前が閉まってもオレハカッテタゼ
高松宮記念2006-観戦記-
前半3ハロンが33秒7という、この馬場とメンバーにしては緩やかなラップでレースは流れた。そのため、スタートで後手に回ってしまった馬は全く勝負にならない、典型的な前残りの競馬となった。
勝ったオレハマッテルゼは、スタートから無理をすることなく好位を確保し、4コーナーまで柴田騎手の手はピクリとも動かなかった。それだけ馬の気持ちが前向きになっていて、あとは追い出しのタイミングを待つばかりという文句の付けようのない完勝であった。左回りも良かったのだろうが、年齢を重ねるにつれ、長い距離を集中して走れなくなっていたオレハマッテルゼにとって、1200mへの距離短縮はまさに好材料であった。
また、一瞬の脚を見事に生かした柴田騎手の落ち着いた騎乗も見事であった。4コーナーを回った瞬間に空いたスペースに、慌てることなく進入し、ワンテンポ置いてから追い出した手綱さばきは、とても6年ぶりのG1制覇とは思えない冷静かつ精密なものであった。
ラインクラフトは、初めてのスプリントG1にもかかわらず、スタートからスッと好位を確保できたように、やはりスピード能力は高い。追い出してから少しモタついて、オレハマッテルゼを捕らえられなかったのは、休み明けに原因があるだろう。ほとんど仕上がってはいたのだが、G1レースでもうひと伸びして勝ち切れるデキにはなかった。
シーズトウショウは、中京平坦コースの1200m戦が合う。軽快なスピードを生かすことが出来たし、馬体も戻って、状態は悪くなかった。池添騎手が勝ち馬に内を開けたことについては、馬場の良い所を走らせただけで、この馬にとって最善の選択をしたと思う。そもそも、たとえスペースが空かなかったとしても、オレハマッテルゼの手応えからして、外を回してでもラインクラフトは差し切られたはずである。オレハマッテルゼとラインクラフトの首差は、どこまで行っても縮まらない首差であった。福永騎手はもう少し冷静になって、レースを振り返るべきではないだろうか。
プリサイスマシーンは岩田騎手の積極的な騎乗に導かれ、あわやというシーンを作った。本質的にはスプリンターではないが、潜在能力の高さを見せた。
ネイティブハートにとっては、前残りの展開が向かなかった。それでも素晴らしい脚を使っており、後ろから行った馬の中では一番いい競馬をした。休養を挟んで、まるで別馬のように馬がリフレッシュされて、精神的にも肉体的にも全盛期のネイティブハートが蘇っている。
最後に、1番人気に推されたシンボリグランは、スタートから行き脚がつかず、直線も伸びかけたものの、見せ場すら作ることができなかった。体のメリハリが失われていたように、体調も下降線を辿っていたのだろう。さらに、他馬に挟まれて気の悪さを出してしまったように、気性面にもまだまだ課題を残す。
Photo by Suna

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Tracked on March 31, 2006 at 07:22 PM

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