インティライミの逆襲
今年のクラシック戦線は、ディープインパクトの圧倒的な強さが目立ち、他の馬の存在は霞んでしまった。秋に向かうにあたって、ディープインパクトの3冠達成ばかりにスポットライトが当たってしまうのも当然といえば当然のことである。しかし、そんな中、伏兵としてのインティライミの存在に、私は秘かに注目している。
なぜかと言うと、ダービーでのレースぶりに、インティライミの一流ステイヤーとしての資質を見たからである。スタートから積極的にレースを運び、4コーナーではすでに先頭に立ち、そこからジワジワと脚を伸ばし続けた、あのレースぶりである。ディープインパクトのように爆発的ではないが、ステイヤーらしい息の長い末脚を持つことを、京都新聞杯に続き再び証明した。これはあくまでも個人的な感覚ではあるが、かつての名ステイヤーであるライスシャワーがダービーで見せたパフォーマンスを、ふと思い起こしてしまった。
さらに決定的なのが、ダービーに至るまでの馬体重の推移である。
インティライミは前哨戦である京都新聞杯を勝ち、ダービーへの最終切符を手にしたが、その際の馬体重は前走比マイナス6kgで、デビュー以来最も軽い464kgであった。この数字を見るだけで、京都新聞杯ではギリギリにまで絞り込んだつくりでの出走であったことが窺い知れる。ダービーへの出走を確実にするために、100%の状態にまでキッチリと仕上げて臨んできたのである。
このようにギリギリの状態にまで仕上げられた馬は、大抵の場合において、次のレースでは凡走をすることになる。なぜなら、ピークの状態を保つことは難しく、体調は下降線を辿り、また、前のレースで激走した反動が次のレースで出てしまうからだ。
それでもインティライミはダービーで好走した。
インティライミが力を発揮することができたのは、ダービーまでピークの状態を保つことができていたからに他ならない。ピークが長いことこそ、ステイヤーたるゆえんである。普通の馬であれば、ダービーでは体調が落ち目になってしまい、力を発揮できないだろう。あくまでも結果論ではあるが、3番人気に推されたダンスキッチョウの凡走の理由は、前走の青葉賞で急激に仕上げすぎた反動である(当時、私はどちらかと言うとインティライミの反動の方を心配したのだが・・)。それに対し、インティライミはステイヤーだからこそ、京都新聞杯でのピークの体調をなんとかダービーまで保つことができ、あれだけのパフォーマンスをすることができた。
かつて、名ステイヤーのライスシャワーは、3冠が懸かったミホノブルボンを菊花賞で破った。ダービー時点では圧倒的な力差があったミホノブルボンを、夏を越し、ステイヤーの成長力と距離への適性を生かし、菊花賞で逆転してしまったのである。
ディープインパクトの強さは誰もが認めるところだが、これからはそう簡単には勝たせてもらえなくなるだろう。意外に近いところで、刺客は牙を研いで機をうかがっているのだ。うかうかしていると、寝首を取られてしまうかもしれない。一流ステイヤーであるインティライミの逆襲は、もうすでに始まっている。
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Tracked on September 29, 2005 at 07:28 PM

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