スキなし、ソツなし
by gradeone
ジャパンカップ2004-観戦記-
ペリエ-ゼンノロブロイの圧勝で今年のジャパンカップは幕を閉じた。前半は11秒台のラップが4ハロン続いたが、中盤で一気にペースが緩み、最終的にはラストの瞬発力勝負になったことが、ゼンノロブロイにとっては功を奏した。メンバー中最速の上がり(34秒3)で一気に他馬を突き放しての完勝である。この後、有馬記念に駒を進めるらしいが、これだけ隙のないレースができるのであれば、タップダンスシチーに一矢報いることもできるかもしれない。
これで天皇賞秋からのGⅠ連勝となったが、あれだけ勝ち切れなかった馬が、騎手によってこれだけ変わるものだということを実感させられた。
もちろん、ゼンノロブロイが充実の4歳を迎え、体質が強化されたことにより完成の域に達したこともあるが、それ以上に、ペリエ騎手の馬の能力を出し切らせるソツのない騎乗には驚愕させられる。道中は馬をコントロールしながらもスタミナを温存し、勝負所では爆発的に馬を動かし、ゴールまでキッチリと走らせる。言葉では簡単に表現できるが、これだけの大舞台で当たり前のようにやってのけることができるのが世界の頂点に立つ騎手たるゆえんである。
コスモバルクが2歳時を彷彿させるような二枚腰を使って連対を確保した。リングハミを使用した影響か、ルメール騎手の手腕か、それとも最近折り合いを欠きやすい前半が速いラップで流れたためか、道中はリラックスしてピタリとレースの流れに乗っていた。スケール(器)という点では疑問符が付くが、持てる力を発揮できればこのメンバーに入っても見劣りしないことを証明した。
デルタブルースは後方から末脚を伸ばしたが及ばず。安藤勝己騎手は瞬発力勝負には持ち込みたくなかったはずだが、スタートでモタつき、中団の内で身動きが取れず、自ら動くことができない不完全燃焼の競馬であった。中間もキッチリと調教を積んではいたが、それでも菊花賞後に一旦馬体を緩めたことがスタートダッシュに出てしまった。とはいっても、初めて差す競馬をしたことにより、安定した末脚も発揮できることが分かったのは、陣営にとっての大きな自信になったはずだ。
ナリタセンチュリーは4コーナーでは一瞬勝ったかと思わせたが、追い出すと左右にヨレて伸び切れなかった。結果論かもしれないが、乗り難しい馬だけに、鞍上の交代がなければもう少し上の着順もあったのではと思わせた。
ハーツクライには展開が向かず、さらに直線で追い出されるとフォームがバラバラで失速してしまった。同じ3歳馬のハイヤーゲームの惨敗も見ると、高速馬場でのダービーで激走した疲れが抜け切っていないのかもしれない。ジャパンカップで2、3着に入っているように、決して今年の3歳馬のレベルは低くはないのだから。
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