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ふさわしい

okasyo03.jpg by sashiko
桜花賞2003-観戦記-
 前半の1000mが58秒4、勝ち時計が1分33秒9というレコードであったように、レースは全体としてハイペースで流れた。それでも、前に位置した馬が総じて上位に残ったのは、コンディションの良い内側のグリーンベルトを通ることができたからである。後ろから差そうとする馬は必然的に外を回らねばならないし、前に行っている馬は馬場の良い所を通っているのでなかなか止まらない。枠順の内外の差、脚質による位置取りの差が顕著に出たレースであった。

 勝ったスティルインラブは、好スタートを決め、内側に進路を取れたことが第1の勝因だろう。

その分前半で少し掛かってしまったが、許容範囲内であったし、直線に入ってからもグィっと伸び、付け入る隙のない完勝であった。今回の桜花賞では、どの馬よりもしっかりと調教を積んでの出走であったし、パドックや返し馬でも昂る気合いをジッと内に秘めているようで、これ以上望めないといったくらいの最高の状態であった。テンよし、中よし、終いよしで、桜花賞はこういう馬が勝つにふさわしいと言ってしまっても過言ではないだろう。ただし、いくら折り合いが付く馬とはいえ、距離はこれ以上伸びると苦しい。伸びのない体形からも、オークスではこの馬が先頭でゴールを駆け抜けることは難しいであろう。

 幸騎手はこれまで何度かチャンスはあったが、10年目にしてやっとG1の勲章を手にすることになった。いつもミスの少ない安定した騎乗をしているが、敢えて苦言を呈するとすれば、好い位置を取ろうとして無理をする騎乗が目につくということである。馬のリズムを崩すことなくポジショニングをしなくては、余程馬の力が抜けている場合でないと勝利を収めることは難しい。今回の桜花賞に限っては、内側のコースを走るためには多少の無理は仕方がなかったし、4コーナー手前でヤマカツリリーに進路を塞がれまいと強引に仕掛け始めたのは好判断であった。

 良血アドマイヤグルーヴはスタートで後手を踏み、直線だけで追い込みに賭けたが3着。前走で初めて厳しい競馬を経験したことにより、馬がレースの苦しさを知り、レース前から気負ってしまっていた。そのことはマイナス12kgという馬体重にも表れていただろう。馬なりの調教しか課していないにもかかわらず、あれだけ馬体重が減ってしまうのは、明らかに精神的なものが原因である。距離が伸びるオークスでは当然巻き返しが期待されるだろうが、まずは馬体重を回復させて、その上で精神的にリラックスした状態で出走して来なければならない。

 シーズトウショウは前半口を割るくらいに掛かっていたが、先行力を生かし内々を進むことによって、なんとか2着に粘ることができた。4コーナーでワンテンポ仕掛けを遅らせて、モンパルナスの内が開くのを待った池添騎手の好騎乗も光った。4着のヤマカツリリーは、安藤勝己騎手の抑えようという意識が裏目に出た結果となった。阪神ジュベナイルフィリーズの時のように、無理に抑えずに行かせていれば連対は確保できていたかもしれない。道中のリズムが悪く、馬場の悪い所を回っていたし、この馬は抑えたからといって終い伸びる馬ではないからである。5着のモンパルナスは、高速馬場のグリーンベルトに恵まれて力を出し切っていた。

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