ダービー馬が秋初戦は好発進しても2戦目以降が続かない理由

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秋競馬が始まり、この時期になると凱旋門賞関連の話題を目にすることが多くなる。今年はサトノダイヤモンドとサトノノブレスの2頭が出走することになり、前哨戦のフォア賞こそ惨敗してしまったが、それでも大きな期待をしないわけにはいかない。

昨年の凱旋門賞を思い起こしてみると、サトノダイヤモンドと同世代のダービー馬であるマカヒキの敗北に、言葉を失った競馬ファンも多かったはず。珍しくレースで行きたがり、折り合いがつかなかったことに加え、馬群の外々を回されて脚を失ってしまった。最後の直線に向く頃には、すでに余力はなく、クリストフ・ルメール騎手のゴーサインにも反応しなかった。展開の綾やコース取りによって敗れたということではなく、外国馬とは力差が開いていたということでもない。マカヒキ自身が力を出し切れる状態になかったという負け方であった。

父ディープインパクトの敗戦から10年の歳月を経て、過去の凱旋門賞における日本馬の敗戦を糧に、考え得る限りの対策が施されていたことは確かである。3歳馬にとって有利な斤量設定になっていることを踏まえ、3歳のうちに海を渡った。ぶっつけ本番では厳しいため、前哨戦の二エル賞を使った。フランス競馬におけるコースや馬場、戦略を知り尽くしているジョッキーに手綱を委ねた。全幅の信頼と安全が確保されている厩舎に馬を入れた。できる準備はすべて行なっての挑戦であった。

ただひとつだけ、どうしようもない不安はあった。その不安とは、日本ダービーを勝ったあとは、目に見えない疲れが出てしまうということである。過去の日本ダービー馬を思い返してみると、その年の秋シーズンは、不振に陥っている馬が多いことに気づく。ディープインパクトやオルフェーヴルといった3冠を獲るような馬は別にして、ほとんどの普通のダービー馬は、極度の疲労から回復するのに時間を要して秋シーズンを棒に振ってしまったり、ひどいケースだとさっぱり走らなくなったり、怪我をしてそのまま引退してしまうこともある。日本ダービーにおいて、究極の仕上がりで極限のレースを強いられたことで、肉体的にも精神的にも燃え尽きてしまうからである。

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万全の仕上がりレイデオロ:5つ☆

★神戸新聞杯
レイデオロ →馬体を見る
春当時に比べて、馬体に幅が出て、全体のバランスもさらに良くなった。
腹回りに少し余裕があるが、休み明けとしては仕上がりは万全だろう。
Pad5star

マイスタイル →馬体を見る
父ハーツクライもそうだったが、夏を越してもまだ線の細さが残っている。
手脚には十分な長さがあって、距離が延びてこその馬だけに次走に期待。
Pad3star

ダンビュライト →馬体を見る
春に比べると、首差しが長くなっており、距離が延びても良い馬体になった。
それでも筋肉量の多い馬体は相変わらずで、2400mぐらいが限界か。
Pad3star

サトノアーサー →馬体を見る
他のメンバーに比べると、手脚がやや短く、重心が低い重厚感のある馬体。
前後のバランスも良く、筋肉のメリハリも十分だが、距離が延びて疑問が残る。
Pad4star

カデナ →馬体を見る
前駆の力強さや繋や蹄の立ち気味な感じは、母父フレンチデピュティ譲りか。
いかにもパワーに溢れた馬体であり、馬体的には距離が延びてプラス材料はない。
Pad3star

キセキ →馬体を見る
走り始めると弾けるような馬体に映るが、立ち姿にはまだ幼さが残っている。
前駆に劣らずトモにも実が入ってきて、成長途上だが現時点では十分な仕上がり。
Pad3star

★オールカマー
タンタアレグリア →馬体を見る
首差しがスッと長く伸びて、胴部や手脚にも十分な長さがあって、バランスが良い。
顔つきからも調子の良さが伝わってきて、申し分のない仕上がりにある。
Pad45star

モンドインテロ →馬体を見る
前駆には力強さが漲っているが、それに比べて、トモの肉付きに物足りなさがある。
余分な肉はついていないが、毛艶はそれほど冴えず、ギリギリの仕上がりになる。
Pad3star

ツクバアズマオー →馬体を見る
休養をはさんで馬体はリフレッシュできたのか、毛艶と筋肉の張りは素晴らしい。
その分、馬体全体のバランスは崩れており、もう少し立ち姿から力が抜ければ。
Pad3star

アルバート →馬体を見る
いかにも休み明けらしいふっくらとした馬体で、ひと叩きして、狙いは次走だろうか。
全体のバランスは良く、筋肉量が多く、ステイヤーとしては珍しい見栄えのする馬体。
Pad3star

ルージュバック →馬体を見る
古馬になってもそれほど馬体が成長しなかったように、線の細さが目立つ。
とはいえ、この馬はバネで走るタイプだけに、見栄えがしなくても力は出し切れる。
Pad3star

ステファノス →馬体を見る
相変わらず良く見せるタイプの馬であり、今回は特に前駆の力強さが伝わってくる。
その分、トモの肉付きに物足りなさを感じるが、休み明けとしては及第点の仕上がり。
Pad4star

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神戸新聞杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Koubesinbunhai

■1■とにかく前走ダービー上位組
過去10年のうち、前走ダービー組から8頭の勝ち馬が出ている。連対馬にまで対象を広げても、20頭中14頭が前走ダービー組である。さらに日本ダービー優勝馬は【4・2・0・0】連対率100%、2着馬は【3・2・0・3】連対率62%以上と抜群の成績を残している。紛れのない府中2400mで行われるダービーで勝ち負けになった馬は、たとえ休み明けでも確実に勝ち負けになる。とにかく、ダービー上位組を狙うべきレースである。

■2■瞬発力があり、先行できる馬に有利
阪神2400mはスタートしてから最初のコーナーまでの距離も長く、休み明けの馬が多いこともあってスローペースは否めない。そして、緩やかな3~4コーナーをゆっくり回るため、どうしても直線に向いてからのヨーイドンの競馬になる。当然のことながら、先行できる馬にとって有利になり、「折り合いに不安のある馬」、または「瞬発力のない馬」にとっては苦しくなる。枠順としては、スローになる分、どちらかというと内枠有利。

■3■さほどスタミナは問われない
2007年から距離が400m延長されたが、この時期の芝は軽いことや、阪神2400mコースの特性上、さほどスタミナを問われるレースにはならない。よって、前走ダービー上位組以外を狙うのであれば、夏を越して力をつけてきたステイヤーを狙うのではなく、ただ単純に夏の上がり馬を狙うだけでよい。上がり馬だけに、前走で勝っていることは最低条件になるだろう。


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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第28回)

Hitokuti281

クインアマランサスがノーザンファームしがらきに放牧に出され、すでに4か月が経とうとしている。もう1度、馬をつくりなおしていることが分かるし、厩舎長のコメントからも成長が伝わってくる。「これからどんどん良くなってくると思いますよ」、「いい具合に成長しているなと実感します」という言葉からは、それが定型文だと分かっていても、遥かなる期待を抱かないわけにはいかない。やはり1勝して、こうして時間を掛けて成長を促すことができることは大きい。「この秋は一気にオープンまで行くと思うよ」と周りの競馬友だちに話すと、フンと鼻で笑われるが、私の内心では半分本気でそう思っている。

クインアマランサスは順調に成長している一方、もう1頭の出資馬である2歳馬ジャスパーゲラン(父フレンチデピュティ)の調教が頓挫してしまっており、デビューの見通しが立っていない。調教→放牧中に怪我→調教再開→放牧中に怪我→怪我が治ってきたと思いきや左前肢に骨瘤が出るという流れで、現在はウォーキングマシンとトレッドミルのみで調整している。岡田牧雄さんからも「丈夫な馬だと思う」と聞いていたし、ノルマンディファームのスタッフの方々も「動く馬」と評価してもらっているだけに、何とかアクシデントを乗り越えてくれることを切に願う。

比較的早い時期にデビューできると踏んでいたジャスパーゲランが、こうして遅々として足踏みをしているのを見ると、2歳夏の時期からデビューできるサラブレッドは、ただそれだけでエリートなのだと思うようになった。競走馬としてターフの上を走るだけでも大変な馬もいる中、早い時期から厳しい調教に耐え、怪我や病気、アクシデントを乗り越え(もしくは回避し)、ゲートインできることがどれだけ凄いことか。かつては夏競馬でデビューする馬は早熟で尻すぼみだと勝手に見下ろしていたが、そうではないのだ。早い時期にデユーできる彼ら彼女らはエリートである。これは一口馬主を始めて分かったことのひとつだ。

それにしても、ジャスパーゲランは馬体重が増え、良い体つきになっている。前駆に力強さがあり、トモにも実が少しずつ入ってきて、全体のバランスが整ってきている。顔つきも凛々しく、筋肉にも柔らかみがある。実はジャスパーゲランの2つ上の兄サウンドフォース(父ダイワメジャー)は、千葉サラブレッドセールで1番時計を出して高値で買われた馬であり、デビュー前の調教であのワンダーアキュートに先着したという素質馬であった。残念ながら大成することはなかったが、祖母メガミゲランから伝わるスピードや走る資質は確かなのだ。時間が掛かってもいい。アクシデントや怪我を乗り越えて競走馬としてデビューし、とにかく無事に走り続けてもらいたい。そうすれば、同じ高野友和厩舎から、私の出資馬でもある2頭のダート馬が、重賞レースにそろい踏みする日は来るのではないか。

Hitokuti282

Photo by 三浦晃一

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ダービーの内容から種牡馬としての活躍を占う

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18世紀に英国でダービーが発明されて以来、ホースマンたちはダービーを勝利するために、サラブレッドを配合、生産、馴致、調教し、レースで競わせてきた。ダービーは最大の栄誉であり、その一方で、後世に血を残すべき種牡馬を選抜するためのレースでもあった。「ダービー馬はダービー馬から」という表現があるように、目指すべきレースがダービーであるならば、ダービーを勝った馬が最高級の評価を受けるのは当然であり、ダービー馬の血はのちのダービー馬へと受け継がれてゆく。

とはいえ、全ての世代のダービー馬が最も強く、その血脈を繁栄させていけるわけではない。ダービー馬の中でも種牡馬としての選抜競争が行われ、良質な産駒を誕生させることができなければ、たとえダービー馬とはいえ淘汰されてしまうのが現実である。さらに惜しくもダービー馬になれなかった馬たちの中からも、高い競走能力を秘めていて、種牡馬になってから産駒が走ることでそれを証明する種牡馬も現れる。

そこで、どの世代のダービー馬が種牡馬として名を成すのか、またダービー馬になれなかった馬たちの中からも種牡馬として血をつなげてゆくのはどの馬か、私たちは馬券を買う上でも一口馬主として出資する上でも知っておきたいところである。今回はダービーをどのように評価するかという視点を軸に、種牡馬として成功する馬を占ってみたい。

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馬体がふっくらと仕上がったファンディーナ:5つ☆

★ローズS
ファンディーナ →馬体を見る
春シーズンに無理をさせなかったことで、馬体がふっくらとして仕上がった。
前後のバランスも、筋肉の柔らかさやメリハリも素晴らしい。
Pad5star

レーヌミノル →馬体を見る
比較的すらっとして、馬体は薄く、ダイワメジャー産駒らしからぬ体型を誇る。
その分、単なる短距離馬ではなく、距離も2000mぐらいまでなら。
Pad4star

モズカッチャン →馬体を見る
重心が低く、全体的に筋肉量が多いため、どっしりとして映るのが特徴。
毛艶は良く、筋肉の柔らかみがあり、休養を挟んで疲れは完全に癒えた。
Pad4star

リスグラシュー →馬体を見る
春当時も幼さを残していたが、夏を越してもあまり大きくは成長していない。
腹回りには余裕がなく、もう少しふっくらしている方が仕上げやすいはず。
Pad3star_2

カラクレナイ →馬体を見る
胴部には十分な長さが出てきているように、本質的には中距離馬なのでは。
やや前駆が勝っているため、今回もある程度は後ろの位置からの競馬になる。
Pad4star

★セントライト記念
クリンチャー →馬体を見る
胴部がコロンとして詰まって映るように、パワータイプの馬体を誇る。
力強い馬体を生かしてどこまで走るかだが、ダートの方が良さが出そうなタイプ。
Pad3star_2

ミッキースワロー →馬体を見る
筋肉量が豊富で、メリハリも素晴らしく、菊沢厩舎らしい馬体になっている。
もうひと絞りできれば完璧であり、馬体全体のバランスも良い。
Pad4star

アルアイン →馬体を見る
春当時からある程度完成されていたので、夏を越して大きく変わった感はない。
各パーツに余裕は残しているが、付くべきところに筋肉が付いて走れる仕上がり。
Pad3star_2

サトノクロニクル →馬体を見る
こちらは胴部がやや詰まって映るように、ハーツクライ産駒にしては伸びがない。
顔つきを見ると、気性の難しさが伝わってきて、スムーズにレースができるかどうか。
Pad3star_2

プラチナヴォイス →馬体を見る
首差しが長く、馬体全体に長さがあって、距離が延びても対応できそうな好馬体である。
前駆だけではなく、トモにも十分な筋肉がついて、このメンバーでも十分に通用しそう。
Pad4star

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セントライト記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sentolite

■1■夏の上がり馬に注目
9月競馬全般に言えることだが、この時期はまだまだ暑く、休み明けの馬にとっては調整が難しいため、レースに行っていきなり能力を発揮しづらい。セントライト記念の傾向として、夏にレースを使っていた馬の活躍も目立ち、ダービー以来の休み明けで勝った馬は、過去10年で5頭と勝率50%のみ。力が抜けている馬であれば別だが、休み明けをいきなり勝つのは案外難しい。2010年は夏にレースを使ってきた馬がワンツーフィニッシュを決めたように、好配当を期待するならば、夏の上がり馬にまず注目すべきレースである。

■2■切れよりも地脚の強い馬
中山2200mは、2コーナーが丘の頂上となっていて、そこからゴールまで緩やかな下りが続く。3コーナーが軽く舵を切るだけで曲がれるため、2コーナーから4コーナーまでは500mの擬似直線と考えることも出来る。そのため、3コーナー付近からロングスパートのレースになりやすく、距離以上のスタミナを要求されることになる。一瞬の切れを武器にする馬ではなく、良い脚を長く使える地脚の強い馬を狙うべきである。

■3■前に行ける馬を狙え
これも9月競馬全般に言えることだが、この時期だけは夏の間にしっかりと養生されたことで、芝がしっかりと根を張った野芝100%の状態になっているため、多少のハイペースで行ってもなかなか前の馬は止まらない。これに中山競馬場の直線の短さが加わって、差し・追い込み馬にとってはかなり苦しいレースになる。ただし、ロングスパートでスタミナが問われることがこたえるのか、逃げ切りも意外と難しい。つまり、前に行ける先行馬、もしくは3~4コーナーまでに好位を確保できる馬にとって有利なレースになる。

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ローズSを当てるために知っておくべき3つのこと

Roses

■1■前走オークス組と夏の上がり馬がほぼ互角
過去10年の勝ち馬の前走を見ると、G1オークスもしくは桜花賞以来の馬が9頭、条件戦からは2015年のタッチングスピーチ1頭のみ。休み明けでも実績馬に分がある。連対馬に手を広げても、G1オークス(もしくはNHKマイル)以来が5頭、条件戦(もしくはG2・3)からが5頭と、こちらはほぼ互角となる。

これは、牝馬は総じて仕上がりが早いということに理由があるだろう。この時期であれば、基本的には夏にレースを使っていた馬が有利なのだが、たとえ休み明けであっても、春の実績馬がある程度までキッチリと仕上がって出走してくるということである。つまり、春のクラシックを走ってきた実績馬が夏の上がり馬と五分に戦える舞台となっている。

■2■紛れが少なく、内枠有利なコース設定
改修後の阪神1800mは、スタートしてから最初のコーナーまでの距離が長く、直線も長いため、
激しい先行争いもなく、極めて紛れの少ないコースといえる。別の言い方をすると、ごまかしが利かないため、スタミナのないマイラーでは苦しい。また、コーナーを緩やかに回るので、馬群が固まりやすく、外枠を引いた馬は外々を回されやすい。内枠を引いた馬が有利である。

■3■瞬発力勝負に強い馬
改修後の阪神1800mコースの特性上、どうしても道中がスローで、最後の直線に向いての瞬発力勝負になりやすい。そういった意味では、前に行ける先行馬にとって有利となるが、後方からでも瞬発力に優れていれば差し切れる。

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もし本気で凱旋門賞を勝ちたいなら

凱旋門賞への前哨戦フォア賞にて、サトノダイヤモンドが4着と惨敗した。そのこと自体は大きな問題ではないし、特に何も思わない。サトノダイヤモンドが肉体的にも精神的にも仕上がっていなかったことに加え、ただでさえ深い洋芝に、雨が降ったことで馬場が極端に重くなったことが影響しての凡走である。フォア賞で仕上げすぎても凱旋門賞に向けての上積みはなくなるし、馬場に関しては、本番前に良い経験ができた、また本番が今回のような重馬場でなくて良かったと考えることもできる。前哨戦はあくまでも前哨戦であり、凱旋門賞でサトノダイヤモンドの走りができればそれで良いのだ。

とはいえ、私は今年に入ってから、凱旋門賞を勝つのは私たちが考えている以上に難しいのではないかと思うようになった。そんなことはずっと昔から分かっている、と言われるかもしれない。古くは野平祐二氏がスピードシンボリで凱旋門賞に臨んだ時代から、エルコンドルパサーやディープインパクト、オルフェ―ヴルを経て、昨年のマカヒキまで、日本馬がヨーロッパ競馬の頂点に立つことの困難は十分に承知の上で、だからこそ高い壁を乗り越えようとして挑戦し続けてきた。その間に日本の競馬は大きくレベルアップし、すぐそこの手の届くところに凱旋門賞の栄冠があるように感じられるようになった。気がつかぬうちに、日本の馬はすでに世界レベルまで達してしまったのだ。ただし、そのことと日本馬が凱旋門賞を勝つことは全く別の話なのではないか。

私は小さい頃から野球が大好きで、今でもWBC(ワールドベースボールクラシック)だけは毎回欠かさず楽しみに観ている。今年の日本チームの準決勝における敗戦に対する桑田真澄氏の見解を読み、はっと驚かされた。私がずっと不思議に思いつつ、モヤモヤと心にかかっていた霧が一気に晴れたような気がした。日本馬の凱旋門賞への挑戦にもまさに同じことが当てはまるのである。

小久保裕紀監督が言うように、日本の選手はみんなよくやっていたと思います。課題として挙げるとしたら、選手のプレーを取り巻く環境面についてですね。

WBCの決勝トーナメントはアメリカで行われます。それが事前にわかっているにも関わらず、日本球界は環境の違いに適応する準備が至らなかった。準決勝のエラーも、野手の経験不足が誘発したものだと思います。
 
大一番を落とさないためには、たとえば広島のマツダスタジアムのように内野を天然芝にするとか、土も黒土ではなく硬いアンツーカーを採用するとか、できるだけアメリカと同じ環境を整えないといけません。現状では各球団、球場で考え方に任せているのでしょうが、日本球界が本気になって世界一奪還を掲げるのであれば、選手に頑張れと言うだけではなく、関係者が一丸となってプレー環境を整備することも大事ではないでしょうか。

国際大会のたびにマウンドの硬さやボール、グランドの違いに慣れないといけないのは選手にとっても酷ですし、そういう作業は正直ムダです。国際試合を通じて日本の競技力を高めるというより、アメリカを中心とした海外の環境に適応するだけで大会が終わってしまう。そんなムダを省く努力が、日本球界では急務だと僕は思っています。
(Sportsnavi「桑田真澄氏が見たWBC」より)


札幌記念を使って、日本である程度まで仕上げてから、ぶっつけ本番で凱旋門賞に臨むのと、現地にできるだけ長く滞在して、フォア賞などのステップレースを叩いてから本番に臨むのと、勝つためにはどちらが良いのかというレベルの議論ではないということだ。個人的には後者がより勝つチャンスは広がると考えているが、2013年に完璧な準備をして挑んだ最強馬オルフェ―ヴルが2着に敗れたとき、それだけでは足りないのだと知らされた。

その答えはつまり、できるだけ凱旋門賞が行われるヨーロッパ競馬と同じ環境に日本の競馬を近づけるということだ。ぶっつけ本番かステップレースを使うかという小手先の議論ではなく、芝の種類から丈、コースの起伏など、普段行っている日本の競馬の環境自体をつくり変えるぐらいの転換をしなければ、凱旋門賞は勝てないということだ。気候や風土が違うと言ってしまえばそれまでだが、もし本気で凱旋門賞を勝ちたいならば、遠征する馬や騎手、調教師に頑張れと言うだけではなく、日本競馬界の関係者が一丸となって環境整備をしなければならないのである。

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世界に通用する馬づくりに想いを馳せて馬券を買ってみる

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2016年よりJRAで海外競馬の馬券が買えるようになり、競馬ファンの世界の競馬への関心はますます高まりを見せている。私はかねてより、馬券を買えないことによる世界の競馬との断絶は大きな問題であると考えていた。それが解消されつつある今、日本の競馬ファンの後押しを受けつつ、日本の馬や騎手たちはもっと軽やかに海を越えて、さらなる活躍を見せてくれると願っている。

昨年、最も印象的であったのは、ラニがケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSというアメリカ3冠レースに出走し、9着、5着、3着と健闘したことであった。スキーキャプテンがケンタッキーダービーに挑戦し、レースについて行くことさえできず、真っ白い馬体を泥んこで真っ黒にして戻ってきたシーンが思い浮かび、この20年間における日本競馬の確実な進歩を肌で感じ、じわじわと喜びがこみ上げてきた。ラニだけではない。エイシンヒカリもフランスのイスパーン賞を10馬身差で圧勝し、ロンジンワールドベストホースランキングで世界首位に立った。香港マイルとチャンピオンズマイルを圧勝したモーリスもそうだ。

これら3頭に共通しているのは、サンデーサイレンス(以下、SS)の血が入っていることであろう。ラニは母の父に、エイシンヒカリは父の父に、モーリスは父の母の父に、SSが鎮座している。これはSSの血が日本の競馬を席巻したことの現れであり、かつSSの血を引く馬たちが、その血脈をさらに発展させていることを意味している。世界に通用するする馬たちの体内に、SSの血が確実に流れていることを偶然と見るか、必然と見るかは、解釈によって異なるだろう。私はこうしてSSの血があらゆる血脈の末端まで及び、新しい血をさらに活性化し、異系の古びてしまっていた血を蘇らせていることに素直に驚いている。

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いよいよ完成期を迎えたグランシルク:5つ☆

★セントウルS
ファインニードル →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入り、胴が詰まって、いかにもスプリンター体型。
とにかく筋肉のメリハリが素晴らしく、絶好調の出来で走れる。
Pad4star

メラグラ―ナ →馬体を見る
胴部に伸びが出て、距離はもう少し長くても十分に走れそうなシルエット。
表情を見ると大人しい牝馬であることが伝わってきて、好不調が見極めにくい。
Pad3star

ダンスディレクター →馬体を見る
高齢馬の長期休養明けとは思えない充実した馬体で、初戦から仕上がりは良い。
あとは気持ちの問題だけだが、顔つきを見ると闘争心は戻っている。
Pad3star

フィドゥーシア →馬体を見る
ふっくらとしていて、使ってきているとは思えないフレッシュな筋肉を誇る。
顔つきはやや幼いが、馬体全体のバランスは優れていて、走る馬のそれである。
Pad4star

スノードラゴン →馬体を見る
さすがに9歳馬ということもあって、全盛期と比べると筋肉量が落ちている。
それでも柔らかみは失っておらず、この馬の力は発揮できる仕上がりにある。
Pad3star

ラインミーティア →馬体を見る
いかにも短距離馬という胴詰まりで、重心が低い体型のため、距離延長はマイナス。
それでも、前走の好調をそのまま維持しており、末脚を生かす競馬がはまるか。
Pad3star

★京王杯AH
ロードクエスト →馬体を見る
古馬になって、付くべきところに筋肉がついてきて、力強さは増している。
相変わらず顔つきは気性の悪さを残しているが、スムーズに走れたら面白い。
Pad3star

グランシルク →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入ってきて、いよいよ完成期を迎えた。
首もスラリと長く、馬体全体にも伸びがあって、マイル戦以上でこそ。
Pad5star

ダノンプラチナ →馬体を見る
若駒の頃からそれほど変わっていない馬体で、柔らかさを維持している。
取り立てて強調すべき点はないが、顔つきから気性の良さが伝わってくる。
Pad3star

マルターズアポジー →馬体を見る
コロンとして映るように、前走後に少し楽をさせた影響が残っているかもしれない。
それでも前後躯にはきっちりと実が入っており、簡単には止まらない。
Pad3star

ボンセルヴィーソ →馬体を見る
ダイワメジャー産駒は使っていくと筋肉が硬くなるが、この馬は柔らかみがある。
表情もリラックスしており、十分な休養をはさんだ効果が出ている。
Pad4star

ブラックスピネル →馬体を見る
胴部はコロンとして、もうひと絞りできそうな馬体だが、毛艶は素晴らしい。
特に前躯が力強く、その分トモの肉付きが物足りなく映るのは仕方ないか。
Pad3star

ダノンリバティ →馬体を見る
全体的なバランスの良い馬体を誇り、前に行っても差しても良さが出そう。
筋肉のメリハリもあるように、仕上がりは申し分なく、この馬の力は発揮できそう。
Pad4star

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セントウルSを当てるために知っておくべき3つのこと

Centauruss

■1■内枠の逃げ、先行馬
阪神の開幕週ということもあり、馬場の傷んでいない内の経済コースを通られる馬は当然ながら有利になる。また、馬場が軽くて前が止まらないことや、下記のようにあまり速いペースにならないことが原因となって、阪神1200mコースは最後の直線が356mと比較的短く、逃げもしくは先行馬にとって有利なレースとなる。内枠に入った逃げ・先行馬がいたら、とりあえず狙ってみるのも面白い。

12.2-10.8-10.9-11.0-11.2-12.2(33.9-34.4)M
12.0-10.2-11.1-11.7-12.0-11.6(33.3-35.3)H
12.2-10.5-10.7-10.9-11.1-11.7(33.4-33.7)M
12.0-10.7-11.2-11.5-10.8-11.8(33.9-34.1)M
12.2-10.6-11.3-11.3-11.0-12.1(34.1-34.4)M
12.0-10.3-10.9-11.0-11.2-11.9(33.2-34.1)M
12.0-10.9-10.9-11.0-10.9-11.8(33.8-33.7)M
11.8-10.3-10.8-11.0-11.2-12.3(32.9-34.5)H
11.9-10.8-11.3-11.1-10.9-11.8(34.0-33.8)M
12.3-10.2-10.6-10.8-11.2-12.5(33.1-34.5)H

■2■牝馬の活躍
過去10年間において、牡馬(セン馬含む)が【4・5・4・68】と4勝に対し、牝馬は【6・3・5・37】と6勝を挙げ、優勢的な成績を残している。サマースプリントシリーズの最終戦であり、スプリンターズSの前哨戦でもあるという、複雑な思惑の絡んだレースではあるが、夏競馬の勢いそのままに牝馬の活躍が目立つ。開幕週で馬場が軽いということが理由のひとつであろう。

■3■夏場に使っていた馬
        勝ち馬          前走時期
平成19年 サンアディユ       8月12日
平成20年 カノヤザクラ       7月20日
平成21年 アルティマトゥーレ   7月19日
平成22年 ダッシャーゴーゴー   8月15日
平成23年 エーシンヴァーゴウ   8月14日
平成24年 エピセアローム     8月19日
平成25年 ハクサンムーン     7月28日
平成26年 リトルゲルダ      8月24日
平成27年 アクティブミノル     4月11日
平成28年 ビッグアーサー     3月27日

過去10年の勝ち馬は、アクティブミノルとビッグアーサー以外は7、8月の夏場にレースを使っている。9月のこの時期は、中央開催に戻ってきてはいるものの、まだまだ暑く、休み明けの馬は調整が難しい。どれだけ力のある実績馬であっても、仕上がり途上の段階で、重い斤量を背負いながら、いきなりトップギアでの走りを期待するのは難しい。ここをステップにスプリンターズSに向かう馬VS夏競馬を使ってきた馬という構図になるが、このレースに限っては後者が有利。実績馬よりも、夏場を使っていた馬の方に妙味がある。舞台が阪神に移ったとはいえ、夏競馬の延長線上にあると考えるべきである。

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ギャンブル教育のすすめ

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現代の日本の(学校)教育において足りないのは、介護・福祉教育とお金に関する教育、そしてギャンブル教育だと私は考えている。前の2つの教育に関してはその必要性を理解してくれる方がほとんどだが、ことギャンブル教育については理解どころか、頭ごなしに反対されてしまうことが多い。ギャンブルは忌み嫌われており、まして自分の子どもには触れさせることさえも拒絶したいと思うのが親の本音だろう。その深層心理には、できる限りリスクのない安全な道を歩ませたい(歩みたい)という、自分の子どもに対する、そして自分自身に対する過保護がある。

私は四半世紀にわたって教育の分野にたずさわってきており、自分の子どもには、どのような分野の教育にも先んじて、ギャンブル教育を施したい。私がここで言うギャンブル教育とは、ギャンブル依存症を予防するための教育ではなく、正しいリスクの取り方を身をもって学んでもらうための教育である。個人的には競馬が望ましいと考えているが、知的なゲームであれば、カジノであっても麻雀であっても何でも良い。

ゲームのルールを知り、プレイヤーとしての自分を知る。自分が賭けた金額の何割かが手数料として胴元によって控除され、残った金額をめぐって互いに考えをぶつけ合う。確率の高そうな(人気のある)方に賭けると勝ってもリターンは少なく、その逆も然り。他者と自分をどのように差別化するべきか、自分の判断をどこまで信じるべきか、そもそもこのギャンブルの期待値はいくらなのか、答えのない世界で私たちはどのように決断して行動するべきなのか、などなど。そして何よりも、こてんぱに負けることを知る。それはたった1度しかない自分の人生をどう生きるかに思案を及ばせるに極めて近い。適切なサポートや教材があれば、私たちは正しく学ぶことができるはず。

そのような教育や環境がないまま、大人になってからいきなりギャンブルにのめり込むと大きな代償を払うことになる。多少の授業料など大したことはない。ギャンブル教育を受けずに大人になると、リスクを取ることができなくなるのだ。つまり、負けることを過剰に恐れて、自分を賭けることができなくなる。自分の人生を賭けることに比べたら、ギャンブルでの勝ち負けなどはミニチュア版であり、本当に大切なのは自分の人生で勝つことだ。自分を賭けることなしに成功はない。

何かを手にしたければ、何かを賭けるべきである。お金を手に入れたければ、お金を賭けなければならない。時間を手に入れたければ、時間を投じなければならない。信頼を得たければ、まずは他者を信頼することから始めるべき。愛情を手に入れたければ、まずは愛さなければならない。当たり前の話だが、何も賭けなければ、何も生まれない。そこには少なからずリスクは伴い、負けてしまうこともあるし、失うものもあるかもしれないが、まずは自らが与えることから始めるべきなのだ。自分は受け取るだけで、おこぼれを頂戴して、安定・安心な道が歩める時代はすでに終わった。自ら賭けなければ、何かに隷属するしかなくなるのだ。私たちにはそろそろギャンブル教育が必要なのである。

Photo by fakePlace

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血統(系統)の偏りに注目する

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現代のサラブレッドは、父系をさかのぼってゆくと、わずか3頭の馬(ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリ―ターク)に行き着く。サラブレッドの進化の過程で、または競馬の歴史の中で、これら3大始祖から派生した血統は栄枯盛衰を繰り返し、様々な系統が生まれた。ミスタープロスペクター系、ナスルーラー系、ノーザンダンサー系などなど、世界中の競馬場で活躍馬を出している万能な系統もあれば、ある特定の国々や競馬場に偏っている系統もある。その国や競馬場で問われている競走馬の資質と、血統の特長や個性が合致してこそ、その系統は繁栄するのである。

さらに言えば、同じ国で行われる競馬であるにもかかわらず、その競馬場のそのレースには滅法強いという、血統(系統)の偏りが見られることもある。たとえば、夏の新潟競馬場で行われる新潟記念を過去20年にわたってさかのぼってみると、ある血統の偏りが浮かび上がってくる。

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勝った前走以上の仕上がりタツゴウゲキ:5つ☆

★小倉2歳S
モズスーパーフレア →馬体を見る
前後躯共にしっかりと実が入ってメリハリがあり、全体のバランスも素晴らしい。
顔つきを見ても、気持ちの強さが伝わってきて、力を出し切れる状態にある。
Pad4star

バーニングペスカ →馬体を見る
いかにも2歳戦に強そうな血統構成だが、胴部が詰まっていて伸びがない馬体。
馬体の成長度という点では悪くないが、特筆すべき点はなく将来性は疑問が残る。
Pad3star

ヴァイザー →馬体を見る
重心がやや低いからだろうが、重厚感抜群であり、毛艶も冴えていて調子も良い。
表情からは気性の素直さも伝わってくるようで、安定して走ってくるはず。
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★新潟記念
アストラエンブレム →馬体を見る
使われてきている割には、筋肉が硬くなっておらず、柔らかみのある馬体を誇る。
手足もリラックスして立てていて、今回が最高潮の仕上がりかもしれない。
Pad45star

ウインガナドル →馬体を見る
前後躯にきっちりと実が入って、ステイゴールド産駒らしいパワーを備えている。
腹回りにやや余裕があるが、ひと絞りできればスタミナも増してくるはず。
Pad4star

タツゴウゲキ →馬体を見る
胴部には十分な長さがあって、前駆だけではなく、トモの実の入りも素晴らしい。
非の打ち所のない好馬体であり、勝った前走以上の仕上がりにある。
Pad5star

トーセンバジル →馬体を見る
実に鍛え上げられた見事な馬体を誇り、さすが藤原厩舎の管理馬といった立ち姿。
いかにもハービンジャー産駒らしくパワフルだが、もう少し軽さが出てくれば。
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ルミナスウォリアー →馬体を見る
父メイショウサムソン譲りの筋肉量の豊富な馬体で、洋芝適性も十分にありそう。
前駆に比べて後躯の実の入りが物足りず、そこだけが惜しい点である。
Pad3star

マイネルフロスト →馬体を見る
芦毛のため筋肉のメリハリが分かりにくいが、それでも平坦な馬体である。
走っているのだから問題なく、馬体の仕上がりに関係なく走るタイプだろう。
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マイネルスフェーン →馬体を見る
このメンバーに混じってしまうと、馬体の完成度は低く、幼さを感じさせる。
もう少し馬体に伸びが出てくれば良くなるが、もう少し先の話になるはず。
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«小倉2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと