長かったよ
by sashiko
安田記念2002-観戦記-
アドマイヤコジーンが再びG1のゴールを先頭で走り抜け、後藤浩輝騎手が初めて中央のG1タイトルを獲得した。同じ場所で、時を同じくして起こったこれら2つの出来事は、私たちの中でいくつもの物語に変わり、そしてひとつの伝説として生き続けるだろう。
アドマイヤコジーンがロバーツ騎手を背に朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)を勝ってから、すでに3年半の年月が流れた。
2歳の段階でピークを迎えた馬が6歳になって再びG1を勝った、それも横綱相撲で押し切ったという事実に、惜しみない称賛を与えたい。はっきり言って、こんな馬はかつて見たことがない。2歳時の柔らかく伸びのあった馬体に力強さが加わり、いい意味で馬が枯れてきたのがちょうど今だったのだろう。かつての姿を失ったアドマイヤコジーンを、ここまで復活させた関係者の意志の強さには感服する。
後藤浩輝騎手にとっても、今回の勝利は格別の喜びに違いない。追い求めていた時間が長ければ長いほど、それを手にした喜びは大きく、意味も深い。これまで後藤騎手がG1を勝てなかったのは、単なる巡り合わせに過ぎず、今年のG1でも人気馬に乗りながら勝てなかったが、騎手としては非の打ちどころのない騎乗をしていた。まさに機が熟したといった感で、この勝利をきっかけにさらなる飛躍を遂げてほしい。
昨年のブラックホークに続き、マイル戦では若干長いかと思われていた馬の勝利であるが、これは一体どういうことなのだろうか。安田記念はスプリンターでもこなせてしまうレースになってしまったのだろうか。そうではなく、答えは、ブラックホークにせよアドマイヤコジーンにせよ潜在的なスタミナを持ち合わせていたということ、そして、最大の理由として思い付くのは、実は距離うんぬんではなく、馬場の内外の差の問題である。この時期の東京競馬場はどうしても内の馬場が傷んでいるため、外を回った馬が有利になるのである。この差は私たちが考えている以上に大きいのではないだろうか。
2着に来たダンツフレームは、一瞬勝ったかと思わせるほどの脚を使った。ダービーを境に燃え尽きたようなレースを続けていたが、今回のレースぶりを見るとかなり良化のきざしが窺えた。闘争心さえ戻れば、4歳世代でも屈指の実力馬であることは間違いなく、マイルぐらいの距離であれば大いなる活躍が見込める。池添騎手も好スタートから徐々にポジションを下げ、この馬にとってベストの位置をキープしていた。実に綺麗な騎乗であり、今回は勝った馬が強かった。
ミレニアムバイオは直線で内を突いたが、窮屈なところに入ってしまったことが悔やまれる。しかし、マイラーズカップでも見せていたが、追うと内にササる癖のある馬で、そのことも抜け出しに手間取った一因でもあるだろう。ハンドルの利く馬なら外に持ち出して伸びるスペースは十分にあったからだ。
グラスワールドは状態の良さと勢いを生かして上位に食い込んだ。追ってからもこの馬なりには伸びているが、G1クラスでは力の限界か。1番人気に推されていたエイシンプレストンは遠征疲れの影響もあるのか、レースでの前進意欲が感じられなかった。それでも直線ではしぶとく伸びてきており、力のあるところは示した。
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