« 超絶の覇者 | Main | びくともしない »

底知れぬ

febs04.jpg by gradeone
フェブラリーS2004-観戦記-
 標準よりも1秒くらい速い時計の出る馬場でレースは行われたが、道中が極端なスローで流れたため、全体としては標準よりも遅い1分36秒8の時計での決着となった。直線に入ってからヨーイドンの瞬発力勝負になり、末脚に賭けた追い込み馬は非常に厳しい競馬を強いられ、道中の位置取りが明暗を分けた。

 中央G1初制覇となったアドマイヤドンは、着差2分の2馬身以上の余裕を持っての勝利であった。

スタートで後手を踏んだが、すぐさま馬なりで中団に取り付き、直線に入ってからも他馬と足並みを合わせて遊んでいるかのような走りでフィニッシュした。まるで調教であり、おそらく疲労もほとんど残っていないのではないか。今回は短期放牧を挟んだことによりフレッシュな状態での出走であったし、そもそもこのメンバーにおいては走りそのものの次元が違った。

 薄い馬体だけを見ると芝の方がもっと走ると誤解されがちだが、ダートで大成したように、この馬はやはりダートでこその馬である。血統、走法や気性など様々な要因が不可思議に絡み合って、この馬のダート適性を形作っているのではないか。スピードも文句なし、スタミナも豊富で、気性も恐いくらいの落ち着きがあり、久しぶりの底知れない強さを秘めたダート馬の誕生であると言っても過言ではない。

 安藤勝巳騎手の冷静な騎乗も光った。アドマイヤドンの早めに先頭に立つと気を抜く面をカバーするように、直線でもしっかりと周りの手応えを見ながら、最後の最後まで仕掛けを遅らせた。分かっていても焦って仕掛けたくなるものだが、そこはやはり百戦錬磨のベテランであり、馬と同様に恐ろしいくらいの落ち着きであった。

 2着に突っ込んだサイレントディールは前が詰まる場面が何度かあったが、それゆえに脚を最後までタメルことができたともいえる。気持ちよく行かせすぎてもガス欠するし、揉まれ込んでも嫌気を差してしまうように、乗り方の非常に難しい馬である。ぺリエ騎手も3度目の正直であり、一応結果を出したのはさすがである。

 距離を不安視されたスターリングローズの3着は、積極果敢に前々を攻めた福永騎手の好騎乗に拠るところが大きい。往年の勢いはないが、スムーズな競馬ができれば上位争いのできる力のある馬である。

 ユートピアは素晴らしい仕上がりであったが、直線でも伸び切れずに惨敗した。もっと走ってもよいだけの能力を秘めている馬であるが、自分の型に持ち込めないとモロい面を露呈してしまった。古馬とのG1ともなるとなかなかイージーな競馬はさせてもらえず、精神面において成長がないとこれからも苦戦を強いられることになるだろう。

 タイムパラドックスはジワジワと伸びるタイプで、今回のレースのような瞬発力勝負では少々分が悪かった。その他、岡部騎手が復帰後久しぶりのG1騎乗となり、結果は7着であったが、4コーナーまで完璧にイーグルカフェを導いた手綱捌きが光った。

|

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62981/1988651

Listed below are links to weblogs that reference 底知れぬ:

Comments

Post a comment