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最悪のシナリオゆえに価値あり

oaks05 by gradeone
オークス2005-観戦記-
圧倒的な人気を背負ったシーザリオにとっては、これ以上ない苦しい競馬であった。武豊騎手だけではなく、他の16人の騎手が、そう易々と福永祐一騎手に勝たせてなるものかという気迫がレース全体を通じて伝わってきた。これほど隙のない、緊迫感のあるレースは久しぶりに見た。

福永シーザリオは、スタートで僅かに立ち遅れた隙を突かれ、武豊エアメサイアに進路を閉められただけではなく、1コーナーでもゴチャついて前が詰まり、次々とポジションを下げてしまった。外に持ち出したくても、スローの団子状態では前後左右に馬の壁があり、道中はまさに金縛り状態。フットワークの大きな馬が、狭いスペースに押し込められ、明らかにぎこちない走りになっていた。4コーナーを回り、直線に入っても前が塞がり、やっと外に出して追えたのはすでに直線の半ば。そこから一完歩ごとに差を詰めて、ゴール前できっちりと他馬を差し切ってしまった。

騎手はレースに臨む際に様々な展開や状況をシュミレートするが、おそらく今回は、福永騎手が考えていた中でも最悪のシナリオであったはず。それでも勝ってしまったことに、シーザリオの絶対的な強さと、福永祐一騎手の勝負強さを認めないわけにはいかない。すんなり流れに乗っていれば楽に勝てたレースではあるが、人馬共に苦しんで苦しんで勝ったことに大きな価値がある。

惜しくも敗れたが、エアメサイアに騎乗の武豊騎手の手綱捌きが光った。エアメサイアも落ち着いていたが、好スタートからすんなりレースの流れに乗り、終始経済コースを進んだ。追い出しもドンピシャのタイミングで、エアメサイアの現時点での能力を全て引き出した。桜花賞では外々を回ったロスが大きかった分、今回はその借りをしっかりと返した。

ディアデラノビアはパドックから入れ込みがきつく、レースでも折り合いを欠きどおしであった。それでも直線は伸びているように、能力はこのクラスでも上位である。あとは気性的な面が成長すれば、溢れる瞬発力を思う存分発揮できるに違いない。

エイシンテンダーは思い切って逃げたことにより、自身の良さを最大限に生かすことが出来た。上位3頭とは瞬発力の差が出たが、最後まで粘り通したように、エイシンサンデーの仔という地味な血統にもかかわらず、大健闘である。

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