最強はエルコンドルパサー


宝塚記念2016―観戦記―
大方の予想どおり、内枠からキタサンブラックが敢然と先頭に立ち、それを内からワンアンドオンリー、外からトーホウジャッカルが追いかけ、さらにアンビシャスも続いた。武豊騎手がスローに落としてくることを見越し、それに乗っかる形であわよくば漁夫の利を得ようと前に行こうとする騎手たちの意識の総和が、前半1000mが59秒1というハイペースをつくり出した。こうなることもジョッキーたちの頭にはあったはずだが、それでも前に行く方に大多数が賭け、逃げ・先行馬の脚色は最後の直線で崩壊した。

勝ったマリアライトは、ハイペースを中団外目の後方から追走し、外から捲るようにポジションを押し上げ、最後はキタサンブラックを捉え、ドゥラメンテを抑えての完勝であった。今期はG1レースを使わずに3戦目で宝塚記念に臨んできたように、フレッシュな状態であり、ここに狙いを定めてきたということでもある。展開やポジションに恵まれただけではなく、力がなければできない芸当であり、かつて牝馬で宝塚記念を勝ったスイープトウショウという名牝に匹敵するだけの強い勝ち方であった。430kg台の身体のどこにそれほどの力があるのかと驚かされるが、母の父にある名前を見て腑に落ちた。エルコンドルパサーこそがやはり最強なのだろう。最後のひと伸びはエルコンドルパサーが後押ししたのだ。早世が惜しまれるが、母の父として無尽蔵のスタミナとパワーを伝え、その血は永遠に残っていくはずである。

蛯名正義騎手にとっても快心の騎乗であったに違いない。昨年のエリザベス女王杯もそうであったが、道中のポジションからゴーサインを出すタイミングまで、全てがドンピシャであり、完璧としか言いようがない。道中のポジションが少しでも前後左右していたり、仕掛けるタイミングが少しでもずれていたら、勝っていたかどうか分からない。もう1度同じ騎乗を求められてもできない。それを1回きりの本番で成してしまうのは、これまでに蛯名騎手が培ってきた、あらゆる失敗や苦い経験が込められた、ベテランの腕があってこそである。

かつて蛯名騎手がエルコンドルパサーを背に凱旋門賞に挑み、惜しくもモンジュ―にゴール前で差し切られてしまったとき、ミスター競馬こと野平祐二氏は「蛯名騎手の追い方(体の使い方)に硬さがあった」と苦言を呈した。蛯名騎手は残念会で悔しさを隠すことなく男泣きした。あれから17年の時が流れた。もし野平祐二氏が生きていて、今回の宝塚記念における蛯名騎手の騎乗を見たら、言葉の限りを尽くして称賛するに違いない。武豊を差し切り、ミルコ・デムーロを凌いだのだ。もはやこれ以上の騎乗はない。蛯名騎手が凱旋門賞を勝つ準備はできている。来年、ディーマジェスティに乗って、日本人ジョッキーとして初の凱旋門を制してもらいたい。

惜しくも2着に敗れたドゥラメンテは力を出し切っている。レースの流れにも乗り、前がバテる展開を後方から追走し、勝ちパターンではあったが、わずかに届かなかった。最後の坂で少しモタモタしたように、ドバイ遠征帰りで目に見えない疲れがあったのかもしれない。それでも馬体はきっちりとできており、80%の出来にはあっただけに、今回は勝った馬の強さを認めるべきだ。デムーロ騎手のハイペースを読み切り、終いの脚に賭けた判断は見事であった。

最も強い競馬をしたのはキタサンブラックである。1000mが59秒1のラップを自ら刻み、マークされながら、先行馬が早めに動き出す流れの中でも、最後まで脚は止まらなかった。スピードとスタミナが高い次元で融合されており、しかもレースの主導権を握れる気性の素直さと前向きさがある。馬体重もさらに増えているように、雄大かつ、付くべきところに筋肉がついて成長著しい。秋以降はドゥラメンテの良きライバルとしてしのぎを削ってゆくことになるはずである。

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サラブレッドの本当の強さは、血を残すことで証明される

Cover

競馬ファンが集まると3強論争が始まる。同世代の3頭の名馬たちの誰が最強なのか、という議論のことである。オールドファンでいえばトウショウボーイ・テンポイント・グリーングラスであり、競馬人気が沸騰した時代のファンでいえばオグリキャップ・スーパークリーク・イナリワン、ミレニアム前後に競馬を始めた世代でいうとエルコンドルパサー・グラスワンダー・スペシャルウィークである。特に最後の3強論争においては、インターネットが急速に普及した時代とあいまって、それぞれのクラスタによる激しい意見のぶつかり合いが今でも見られる。

3強論争は、その難解さゆえに最後には水掛け論に終わってしまうことも多い。エルコンドルパサーが強いという意見も、グラスワンダー最強という主張も痛いほどよく理解できる。エルコンドルパサーとグラスワンダーに意見が二分するのは(スペシャルウィークは少数派)、サイレンススズカが逃げ切った毎日王冠を境として、この2頭が全く別の道を歩むことになったからである。凱旋門賞を目指してヨーロッパに渡ったエルコンドルパサーと、国内に専念したグラスワンダー。新しい環境に適応し、ヨーロッパの競馬でも結果を出したことを高く評価するか、またはマイルから2500mまで距離を問わず、国内のG1レースをいくつも勝ったことを上に取るか、ほとんど同じレースで走ったことのない2頭の比較は難しい。

それに対し、グラスワンダーとスペシャルウィークは

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充実ぶりが伝わってくるサトノノブレス:5つ☆

ドゥラメンテ →馬体を見る
古馬になって、前駆がさらに発達し、馬体には力強さが増している。
思っていたよりもドバイ遠征の疲れはないようで、柔らかい筋肉を維持している。
Pad45star

サトノクラウン →馬体を見る
3歳時から完成度の高い馬体を誇っており、それをそのまま保っている印象。
前後にバランス良く実が入って、本来は安定して力を出し切れる馬である。
Pad4star

マリアライト →馬体を見る
手脚がスラリと長く、距離は延びて良いタイプだが、阪神2200mは合う。
このメンバーに入ると、若干パワー不足は否めないが、そこをどう補うか。
Pad3star

アンビシャス →馬体を見る
3歳時は筋肉の付き方に物足りなさがあってが、今は太目残りに映るぐらい。
ここに来てパワーアップは著しく、あとは腹回りの肉が削げたら完璧になる。
Pad4star

カレンミロティック →馬体を見る
長距離戦で本領を発揮しているが、馬体だけを見ると中距離馬のそれ。
スピードやパワーで劣るようには見えない馬体だけに、ここも勝負になる。
Pad3star

シュヴァルグラン →馬体を見る
天皇賞春時よりもふっくらと筋肉がついて、少し楽をさせた印象を受ける。
前走が仕上げのピークだったかもしれないが、余裕を持たせたつくりは好感。
Pad4star

ラブリイデイ →馬体を見る
胴部には十分な長さがあるが、この馬は手脚が短いばかりに距離に上限がある。
馬体は絶好調時と遜色ないが、表情からはまだ疲れが残っているかもしれない。
Pad3star

サトノノブレス →馬体を見る
ここに来ての充実ぶりが伝わってくるほど、馬体に張りがあって素晴らしい。
ディープ×トニービンという血統も、この阪神2200mの舞台に合うだろう。
Pad5star

ラストインパクト →馬体を見る
ドバイ遠征帰りだけに疲れが心配されるが、馬体はふっくらとして問題なさそう。
その分、絞り切れていない感があり、筋肉のメリハリという点では今一歩。
Pad3star

キタサンブラック →馬体を見る
他の馬たちの馬体と比べると線が細いが、典型的なステイヤー体型を誇る。
ただ、表情には疲れが窺えるように、精神的にやや追い詰められているかもしれない。
Pad3star

トーホウジャッカル →馬体を見る
血統的には完璧なステイヤーではないが、胴部には長さがあって、スタミナは十分にある。
トモの肉付きは物足りないが、馬体はコンパクトで、いかにも切れそうな軽さがある。
Pad3star

ステファノス →馬体を見る
母父クロフネの影響が出ているのか、ここに来て馬体がいっそう力強くなってきた。
シーズンオフの時期にしては、馬体に張りがあり、体調と仕上がりは申し分ない。
Pad4star

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阪神芝2200m

Hanshin2200t1

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。

3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。

枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

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朋よ永遠に

Jiromaru

宝塚記念といえば、夏の香りと共にいつも思い出されるのがメジロライアンのことです。まさに私が競馬を始めた頃に活躍していた馬だけに、その名前を聞くだけで、あの頃の初々しい想いが蘇ってくるようです。ライアンという名前の由来は、あの大リーグの豪腕ノーラン・ライアンからだそうです。メジロライアンと言えば、横山典弘騎手ですよね。先日行われたメジロライアンの納骨式にも参加し、お墓は横山典弘騎手がつくったそうですね。この2人は名コンビというか、最高のパートナーでした。

皐月賞3着
日本ダービー2着
菊花賞3着
有馬記念2着

特に日本ダービーでは、1番人気を背負って、後ろから行って届かず2着。この時、横山典弘騎手は、その乗り方についてかなり酷評されました。後ろから行って脚を余すくらいならば、前に行ってバテた方がいい、という古い考えがまだ残っていた時代でしたから。今観てみると、勝ったアイネスフウジンが強すぎただけで、あの時点では最高の騎乗だったと思います。

夏を越して、菊花賞こそはとファンからの期待も高まったのですが、彼らの前に立ちはだかったのは、同じメジロ牧場出身の最強ステイヤー・メジロマックイーン。その恐ろしいまでの強さの前に、メジロライアンは連対すら確保することができませんでした。続く暮れの有馬記念でもオグリキャップの2着。「ライアン!」という大川慶次郎さんの掛け声の後押しがあったにもかかわらず(笑)、とうとうG1レース未勝利で3歳時を終えることになってしまいました。

このあたりで、イマイチくんのイメージが定着してしまったような気がしますが、まあ、その勝ち切れない2人にも、古馬になってようやく勝利の女神が微笑むことになりました。4歳時の宝塚記念で、宿敵メジロマックイーンを倒し、ようやく念願のG1タイトルを手に入れたのです。先行して押し切るという横綱相撲だったのですが、実は私はメジロライアンがメジロマックイーンに勝つことを予測していました。

競馬好きのあらゆる友だちに、「今度こそライアンがマックイーンに勝つ!」と宣伝して回ったのです。しかし、それまでの2頭の対決だけを見れば、メジロマックイーンの方が強いことは明らかでしたので、「ライアンがマックイーンに勝てるわけがない!」という反応がほとんどでした。だからこそ、宝塚記念でのメジロライアンの見事な勝利は、横山典弘騎手と同じくらい、私も鼻高々な気分だったことを覚えています。

とはいっても、本当のことを言うと、メジロライアンがメジロマックイーンに勝てる理由なんて私も分かりませんでした。競馬を始めてわずかの頃でしたので、理論や理屈でメジロライアンを推したわけではなく、メジロライアンを応援したい気持ちが、勝てるという妄想にすり替わっただけでした。

私がメジロライアンを応援したくなった理由は、モヒカンカットのエピソードを宝塚記念の前に知ったからです。ご存知ではない方もいらっしゃると思いますので説明しておくと、メジロライアンは馬一倍(?)皮膚が弱くて、タテガミを伸ばしていると、首の肌が荒れて、痒く(かゆく)なってしまったそうです。だから、メジロライアンはいつもタテガミを短く切っていて、まるでモヒカンのような髪形をしていたのです。私も小さいころアトピーで悩まされた経験があり、今でも馬のたてがみを触ると手がかゆくなるので、「お前もかゆいんだなあ」となんだかメジロライアンに共感してしまい、応援したくなったのです。そんなことで初心者の予想が当たるのも競馬の面白いところです。メジロライアンのアトピーが天国では治っているといいなあ。


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宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Takara

■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【5・3・1・18】、天皇賞馬に限っては【3・3・0・5】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

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パワーが満ち溢れているグレンツェント:5つ☆

★ユニコーンS
ストロングバローズ →馬体を見る
顔つきが実に素晴らしく、利発的で賢い馬であることが伝わってくる。
筋肉のメリハリという点ではトモの肉付きが物足りないが、これからが楽しみ。
Pad4star

グレンツェント →馬体を見る
手足がやや短く、重心が低く映るが、その分、馬体にはパワーが満ち溢れている。
表情は素直そうで、どんなレースになっても、力を出し切れるタイプだろう。
Pad5star

イーグルフェザー →馬体を見る
尾離れが良く、トモの筋肉も幾層にも盛り上がっており、パワーは十分にありそう。
馬体全体のシルエットはまだ幼さが残り、顔つきをみるとやや神経質な面もある。
Pad3star

ゴールドドリーム →馬体を見る
いかにもダート馬といった体つきで、筋肉量が豊富で柔らかく、ほれぼれするほど。
胴部には長さがあり、フットワークも大きいはずで、東京競馬場のコースは合う。
Pad4star

クインズサターン →馬体を見る
黒光りする毛艶は体調の良さを物語っており、パイロ産駒らしいスピード溢れた体つき。
やや胴部が詰まり気味で、短距離は合うが、府中のマイル戦は少し長いかも。
Pad3star

ダノンフェイス →馬体を見る
キンカメ×アグネスタキオンというダート馬らしい血統で、馬体もまさに力強い。
筋肉のメリハリは今ひとつだが、もうひと絞りできれば完全に仕上がるはず。
Pad3star

★函館SS
アクティブミノル →馬体を見る
前後のバランスが良く筋肉がついて、ここに来て馬体が成長してきた。
パワーに溢れている体つきは文句なく、現時点では理想的な仕上がりにある。
Pad4star

オデュッセウス →馬体を見る
まだ全体的に馬体が幼く、付くべきところに筋肉が付き切っていない。
母父にスペシャルウィークが入っているので、距離はもう少し延びて良いのでは。
Pad3star

ソルヴェイグ →馬体を見る
ダイワメジャー産駒らしい、闘争心に溢れた表情だが、馬体には線の細さが残る。
腹が巻き上がっているように、カイバ食いに不安があるのが伝わってくる。
Pad3star

ローレルベローチェ →馬体を見る
筋肉のメリハリは素晴らしいのだが、ややゴツゴツして硬さがあるのが気がかり。
腹回りに余裕があるので、もうひと絞りできれば最後の踏ん張りが増すだろう。
Pad3star

ティーハーフ →馬体を見る
手脚が短く重心が低い馬体はいかにもスプリンターのそれで、スピードがありそう。
6歳馬とは思えない皮膚の柔らかさがあり、この馬自身の好調を維持している。
Pad3star

オメガヴェンデッタ →馬体を見る
手脚の長さや胴部の伸びからして、マイルまでの距離は十分にこなせそう。
それでも短距離が合うのは、気性的に燃えやすく、一瞬の脚を生かすのが良いから。
Pad3star

レッツゴードンキ →馬体を見る
2歳時から馬体の完成度の高かった馬だが、ここに来てやや萎んで映るのが心配。
成績が出ないのは、肉体的なボリュームの問題か、それとも気持ちの面からくるのか。
Pad3star

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鍵となるレースを見つけることで、出走馬の力関係が見えてくる

Cover

同世代の中で争うクラシック戦線などは、有力馬たちは本番前にすでに顔を合わせていることが多い。たとえば新馬戦やトライアルレースなど、素質のある馬たちは同じようなローテーションを選択するため、その世代の有力馬たちが一堂に会するようなレースが生まれる。それゆえ、G1を勝った馬たちの足跡をたどってゆくと、あるひとつのレースに行き着くことがある。このようなレースを「鍵となるレース」と呼び、なるべく早く「鍵となるレース」を見つけることが、その世代の力関係を読み解く鍵となる。

かつて伝説の新馬戦と呼ばれたレースがあった。2008年10月26日、京都競馬場の芝1800mにて行われた2歳新馬戦には、多くのG1ホースたちが集まっていた。この新馬戦を勝ったのは、のちに皐月賞馬となったアンライバルド。2着には日本ダービーと菊花賞で2着したリーチザクラウン。そして3着には、牝馬2冠を制し、ジャパンカップや天皇賞秋を勝った名牝ブエナビスタ。さらに4着には、のちの菊花賞馬となるスリーロールスが入っていたのだから驚きである。

この伝説の新馬戦の場合は、あらかじめ素晴らしいメンバーが出走していることが分かっていたわけではない。このレースを起点として、それぞれの馬たちが違った道を歩み出し、勝利を積み重ねた結果、あとから振り返ってみると、実はこの新馬戦が極めてレベルの高いレースであったと気づかされたということだ。これぞ「鍵となるレース」である。

「鍵となるレース」をいち早く見つけることで、

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函館スプリントSを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatess

スプリント路線は別定条件が実績馬に有利なことが多く、夏のローカルG3であるこのレースにも例年メンバーは揃う。独特の重い馬場とコース形状によって、底力のあるスプリンターでないと勝ち切ることが出来ないレースとなっている。

■1■重い洋芝で構成される特殊な馬場
函館競馬場の最大の特徴は、路盤に野芝のない重い洋芝である。過去ほとんどのレースの勝ちタイムが1分9秒台で、かなり時計の掛かる特殊な馬場あることが分かる。このことによって、勝ち馬に求められる要素は以下の2つ。

1、ダートをこなせるぐらいのパワーがあること
2、1200m以上のスタミナを有していること

1はダート戦で実績のある馬、もしくはダートに強い血統構成の馬ということである。軽快なスピードや切れ味だけでは苦しく、速い時計のレースで強さを見せたことは、かえってマイナス材料になることもある。

2は1200m以上のレースで実績のある馬ということである。直線に坂のない小回りコースとはいえ、これだけ時計の掛かる馬場だと、軽快なスピードを武器にした1200mがギリギリという馬では厳しい。1400m~1600mをこなせる底力が問われる。そういった意味からは、安田記念(好走)組も信頼できる。

そして、こういった函館特有の馬場だけに、函館競馬場で実績を残している馬はもちろん素直に評価したい。

■2■余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬
過去10年のラップは以下のとおり。
12.2-10.4-11.0-11.5-11.6-12.3 (33.6-35.4)H
12.2-10.7-11.2-11.6-11.8-11.6 (34.1-35.0)M
12.0-10.4-11.4-11.7-11.2-12.2 (33.8-35.1)H
11.7-10.2-10.9-11.7-11.9-12.0(32.8-35.6)H
12.1-10.5-11.2-11.5-11.4-11.8(33.8-34.7)M
12.0-10.2-10.9-11.6-11.4-12.1(33.1-35.1)H
11.8-10.4-10.9-11.5-11.4-12.0(33.1-34.9)H
12.1-10.8-11.4-11.9-11.4-11.8(34.3-35.1)M
12.0-10.7-11.4-11.6-11.0-11.8(34.1-34.4)M
11.9-10.8-11.1-11.4-11.3-12.0(33.8-34.7)M
11.7-10.3-11.0-11.6-11.8-11.9(33.0-35.3)H

スタートしてから第1コーナーまでの直線は489mと長い。ダッシュを利かせた先行馬がそのままの勢いで行ってしまうので、ペースは自然と速くなる。ほとんどのレースは前が速い前傾ラップとなり、直線が短いことを考慮しても、逃げ馬には厳しいペースとなる。余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬を狙うべきである。枠順の内外による有利不利はほとんどない。

■3■牝馬の活躍
平成24年、27年こそ牡馬同士の決着となったが、平成15年のビリーヴから5年連続で牝馬が制したこともある。過去10年の連対率も19%【4・3・4・25】と、牡馬の12%【5・6・5・77】に比べわずかに高い。直線に坂のある中央のコースに苦しめられていた牝馬がローカルの競馬場で巻き返すというパターンである。また、総じてスプリント戦は牝馬でも活躍できる舞台でもある。


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ユニコーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Unicorns

■1■現時点での完成度が問われる
過去10年の人気別の着順を見ると以下のとおり。
1番人気  【5・2・0・3】連対率70%
2番人気  【1・4・1・4】連対率50%
3番人気  【3・1・2・4】連対率40%
4番人気  【1・1・0・8】連対率20%
5番人気以下【0・2・8・108】連対率0%

分かりやすいほどに、人気馬が強く、人気順に連対率も高いという結果が出ている。東京ダート1600m戦というコース設定上、実力に劣る馬が勝ち切るのは難しい。とはいえ、将来的にG1馬となったのは過去10年でカネヒキリぐらいしかおらず、このレースの勝ち馬の将来性が高いとは言えない部分もある。つまり、実力だけではなく、現時点での完成度も問われるレースであるということだ。

■2■関西馬が強い
過去10年の関東・関西馬の成績は以下のとおり。
関東馬 【3・3・5・64】連対率8%
関西馬 【7・7・6・62】連対率17%

関東で行われる重賞レースであるにもかかわらず、関西馬が圧倒的に強い。ダートに適性を見いだされた3歳馬が集結する舞台であり、現時点で最も強いダート馬を決めるレースでもある。また、これまでは関西の競馬場で昇竜S、端午Sといった適切なステップレース(マイルよりも距離が長い)があることも、関西馬がユニコーンSで好成績を残せることにつながっている面もあったはず。

■3■スタミナが問われる
ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。実質的な第1コーナーは3コーナーとなるため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。それでも、意外と前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められ、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

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新しい競馬の未来

Newworld

ラニがケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSというアメリカ3冠レースに出走し、9着、5着、3着と健闘した。スキーキャプテンがケンタッキーダービーに挑戦し、レースについて行くことさえできず、真っ白い馬体を泥んこで真っ黒にして戻ってきたシーンが思い浮かび、この20年間における日本競馬の確実な進歩を肌で感じ、じわじわと喜びがこみ上げてくる。ラニだけではない。エイシンヒカリもフランスのイスパーン賞を10馬身差で圧勝し、ロンジンワールドベストホースランキングで世界首位に立った。香港マイルとチャンピオンズマイルを勝ったモーリスもそうだ。

これらの3頭に共通しているのは、サンデーサイレンスの血が入っていることである。ラニは母の父に、エイシンヒカリは父の父に、モーリスは父の母の父に、サンデーサイレンスが鎮座している。これはサンデーサイレンスの血が日本の競馬を席巻したことの現れであり、かつサンデーサイレンスの血を引く馬たちが、その血脈をさらに発展させていることを意味している。世界に通用するする馬たちの体内に、サンデーサイレンスの血が確実に流れていることを偶然と見るか、必然と見るかは、人の解釈によって異なるだろう。私はこうしてサンデーサイレンスの血があらゆる血脈の末端まで及び、新しい血をさらに活性化し、異系の古びてしまっていた血を蘇らせていることに素直に驚いている。

サンデーサイレンスを中心とした血統だけではない。生産や馴致、調教、海外遠征の技術やノウハウが格段に進化している。社台グループが牽引し、その社台に打ち克たんと、日高の競馬関係者たちは走る馬を出そうと切磋琢磨し、社台を超えようと、ひと握りのオーナーブリーダーは独自の手法を貫いて名馬を誕生させている。それぞれの生産者やオーナー、騎手が自らの矜持を賭け、世界中の競馬場で真っ向勝負を繰り広げ、勝利を持ち帰ってきている。彼らの素晴らしいところは、ずっとやってきたことだ。来る日も来る日も、ほんの少しずつではあるが、確実に技術や知識を積み重ねてきた。その継続の結果として、ラニやエイシンヒカリ、モーリス、ドゥラメンテらがいる。

今年、2016年を起点として、日本の競馬におけるシンギュラリティ(技術的特異点)のようなものが起こるのではないかと私は考えている。昨年暮れあたりから、厚くて高くて重かった世界の扉に、ようやく手が掛かったように感じている。あとはこじ開けるだけ。野平祐二騎手とスピードシンボリに始まり、エルコンドルパサーやタイキシャトル、ディープインパクト、シーザリオ、オルフェ―ヴル、ヴィクトワールピサらの挑戦によって、幾度となくその扉は開いたり閉じたりを繰り返してきたが、いよいよ開き放たれるときがすぐそこまで来ている。凱旋門賞だけではなく、ケンタッキーダービーやブリーダーズカップもそう。その扉が完全に開いてしまったあと、何が起こるのか私たちはまだ知らない。世界はもっと近く、ひとつになった、新しい競馬の未来がやって来るのだ、とおぼろげながらも私は想像している。

Photo by 三浦晃一

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骨折をした馬はいつ復活を遂げるのか?

Cover_2

骨折した馬ということで、真っ先に思い浮かぶのはヤマニングローバルである。ちょうど私が競馬を始めた頃に活躍した馬だったので、記憶が鮮明なのだろう。ヤマニングローバルは父ミスターシービー、母の父ニジンスキーという、当時においては超良血であり、デビュー前からかなりの評判を呼んでいた。その期待に応えるべく、デビュー戦からデイリー杯まで3連勝を飾った。どのレースも、武豊騎手がゴール前は抑える余裕を見せるほどの楽勝であった。

ところが、デイリー杯3歳Sをレコードタイムから0.2秒差という好タイムで勝利した直後、ヤマニングローバルを悲劇が襲った。武騎手が馬を止めようとした矢先、ヤマニングローバルが馬場の窪みに脚を取られ、バランスを崩して右前脚を骨折してしまったのである。競走中のアクシデントではなかったにもかかわらず、検査の結果として、右前種子骨が縦真っ二つに割れているという最悪の状況が判明した。通常ならば、安楽死が取られてもおかしくないケースである。

しかし、陣営は治療(手術)を選択した。クラシックの有力候補と謳われた逸材を、このような形で失うことに耐えられなかったのだろう。武騎手も「来年のG1レースを4つ損した」と、ヤマニングローバルに寄せていた期待の大きさを語った。割れた骨をボルトでつなぐという荒治療であったにもかかわらず、手術はなんとか成功した。一時は蹄葉炎を発症するなど、危険な状況はあったものの、関係者の献身的なケアとヤマニングローバル自身の持つ生命力によって、翌年の秋には調教を再開できるほどまでに奇跡的な回復を遂げたのだ。

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どっしり感が出てきたルージュバック:5つ☆

★エプソムC
ルージュバック →馬体を見る
古馬になって体つきが大人っぽくなり、付くべきところに筋肉がついた。
どっしり感も出てきて、顔つきも素直そうで、この距離なら力を出し切れる。
Pad5star

ロジチャリス →馬体を見る
いかにもダイワメジャー産駒らしい、がっちりとした筋骨隆々の好馬体を誇る。
重心が低く、1800mの距離はギリギリだが、毛艶は良くて仕上がりは万全。
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ナカヤマナイト →馬体を見る
あばら骨が浮いて見えるように、休み明けとしてはしっかりと仕上がっている。
あとは走る気持ちや勘が戻っているかどうかだが、ステイゴールド産駒だけに問題ない。
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アルバートドック →馬体を見る
ディープインパクト産駒にしては、前駆に力強さがあり、胴部も詰まっている。
どう見てもパワータイプであり、府中1800はベストなコースではない。
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ヒストリカル →馬体を見る
7歳馬にして幼さを残している馬体は、この馬の特徴であり個性なのであろう。
トモに物足りなさを残しているだけに、最後の詰めに甘さが出るかもしれない。
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フルーキー →馬体を見る
この馬もうっすらとあばらが浮いているように、きっちりと仕上がっている。
トモの肉付きが物足りなく映るが、表情は闘争心に溢れており、仕上がりは良い。
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★マーメイドS
シュンドルボン →馬体を見る
いつも飛び切り良く見せる馬だが、今回はG1の後だけあって疲れが残っている。
それでも牝馬離れした馬体であり、距離が延びるのもこの馬にとっては好材料。
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ココロノアイ →馬体を見る
いかにもパワータイプであることが、馬体が成長して顕著になってきている。
腹回りに余裕はあるが、牝馬としてはふっくらとして体調は良さそう。
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メイショウマンボ →馬体を見る
手脚がすらりと伸びて、距離が延びてこそ、この馬の良さは出るのだろう。
馬体全体のバランスは良く、走っていないのが不思議なぐらいで、巻き返しはある。
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ハピネスダンサー →馬体を見る
やや頭が大きくてアンバランスに映るが、身体には余計な筋肉がつかず軽さがある。
血統的にはダートを得意としそうだが、馬体だけを見ると芝のスピードタイプ。
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ナムラアン →馬体を見る
胴部は詰まってコロンとして映るように、短距離のパワータイプにありがちな馬体。
まだ馬体全体には若さが残っているが、距離はこれぐらいがベストだろう。
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ウインリバティ →馬体を見る
立ち姿に力感が欠けていることは否めないが、筋肉が柔らかくていかにも走りそう。
顔つきも素直そうで、この馬の力を安定して出し切れるタイプであろう。
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タガノエトワール →馬体を見る
実にパワフルな馬体だと思ったが、やはりキングカメハメハの産駒であったか。
欲をいえば、筋肉のメリハリが出てくれば最高だが、レースで叩かれつつか。
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エプソムCを当てるために知っておくべき3つのこと

Epsomc

■1■4、5歳馬が中心
4歳   【7・5・3・22】 連対率32%
5歳   【2・3・1・41】 連対率11%
6歳   【1・2・2・37】 連対率7%
7歳以上【0・0・4・39】 連対率0%

5、6歳馬が中心であった先週の安田記念と比べると、明らかに4、5歳馬が強い。これといった理由は思いつかないが、安田記念より距離が200m伸びて、ペースが落ち着きやすいということだろうか。前半3ハロンの平均が35秒8、後半3ハロンの平均が35秒7と、ほぼミドルペースで流れる。その分、スピードに任せて前に行ける若い馬の方が有利になるということだ。

■2■馬場によって適性が180℃変わる
東京の1800mはコーナーが2つで、サンデーサイレンス系のタメて切れる脚質が合う舞台である。ただ、この時期は雨が降りやすく、馬場が変化しやすい。ダービーが終わって、さすがに芝も荒れてくる頃だけに、雨が降ってちょっと時計の掛かる馬場になるとジワジワと脚を使う血統の馬が台頭する。具体的に言うと、キングマンボ、ペンタイア、マヤノトップガン、フレンチデピュティなど、非サンデーサイレンス系の馬である。

■3■マイラーにとっては厳しいレース
ヨーロッパの血を持つ馬が活躍しているように、府中の1800mはスピードだけでは押し切れない、スタミナが問われる舞台である。過去10年の連対馬20頭のうち、18頭が芝1800m以上の中距離で勝ち星を挙げていたことからも、マイラーにとっては厳しいレースになることが分かる。

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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第10回)

Hitokuti10

シルクホースクラブからは頻繁にメールで情報が届く。その中に愛馬の成長状況が記されているかどうかを探し、動画があればすぐさま確認する。我が子の保育園における日誌を読むような気持ちである。先日、クインアマランサスに関する、このような内容のメールを受け取った。

在厩場所:北海道・ノーザンファーム空港 調教内容:週2回屋内坂路コースでハロン17秒のキャンター2本、残りの日は周回コースでハロン24秒のキャンター3,000m 担当者「周回コースでの調教量を増やしていますが、調教には非常に前向きに取り組んでいますし、馬力も付いてきてパワフルな走りを見せています。まだ前脚の捌きが硬く、体を大きく使い切れていない感じですが、その点も徐々に良化しつつあります。馬体に張りが出て筋肉量も増えてきましたが、前に比べてトモが少し寂しい感じもあり、前後のバランスがまだ一息なので、もっとトモを使わせて動かすことで、時間を掛けて良化を促していきたいと思います」馬体重454㎏

どうしても悪い点ばかりに目が行ってしまうのは親として、いや一口馬主として仕方ないことなのかも知れないが、「前捌きが硬い」、「トモが少し寂しい」、「前後のバランスがひと息」という言葉に敏感に反応してしまう自分がいることに気づく。募集時の写真では、確かに前が勝ち気味ではあったけど、前後のバランスはそれほど悪くなかったのになあ、と振り返りつつ、成長過程において、前後のバランスが崩れたり、筋肉が硬くなってしまったりすることは、どの馬にとってもあり得ることであると頭では理解してみる。それでも心配してしまうというのが、親ごころならぬ一口馬主ごころなのだろうか。

少し落ち込みながら、桜花賞へのステップレースであるフラワーCの予想をしていると、ある1頭の有力馬の血統表を見たときに、マウスに載せている私の手が止まった。ギモーヴ(父ハービンジャー、母ヒカルアマランサス)。そういえば、クインアマランサスにはひとつ上の姉がいたのだ。自分の愛馬ばかりに気を取られて、姉の存在を忘れていた。改めて戦績を辿ってゆくと、新馬戦は2着、未勝利戦で3着したのち、3戦目の前走で勝ち上がっている。前走の勝ちっぷりを見るとなかなかの末脚があるようだし、未勝利戦で敗れたアドマイヤダイオウがその後2連勝で若葉Sを制したように、強い牡馬とも渡り合っている。

これ以上の朗報があるだろうか。繁殖牝馬として、ヒカルアマランサスは初仔から走る馬を出しているのだ。たとえ名牝であっても、その産駒は全く走らないということなど、競馬の世界ではざらにある。ひと昔前よりも、繁殖や育成のノウハウや技術が進歩して、ベストトゥベストの配合の馬が走る確率は高くなってきたが、それでも走らない名牝の仔たちは数多く存在する。ヒカルアマランサスがハービンジャーを父に重賞級の仔を生んだという事実の意味は大きい。もし父が(ハービンジャーよりも実績がある)キングカメハメハだとしたら、さらに走るのではないだろうかという妄想を膨らませてしまうのは仕方ないだろう。このように、谷から山へ、山から谷へ、気持ちのアップダウンを繰り返しながら、一口馬主の日々は過ぎていくのだ。

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