耳を立てている馬は余力あり
今年の高松宮記念の1番人気は、1200mの重賞を連勝した上がり馬のプレシャスカフェが推されている。フェブラリーSをレコード勝ちしたメイショウボーラーや、昨年のスプリンターズSを勝ったカルストンライトオを押しのけての支持ということになる。
プレシャスカフェはスピード、スタミナ共に豊富で、レース振りも安定している。前走のシルクロードSも見た目以上の楽勝で、前記2頭の実績を考慮に入れても、このレースを勝つ可能性が高いことは間違いない。
ここで、「前走は見た目以上の楽勝」と書いたが、これには明確な理由がある。決して主観的な見解を述べている訳ではない。
シルクロードSの2枚のレース写真(ゴール直後の写真)を見て欲しい。
注目すべきは、直線での攻防で他馬を競り落とした後のプレシャスカフェの耳である。他馬が耳を絞って必死の形相で競走を続ける中、プレシャスカフェだけはすでに耳を立ててリラックスしている。
耳には、馬の精神状態が最も顕著に表れる。緊張していたり、敵意をムキ出しにしている馬の耳は絞られて後方を向いているし、対照的に、リラックスしている馬の耳は立って前方を向いている。
このことから、プレシャスカフェはシルクロードSのゴール前で他馬を抜き去り先頭に立つや、すぐに気を抜いて全力で走ることを止めていることになる。もちろんそこまでは蛯名騎手のゴーサインや鞭に応えて懸命に走っているのだろうが、騎手の手綱が緩むとすぐにリラックスできるだけの余裕があるのだ。こういった芸当は、走りにまだまだ余力があるからこそできる。追えばもっと伸びるだろうし、さらに前方に敵がいれば猛然と捕らえにかかるだろう。
とはいっても、G3のレースを楽々と勝ったからといって、G1レースも勝てるということにはならない。G1レースにはトップを極めた馬たちが鎬を削る厳しさがあるからだ。全力を出し切ったプレシャスカフェは、果たしてメイショウボーラーやカルストンライトオを捕らえることができるだろうか。
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