世界をナメるな!!
by sashiko
ジャパンカップ2002-観戦記-
11年ぶりの外国馬によるワンツーフィニッシュということになったが、それほど驚くべきことではないだろう。某テレビ番組の解説での吉田照哉氏のコメントを借りると、「日本馬だけが強くなったと考えるのは錯覚で、強い馬は世界中のどこにでもいる」のである。勝ったファルブラヴのジャパンカップまでの成績は[7・4・3・1]と、道悪だった凱旋門賞を除けば安定した成績を残しており、どのような条件下でも堅実に力を発揮してきたことが分かる。フェアリーキングを父に持ち、スピード優先の世界的な流れに適応できる最先端の血統でもある。今回のジャパンカップではデット-リ騎手の方が目立ってしまったが、ファルブラヴも国際G1を勝つだけの力を持った一流馬であったことは間違いがない。長距離輸送がないぶん日本馬有利というジャパンカップの傾向はこれからも変わらないだろうが、ファルブラヴのように強い一流の外国馬がやって来た場合には、今回のような結果も覚悟しなければならないだろう。
マグナーテンが主導権を握ったことにより、レースは平均よりもスローに流れた。レースの明暗を分けたのは、枠順とそれにともなうコース取りである。ペースがスローになると馬群は団子状態で進むことが多く、外枠からスタートした馬は道中で内に入るスペースがなく、ゴールまで終始外々を回されることになる。中山競馬場のような小回りのコースでは、コーナーで外を回らされることによるロスは想像以上に大きい。特にスピードが乗っている4コーナーでの回り方は大切で、上位3頭を占めた馬がピッタリとコーナーを回っていたのに対し、外を強引に回した馬は総じて直線の坂で失速したことは印象的である。日本の競馬は甘いと言われる最大の原因は、コース取りとコーナーの回り方に対する日本人騎手の認識の浅さにある。外を回って負けてもクビにされない日本人騎手の意識が育たないのは当然といえば当然ではあるが。
シンボリクリスエスはスタートで少し出負けしたが、道中も好位置で折り合い、力を十二分に発揮している。最後の叩き合いに敗れたのは、距離が少し長かったこと(この馬にはもう少し速いペースで引っ張ってくれるレースが合う)と、前走である天皇賞秋から比べるといくらか状態が落ちていたことにあるだろう。それでもクビ差の3着と健闘しており、馬体や馬から発せられる雰囲気は3歳馬というよりも完成された古馬のそのものである。
休み明けのジャングルポケットは最後方からのレースになり、最後の直線ではなんとか5着まで追い上げた。手前の関係か、道中は終始リキんで走っており、やはり右回りのレースでは本来の走りができないようである。仕上がり状態は良かっただけに、右回りの克服がこれからの課題となるだろう。
ナリタトップロードはあれだけ外を回されては苦しい。四位騎手の乗り方では、普段のレースはそれで勝てるかもしれないが、G1のようにレベルの高く力の拮抗したレースでは通用しない。アメリカ、イタリア、フランス、イギリスのトップジョッキーの騎乗を目の当たりにして、そのことがはっきりと分かったはずである。これからの日本競馬を背負っていくべき四位騎手のさらなる飛躍を期待する。
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