった。遅れたなら腹をくくって内ラチ沿いを進めば良かったし、実際にスペースもあった。内で包まれることを嫌うから、意識は外に出すことばかりに行く。

結局、外々を回らされて、スタミナを削られて、脚を失ってしまった。具体的に言うと、第1コーナーを回った直後に内が空いていたところに入っていたら結果は違ったはず。このタイミングで入らなかったから、後ろにいたニシノデイジーに内を取られてしまい、二度と内ラチ沿いを走ることはなかった。

もしかすると、レーン騎手は東京2400mの勝ち方も教えられていないし、なぜ今回負けてしまったのか理解できていないかも。日本の高速馬場、しかも当日のような超高速馬場で外を回してしまうことが何を意味するのか。冷静で有能なジョッキーではあるが、これが競馬場を知らないことの怖さである。

最後に書いておくと、今年の日本ダービーはサートゥルナーリアやレーン騎手が悪いわけではなく、もちろんロジャーバローズや浜中騎手悪いわけでもなく、なぜ関係者が複雑な表情を浮かべているかというと、勝つためのポジションがひとつしかないアンフェアな馬場であったから。超高速馬場が生んだ悲劇。

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距離延長は歓迎のヴェロックス:5つ☆

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血のなせる業


オークス2019―観戦記―
ジョーディーが最内枠を生かして先頭に立ち、前半1000mが59秒1、後半が59秒2のイーブンペースでレースを引っ張った。タイムが速いからペースも速く映るが、前後半を比べてみると、それほど速いペースではない。もちろん3歳牝馬にとっては厳しい、実力と底力が反映されるレースであった。

ラヴズオンリーユーは、スローに流れなかったことが最大の勝因である。前走見せていた掛かる面も全く見せずにキッチリと折り合っていたし、外枠も不利にならなかった。仕上がりは万全であったが、まだ馬体に幼さを感じさせる馬であり、最後グッと伸びたのは血統のなせる業だろうか。馬体が緩いからこそ距離が持つことは確かにあって、ラヴズオンリーユーも最終的には2000mがベストになるだろう。この時期だからこそこなせた2400mだが、だからこそ反動が出る可能性は高い。まだ身体が出来上がっていない時期に、極限のレースを強いられて限界を超えてしまうことは実は裏表である。

ミルコ・デムーロ騎手は先行する有力馬を前に見ながら、道中はラヴズオンリーユーとリズムを合わせることだけに専念していた。最後の直線に向いて、グッと伸びた瞬間に勝ちを意識したはず。結果的にみて、2着馬との差はゴーサインのタイミングであり、ワンテンポ待てたデムーロ騎手に軍配が上がった。

カレンブーケドールは、横綱相撲で先に抜け出したところ、最後に捕まえられてしまった。これで負けたら悔いなしという仕掛け。正直、これほどまでに強いとは思っていなかった。大事に使われてきたからでもあり、ディープインパクトの血が騒いだとも言える。社台ファーム生産馬にも頑張ってもらいたい。

クロノジェネシスはゴールまで踏ん張ったが、伸び切れなかった。北村友一騎手は完璧に乗っており、この馬も力を十全に発揮した。欲を言えば、もう少しペースが遅ければ、内の2、3番手のポジショニングが生きたはず。あと少しのところまで手が届いているが、やはりG1レースを勝つことは簡単ではない。

ウィクトーリアは後方から良く伸びて4着。まだ線の細さが残る馬体だけに、夏を越して秋が楽しみな馬の1頭である。ダノンファンタジーは距離が長かったか。ペースがもっと遅くて、上がりが33秒台のレースであればチャンスはあったはず。コントラチェックは気持ち良く行きすぎてバテてしまった。

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桜花賞からの間隔がプラスに出たクロノジェネシス:5つ☆

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オークスを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■オークスを勝つための条件
牝馬クラシックにおける、桜花賞1600m→オークス2400m→秋華賞2000mという距離の伸縮には少なからず問題点があるだろうが、実際のところ、オークスは2400m戦のレースであっても、内容(実質)的には1600m~2000m程度のものになってしまうことが多い。なぜなら、どの馬にとっても2400mは未知の距離となるため、各騎手に前半大事に乗ろうという気持ちが働き、ペースが遅くなるケースが多いからである。道中はゆっくりと行って、ラストの瞬発力勝負というレースになりがちで、そのため、オークスを勝つために条件となるのは、「スローペースに折り合える」、「瞬発力がある」という2点となる。

■2■桜花賞組が有利
また、桜花賞からの直行組の活躍が顕著なのは、桜花賞組の完成度が高いからである。スローペースに折り合うことができれば、たとえマイラーでもオークスの2400mは十分にこなせてしまう。最終的に問われるのは「絶対能力」であり、桜花賞で勝負になるだけのスピード(瞬発力を含む)、スタミナがあれば、それがそのままオークスでも十分通用してしまう。よって、別路線組よりも完成度(現時点での「絶対能力」)がはるかに高い、桜花賞組が有利になるのである。

■3■桜花賞→オークスの連覇が少なかった理由
なぜ桜花賞→オークスという連覇が少なかったかというと、 1、桜花賞馬はスピードが勝っている傾向があった 2、桜花賞で力を出し尽くしている という2点が考えられる。
1については、阪神競馬場が改修される以前の桜花賞を勝つような馬は、全体的なバランスとしてスピードが勝っている傾向が強かったので、「スローペースに折り合える」「瞬発力がある」のどちらかを満たしていないことが多かった。もちろん完成度が高いため好走はするのだが、それだけではオークスを勝ち切ることは難しい。

2については、桜花賞を勝つために力を出し切ってしまった馬が多く、1ヶ月半後のオークスまで体調を維持することができないことが多い。この時期の牝馬の体調は変わりやすいのである。つまり、余力を残して桜花賞を勝つか、余程能力が他馬と比べて抜けているかでないと、桜花賞→オークスという連覇は難しい。
阪神競馬場が大幅に改修されて以降の桜花賞馬の次走を見てみると、

2007年 ダイワスカーレット→ローズS1着
2008年 レジネッタ→オークス3着
2009年 ブエナビスタ→オークス1着
2010年 アパパネ→オークス1着
2011年 マルセリーナ→オークス4着
2012年 ジェンティルドンナ→オークス1着
2013年 アユサン→オークス4着
2014年 ハープスター→オークス2着
2015年 レッツゴードンキ→オークス10着
2016年 ジュエラー→ローズS11着
2017年 レーヌミノル→オークス13着
2018年 アーモンドアイ→オークス1着

と少しずつ桜花賞馬とオークスが直結しつつあることが分かる。

阪神競馬場の改修を境として、桜花賞を勝つために求められる条件が一変した。つまり、仕上がりが早く、スピードの勝った馬が有利だったが、今やスローペースにしっかりと折り合えて、瞬発力に秀でていて、クラシックを目の前にしてグンと成長してくる馬が有利になったのだ。しかも、マイル以上の距離を走ることのできるスタミナの裏づけが必要になってくる。これらの条件を満たして桜花賞を勝利した馬は、よほど体調を崩してしまわない限り、距離が延びても同じ適性が問われるオークスで凡走することは考えにくいということになる。

■参考として
1)1600m以上のレースで連対したことのない馬は×
2)たとえ桜花賞であろうとも、前走が着外であった馬は×
3)重賞未経験の馬は×
4)連対率が50%以下の馬は×
5)桜花賞のあとレースを使った馬は×

 

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馬ではなく騎手で買う意味

ヴィクトリアマイル2019―観戦記―

アエロリットが堂々とハナに立ち、前半マイル44秒8、後半マイルが45秒7というハイペースに近い流れでレースを引っ張った。自身が瞬発力勝負になると分が悪いと分かっていても、速いペースで走るのは勇気が要るだけに、さすが横山典弘騎手。スタミナも問われるレースになった。

勝ったノームコアはここ数戦、前が詰まって脚を余らせたりと、勝ち切れないレースが続いたが、今回は完璧なレースをして力を示してみせた。このペースでこれだけのタイムで走ったのだから、スピードとスタミナを兼ね備え、4歳世代だけではなく古馬牝馬の頂点に立つ馬に相応しいことを証明した。

3歳秋時点から素質の高さは見て取れたが、正直に言うと、ここまで強い馬とは思っていなかった。ハービンジャー産駒らしく、古馬になってグッと成長したことを、ここ数戦の走りで見過ごしてしまっていた。厩舎関係者は手応えを掴んでいたはずで、5番人気は見下された評価と感じていたのではないか。ノームコアが成長を遂げたとはいえ、どのあたりがと聞かれると特筆すべきはない。それは悪い意味ではなく、総合力の高い馬であるということ。ひとつ挙げるとすれば、気性の素直さというか穏やかさ、ジョッキーにとっては乗りやすさである。また厳しいレースになったことも、この馬にとっては吉と出た。

ダミアン・レーン騎手は来日3週目にしてG1レースを制してしまった。たしかに馬を御するのが上手で、追って味のあるジョッキーではあるが、まだ凄みまでは感じさせない。若くて賢いから、日本競馬という新しい環境に適応するのも早いのだろう。大レースでも普通に乗れる心の安定も素晴らしい。それでもこれだけ勝てるのは、ノーザンファームのバックアップがあるからである。今回のノームコアも元々はルメール騎手が乗ることになっていたもので、つまりノーザンファームはノームコアにかなり期待をかけていて、それがたまたま回ってきたということだ。馬ではなく騎手で買う意味はそこにある。

プリモシーンは、スタートからゴールまで完璧な走りをして、持てる能力を最大限に出し切った。福永祐一騎手もこれ以上ない騎乗をしている。それでも勝てなかったのは、単純に相手が強すぎたのであり、あえて言えば、枠順の内外がそのままポジション取りにつながり、勝ち負けに直結してしまった。

これ以上走れといっても無理な話で、福永騎手にこれ以上上手く乗れといっても難しいだろう。力を出し切れずに負けるのも悔しいが、全力を出し切って敗れるのも悔しい。これだけ走った後は少なからず反動が出るので、十分な休養を取ってケアしてもらいたい。

クロコスミアは正攻法で攻めて、最後まで伸びてみせた。470kg以上の馬体を誇る馬たちが掲示板を占める中で、この馬だけが440kgと軽量。馬格で明らかに劣るにもかかわらず、ここまで食い下がってくるのはステイゴールドの血のなせる業である。とにかく人智を超えた種牡馬である。

ラッキーライラックも真っ向勝負を挑み、自身の力は出し切って4着に敗れたのだから仕方ない。じわじわと伸びているものの、上位2頭には一瞬にして前に出られてしまった分の負け。この馬にとってはもう少し距離が長い方が合っているし、マイル戦では今回の走りが限界だろう。

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雄大な馬体に完成期が訪れたプリモシーン:5つ☆

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東京競馬場にて2誌コラボ対決をします!

明日11日(土)、「ウマフリ」の緒方きしんさんと、東京競馬場にて馬券対決をします!名づけて“2誌コラボ対決”。私も「ROUNDERS」の看板を背負って、誇りと意地を賭けて闘います。ルールはシンプルで、東京1Rからスタートし10Rまで単勝1点勝負。メインの京王杯スプリングカップはそれまでのプラス分も含めて購入でき、しかも券種は自由。1レースの予算は1000円で、11Rまでのトータルでの収支を競います。大穴が1回当たっただけで勝負がついてしまうこともなく、下手に小細工することもできないため、馬を見ることができて、馬を知っている者が勝ち残る、まさにガチンコ対決となりそうです。

2誌コラボ対決の模様は、それぞれのツイッターで実況しますので、皆さんの馬券ライフの片手間に観ていただき、参考にしていただければ幸いです。#2誌コラボ対決とハッシュタグをつけて、レースごとに予想と結果、収支をつぶやいていきます。途中でどんよりとしたり、ネガティヴなツイートになってしまっても見過ごしてください(笑)。

単なる馬券対決だけでは面白くないので、負けた方は罰ゲームとして、無茶ぶりテーマの短期連載を勝った方のサイトにて行うことにします。私が勝った場合は、緒方きしんさんに無理難題を与えて、「ROUNDERS」に原稿を書いてもらおうと思っています。千葉セリが行われる船橋競馬場で最前列に座っている吉田照哉さんに突撃インタビューしてもらうとか。まあそれは冗談として、とにかく負けたくないので、本当に久しぶりに前夜から予習をしています。

「ウマフリ」と「ROUNDERS」2誌コラボ対決
★ルール
①1〜10Rは単勝一点勝負
②メインはこれまでのプラスを含めて買える。券種は自由
③1レースの予算は1000円

★罰ゲーム
負けた方は勝った方の無茶振り短期連載を勝った方のサイトで実施。

最後に、「ウマフリ」とは競馬(ウマ)のフリークが贈る、競馬(ウマ)を自由(フリー)に楽しむための、競馬(ウマ)のWEBフリーペーパー&ブログです。「競馬の楽しさを、すべての人へ」というモットーで、読み物として競馬の楽しさを伝えてくれています。絶滅の危機に瀕している読み物系の競馬ブログとして、共感するところがあり、同じ志を抱く者として応援せざるを得ません。緒方きしんさんにお会いしたとき、昔の自分を見ているような気がして、私ももっと前に進んでいかなければならないと励まされました。互いに力を合わせて競馬を盛り上げたいと思います。

■ウマフリ公式ブログはこちら
Umafre

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