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柔らかく

elizabeth04 by special-days
エリザベス女王杯2004-観戦記-
 スタートからゴールまで、武豊騎手の完璧な騎乗であった。今年に入ってからのG1戦線では、外国人ジョッキー、地方競馬出身のジョッキーに押されがちであったが、これで日本のトップジョッキーが一矢報いる形となった。アドマイヤグルーヴのような乗り難しい馬を、いとも簡単に乗りこなしているように見せるのは、武豊騎手の「当たりの柔らかさ」を持ってこそ初めてなし得るのである。特に注目してほしいのは拳の位置である。拳の位置を下げて馬のハミに余計な動きを伝えないようにしながら、拳の握りだけで微妙な感覚を馬に伝えている。騎手の動き、感覚に敏感に反応してしまう馬に乗せるならば、世界中を探しても武豊騎手の右に出る者はいないかもしれない。

 勝ったアドマイヤグルーヴは、古馬になり精神面において成長を遂げたことを証明した一戦となった。

中一週にもかかわらずパドックでも落ち着いていたし、スローペースに道中も折り合いを欠くことなく、最後までしっかりと伸びていた。能力を発揮できれば、現役最強牝馬であることは疑いようがない。だだし、母エアグルーヴは、トップレベルの牡馬とガップリ四つに交わっても遜色のない身体能力を持っていた不世出の牝馬であり、比較すること自体がナンセンスで、母の域に及ぶことは難しい。

 1番人気のスウィープトウショウの末脚は不発に終わった。前走で初めて33秒台の脚を使ったため、少なからずとも反動が出てしまったのだろう。こういった切れるタイプは、二番が利かない馬が多い。負けはしたが、実力負けではない。池添騎手も普段通りにスウィープトウショウの持ち味を出せる騎乗をしていた。また、追い切りをゴネたり、馬場入り・ゲート入りを拒むのもこの馬の癖のようなもので、それだけで調子の良し悪しが測れる訳ではない。もっとも、これは頭の良い馬にありがちな癖であり、これから自分が何をしなくてはいけないかを知っているからこその行動なのだ。メジロマックイーン、セイウンスカイなども、よくゲート入りをゴネていたのを思い出す。

 2着と健闘したオースミハルカは、前走の府中牝馬ステークスと同じく、勝ちパターンのレースが出来た。逃げたメイショウバトラーを交わして流れ込みを図ったが、さすがG1ではゴール前でさらに伸びてくる馬がいたということである。ここにきて体質が強化され、持てる力を100%発揮できるようになり安定感が増している。

 エルノヴァはよく追い込んできているが、時既に遅しであった。それでも馬のリズムに合わせて乗ったペリエ騎手の好騎乗が光った。エリモピクシーも状態は最高潮だったが、結果的に前が止まってくれなかった。ウォートルベリーはパドックから入れ込んでいたように、慣れない環境に戸惑い、能力を発揮できなかったようだ。

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