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集中連載:「馬体重は語る」-第1回-

umaweight01 by StudioU

■馬体重と馬の状態の密接な関係
かつて、中央競馬会(JRA)がレース当日の馬体重を計測し公表することを決定した際、ある厩舎関係者は「そんなことをしたら、馬の状態が一般の人に分かってしまうじゃないか!」というセリフを口にしたそうである。

馬体重という客観的な数字を公表してしまうことによって、それまでは競馬サークル内部の人間のみが知り得た情報を、一般の人でも簡単に入手することができるようになる。当時、八百長が行われていたとは思いたくないが、レースによっては馬を仕上げずに出走させるようなこともあったのかもしれない。もし馬体重を公表することになってしまえば、そのようなことは許されなくなるし、また、自分の仕上げの手腕が数字として如実に表れてしまうことを恐れたのかもしれない。

いずれにせよ、関係者がそのような危惧を抱いてしまうほど、馬体重と馬の状態は密接な関係にある

■疲れは目に見えない
そもそも、馬の状態を把握することが難しいのは、馬は口をきくことができないからである。「体の調子が悪いから今回の出走は見合わせてくれ」とか、「前走で頑張りすぎた反動からか、全く走る気がしない」などと馬自ら語ることはない(何を当たり前のことをと思われるかもしれないが、まずは当たり前のことから押さえておきたい)。よって、馬を管理する人間側は、外から様子を観察して、馬の状態を判断することになる。

けれども、あえて断言するならば、いかに毎日生活の大部分の時間を馬と接している人、たとえ厩務員であったとしても、外から観察しただけで自分の馬の状態を正確に把握することは難しい。その証拠として、レース後によく聞く「見えない疲れがあったのかもしれない」というコメントがあるだろう。普段と変わりがないように見えたが、実際に走ってみるとサッパリであったという時に用いられる常套句である。

「目に見えない疲れ」という表現が結果論的に語られるのは、本来疲れとは目に見えないところで蓄積されているからである。疲れが目に見えてしまう時には、その馬の状態は既に赤信号の状態にあり、まずレースに出走してこないだろう。黄色信号の状態にある馬、つまり目に見えない疲れを抱えた馬が、レースに行って遂に疲れを噴出させ、思わぬ大敗を喫することになるのである。

■私たちに与えられた唯一の手段
疲れが目に見えない以上、私たちに与えられた唯一の馬の状態を知る手段は馬体重となる。馬の状態と密接な関係にある馬体重を用いて、そのレースで馬は能力を発揮できる状態にあるのかどうかを判別しなければならない。いくら能力がある馬でも、走れる状態になければ馬券の対象にはならない。走れる状態にない馬を馬券から外すことができなければ、私たちは走るアテのない馬を永遠に買い続けることになってしまう。

だからこそ、私たちは中央競馬会から発表された馬体重に耳を傾け、馬体重が映されたモニターに目を凝らし、人によってはその数字を新聞に丹念に書き込む。その光景は、まるで肉市場のようでもある。にもかかわらず、見えない疲れを気付かれることのないまま敗れ去っていく人気馬はあとを絶たない。

なぜなら、本来ならば馬の状態と密接な関係にあるはずの馬体重を用いる際に、私たちがある決定的な間違いを犯してしまっているからである。

(次回へ続く→)

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Tracked on July 04, 2007 at 10:57 AM

Comments

わたしにとって、待ちに待った記事をあげてくださって嬉しいです。
これは個人的に保存して、今後のために使います。

今週末、プラザエクウスの写真展に行って来ます。

Posted by: 夏葉 | March 07, 2006 at 10:00 PM

夏葉さんに、そう言っていただけると嬉しいですね。

保存版として恥ずかしくないよう、頑張って書きます!

「瀬戸際日記」も拝見いたしました。

夏葉さんの引用されている、

>評価とは、じわっとしのびよってくるもの。気
>がついたらまわりがそんな空気になってい
>た。これが本当の評価である。

私も「おぉ」って思いましたよ。

私は先週末に、プラザエクウスに行ってきました。

私も見たことのない作品が展示してあって、「おぉ」って思いました。

近いうちにレポートします。

Posted by: 治郎丸敬之 | March 07, 2006 at 11:45 PM

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