集中連載:「一流の騎手とは」-第1回-
■ペリエ騎手の衝撃
2001年の秋のG1レースにおいて、これまでの予想スタイルを見直すべき時期が来たと思わせられる衝撃的な出来事があった。その出来事とは、ペリエ騎手がマイルチャンピオンシップ→ジャパンカップ→阪神ジュベナイルFというG1を3連勝したことである。
ペリエ騎手が勝利した3つのG1レースうち、どのレースも決して乗り馬に恵まれていたわけではない。ちなみに人気だけ取ってみても、4番人気、2番人気、7番人気である。普通に乗れば勝てる馬を、普通に乗って勝ったものではない(それだけでも容易なことではないが)。普通に乗れば勝てない馬を、ペリエ騎手が普通に乗って勝たせたのである。
■「馬7騎手3」の真の意味
「馬7騎手3」と言われるが、この出来事があるまで、私はこの言葉の意味を真には理解できていなかった。それまでは、馬と騎手との比較において、馬の力の方が7:3の割合で優先されるという程度の理解でしかなかった。ハルウララに武豊騎手が乗っても勝てないように、騎手ではなく、結局は馬が走るのだという浅い理解。競馬新聞を見ても、そこにあるのは馬についての詳細なデータばかりであり、競馬とは“どの馬が勝つのかを当てるゲーム”だと考えていた。
しかし、そうではなかった。「馬7騎手3」という言葉の真の意味は、「騎手の技量が全体の3割も占める」ということである。もちろん馬の走る能力がベースにはあるのだが、少しぐらいの馬の能力差ならば、騎手の腕ひとつで逆転できるということだ。このことは、分かっていても意外と見落とされがちである。なぜなら、競馬新聞を読めば馬の能力はある程度は把握できるのに対し、騎手の技量は目に見える形で現れてこないからだ。ピンとこない、というのが正直なところだろう。それをピンとこさせてしまったのが、今となっては世界一の騎手であるオリビエ・ペリエ騎手である。つまり、競馬は“どの馬に乗ったどの騎手が勝つのかを当てるゲーム”なのだ。
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