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フェブラリーS2002-プレイバックG1トーク-

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フェブラリーSは最初のレースだから当てて弾みをつけたいと思うんだけど、なかなか当たらないんだよね。
結構難しいんだよね、このレース。
で、今年も難しそう。
というか、クロフネが出て来ないおかげで面白いんじゃない。
混戦というか、粒ぞろいというか。
地方馬の骨っぽいのも出てくるし。

出走馬表を見た感じでは、実績、実力、格的にはアグネスデジタルが1頭抜けてるね。
でもアグネスデジタルは昨年の天皇賞秋がピークに仕上がっていたと思う。
そして、香港ではその調子を維持できたので勝った。
あれから2ヶ月しか経ってないし、フェブラリーステークスで再びピークに持って来るのは難しいでしょ。
先にドバイが控えてるからといって、いい加減な仕上がりで臨んでくることはないだろうけど、完璧な仕上がりは望めない。
ということで、一枚割り引いて考えてます。
本質的には芝でこその馬だし。

中心はどう考えてもノボトゥルーだね。
この馬の体形は典型的な短距離馬のそれだけど、2000mくらいまでは守備範囲だからね。
短距離馬にしてはめずらしく調教で速いタイムを出さない馬なので、昨年の秋からコンスタントに使って来ているのは良いと思う。
使って使って仕上がる馬だと思うから。
だから、前走よりは確実に上向きの状態で出走してくるはず。
そして、斤量も59kgから57kgに減るし、騎手も後藤からペリエに乗り替わるし、マイナス材料は全くないね。
東京コースも合ってるし。
まさに条件が揃ったという感じで、この馬を負かすのは簡単ではないはず。
今の所、アグネスデジタルよりも上に見ています。

aoyagilogo
現時点で予想したら、
◎ノボトゥルー
○アグネスデジタルだね。
ノボトゥルーとアグネスデジタルの評価については 同意見。
アグネスデジタル陣営は今回のレースをドバイSの叩き台という位置付けで考えているでしょう。
そう、ピークには仕上げてこない。
それに対して、ノボトゥルーは春の最大目標は間違いなく、このレース。
JCダートは距離が長いし、今年の最大目標と言っても過言ではない。加えて、東京得意だし。
昨年のフェブラリーSは勢いと鞍上(ペリエ)で勝ったと思っていたが、昨年のJCダートでのレースぶりで 改めてこの馬の能力を認識させられた。
ただ、楽観はできないね。
アグネスが力をつけているのは確かだし、地方馬を含めて伏兵が揃っている。
やっぱり難しいレースだね。

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ノボトゥルーを負かす馬がいるかというコンセプトで考えてます。

地方馬のトーホーエンペラ-に期待していたんだけど、やっぱり難しいかな。
パワー主体の大井のG1を勝った馬が、スピード主体の中央のG1まで勝つのは至難の業だと思う。
母父がノーリュートという血統からも、重いタイプではないかと考えています。
少し気の悪いところもあるみたいだし、砂を被らない競馬をさせてもらえるかどうか。

どちらかというと、トーシンブリザードの方が魅力あるけど、人気になりそうで嫌だね。
東京大章典は休み明けで好走したけど、斤量は55kgだったからね。
今回は57kgになるし、この馬もどちらかというとパワータイプのような気がする。

気になっているのは馬場状態かな。
今回の東京のダートは重いとされているけど、どうなんだろう?
俺としては、いくら重いと言っても、グルメフロンティアが勝ったときのような馬場にはならないと思う。
そうなると、1分36秒前半の決着になるのかな。
やっぱり、馬場状態によって勝ち馬が違ってくると思うから、そこはしっかりと見極めたいね。

aoyagilogo
地方馬の取捨は難しい。
まず、トーホーエンペラー。
年末の大井で勝っているように、パワータイプに見えるが、マイルの成績を見ると、連対率パーフェクト。
なかなか、スピードもあると思うよ。
ただ、 陣営も気にしているように左回りが気になる。
浦和ではレイズスズランレベルに負けているし。
それと、馬自体のレベルから言えば、3年前の覇者メイセイオペラと比較すると、やはり1枚も2枚も下だと思う。
私はこの馬、おそらく無印です。
印をつけても、△までだね。

それよりも人気にはなるけど、トーシンブリザードの方が魅力的。
東京大賞典ではトーホーエンペラーの3着だけど、 骨折明けだったことは考えれば上々でしょう。
確かに東京大賞典はあまりレベルが高くなかったけど、南関東初の無敗3冠馬だし、まだ底を見せていないという魅力がある。
それでもやっぱり、中央馬の方が上かな?とは思うけど。
無視はできない存在でしょう。

私が一番、気にしているのは展開とペース。
誰が逃げるのだろう?
やはり、トゥザヴィクトリーなのかな?
この馬は強さと脆さが同居した馬だし、特にダートだと揉まれる競馬は絶対避けたいところ。
もし、気分良く逃げたときは…、追って味はないけど恐い。

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そうだね。
やっぱり、馬場状態と共に、展開は大きな鍵を握っているだろうね。
特にトゥザビクトリーにとっては。
ポンと出られれば、武騎手はトゥザビクトリーを逃がすと思う。
どう考えても、スローに落として逃げるしか勝機はないからね。
エリザベス女王杯のようなレースは、このレベルでは通用しないからね。
逃げる候補としては、サウスヴィグラスなのかな。
でもサウスヴィグラスは距離に不安を感じているから、強引には逃げて来ないよね。
だから、逃げようとすれば逃げられると思う。
ただし、東京の1600mはどうしても先行馬にはつらい流れになってしまうからね。
マークもされるだろうし、楽には逃がしてもらえないだろうね。

今までノボトゥルーを中心として考えていたけど、勝てるかどうかは疑問だと思う。
それで、面白いと思っているのがウイングアローです。
全盛期より力が衰えていることは紛れもない事実だけど、まったくノーチャンスかというとそうでもないはず。
実際、3ヶ月前にはジャパンカップダートで2着してるわけだし。
トゥザビクトリーの逃げをアグネスデジタル、ノボトゥルーが早めに潰しにいってハイペースになれば、展開がはまるかも知れない。
欲を言えば、昨日の追い切りはダートコースではなくて、ウッドコースでやって欲しかったけど。
底力があるのは分かっているので、あとは最後の力を出し切れるだけの気力が残っているかどうか。
今のところ、本命候補です。

あと、地方馬についての評価、取捨はまったく同感です。

aoyagilogo
ノボトゥルーで気になるのは距離かな。
1400mがベストだと思う。
まあ、昨年も勝っているから、1600mが駄目というわけではないけどね。

ウィングアロー?
東京は得意だからね。
昨年末負けたのは、それ以外にも大井では何度かポカを起こしているから、衰えというよりも 大井の馬場が合わないというのが理由でしょう。
ただ、勝つまではどうかな?
当日の最終レース後に引退式があるみたいだから、勝てば絵にはなるけど、やっぱり、全盛期に比べ衰えている気がする。
3歳(昔の4歳)から長く活躍してきた馬だし。

その他、個人的に気になるのはゴールドティアラとか、 イーグルカフェぐらいかな。
ただ、ゴールドティアラは明らかに衰えているし、東京コースは2年前のフェブラリー2着以外に良績がない。
イーグルカフェもジリ脚+展開頼みだからね。
一応、現時点での本命候補を有力順で並べると、
ノボトゥルー
アグネスデタル
トーシンブリザード
トゥザヴィクトリー
かな。

もしかして、最近手前をかえるようになった、サウスヴィグラスが勝っちゃったり???

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その通り!
ウイングアローはやっぱりつらいだろうね。
俺がウイングアローの衰えを感じたのは、昨年の南部杯の時かな。
いくら地方の深い砂と体調不良といっても、あまりにもあっさり負けすぎ。
そして、前走の東京大章典。
いくらなんでも負けすぎ。
衰えてきている馬が、これだけのメンバーで勝つことはないね。

一応、人気のなさそうなところを切っていくと、
サウスヴィグラスは1ハロンの延長と、メンバーの強化。
地方馬2頭と、リージェントブラフはやっぱり、時計のかかるダートでこそ。
イーグルカフェ、この馬そんなに強くないでしょ。
ノボジャック、ゴールドティアラ、ワシントンカラーにとっては東京1600mは明らかに長い。

そういうことで、結局、本命候補としてはアグネスデジタル、ノボトゥルー、トゥザ ビクトリーの3頭が残ってます。
トーシンブリザード以外は青柳さんと一緒だね。

ノボトゥルーに関しては、ベストは1400m~1600mだと思う。
結構柔軟性がある馬なんで、陣営の言うように、1400mがピッタリだとは思わないね。
条件が揃っているし、ペリエ騎手が乗るので、ずっと中心として考えていたけど、どうしても単勝となると何か腑に落ちないところがあって。
たぶん、こういうことかな。
この前、青柳さんが言ってたように、昨年のフェブラリーSは勢いで勝ったところがあって、この馬は超一流の馬では決してない。
もちろん強い馬なんだけど、あれから勝っていないように、どうも勝つとなると信頼が置けない。
いくらペリエ騎手が乗っても、信頼がおけないんだよね。

本命は◎アグネスデジタルにしようかと考えています。
もちろん単勝です。
一番最初に言ったように、100%の出来にはないだろうけど、それでも勝ってくれることを期待します。
最終追い切りは遅れたけど、あれで上向いてくれれば。

aoyagilogo
サウスヴィグラスやイーグルカフェとかの 評価は正しい。
ただ、アグネスデジタルがこけちゃうと、その程度のレベルでも勝負にはなっちゃうんだよね。

雨降ったらアグネスデジタルやトゥザヴィクトリーの 絶対的スピードがさらに効いてくるでしょ。
ノボトゥルーやトーシンブリザード陣営としては 雨が降らないことを願っているんじゃない?

まあ、普通に考えるとアグネスデジタルなんだよね。
9割以上の状態があれば、最近の充実度からして、 負けるはずがない。
ただ、昨年のJCダートの直線でノボトゥルーがクロフネに 食らいついたシーンが頭の中で鮮明に残っているんだよね。
おっ、フェブラリーなら!という感じでね。
勝つのはどちらかだろうけど、やっぱり武豊はこわい。


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フェブラリーS2002
pbfebs02
【レース結果はこちらから】
【レース映像はこちらから】
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この頃は、今から比べると、ざっくばらんなトークをしてますね(笑)。最終的に◎アグネスデジタルに本命を打った訳ですけど、ずいぶんその過程で迷っているようです。まあ、実力No1アグネスデジタルが、ドバイ遠征を見据えてブッツケだったこともあったのですが。

レース終わっての感想としては、アグネスデジタルは完璧な仕上げだったなと。白井調教師は、かなり無理な調教をして仕上げてくる印象がありますね(スペシャルウィークの天皇賞秋がそうでした)。まさに、このフェブラリーSを勝ちに来た調教でした。それもあって、ドバイに行く頃には、アグネスデジタルの調子は下降気味だったんじゃないかと思うのですが。どうでしょう、白井先生?


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プレイバックG1トーク

top2002「ガラスの競馬場」がブログに移行して、およそ1年が経とうとしています。HPから移行する際に、観戦記だけは持ってきたのですが、それ以外のバックナンバーは置いてきてしまいました。そこで、ブログ1周年を記念して、G1トークのプレイバックを載せていきたいと思います。
*ちなみに、このサムネイルはHP開設当時(2002年)のものを復元しました。

ほとんど恥ずかしい予想ばかりなのですが、あくまで成長過程としてお許しください(笑)。長かった低迷期や、伝説のラッキーパンチまで、2002年から2004年までのG1トークを掲載していきます。その時の、あなたの予想や、個人的な思い出と共にお読みください!

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「安藤勝己の頭脳」

andoukatuminozunou 5star

できればこの本だけは紹介したくなかった、というのが本音である。なぜなら、この「安藤勝己の頭脳」には、競馬の本質が、全く惜しげもなく、至るところに散りばめてあるからだ。おそらく、私たちアウトサイダーだけではなく、騎手、調教師等の競馬関係者が読んだとしても、かなり勉強になるのではないだろうか。もちろん、馬券へのヒントも多く隠されている。

「勝つためには勝つ気で乗らないこと」

全編を通して貫かれている安藤勝己の思想である。

たとえば、安藤勝己騎手と著者の亀谷敬正氏の間で以下のような対話がある(敬称略)。

亀谷 「京都芝1400mでトキオジュリアに乗って1着になりました(1999年10月31日鞍馬特別)よね? あのレースなんか、最初3番手につけていたんですけど、残り600mあたりで安藤さんだけが仕掛けを待っているんですよ、他の馬は仕掛けているのに。ちょうどあの時に、逃げ馬から1秒2離されているんです。ふつう、京都芝1400で勝ちたいなら、あの時点は仕掛けます。」

安藤
「ああ、覚えているよ。でも、あのレースも計算していたわけじゃない。トキオジュリアがあの時点で行く気がなかったから、行かせなかっただけ。」

亀谷
「でも、あそこで『行く気がなかったから行かせなかった』じゃ、コースのデータからは連対するのが難しいということになっていますが?」

安藤
「たしかにレースで勝ちたいなら、あの時点(残り600)で離されるのはイヤだよね。でも、トキオジュリアの場合、あの時点で勝つ気になっても仕方がない。あの時点で『勝とう』と思ったら、今度は逆にゴール前で伸びなくなるような気がしたからね。だから、あそこで『勝とう』とは思わずに、馬のリズムを優先したことで勝てたんだと思う」

亀谷氏の指摘するように、レース展開、コース設定、または馬場状態によって、ここで仕掛けなければならないというポイントは確かにある。しかし、安藤勝己騎手が言うように、それはその馬の走るリズムを崩してまでのことではなく、最優先されるべきは馬の走るリズムなのである。

大前提として、騎手は馬を気持ちよく走らせ、持てる能力を全て発揮させなければならない。そのためには、人間(騎手)が馬を動かすのではなく、馬のリズムに合わせて人間(騎手)が動かなければならない。つまり、そこで人間の『勝ちたい』という意識は邪魔になり、(自らは)何もしないという態度を貫かなければならなくなる

しかし、分かっていても、実際そのように乗れる騎手は少ない。ペースが遅ければ動いてしまうし、前に行く馬の手ごたえが良く見えれば焦って仕掛けてしまう。ほんのわずかでも、騎手が『勝とう』と思ってしまうと、馬は敏感に反応して動いてしまうのだ。勝つために乗っているのに、『勝とう』という意識を捨て去ることは常人に為せる業ではない

もしかすると、馬券も同じなのかもしれない。

「勝つためには勝つ気で賭けないこと」

うーん、難しい。

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ランキングについて

私は今まで、ランキングについてとんでもない考え違いをしていました。

どんな考え違いかというと、「どのようにすれば、ランキングサイトへクリックしてもらえるか?」という風にずっと考えていました。

たとえG1レース以外は予想をしないという偏屈なブログであっても、順位が付く以上はやはり上を目指したいもので、合法的(?)なやり方でいかに来訪者にクリックしてもらうか、他のブログを参考にしたりもしました。さすがに、本文の前にランキングへ誘導するリンクを貼るのだけはプライドが許しませんでしたが。

少しでも多くの人に「ガラスの競馬場」を知ってもらいたくて、ランキングサイトに登録をしたはずなのに…。

いつの間にか本末転倒になっていました。

それでも、遅ればせながら、やっと気付いたんです。

ランキングって、どれだけの人に支持されているかってことですよね?

「ガラスの競馬場」に来て良かったという人が、クリックで投票して、その人たちの数でランキングが決まるべきですよね?

だから、余計な小細工なんて、本当はいらないんです。

もし、私が皆に満足してもらえる文章を書き、それを読んで満足してくれた方が投票してくれれば、あっという間にトップを獲れるでしょう(計算上はw)。

何が言いたいかというと、これからは正攻法の競馬をするということです。

もし、「ガラスの競馬場」の内容がつまらなければ、絶対にクリックをしないでください。

面白かった、ためになったという時だけ、応援クリックをしてくださいね!

そして、心機一転、「にほんブログ村」に引越しをすることにしました。

競馬以外のことで、長々と熱く語ってしまってスイマセン。

最後に、これからも「ガラスの競馬場」をよろしくお願いいたします。

治郎丸敬之

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時にはジョッキーの視点を

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「ジャパンカップのあとは、何度も反省した。何度も何度も…。どういう乗り方がハーツクライにとっていいか考えて、今回は乗り方を変えてみようと思った。それが、この結果につながったと思う。」

有馬記念を勝利したルメール騎手の弁である。

騎手としては当たり前のことなのかもしれないが、ルメール騎手がジャパンカップの騎乗を反省し、有馬記念に向けてハーツクライの騎乗を考え抜いていたことに、軽い衝撃を受けた。

思い返してみれば、ルメール騎手は惜しいところでG1レースを取り逃がすことが多かった。ダンスインザムードに始まり、コスモバルク、ダイワメジャーときて、ハーツクライのジャパンカップはなんとハナ差。ハイペースを綺麗に差して、それでもデットーリ騎手にわずか届かなかった。もっとも、ルメール騎手だからこそあそこまで迫れたはずで、完成度の高い騎乗は非の打ち所がなく、勝てないのはただ運に恵まれていなかっただけである。

そのルメール騎手が、ジャパンカップのあと何度も何度も自身の騎乗を反省し、どういう乗り方をすればハーツクライを有馬記念で勝たせることができるか、考えに考え抜いたというのだ。

それに比べ、私は有馬記念を勝利するために、どれだけ考えたのだろう。

ディープインパクトを初めて消すという挑戦には成功したが、本命◎を打ったのは、休み明け2戦を叩いて上積みが期待でき、ペリエ騎手で先行できるデルタブルース。結果が出てみると、あまりにも安直で、ワンパターンな予想であった。しかも、前が止まらない有馬記念時の馬場状態を考えると、ハーツクライの追い込みでは勝つことが難しいと安易に決め付けていた。ハーツクライのルメール騎手が勝つために先行して来る可能性など、これっぽっちも考えてはいなかった。

考えに考え抜いたルメール騎手に対して、考えて考え抜かなかった私。この違いは大きい。

私たちは、時にジョッキーの視点に立ってみることも大切である。自分だったら勝つためにこう乗るだろうという具合に、ジョッキーの気持ちになってレースをイメージしてみる。まるでジョッキーがそうするように、スタートからゴールまで、いろいろなパターンのレースを想定してシュミレーションする。そうすることによって、思いもよらなかったレース展開が見えてくることもある。勝てるはずもないと思っていた馬が、乗り方ひとつでチャンスがあることにも気付くかもしれない。ジョッキーの視点を持ち込むことによって、馬券にも幅が広がることは間違いない。イメージしてイメージし抜く。考えて考え抜かなければ、最後に勝利を手にすることはできないのだ。

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集中連載:「一流の騎手とは」-第14回-

jockey13 by M.H

「馬が追える」とはどういうことなのだろうか。バテた馬を最後まで持たせてしまうような騎手を「剛腕」などと言うが、言葉のイメージから連想されるのは腕っぷしの強さである。そのため、「馬が追える」ということを、腕力が強いと同じ意味に捉えている人が多いのではないだろうか。しかし、腕っぷしが強い騎手イコール馬を追えるという認識はあまり的を得ていない。そもそも馬は力で追うものではないからである。

ではどうやって馬を追うかというと、①手綱によるハミ(馬の口の部分金属)のかかり、②ステッキの使い方、③足で馬の腹を押し出す操作によってである。

特に①手綱によるハミのかかりは、馬を追う技術の中心となる。馬を追っている騎手の動作を見ていると、力で馬の首を押しているようにも見えるが、実はハミを通して手綱を引いたり押したりすることによって、馬の走りの補助をしているのである。500kgもある馬を人間の腕力だけで動かしたりすることは、どう考えてもできないだろう。手綱を伸ばす、縮めるといった往復運動の繰り返しで馬は前へ前へと進んで行くのであって、もしハミがしっかりとかかっていなければ、手綱を通した伸縮運動の効率が悪くなることになる。しっかりとハミをかけて追えるかどうかによって、馬の末脚をどれだけ伸ばすことができるかが違ってくるのである。

②ステッキの使い方ではよく誤解されるところだが、ステッキを入れれば入れるだけ馬が伸びるわけではない。ステッキは馬に対する合図である。これからスパートするぞ、もっと左を走れ、がんばれがんばれ、などステッキ1本で騎手は馬にさまざまな合図を送ることができる。ステッキの叩き方、叩く場所、叩くタイミングによって、その合図の意味は違ってくるのである。ここで詳しくは述べないが、ステッキひとつをとっても、どれだけ有効に使いこなせるかどうかは、馬の能力を発揮させることができるかどうかに大きく関わってくるのである。

③足で馬の腹を押し出す操作はあまり注目されない部分だが、「馬を追う」ためには欠かせない要素である。前述した手綱やステッキによる追い方は上半身によるものであり、足で馬の腹を押し出す操作は下半身によるものである。つまり、馬は上半身だけで追うのではなくて、下半身も使わなければならない。上半身のハデなアクションに惑わされて、下半身の運動を見落としてはならない。故野平佑二調教師は、「上体だけで馬を追ってはいけない」とよく語っていたが、それは上半身だけで馬を追っても伸びないからである。ペリエ騎手の騎乗をよく見ると、下半身で馬をきっちりと抱え込みなが腹を足で押し出していることが分かる。

以上の3つの技術がひとつとなって「馬を追う」ことができる。そのうちのどれかが欠けてしまうと、馬が真直ぐに走らなかったり、真剣に走らなかったりして馬は能力を出し切ることができない。ひとつひとつの技術がゴール前での鼻差、クビ差につながることもある。

繰り返しになるが、「馬を追う」のは力ではなくて技術である。「手綱」「ステッキ」「足による押し出し」のバランスが保たれていなければ、きっちりと「馬を追う」ことはできない。その難しさゆえに、「馬を追う」ということは騎手にとっても永遠に満足することのない課題になりうるのだろう。

(第15回へ続く→)

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愛しきトラックバック

ふと飛んだトラックバック先で、自分のブログについて紹介してもらってたりすると、本当に嬉しいもんですね。もちろん、トラックバックだけでもありがたいのですが、他のブログで「ガラスの競馬場」の文字を見た時は、やはり少なからず感動します。ちゃんと見てもらっているのだなぁと。

たとえば、
【瀬戸際日記】←ディープインパクト壁紙を2度も告知してくれました
【競馬ファン!】←こちらもディープインパクト壁紙企画を煽ってくれました。
【edc.blog忘備録メモ】←嬉しいコメント付きです。
【ふじよしの競馬日記】←ディープインパクト斬りの記事を引用してくれました(笑)。
【そのまま、そのままっ!】←エアメサイア斬りの記事を引用してくれました(涙)。
【競馬ブログ】←最も敬愛するブログのひとつです。まだまだ脚下にも及びません。

本当にありがとうございます!この他でも、「ガラスの競馬場」を紹介してくれてるブログ様、ぜひこれを機にトラックバックしてくださいな。よろしく!

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幻想の最強馬ナムラコクオー

誰しもが、“この馬こそ最強”という幻想を抱いた馬がいるのではないだろうか。特に競馬を少しずつ知り始めた時期に、そういった幻想に取り付かれることが多い。私にとっては、ナムラコクオーがそうであった。

ナムラコクオーの走りに戦慄を覚えたのは、2歳時(当時3歳時)のラジオたんぱ杯3歳ステークスであった。前走はダート戦で圧勝も、6番人気と評価は低かったが、それをあざ笑うかのように4馬身差の圧勝。他馬とは脚力が違い、直線の末脚は、まるで“飛んでいる”ように当時の私には見えた。ナムラコクオーは強いと、友人知人に触れ回ったのを覚えている。

その思いが確信に変わったのが、次走のシンザン記念である。2着馬になんと7馬身もの差をつけて、楽勝してしまったのだ。直線での脚力はさらに迫力を増し、“ジェット機が飛んでいる”ように当時の私には見えた。後楽園ウインズのモニターの前で、その強さに私はしばし震えが止まらなかった。

しかし、次走の弥生賞は、フレグモーネで3日間ケイコを休んだせいか、3着とまさかの敗戦。さらに悪いことに、クラシック本番の皐月賞を前にして、なんと屈腱炎を発症してしまう。競走馬にとって屈腱炎がどれだけ致命傷になるかは、ナムラコクオーに教えてもらったのだが、この頃は、またすぐに強いナムラコクオーに戻ると楽観していた。

そんな私の期待に応えてか、ナムラコクオーは不治の病である屈腱炎を克服し、NHK杯で見事に復活してしまう。もうこの時点で、私の幻想はピークに達していた。あのナリタブライアンに勝てるかもしれない。いや、出走してくれば絶対に勝てる。ナムラコクオー必勝の思いは、ダービーの日が近づくにつれて大きくなり、もはや自分の胸の内に抑えておくことすらできなくなっていた。おかげで、私の周りにいた競馬仲間も、ダービーではナムラコクオーがナリタブライアンを倒してアッと言わせるといつしか信じ切っていた。あれほどまでに、ダービーまでの時間が長く待ち遠しく感じたことはない。

その後のナムラコクオーの競走成績は、ご存知の通りである。今であれば、能力が圧倒的に高い、パワー型の短距離馬であったことは容易に分かる。仮にナムラコクオーが絶好調だったとしても、芝の2400mではナリタブライアンの影も踏むことができなかったであろうことも。しかし、頭では分かっていても、やはりナムラコクオーの方が強かったという想いを自分の中から消し去ることができない。たとえ幻想であろうが、思い込みであろうが、私の中のダービーでは、ナムラコクオーが圧勝している。ナムラコクオーの名を聞くと、そんな甘く切ない競馬熱中時代を思い出す。

ナムラコクオーは、プロキオンステークスがJRA最後の重賞勝ちとなったが、1996年に高知に移籍後も黒潮スプリンターズカップ、建依別賞を勝利した。14歳で競走生活を終えるまでの47戦で27勝を挙げた。最後は馬主の自宅牧場で調整をして再起をかけていたが、自宅のブロックで脚を打ち(?)、競走馬登録を抹消した。

こんな生き様もあってよい。

kokuo03 photo by Pheno Photo Place

<ナムラコクオー競走成績>
 JRA 14戦 6勝 地方 33戦21勝

おまけ

復活のシーンは何度観てもジーンとくる。

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閉口

wtasahihai05

朝日杯フューチュリティSは完成度の高い実力馬が順当に勝つことができるレースで、一般的な手順を踏んで予想をすれば、勝ち馬を当てることはそう難しくないレースである。

将棋で言えば詰め将棋のようなもので、正解は最初から用意してあり、その正解に向かって最善手を探していく逆算をすればよいだけである。少し極端なたとえかもしれないが、きちんとした手順を踏めば勝ち馬を見誤るということが少ないという意味において、朝日杯フューチュリティSは詰め将棋なのである。

もう一度、朝日杯フューチュリティSを振り返ってみたい。私が本命に推したジャリスコライトは、フサイチリシャールをマークする形でレースを進めたが、直線で弾けることなく3着が精一杯という結果に終わってしまった。デザーモ騎手がムチを落としてしまうというアクシデントはあったが、ほとんど結果には影響はなかったと思われる。デザーモ騎手は、レース後のインタビューで以下のように語っている。

「返し馬から気合が乗りっぱなし。スタートでゴチャついてぶつかり、闘争心に火がついてしまった。終始イライラしてリキんで走っていたし、しまいの伸びを欠いていた。2歳馬のモロさが出てしまったね。」

このコメントからも、ジャリスコライトが過去2戦とは全くの別馬であったということ分かる。それまでのジャリスコライトは、完成された古馬のような気性を持ち、騎手の指示通りにスムーズに折り合い、ゴーサインには素早く反応する馬であったはず。それがなぜ大一番の舞台で豹変してしまったのか。2歳馬のモロさというだけで片付けてしまうのは、大雑把すぎはしないだろうか。

ジャリスコライトの敗因は、その臨戦過程にあるのではないか。ジャリスコライトは新馬戦といちょうSを、どちらも33秒台の瞬発力を使って楽勝してきていた。特に前走のいちょうSは、2度に渡る立て直しの不利を克服しての勝利だけに、価値も高く、専門家の目を引いた。しかし、裏を返せば、このいちょうSがジャリスコライトにとって負担の大きいレースであったのだのだろう。

特に肉体的にも未完成な2歳馬にとっては、3ハロン33秒台前半の脚は限界に近い。見た目にアッと思わせるような勝ち方だったからこそ、そこに潜む勝ち馬へのダメージが見過ごされてしまっていたのである。おそらく、このいちょうSでジャリスコライトはレースの苦しさ、厳しさを味わったはずで、朝日杯フューチュリティSでは肉体的だけでなく、精神的にも追い詰められての出走であったに違いない。

朝日杯フューチュリティSは詰め将棋と冒頭で書いたが、そのレースを外してしまったということは、明らかな読み違えがあったはずである。私はジャリスコライトの瞬発力の高さにばかり心を奪われて、裏のマイナス面が見えていなかった。ジャリスコライトが肉体的・精神的に追い詰められて、能力を発揮できる状態にないということに気付かなかった。そこにさえ気付けていれば、フサイチリシャールという最善手へと駒を進めることも出来ていたかもしれないのに。読み違えも甚だしい。閉口。

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ディープインパクト壁紙の受付を再開します

昨年末で締め切っていた、「05年度代表馬記念ディープインパクト壁紙」の受付を再開します。というのも、今回の今月10日にディープインパクトの年度代表馬が確定したためか、「ディープインパクト」「壁紙」という単語で検索してきていただける方が多いからです。せっかく来ていただいたのに、受付終了では余りにも失礼かと。

今回は、特に期限を設けません。まあ、ディープが天皇賞春を勝って、次の壁紙を提供できる日までとしておきましょうか。もちろん、3冠制覇記念の壁紙もご希望の方には提供いたします。ぜひこの機会にドシドシご応募ください!

【応募方法はこちらをご覧ください】

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集中連載:「一流の騎手とは」-第13回-

jockey12 by Studio U

■内を回るか、外を回るか
コーナーリングの差が、そのまま勝敗へとつながってしまうことも多い。コーナーリングの内外が、ゴール前のわずかな差となって現れてくるのだ。もちろん、内を通って馬群をさばくよりも、ゴチャつかない外を回すという選択の方が、馬の個性や他馬との能力差を考慮すると得策なこともある。しかし、内と外を回すという単純な比較であれば、内を回した方が明らかに有利であり、内を回したからこそ勝てたというレースも少なくない。

たとえば、平成16年安田記念で、安藤勝己騎手がツルマルボーイに初のG1タイトルをもたらしたレースがそうである。それまで外を回して追い込んで届かずというレースを繰り返していたツルマルボーイを、テン乗りの安藤勝己騎手が、この安田記念の4コーナーではピッタリ内2頭分のコースを回ったのだ。馬群を割って伸びたツルマルボーイは、追いすがるテレグノシスを退けて、見事に念願の1着でゴールインを果たした。勝浦騎手には申し訳ないが、この1、2着の差は4コーナーでのコーナーリングの差である。内で脚をタメながらピッタリと回ってきた安藤ツルマルボーイに対して、外をブン回してしまった勝浦テレグノシスの距離ロス・スタミナロスは首差以上に大きかったはずである。

また、安藤勝己騎手がスズカマンボに乗った2つのレース【平成16年菊花賞】【平成17年天皇賞春】を比較しても、内外のコーナーリングの差がどれだけ勝敗に直結しているかが分かる。平成16年度の菊花賞では、スズカマンボは4コーナーで外々を回り(回らされて)、その結果、最後の直線でガス欠を起こしてしまった。その失敗を踏まえて臨んだ平成17年度の天皇賞春では、内々をピッタリと回る芸術的な騎乗で快勝している。もし外々を回っていれば、ゴール前はきわどい接戦になったかもしれないし、もしかするとビッグゴールドに負けていたかもしれない。

ここ数年、外国人ジョッキーや地方競馬出身の騎手の活躍が目立つが、その要因のひとつとして、コーナーリングに対する厳しさの違いが挙げられる。特に4コーナーのコーナーリングの違いは顕著で、外国人ジョッキーや地方出身騎手はとにかく内を希求する。余程のことがない限りは内を狙う、という意識が徹底しているのだ。内を突いたばかりに前が壁になったり、馬群を捌けなかったとしても、それはそれで仕方ないと割り切っているのだろう。勝つためには、とにかく内を回り、内を突く。それは、彼らにとっての勝つための至上命令に等しい。

(第14回へ続く→)

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05年度代表馬記念ディープインパクト壁紙-結果報告-

「05年度代表馬を記念ディープインパクト壁紙」の応募受付を締め切りました。有馬記念でディープインパクトが負けたにもかかわらず、なんと92名の方にご応募いただきました! 4コーナーで斜めから差し込む夕日に照らされた、敗れゆく英雄ディープインパクトもまた美しいなぁと思っていますが、いかがでしょうか?私も今、こちらを壁紙として愛用しています。丁寧にアンケートにも答えていただき、大変感謝しております。

さて、アンケートの結果ですが、①の競馬歴で驚きの結果が出ました!
競馬歴
半年~1年  5人
1年~3年  10人
3年~5年  14人
5年~10年 24人
10年以上  34人
(未解答者あり)

87名の回答者中、34名もが10年以上のキャリアをお持ちだそうです。意外とベテランの方々に支持していただいているんですね。玄人好みのブログということでしょうか(笑)。

競馬歴33年(小学校3年のハイセイコーの時から)や観戦歴22年(シンボリルドルフで目覚めた)というツワモノも中にはいます。私も高校生の時からなので人のこと言えませんが、小学生からって凄いですね。シンボリルドルフをリアルタイムで観ているというのも、貴重な経験だと思います。

また、昨年の金杯からという方や、なんとディープインパクトの有馬記念からという初心者もいらっしゃいます。このブログでも知らず知らずのうちに、競馬用語を使っているはずです。私も最初はそうでしたが、「手前」とか「ハミ受け」とか、意味が分からないですよね?少しでも分かりやすく説明できるよう心掛けていきますので、頑張ってついてきてくださいね。

全体的には、非常に幅広い競馬歴の方が遊びに来ていただき、正直に嬉しいです。②の競馬について「こんなことが知りたい」「こんなことで困っている」にも、たくさんの回答をいただきました。少しずつお答えしていきますので、ご期待ください!


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「無痛化」する競馬予想界のゆくえ

「無痛化」とは、森岡正博氏(生命学者)によって提唱された概念であるが、今あるつらさや苦しみから、我々がどこまでも逃げ続けていけるような仕組みが、社会の中に張り巡らされていくことである

たとえば今、私はこの文章を、電気に煌々と照らされた、暖房の利いた暖かい部屋で、沸かしたてのコーヒーを片手に書いている。そして、この文章を読んでいるあなたも同じ。ほんの1世紀も前であれば考えられない光景である。寒ければ暖房のスイッチを押せばよく、暗ければ電灯を点ければよい。苦しみから我々が次々と逃げ続けるために、テクノロジーは発展し、文明が進歩したのは紛れもない事実である。文明の進歩とは「無痛化」の歴史に他ならない。

「無痛化」は、競馬予想界においても避けては通れない。「どうやって予想していいか分からず、馬券を外してお金を失う」というつらさや苦しみから手っ取り早く救ってくれる仕組みが、我々の周りのあちこちに転がっている(ように見える)。私の個人的な見解ではあるが、日本の競馬予想界における「無痛化」の先駆けは、1969年の柏木久太郎のコンピューター予想ではないだろうか。コンピューターを駆使した予想で的中率84%を標榜したが、いつの間にか消えていなくなった。その後、アンドリュー・ベイヤーによって「スピード指数」が発見され、西田和彦や石川ワタルもそれに続いた。それ以来、今に至るまで、科学文明の発展に歩みを合わせるように、~の法則、~理論、~システム、~値といった必勝法のゴールドラッシュの勢いは止まるところを知らない。

しかし、本当のところ、馬券で損をするというつらさや苦しみからは決して逃れることはできない。簡単で確実なはずの必勝法は、手にした途端、使い勝手の悪い、たまにしか的中することのないゴミと化す。たとえ的中しても、あまりにも買い目が多すぎて結果的にマイナスになってしまうこともあるだろう。それでも、必勝法は当った勝ったと大騒ぎする。これまでの負けを全て忘れ、水に流したと言わんばかりに。馬券で損をするという病に効く薬はないし、必勝法を生み出す詐欺師、それにすがる愚か者に付ける薬もない。

何よりも悲しいのは、競馬予想界の「無痛化」によって、我々が考えることからも逃げてしまうことだ。もし万が一、苦しみから次々に逃れて行くことの出来る必勝法があるとしても、その後に何が残るかというと、快楽、快適さ、安楽さしか残らない。するとどうなるかというと、当たって気持ちがいいけれどもよろこびのない予想になる。

必死になって考え、答えを導きだそうというつらさや苦しみから逃げてはいけない。よろこびは自分の頭で考えることでしか生まれない。競馬好きが100人いれば100通りの予想があるべきで、自分の予想が当たることも外れることもあるだろう。たとえ当たっても外れても、その予想が自分の頭で考えられたものであれば、そこには何ものにも代え難いよろこびがあるのではないだろうか。


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今年の課題は“攻めて負ける”

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いずれにせよ負けていたのだが、守って負けたこの馬券は最低である。2歳の牝馬による阪神1600mというコース設定におけるレース。しかも、当日はかなり雨が降って、道悪で時計が掛かっていた。このレースで本命に賭けるバカはいない。アルーリングボイスの単勝を買った私は大バカである。

とはいえ、実のところを言うと、雨が降ったことを知ったのは当日の朝。つまり、予想をアップした後なのである。土曜日の夜に予想をアップして、日曜日の朝にジャンジャン雨が降っているのを見て、アルーリングボイスの負けを覚悟した。阪神競馬場に到着してからレースが始まるまでの数時間、平場のレースを観戦しながらも、頭の半分くらいは、「なぜアルーリングボイスを買ってしまったのだろう」と自分で自分を問い詰めていた。

アルーリングボイスを買ってしまったのは、他の馬で勝てそう(買えそう)な馬がいなかったからに他ならない。フサイチパンドラは追い切りの動きを見て成長途上であることを確信していたし、コイウタはレースっぷりにも血統的にも大物感がない。1600mと坂のあるコースという2つの経験をしていたシークレットコードも、前走の時計(1分37秒1)を2秒近く縮められるかどうか自信がない。結局、ききょうSで牡馬に圧勝して、さらにファンタジーSの勝ち時計からある程度計算がつくアルーリングボイスに落ち着いてしまったのだ。

結論から言えば、当日に雨が降るという想定までして、シークレットコードに本命を打つべきであった。フサイチペガサスの仔は、芝のレースよりも、ダートや芝でも時計の掛かる馬場に強いという傾向もある。人気もなかったし、思い切った馬券を買うにはもってこいの馬である。たとえ前日に予想を決めなくてはならないとしても、阪神ジュべナイルフィリーズは攻める(荒れる)レースであるという原理原則を守ってさえいれば、シークレットコードに◎を打つことは出来たのではないか。

どちらにせよ、テイエムプリキュアはノーマークであったので、馬券としては負けていたことに違いはない。しかし、守って負けたのと、攻めて負けたのでは天と地ほどの差がある。たとえ負けても、挑戦をした結果であれば、その負けは必ずや将来の勝ちにつながる。だからこそ、“攻めて負ける”べきなのである。時には、負けを覚悟して挑戦することも必要になってくるだろう。このことは、私自身の今年の課題でもある。

最後に、アルーリングボイスの敗因を分析しておくと、何と言っても「ピークを過ぎてしまって余力が残っていなかった」ということである。凡走の理由は色々と考えられえるが、主な原因はこれしかない。この時期の2歳牝馬にとって、5連勝することは至難の業である。しかも、アルーリングボイスの場合は、新馬戦で敗れているため、このレースが6戦目になるのだから。今から考えると、アルーリングボイス自身のピークはききょうSであったのだろう。下り坂でG1レースを迎えてしまった馬が、見せ場もなく凡走してしまったのは当然といえば当然のことである。


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心を動かした騎手デットーリ

jockeyLDアルカセットの前日売りオッズには、思わず目を疑った。L・デットーリ騎手が騎乗するから人気にはなるだろうと予測はしていたが、まさかこれほどまでとは。サンクルー大賞を勝っているものの、その後の2戦は敗れており、他の外国馬と比べても実績不足は明らかである。そもそも、肝心の実力や日本の軽い芝に対する適性など、未知の部分が多すぎるではないか。その証拠に、2週間前の時点でアルカセットに本命を打っている競馬記者などほとんどいなかったはずである。

自慢ではなく、私はL・デットーリ騎手の騎乗を知る前から、アルカセットに本命を打とうかと考えていた。なぜなら、今年のジャパンカップは外国馬に持っていかれると感じていたからだ。ゼンノロブロイが一本かぶりしている今年は、日本馬のメンバーが手薄であることは明らかである。そのゼンノロブロイも、昨年の唸るような勢いを感じさせず、昨年の激走によって燃え尽きてしまった感が強い。

それに対し、今年の外国馬はバゴやウィジャボードを筆頭に、締めてG1レース18勝というメンバーである。ジャパンカップでは日本馬有利は確かだが、こうなると外国馬に勝ち馬を求めるのが自然な流れである。その流れの中で、私はアルカセットをピックアップしていた。

理由としては、「これまでに大きなレースを勝った実績がないから」である。逆説的に聞こえるかもしれないが、アルカセットの実績のなさを評価した。これまでのジャパンカップで、数多くの凱旋門賞馬やブリーダーズカップ馬が人気になり敗れてきているが、それは馬自身のピークが過ぎた状態で臨んできているからである。あれだけの大レースを制するには、その時点で肉体的・精神的にピークの状態で臨まなければならない。もちろん馬によって違うのだが、ピークの時期はそれほど長くなく、ピークというのは生涯に一度だけである。というよりも、生涯に一度のピークの状態でなければ、大レースを勝つことは難しい。

つまり、バゴやウィジャボードは、凱旋門賞やブリーダーズカップを勝った昨年、すでにピークを迎えてしまっているのだ。力のある馬なので今年も好走はするが、昨年ほどの勢いを取り戻すことは不可能である。バゴやウィジャボードでは、どう考えてもジャパンカップで勝つことは難しい。過去の名前で勝てるほど、今のジャパンカップは甘いレースではなくなっている。また、ベタートークナウやウォーサンは年齢的にピークを過ぎており、キングスドラマの実力では通用しないことは明らかである。

そうなると、アルカセットしか残らないではないか。「これからの馬」に白羽の矢を立てるとすれば、アルカセットしかいないと考えていたのだ。もちろん、「これからの馬」なので、実力のほどは良くも悪くも計り知れない。そして、実力も分からない、どこの馬の骨とも知れない馬(?)なので、少なくとも30倍以上のオッズがつくだろうと、2週間前の「週刊Gallop」を見ながら妄想を膨らませていた。

しかし、本当に私の予想は正しかったのだろうか。アルカセットは本当に実力でジャパンカップを勝ったのだろうか。もしかすると、L・デットーリ騎手がジャパンカップを制しただけなのではないだろうか。

L・デットーリ騎手が乗ったからこそ、私の予想も当たり、アルカセットもジャパンカップをレコードで勝利することができたのではないか。レース後のL・デットーリ騎手に対する熱狂的な報道を見るにつけ、その感は強くなる。「L・デットーリ騎手が勝った」、「L・デットーリ騎手だからこそ勝てた」と。

自分の胸に手を当ててみると、最終的に私がアルカセットを本命にした理由として、確かにL・デットーリ騎手が乗るからという要素はあった。あったというよりは、大きくなっていったという方が正確な表現だろう。L・デットーリ騎手が乗っていなければ、もしかすると他の馬に本命を変えていたかもしれない。

アルカセットを買ったつもりが、実は私はL・デットーリ騎手を買っていたのかもしれない。L・デットーリ騎手が、アルカセットを買う私の背中をソッと押してくれたのだ。そのようにL・デットーリ騎手に背中を押された人々が多くいたからこそ、30倍のオッズが10倍へと下がったのだろう。L・デットーリ騎手はオッズを動かしたのではなく、私たちの心を動かしたのだ。

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【Photo by Ruby】


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迎春

あけましておめでとございます。

昨年中は大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。

「ガラスの競馬場」もこれで5年目に突入することになりました。

これもひとえに、ご来訪いただいている皆様のおかげだと思っています。

昨年はディープインパクトの壁紙を通じて、「いつも見てます」「とても参考になります」等のメッセージをいただき、大変嬉しく励みになりました。

また、昨年末には素晴らしき競馬ブログたちが残念ながら閉鎖してしまいましたが、「ガラスの競馬場」は終わりません。

私、治郎丸敬之のライフワークとして、赤ペンが持てなくなるまで(笑)続けて参ります。

「ガラスの競馬場」は、これからもますますパワーアップしていきます。

その一環として、今年は大きな企画を予定していますのでご期待ください。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

「ガラスの競馬場」 治郎丸敬之

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