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ラストダンスは私に

takaraduka04.jpg by gradeone
宝塚記念2004-観戦記-
 心配された雨も降ることなく、絶好の馬場コンディションでレースは行われた。前半はローエングリンがレースを引っ張り、3コーナー過ぎからはそれを引き継ぐようにしてタップダンスシチーが先頭に踊り出た。終始息が入らず、淀みのないラップが刻まれたため、実力の差が歴然としてしまう厳しいレースであった。

 勝ったタップダンスシチーは、ローエングリンが途中からペースを落としたため、3コーナーからこの馬にとって自然な形で先頭に立つことになった。

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yasuda04.jpg by gradeone
安田記念2004-観戦記-
 今開催の東京競馬場の馬場は、地盤が硬いのか、雨が降っても時計が全くかからない。稍重馬場にもかかわらず勝ち時計は1分32秒6と速く、道中も速いラップが刻み続けられたため、前に位置していた馬たちにとっては息の入らない苦しい展開となった。

 ツルマルボーイとテレグノシスの勝敗を分けたのは、4コーナーのコース取りというよりも、2頭に内在しているスタミナの差である。テレグノシスの勝浦騎手は4コーナーで外を回したが、ほとんど距離ロスにならないスムーズなコーナーリングであった。東京競馬場の1600mは字ヅラ以上にスタミナを要求されるコースであり、そのため2000m以上のレースを中心に使ってきたツルマルボーイに軍配が上がったことになる。着差は首であるが、どこまで行っても縮まることのない決定的な底力の差であった。

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世界の中心でカメハメハ

derby04.jpg by takinen
ダービー2004-観戦記- 
 世界のどこを探しても、これほど強いサラブレッドは見つからないだろう。このような感慨に浸らせてくれるに十分な、キングカメハメハの最高の走りであった。スタミナ、スピードともに最高の域に至り、パワーに溢れていながらも鈍重さは微塵もない。騎手の意のままに動ける素直な気性と、ゴーサインが出てからはどこまでも走り抜ける集中力と闘争心は類を見ない。最高の賛辞を並べ尽くしても余りある、サラブレッドの完成形がここに誕生した。

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超えてゆけ

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オークス2004-観戦記-
 オークス史上最高の単勝支持率を集めたダンスインザムードの敗因は、「馬体重が大幅に増加していた(+14kg)」、「入れ込みが激しかった」の2つが考えられる。まず前者については、きっちりと調教を積んできてのものだけに太め残りということはないが、全てが成長分ではなかったことは確かである。なぜこれほどまでに増加したかというと、急激に縮めた馬体は反発(反動)で膨らもうとする性質を持つからである。つまり、前走で完全に仕上がっていた馬体が、知らずのうちに緩んでしまっていたということになる。次に、入れ込みについては、前走の桜花賞に比べ、長距離輸送が無かったにもかかわらず、明らかに激しかった。このことは、馬が精神的に萎えてしまっていて、競走を嫌がっていたことを示す。

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大王手

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NHKマイルカップ2004-観戦記-
 雨の降りしきる中、上滑りはするがクッションの適度に利いた、非常に速い時計の出る絶好の馬場でレースは行われた。勝ちタイムの1分32秒5はレースレコードであり、このタイムで2着以下に5馬身もの差をつけ、余裕を持って勝利したキングカメハメハの能力の高さだけが際立ったレースであった。

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前門のトラ

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皐月賞2004-観戦記-
 勝ちタイム1分58秒4、上がり34秒4、そして前半の1000mの追加タイムが59秒7という時計だけを見ても、いかに今年の皐月賞が超が付くほどのスローペースで流れたかということが分かる。マイネルマクロスが立ち遅れたことだけではなく、何と言っても、逃げたい馬が揃いペースが間違いなく速くなるだろうという確信めいたジョッキー心理がその手綱を引かせたことが大きな原因である。

 勝ったダイワメジャーはレースの流れに上手く乗り、最後の直線では他馬を引き離し、ゴールまでしっかりと伸びた。

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びくともしない

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桜花賞2004-観戦記-
 藤沢和雄、武豊というトップトレーナー、トップジョッキーのコンビによって、ダンスインザムードが昭和61年以来、18年ぶりの関東馬による桜花賞制覇を成し遂げた。藤沢和雄調教師にとっては初のクラシック制覇となり、それも関西に乗り込んでのものだけに価値は高い。レースは1分33秒6という速いタイムでの決着となったが、道中のペースはそれほど速くはなく、レースが動いたのは3コーナー過ぎからという緩急のあるラップとなった。

 勝ったダンスインザムードは好スタートから道中は馬なりで追走し、早目に動かざるを得ない厳しい展開ながらも、ラストの200mも止まることなくキッチリと伸び切った。

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底知れぬ

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フェブラリーS2004-観戦記-
 標準よりも1秒くらい速い時計の出る馬場でレースは行われたが、道中が極端なスローで流れたため、全体としては標準よりも遅い1分36秒8の時計での決着となった。直線に入ってからヨーイドンの瞬発力勝負になり、末脚に賭けた追い込み馬は非常に厳しい競馬を強いられ、道中の位置取りが明暗を分けた。

 中央G1初制覇となったアドマイヤドンは、着差2分の2馬身以上の余裕を持っての勝利であった。

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超絶の覇者

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有馬記念2003-観戦記-
 コーナーが6つもあるためにスローな流れになりやすいのが有馬記念の特徴であるが、2コーナーですでに抑えが利かなくなったザッツザプレンティとアクティブバイオが作り出したのは、前半1000mが58秒5という有馬記念史上最高のハイペースであった。後半もペースは落ち着くことなく、まさに各馬の力と力がぶつかり合うごまかしの利かないハイレベルの流れであり、どの馬も最後は筒一杯で脚が上がっていた。

 そんな中、シンボリクリスエス1頭だけは、バテることなく最後まで伸び切っていた。後のない究極の仕上げを施されてきたためか、パドックから怖いくらいの研ぎ澄まされた雰囲気を醸し出していたし、道中も無駄な動きをすることなく、4コーナーを回ってペリエ騎手からゴーサインが出ると、空を飛ぶように中山の坂を駆け上がった。良馬場で9馬身という差は決定的なものである。

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One Chance

asahifs03.jpg by ruby
朝日杯フューチュリティS2003-観戦記-
 メイショウボーラーが外枠から思い切って打った逃げは、前半4ハロン45秒8というハイペースであった。全体の時計も歴代3位の1分33秒7という、スピードとスタミナが要求される力通りの決着となった。

 5連勝で2歳チャンピオンを狙ったメイショウボーラは、直線坂上で脚が止まってしまい、人気に応えることはできなかった。前走のデイリー杯とは対照的な前傾ペースで逃げることになったが、これはペリエ騎手の判断によるものであろう。

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勝った馬が強い

hansinjf03.jpg by suna
阪神ジュべナイルフィリーズ2003-観戦記-
 圧倒的な人気を背負ったスウィープトウショウは直線で致命的な不利を受け5着に沈み、審議対象となったヤマニンシュクルは逃げ粘るヤマニンアルシオンを捕えて勝利と、レースの綾というものが、両馬の明暗を対照的に分けた。こういう明らかな不利が生じた場合、もしスムーズな競馬が出来ていたらと考えるのが人の常であるが、競馬という偶然のごとき世界においては、次のように考えるべきであろう。 「不利を受けて負けた馬にはそうなるべき理由(要因)があった。」 つまり、今回のレースにおいて、スウィープトウショウが負けたのは偶然ではなく、必然であったと考えるべきなのである。

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文句なし

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ジャパンカップ2003-観戦記-
 雨は当日午後に降り止んだが、馬場は重のままでレースはスタートとなった。どこを通っても、どの馬にとっても走りにくい馬場であり、ペースうんぬんよりも、一歩でも前に出ようという意志がなければ脱落してしまう厳しいレースとなった。結果的に見ても、力のある馬、調子の良い馬が上位を占めており、もし良馬場で行われていたとしても同じような結果が出ていたに違いない。

 ジャパンカップ史上最大の着差をつけて大勝したタップダンスシチーは、晩年になってから充実し本格化した馬の強さを余すところなく発揮した。

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シービスケット!?

jcdirt03.jpg by ruby
ジャパンカップダート2003-観戦記-
 雨が降りしきるドロンコ馬場の中で行われたレースは、こういった馬場に対する巧拙うんぬんではなく、弱き者が脱落していくというまさにサバイバルの様相を呈した。雨が降れば、ダートは脚抜きが良くなり走りやすくなるが、これほどまでに降ってしまうと逆に最も走りづらい馬場に豹変してしまうことになる。そんな走りづらい馬場を苦に、日本馬が1頭1頭と戦意喪失していく中、最後まで闘争心を失わなかったフリートストリートダンサーとアドマイヤドンには拍手を送りたい。

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スプリンターズ・ハイ

milecs03.jpg by suna
マイルチャンピオンシップ2003-観戦記-
 縦長の陣型で終始レースは進み、好位を追走した馬やスタミナに欠ける馬は道中でなし崩し的に脚を使わされ、最後の伸びを失ってしまった。勝ったデュランダルは前走のスプリンターズステークスと同様、ラスト3ハロンの脚に賭けることによって、群雄割拠の混戦を切り裂いた。

 1200m→1600mというG1の連覇が難しいのは、道中のペースの違いに馬が戸惑ってしまうからである。

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血脈の火

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エリザベス女王杯2003-観戦記-
 アドマイヤグルーヴがついに母子3代に渡るG1制覇を成し遂げた。ダイナカール(父ノーザンテースト)→エアグルーヴ(父トニービン)を経て、当代最高の種牡馬であるサンデーサイレンスを父とするアドマイヤグルーヴが誕生した。繁殖牝馬が生涯で残すことができる仔の数を考えると、このベストトゥーベストと思われる掛け合わせにおいても母子3代でG1を制覇することは奇跡的なことであり、最初で最後の大記録であると思われる。私としては、エアグルーヴという牝馬の人智を超えた力を改めて感じるとともに、後世に確実に大きな影響を与える血脈であると確信している。

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馬が空を

tenaki03.jpg by ruby
天皇賞秋2003-観戦記-
 空前絶後のハイペースでレースは流れた。前半1000mが56秒9(スプリント戦並みのハイラップ!)、そして、レコード決着にもかかわらずラスト3ハロンが37秒1もかかるという、極端な前傾ラップであった。

 このようなレースを作り出したローエングリンの無謀な逃げは、後藤騎手またはローエングリン陣営の作戦ミスによるものではなかったのか。

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こんな騎手もいる

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菊花賞2003-観戦記-
 菊花賞というクラシックレースにおいて、1番人気を分け合う2頭に外国人ジョッキーが乗るということは、騎手にも国際化の波が押し寄せていることをはっきりと示している。つまり、馬乗りが巧く、勝利をもたらしてくれるジョッキーならば、どこの国から来た誰でも構わないのである。新馬戦から手塩にかけて育ててきた馬を、本番のレースでは乗り替わりを命じられ、あっさりと勝たれてしまう騎手の気持ちは如何に。確かに実力、実績が全ての勝負の世界ではあるが、あまりにも目先の勝利に目を奪われていやしないか。そんな忸怩たる思いを吹き飛ばすかのような、安藤勝己騎手の思い切ったロングスパートが決まった。ザッツザプレンティの全てを出し切るにはこれしかないという信念に基づいた、わずかの迷いすらない見事な騎乗であった。

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至上の愛

syukasyo03.jpg by ruby
秋華賞2003-観戦記-
 メジロラモーヌに次ぐ、17年ぶりの3冠牝馬が誕生した。他馬とは完成度が違うのはもちろんのこと、圧倒的な運動能力と高い精神性がなければ、この3つの難関を全てクリアすることは難しい。

 スティルインラブの最大の武器はスタミナに裏付けされた息の長い末脚と、レースに行って騎手の意のままに動くことのできる落ち着いた気性である。実は私は、紅梅ステークスにおけるレース振りとその体形を見て、スティルインラブをスピードの勝っている馬であると考えていた。能力を発揮できるのは桜花賞までだろうと判断し、オークスでは勝ち切るまではいかないだろうと評価を下げた。しかし、よく考えると、桜花賞での早めの仕掛けからのロングスパートは、この馬の持つ豊富なスタミナを証明していたのであった。オークス、そして今回の秋華賞と、どこまでも伸びて行きそうな末脚をコンスタントに披露できるのは、スタミナの絶対値の高さゆえであり、他馬が最後の直線で太刀打ちできなくなるのも当然である。

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終い良ければ

sprinters03.jpg by ruby
スプリンターズS2003-観戦記-
 4コーナーを抜群の手応えで回り、直線でも満を持して抜け出したはずのビリーヴを、デュランダルが大外から矢のような末脚で差し切った。タイムは1分8秒0とG1にしては速くないが、ビリーヴが早めに前を潰しにかかったことや、今の中山競馬場の上がりの掛かる馬場状態を考えると、後ろから差してくる馬にとって有利なレースであった。

 ビリーヴが一旦抜け出してから差されてしまったのは、1頭になって気を抜いたわけでは決してなく、苦しくても最後まで走り切るという気持ちが薄れていたからである。

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勝つことが思想なのだ

takaraduka03.jpg by ruby
宝塚記念2003-観戦記-
 昨年の年度代表馬、G16勝馬、そして本年度のダービー馬と、いつになく豪華なメンバーが揃った春のグランプリは、人気を分け合った前記3強が直線半ばで全滅するという衝撃の結末で幕を閉じた。このような結果を生んだ最大の原因として、上がり3ハロンが36秒9も掛かった超ハイペースの展開が挙げられるだろう。スピードを生かし先行していた馬にとっては、息の入らない厳しい流れになり、最後はバテなかった馬が勝つといったスタミナ勝負のレースとなった。

 これで天皇賞春と宝塚記念を連勝することになったヒシミラクルにとっては、上がりの掛かる展開になり、バテない渋太さを生かせたことが最大の勝因であろう。

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不世出のオールラウンダー

yasuda03.jpg by sashiko
安田記念2003-観戦記-
 条件クラスのレースでも相当に速い時計が出ていた馬場を考慮すると、前半46秒0というペースは、G1としてはスローということになるだろう。その結果、直線ではヨーイドンといった瞬発力勝負になり、早めに抜け出して粘り込みを図るローエングリンを、武豊アドマイヤマックスが捉えたと思われた瞬間、馬場の真ん中を通ったアグネスデジタルが33秒台の脚を使って、最後は貫禄できっちりと差し切った。

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ネオ=救世主??

derby03.jpg by sashiko
ダービー2003-観戦記-
 サンデーサイレンスの直仔やその孫たちが掲示板を独占するといった、今年のG1レースの流れを象徴するかのようなダービーであった。そんな中でも、第70代のダービー馬の称号を手にしたネオユニヴァースの圧倒的な強さには驚きを隠せない。というのも、今回のダービーにおけるネオユニヴァースの体調は、決して万全ではなかったからである。そのことは、デム-ロ騎手の勝利ジョッキーインタビューにおける、「いつもはふざけようとする馬が、今日は大人しかった。」というコメントからも読み取れる。しかし、いざレースでは着差以上の強さを見せての完勝であり、この馬の奥の深さとともに、何か神秘的なものすら感じた。

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愛は超えていく

oaks03.jpg by sashiko
オークス2003-観戦記-
 クラシックに乗るような馬にとって、競馬の苦しさを初めて味わうのは3戦目あたりだと言われる。それまでは楽に走って勝てていたが、メンバーが強化されることにより、騎手に叱咤激励されながら極限まで能力を出し切ることを要求されるからである。競馬の苦しさを知った若駒は、当然の事ながらレースを嫌がるようになる。レースの雰囲気を察すると暴れたり、精神的なストレスから入れ込んでしまったりもする。ゲートに入ることを拒む馬もいるし、その場を少しでも早く終わらせよう(逃げ出そう)として引っ掛かってしまう馬もいる。このように、若駒のメンタリティは現象として表出しやすい。

 アドマイヤグルーヴは、新馬戦とエリカ賞は楽勝して休養に入った(ここまではほとんど追う所なしで、厳しい競馬を体験していない)。

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雨に踊れば

nhkmc03.jpg by sashiko
NHKマイルカップ2003-観戦記-
 開幕週であるにもかかわらず、直前にひと雨降ったことにより、思っている以上に時計がかかり、スタミナを要する馬場でレースは行われることになった。エイシンツルギザンを除いて、最後の直線で伸びてきたのは前走で1800m以上のレースを使っていた馬たちであることが、それを証明している。さらに、新設東京競馬場の長くなった直線を意識したのか、各馬スタートから積極的に行こうとはせず、その状況は4コーナーを回っても変わることはなかった。その中でも自分のペースを貫いたウインクリューガーは、最高の形でレースを運んでいた。

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なんというスタミナ

天皇賞春2003-観戦記-
 大逃げを打ったアルアランが作り出したのは、前半、中盤、後半と偏りのない緩みのない流れで、瞬発力よりも持続力を要されるステイヤ-向きの展開となった。なったというよりも、角田ヒシミラクルがそうした、とした方が適切かもしれない。瞬発力勝負になっては勝ち目のない同馬にとっては、どれだけ中盤のラップを上げ、後半の上がりをかけさせるか(上がり時計を遅くするか)が重要となってくる。スタミナに不安のある馬は道中ジッとしているしかないが、自らのスタミナに絶対的な自信があるヒシミラクルは、中盤からすでに動き始め、レース全体の上がりが36秒1という自らにとって理想的な展開を作り上げることに成功した。

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新次元の証明

satuki03.jpg by shinji
皐月賞2003-観戦記-
 勝負所はスタートしてから1コーナーまでの、わずか数百メートルであった。好位置を取ろうと各馬が1コーナーに向けて殺到する中、出たなりに馬の行く気に任せ、静かに内を進んだネオユニヴァースと、騎手の制止を振り切らんばかりに前へ前へと行きたがったサクラプレジデント。道中で力を温存できたかロスしてしまったかという違いが、わずか頭差という大きな勝敗を分けることになった。スローペースの瞬発力勝負になったことが、このサンデーサイレンス産駒2頭と他馬の力差を浮き彫りにした形となったが、それと同じだけの力差をネオユニヴァースとサクラプレジデントの間にも見た。

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ふさわしい

okasyo03.jpg by sashiko
桜花賞2003-観戦記-
 前半の1000mが58秒4、勝ち時計が1分33秒9というレコードであったように、レースは全体としてハイペースで流れた。それでも、前に位置した馬が総じて上位に残ったのは、コンディションの良い内側のグリーンベルトを通ることができたからである。後ろから差そうとする馬は必然的に外を回らねばならないし、前に行っている馬は馬場の良い所を通っているのでなかなか止まらない。枠順の内外の差、脚質による位置取りの差が顕著に出たレースであった。

 勝ったスティルインラブは、好スタートを決め、内側に進路を取れたことが第1の勝因だろう。

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稀有

takamatumiya03.jpg by echizen
高松宮記念2003-観戦記-
 中京開催8日目にもかかわらず、内外の差もなく、極端に時計が速かったり掛かったりすることのないベストコンディションの馬場でレースは行われた。圧倒的な1番人気を背負ったショウナンカンプを全馬がマークするような展開で、前半の3ハロンが32秒9というハイペースとなった。レースの見どころは4コーナーで、突き放したくても馬が前に進まないショウナンカンプとは対照的に、ハイペースをビリーヴが引っ張ったままという抜群の手応えで回って来た所である。2頭の手応えの差は明らかで、この時点で既に勝負は決していた。

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馬体重を見れば分かること

feb03.jpg by ruby
フェブラリーS2003-観戦記-
 前日からの降雨により、適度に水分を含んだダートコースでレースは行われた。スマートボーイ、カネツフルーヴのハナ争い→超ハイペース→差し馬有利が大方の戦前からの予想であったが、スマートボーイのダッシュがつかなかったこともあり、1コーナーまでだけではなく、全体としても淡々とした流れになった。中山競馬場ダート1800mという逃げ先行馬が圧倒的に有利なコースで、このような展開になってしまっては、差し追い込み馬にとっては成す術もなかった。脚抜きの良い馬場、前残りの展開など、全ての条件が勝ったゴールドアリュールにとっては有利に働いた。

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夢は終わり、また始まる

arima02.jpg by ruby
有馬記念2002-観戦記-
 「無敗で有馬記念を制する3歳牝馬」に挑戦したファインモーションは、折り合いを欠き惨敗してしまった。以前から直線で内にササる癖は指摘されていたが、それはスタンドからの歓声に驚いてのものだったのだろう。あのエアグルーヴでさえも、3歳時の秋華賞でパドックでのカメラのフラッシュに驚き、イレ込んでしまって惨敗したことがある。ファインモーションにも、そういった牝馬特有の繊細な面があってもなんら不思議はない。

 ファインモーションの本質的な弱点は、

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最後まで立っていたからこそ

asahifs02.jpg by ruby
朝日杯フューチュリティS2002-観戦記-
 武豊騎手がサイレントディールの気に逆らうことなく行かせ、ペリエ騎手のマイネルモルゲンがそれをマークする形でレースは進められた。ペリエ騎手の武豊マークはよく見られるが、今回のレースではその策が裏目に出てしまった。この2頭が作り出したペースは、前半1000mが56秒9という超ハイペースで、上位に来た馬は前走で1800mを使ってきたスタミナ豊富な馬ばかりという結果になった。

 そんな中でも、3番手を追走して勝ったエイシンチャンプは、スピードとスタミナを高いレベルで兼備していることを証明してみせた。

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強く、そして美しい

hansinjf02.jpg by shinji
阪神ジュべナイルフィリーズ2002-観戦記-
 阪神競馬場の1600mがフルゲートで行われれば、ある程度のゴチャつきは予測されるが、案の定1コーナーまでの入れ替わり立ち替わりは激しく、不利を被った馬も多く見受けられた。経験の浅い2歳馬、それも牝馬の争いだけに、前半で大きなロスがあると後半にそれが何倍もになって跳ね返ってくることになる。時計的には平均ペースで、展開による有利不利はなかったが、2着以下に関してはどれだけ巧くレースを進められたかによって着差が違った印象が強い。

 ピースオブワールドは、このメンバーでは能力、完成度が共に違いすぎた。

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世界をナメるな!!

japancup02.jpg by sashiko
ジャパンカップ2002-観戦記-
 11年ぶりの外国馬によるワンツーフィニッシュということになったが、それほど驚くべきことではないだろう。某テレビ番組の解説での吉田照哉氏のコメントを借りると、「日本馬だけが強くなったと考えるのは錯覚で、強い馬は世界中のどこにでもいる」のである。勝ったファルブラヴのジャパンカップまでの成績は[7・4・3・1]と、道悪だった凱旋門賞を除けば安定した成績を残しており、どのような条件下でも堅実に力を発揮してきたことが分かる。フェアリーキングを父に持ち、スピード優先の世界的な流れに適応できる最先端の血統でもある。今回のジャパンカップではデット-リ騎手の方が目立ってしまったが、ファルブラヴも国際G1を勝つだけの力を持った一流馬であったことは間違いがない。長距離輸送がないぶん日本馬有利というジャパンカップの傾向はこれからも変わらないだろうが、ファルブラヴのように強い一流の外国馬がやって来た場合には、今回のような結果も覚悟しなければならないだろう。

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動じることなく

jcd02.jpg by sashiko
ジャパンカップダート2002-観戦記-
 戦前の予想に反し、スタートから4コーナーに至るまで、レースは非常に緩やかに流れた。これはスマートボーイがアブリーズに絡まなかったこと以上に、どの騎手の脳裏にも「スタートからのハイペースに巻き込まれたくない」という意識が植え付けられていたことの結果である。時としてレースの流れは、このような各ジョッキーの脳裏に描かれた極端なイメージ(偏見)によって大きく影響を受けてしまうことになる。後半は各有力馬が一斉に動いたため速くなったが、誰がこれほどまでの後傾ラップを予測し得ただろう。

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マイル界没落!?

マイルチャンピオンシップ2002-観戦記-
 今の京都の馬場で1分32秒8ならばそれほど速い時計ではないが、上がり3ハロンで35秒1を要していることから判断すると、先行馬にとっては息の入りづらいハイペースであった。4コーナーまで力を温存できた末脚自慢の馬たちにとっては、その切れを披露するにはおあつらえむきの舞台となり、そのためゴール前横一線という際どい決着となった。

 勝ったトウカイポイントは、道中に悪さを見せずに集中して走ることができるマイルという距離が適していたのだろう。

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眩暈

elizabeth02.jpg by sashiko
エリザベス女王杯2002-観戦記-
 スタートから4コーナーまでに至るまで予想以上のスローペースでレースは流れ、上がりが33秒8という完全な前残りの競馬となった。超スローペースを読み切った武豊騎手は、4コーナー手前から動き始めることによって後続の切れ味を封じ込めることに成功し、まさに他馬に影も踏ませることのない完勝を演じた。2着以下の馬に関しては、道中の位置取りが明暗を分けた。

 6連勝でエリザベス女王杯を制したファインモーションは、いとも簡単に古馬の壁を打ち破ってしまった。

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ギムレットよ・・・

tenaki02.jpg by sashiko
天皇賞秋2002-観戦記-
 前日からの雨による心配も杞憂に終わり、久しぶりに力の拮抗した、高いレベルでの争いを見せてもらった。ペースも極端に速くも遅くもない、どの馬にとっても力を出し切れるレースであり、最後の直線ではまさに力と力のぶつかり合いといった趣きであった。そのようなサバイバルレースから力強く抜け出したのは、最後のクラシックである菊花賞を捨ててまで天皇賞秋に照準を絞ってきた、3歳馬シンボリクリスエスであった。内々の馬場の良い所を進み、最後の直線までジッと我慢をし、馬群の間隙を縫って追い出されるや、外から来る切れ者サンライズペガサス、老兵ナリタトップロードの追撃を振り切ってのゴールであった。

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だから競馬は面白い

kikka02.jpg by shinji
菊花賞2002-観戦記-
 まずはノーリーズンの落馬について述べなくてはならないだろう。競馬場で起こる全てのことには原因がある、と私は思っていて、あのサイレンススズカの競走中止にしても、今回のノーリーズンの落馬にしても、直接的な原因は偶然の産物であるかもしれないが(たとえば石に躓いたなど)、その偶然を呼び起こし、最悪の結果まで一気に導く間接的な原因どこかにがあったはずなのである。こじつけと言われることを承知で敢えて述べるならば、今回の落馬事件はノーリーズン自身の体調が優れなかったことに間接的な原因があったのではないだろうか。

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惚れ惚れと

syukasyo02.jpg by sashiko
秋華賞2002-観戦記-
 ここまで1頭の馬の力が抜けているとレース回顧すら必要ないのでは、と思わせられる程のファインモーションの圧倒的強さであった。この馬の良さは、改めて挙げるまでもないのだろうが、牝馬離れしたパワー、デンヒル産駒に共通するスピード、そして騎手の指示通りに動ける気性の素直さが非常に高い次元で備わっているということであろう。肩と腰回りから尻にかけての筋肉の豊富さ、柔らかさは惚れ惚れするほどで、それら全ての要素が融合され推進力へと変換されている。ただし、気性が前向き過ぎることからも、追ってからそれほど伸びるタイプではないし、距離的には2400mがギリギリといったところであろう。しかし、あくまでもさらに高いレベルでの話であって、牝馬同士のレースではあまりにもエンジンの大きさが違いすぎた。

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To believe or not to believe

sprinters02.jpg by sashiko
スプリンターズS2002-観戦記-
 新潟競馬場ではじめて行われたスプリンターズステークスは、実力馬3頭によるデットヒートの末、1番人気のビリーヴが接戦を制し、4連勝でG1の冠を手に入れた。前半33秒7、後半34秒0という数字だけ見ればイーブンペースだが、G1レースとしては非常に遅いペースであったため、スプリント戦としては珍しい直線でヨーイどんという瞬発力勝負の競馬となった。そのことが3頭の中で最も有利に働いたのがビリーヴであり、着差以上に危なげない勝利であった。

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蘇りし炎

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宝塚記念2002-観戦記-
 大逃げを打ったかに見えたローエングリンが作り出したのは、中盤にゆるみを持った、横山典弘騎手により配合された絶妙なペースであった。馬場が良かったため上がり時計も必然的に速くなり、後ろ位置している馬にとっては戦いにくい展開となった。

 一見ギリギリの勝利のように見えるが、実は着差以上にダンツフレームにとっては余裕のある勝利であった。

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長かったよ

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安田記念2002-観戦記-
 アドマイヤコジーンが再びG1のゴールを先頭で走り抜け、後藤浩輝騎手が初めて中央のG1タイトルを獲得した。同じ場所で、時を同じくして起こったこれら2つの出来事は、私たちの中でいくつもの物語に変わり、そしてひとつの伝説として生き続けるだろう。

 アドマイヤコジーンがロバーツ騎手を背に朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)を勝ってから、すでに3年半の年月が流れた。

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運も不運も

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ダービー2002-観戦記-
 今年のダービーは終わり、ひとつの問いが残された。「前走で致命的な不利を受けずにNHKマイルカップを勝っていたら、タニノギムレットはダービー馬となりえたであろうか。」タニノギムレットの関係者、そしてタニノギムレットを支持し賭け続けてきた者たちは、この問いに対して、なんの疑いも抱くことなく「もちろん勝っている」と答えるはずである。タニノギムレットの力を持ってすれば、1分32秒台の時計で並みいる強豪マイラーたちを打ち負かし、その3週間後に、今度はチャンピオンディスタンスにおいて8512頭の頂点に立つという偉業を成し遂げることは可能であると。しかし、本当にそうだろうか。

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ドーベル級爆発力!?

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オークス2002-観戦記-
 心配された雨も前日で止み、なんとか良馬場発表でレースは行われた。それでもパンパンの良馬場というわけにはいかず、ある程度力を要する、時計の掛かる馬場状態であったようだ。予想通りにサクセスビューティーがハナを奪い、ユウキャロットが2番手を進むといった展開で、馬場状態を考慮に入れても平均ペース、どちらかというとスローに近い流れであった。

 勝ったスマイルトゥモローの爆発力には驚かされた。

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これも競馬か??

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NHKマイルカップ-観戦記-
 なんとも後味の悪いレースだった。圧倒的な1番人気に推されたタニノギムレットは、一度ならまだしも、二度にわたる勝負所での不利を受け、そこからなんとか追い上げたものの3着を確保することが精一杯であった。まさにノーチャンスといった内容であった。タニノギムレットが不運だったと言ってしまえばそれまでだが、勝ったテレグノシスの勝浦騎手のラフプレーには大いに問題があるだろう。私がパトロールフィルムで見る限り、あれだけ故意に斜行をして降着にならないのは不思議で仕方がない。広々とした府中コースにもかかわらず、勝浦騎手は何を焦ってあんなにも無茶な乗り方をしなければならなかったのか。勝つためには手段を選ばないというのはおかしい。そして何よりも、本来は勝っていた馬が勝たなかったという動かし難い事実が悲しい。

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未だ頂に至らず

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天皇賞春2002-観戦記-
 これといった逃げ馬が不在の中、スタートから道中に至るまで13秒台のラップが続出する超スローペースでレースは流れた。典型的な上がりの勝負となり、結果、人気馬が上位を独占した。僅差での決着であったため見ごたえのあるレースではあったが、それでもレースのレベル自体は高いとは言えない。タイムにも映し出されるように、全体的に厳しさを欠くレースであった。

 だからといって、勝ったマンハッタンカフェ自身の価値が下がるわけではない。

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Just one reason

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皐月賞2002-観戦記-
 今年の皐月賞は例年になく絶好の馬場でレースが行われた。勝ち時計の1分58秒05は、コースレコードタイという驚異的なタイムである。もちろん道中のペースは非常に速く、息をつく暇もない厳しい流れになった。それでも、前に行っている馬が止まらない馬場であったため、後ろから行った馬は苦しいレースを強いられた。特に、小回りコースの多頭数ということもあり、外々を回さざるを得なかった有力馬らは全く自分のレースをさせてもらえなかった。

 そんな中でも勝ったノーリーズンの強さは際立っていた。

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疾矢のごとく

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桜花賞2002-観戦記-
 心配された雨の影響もほとんどなく、グリーンベルトのできたAコースでレースは行われた。予告どおりサクセスビューティーがハナを切ったが、ペースはそれほど速くはならず、全体として平均的な流れであった。勝ち時計1分34秒03、上がり35秒08も標準的であり、特筆すべきはない。

 アローキャリーは、このメンバーの中ではコース、距離に対する適性がほんの少し上位だったのだろうという印象を受けた。

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完膚なきまで

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高松宮記念2002-観戦記-
 最終週ということもあって、芝の傷みが目立ち、全体的に時計のかかるパワーを要する馬場でレースは行われた。前半32秒9、後半35秒5というラップはハイペースと言ってよく、勝ち時計の1分8秒04も、この馬場にしては優秀なタイムである。ただし、追い込みの利きにくい馬場であったことは間違いがなく、この点は勝ったショウナンカンプにとって有利に働いた。

 ショウナンカンプは速さだけではなく、

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ノンジャンルの極み

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フェブラリーS2002-観戦記-
 まさにダート界における頂点を争うにふさわしいレースであった。標準よりも少し軽いダートで行われたため、平均ペースであったにもかかわらず、勝ち時計は1分35秒1という、フェブラリーSがG1に昇格して以来最も速いものとなった。勝ち時計の速さがレースの優秀さを決める訳ではないが、ダート戦でこれだけのタイムで決着してしまうと、スピード不足の馬にとっては付け入る隙のない、実力が正直に反映されたレベルの高いレースとなった。

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最強から最強へ

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有馬記念2001-観戦記-
 芝が張り替えられた絶好の馬場で行われたため、スローペースで上がりの競馬になったにもかかわらず、2分33秒1という好時計での決着となった。それにしても勝ったマンハッタンカフェの上がり33秒9は凄い。直線での伸びは1頭だけ他馬と明らかに違っていた。

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あの母の仔として

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朝日杯フュ-チュリティS2001-観戦記-
 絶好の馬場状態で行われた今年の朝日杯フュチュリティーSは、グラスワンダーのレコードにコンマ2秒差の1分33秒8という好タイムで決着した。前半の1000mも57秒7と速く、先行した馬にとっては苦しい流れとなった。

 勝ったアドマイヤドンは道中を抜群の手応えで先団を追走し、最後の直線でも他馬の追い出しを待つ余裕さえあった。このペースを7ー4ー3という位置取りで抜け出し、最後もまだ余裕があったように、完全に一枚力が上であった。

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二度あることは

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阪神ジュべナイルフィリーズ2001-観戦記-
 またもやペリエにやられた、というのが大方の感想だろう。ペリエ騎手はこれで3週連続でのG1制覇となったが、その中でも今回の阪神ジュベナイルFは、まさに騎手としての技量の違いをまざまざと見せつけたレースとなった。誰の目にも明らかなのは、ペリエ騎手が馬を追えるということである。馬の動きを邪魔することなく、それでいて全身を使って馬を叱咤激励している。馬を強く追おうとすると、どうしても上体に力が入り、全身のバランスが崩れた状態で力づくで馬を動かそうとしがちである。それでは馬にとっては負担になるだけで、伸びる馬も伸びない。ペリエ騎手をみるとかなりハデなアクションで馬を追っているように見えるが、頭の位置だけは動いていないことに注目してもらいたい。つまり、全身を使っていながらも体の軸はブレていないのである。

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価値観の転倒さえ

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ジャパンカップ2001-観戦記-
 勝った馬を称えるまえに、まずテイエムオペラオーに敬意を示したい。2着に敗れたものの、直線での伸び脚は一瞬勝ったと思わせるものだった。しかし、ジャングルポケットが伸びて差し切ったようにみえるが、実際はテイエムオペラオーが坂を登ったあと止まっているのだ。止まった原因としては、体調によるものではなく精神的なものだと考える。馬自身に最後まで伸びる気力がなくなってきているのだろう。体調が悪いのであれば、抜け出す時のあの瞬発力は使えない。引退まで残されたレースは有馬記念だけとなる。勝って欲しいという気持ちはあるが、テイエムオペラオーがどこまで気力を振り絞って戦えるのだろうか。連対すら外すこともあり得るだろう。いずれにせよ最後まで無事に走り切って欲しいと心から願う。

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G1じゃない!?

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ジャパンカップダート2001-観戦記-
まるでG1レースを観ている気がしなかった。クロフネはまるで条件戦を勝つかのように、G1を勝ってしまったのだ。スタートでワンテンポ遅れたため、後ろからの競馬になったが、向こう正面で先団に取り付き、4コーナーではすでに先頭に立ってそのまま押し切ってしまった。馬群に入れずのびのびと走らせたかったのか、それとも砂を被らせたくなかったのか真意は分からないが、非常にロスのある競馬だったことは確かである。それでも2着に7馬身の差をつけてしまうあたり、ダートにおける一流馬たちと比較してもエンジンが違い過ぎる。距離うんぬんは関係なく、体調が万全であればダートで走っている限り負けることはないだろう。

ウイングアローは自身の持つレコードタイムを更新したが、昨年ほどの迫力は感じられなかった。道中苦しいところに入ったりして、少しチグハグな競馬になってしまった。それでも終い良く伸びているが、勝った馬が強かったということだろう。パドックで見ても分かるように、この馬はダート馬としては線の細いタイプだが、こういったスタミナや底力が必要とされるレースには滅法強い。このレースはパワーとスピードだけでは通用しないことを証明した。

3着に入ったミラクルオペラも、がっちりというよりもスマートな馬体をした馬だ。正攻法のレース振りからも来年のダート界を担うことのできる馬に成長している。ノボトゥルーは早めに仕掛けて見せ場を作ったが、最後は後続の馬たちに差されてしまった。けれども、ノボトゥルーをあそこまで持たせてしまうペリエ騎手の馬を追う技術は日本ではなかなか見られないものであった。

クロフネとの一騎打ちを期待されたアメリカのリドパレスは見せ場なく8着に敗れてしまった。パドックを見る限りでは、筋骨隆々ではあるが伸びのない馬体であった。体調が優れなかったことが大きな敗因だろうが、東京競馬場の2100mという距離自体が少しこの馬には長かったのだろう。あまりスタミナがありそうなタイプではないだけに、もう少し短い距離の方が向いているはず。

ジャパンカップダートが創設された昨年と今年の2回レースを観て、やはりスピードとパワーで押すタイプの、いわゆる典型的なダート馬ではこのレースは勝ち切れないことが分かった。これからも、海外からこのようなタイプの馬が参戦してくるだろうが、余程力が抜けていない限り掲示板に載るのが精一杯だろう。芝だけでなくダートのレースにおいても、地の利がある限りこれからも日本馬中心のG1となることは間違いない。

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グッドジョブ!!

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マイルチャンピオンシップ2001-観戦記-
 今年のマイルチャンピオンシップは実力よりもペース(展開)が大きく勝敗を分けたレースとなった。前半の4ハロン(半マイル)が47秒3という異常ともいえるスローペースで、上がりも34秒4では後ろから行った馬はレースにならなかった。

 勝ったゼンノエルシドはペリエ騎手の積極的なプレーが光った。

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華、花、首、首

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エリザベス女王杯2001-観戦記-
 今年のエリザベス女王杯は、前半1000mが58秒5という今までにないハイペースでレースが進められた。上位を占めたのは後方で待機した差し馬で、先行した馬の中では1番人気のテイエムオーシャンが5着に粘っている。どの馬も力を出し切った素晴らしいレースであった。

 やはりテイエムオーシャンは調教が軽すぎた。

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柔軟という資質

天皇賞2001-観戦記-
 当日の雨によって、滑りやすく重い馬場でレースは行われた。さらに、サイレントハンターが出遅れたことによって、超がつく程のスローペースになってしまった。上がりの3ハロンは35秒9とはいっても、2分2秒0という勝ちタイムと馬場の状態を考えると、まさに最後の直線での瞬発力の勝負になった。重馬場に適性のない馬と瞬発力のない馬は出番がないといったレースであった。

 テイエムオペラオーは、当日の馬体重がマイナス8kgであったように、ほぼ満点に近い仕上がりであった。距離が短いことを意識しすぎた乗り方ではあったが、

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キリンのような馬

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菊花賞2001-観戦記-
 勝った馬には失礼になるが、非常にレベルの低いレースであった。道中のペースが遅いことや、勝ち時計が遅いことが理由ではない。今年の菊花賞は、有力とされていた各馬が、力を発揮できる状態になく、レースをしていないという点においてレベルが低い。

 勝ったマンハッタンカフェは、薄すぎるほど体が薄い、まさに長距離に適した馬体をしている。同じサンデーサイレンス産駒のスペシャルウィークも薄い馬体をしていた馬だったが、脚の長さ、首の細さも手伝ってまさにキリンのような馬である。夏の放牧で減っていた体を回復して以来、札幌で2連勝していたが、セントライト記念であっさりと負けてしまった。ただこのレースに限っては、マンハッタンカフェはかなりの大跳びなので、滑るような馬場で力を発揮できなかったという理由はある。それでも4着に惨敗したのは、まだ力が付き切っていなかったからである。栗東に入厩して輸送時間を減らしたのは、ひとつの工夫であって、レースの結果に対する絶対的な影響力はそれほどないはず。なによりも、中間の時計も1本、最終の追い切りも馬なりという軽い仕上げで菊花賞を勝ってしまったことに驚きを隠せない。

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秋華賞はこうやって勝つ

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秋華賞2001-観戦記-
 まさにテイエムオーシャンの完勝であった。勝つべくして勝ったレースと言ってもいいだろう。前半の1000mが58秒4という、馬場が良いことを考慮しても速いペースでレースは流れたが、テイエムオーシャンは離れた3番手という絶好のポジション取りで、単騎で逃げているのと変わらないマイペースで道中進めることが出来た。本田騎手が前半から積極的な競馬をしたため、馬群に包まれることもなく、逆に内枠のアドバンテージを生かし理想的な競馬をしていた。

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最短距離を最短距離で

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スプリンターズS2001-観戦記-
今年のスプリンターズステークスは、10Rの1000万下条件においても1分7秒4の時計が出たように、非常に速い時計の出やすい馬場で行われた。その結果、トロットスターがサクラバクシンオーのレコードを更新する1分7秒0というタイムで快勝した。

トロットスターの勝因として、前に行っている馬にとっては厳しいハイペースが有利に働いたことが挙げられる。中山1200mというコースは、基本的には先行馬にとって有利なコースなのだが、ことG1レース、つまりスプリンターズSに関しては、道中のペースが速く、厳しいレースになってしまうため、余程の力がないと、先行してそのまま押し切ることは難しい。たとえ1分7秒0という速い時計の決着だとしても、前半3ハロンが32秒5という数字は先行馬にとっては明らかにオーバーペースである。着順からも見て取れるように、メジロダーリングとダイタクヤマト以外の先行した馬たちは、直線の坂で力尽き、後方から末脚に賭けた馬たちに差されている。このレースは快速馬が勢揃いするため、毎年ほぼ確実にハイペースになるし、今年以降もこの傾向は続くであろう。つまり、前に行く馬よりも末脚のしっかりしている馬が有利である。

トロットスターの+24kgは、春後半で減っていたことを考慮に入れたとしても、多少の太め残りであったことは否めない。パドックでも、普段はどちらかというと華奢な体形の馬が、一目で分かるくらい腹袋が立派に映っていた。それでも勝つことが出来たのは、トロットスター自身の持つスプリント戦に対する能力と適性が他馬を圧倒的に凌いでいたからであろう。

2着のメジロダーリングの充実には目を見張るものがある。外から被されるのを嫌い、無理をして先頭に立ち、前半32秒5のハイペースで飛ばしたにもかかわらず、勝ったトロットスターと首差の勝負にまで持ち込んだ。そして、あれだけの厳しい調教をしていながら、前走比+2kgの馬体重で出走してきたように、心身ともに最高の状態であった。牝馬であるにもかかわらず、出走馬中で最も力強さが感じられた。

3着に敗れてしまったダイタクヤマトにとっては、勝ち時計が速すぎたのではないか。瞬発力がある馬ではないので、直線に向くまでにセーフティーリードを取って置きたかったのだが、逃げている馬が速すぎたため、得意の4角先頭の戦法は不発に終わることになってしまった。惜しむらくは、スタートが良すぎたため、すぐにグリーンベルトを確保しに行った結果、二の脚を使ってあとから来たブレイクタイムらに外から被される形になってしまったことである。他馬を内に見る形でレースを進めたかったのだが、包まれてしまい4コーナーまでは普段の行きっぷりが見られなかった。体調自体はマイナス18kgの馬体重が示す通り、このレースの向けて最高に仕上がっていた。

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