マイル界没落!?
マイルチャンピオンシップ2002-観戦記-
今の京都の馬場で1分32秒8ならばそれほど速い時計ではないが、上がり3ハロンで35秒1を要していることから判断すると、先行馬にとっては息の入りづらいハイペースであった。4コーナーまで力を温存できた末脚自慢の馬たちにとっては、その切れを披露するにはおあつらえむきの舞台となり、そのためゴール前横一線という際どい決着となった。
勝ったトウカイポイントは、道中に悪さを見せずに集中して走ることができるマイルという距離が適していたのだろう。
道中の位置取りもスタミナの確かな裏付けがある同馬にとってはベストであったし、追い出すタイミングもここしかないといった絶妙さであり、蛯名騎手の腕なくしての勝利はなかった。マイルチャンピオンシップはフロックでは勝つことの難しいレースであり、そういった意味でもトウカイオーザの実力は認めざるを得ない。それでも、マイルの連対率が5割を切っている馬がこのレースを勝ったことは私の知る限りで初めてであり、驚きと共に、今年のレースのレベルの低さに思い当たった。
見せ場なく惨敗してしまったアドマイヤコジーンにとって、今回は安田記念のようなスムーズなレースにはならなかった。1200mから一気の距離延長ということに加え、道中でも厳しいレースを強いられたことによって、4コーナーでは既に手応えが残っていなかった。休み明けのG1を激走した疲れもあったのかもしれない。もちろん、この敗戦によってアドマイヤコジーンの成し遂げた偉業に傷がつくということはなく、ラストランとなる香港での走りに期待をするとともに応援したい。
ブレイクタイムはスタート後に凄まじい勢いで引っ掛かり、今回のハイペースの一端を担ったが、一体何があったのだろうか。他馬にこすられたのか、そうでなければ余程苦しいところがあったのか。いずれにせよ、この馬の本調子にはなかったようだ。京成杯オ-タムHを快勝した時がピークだったのかもしれない。
エイシンプレストンは国際G1馬の面目をなんとか保ったが、これほどレースの流れが味方したにもかかわらず勝ち切れなかったということは、2度の海外遠征による累積疲労と加齢による力の翳りが姿を現してきたと考えてよいだろう。昨年のエイシンプレストンならばあっさりと差し切っておかしくないレースであった。
リキアイタイカンは最終追い切りの坂路でも抜群の動きを見せていたし、休み明けを2戦してまさに絶好の状態での出走であった。スワンステークスで2着しているにもかかわらず人気がなかったのが不思議なくらいで、武幸四郎騎手も内枠を利してロスのない騎乗をして、勝利の栄冠まであと一歩であった。距離が1ハロン分だけ長かったことに理由は求められるが、1200m→1400m→マイルといったステップの使い方にも問題があったかもしれない。
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