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ラインクラフトの口元に注目

ラインクラフトは今年に入ってからの2戦(高松宮記念と阪神牝馬S)、ノーズバンドを外してレースに臨んでいる。ノーズバンド(鼻革)とは、馬の口が開きすぎないように、口の周りをグルっと巻いて締め、口が開かないようにする細い革のバンドのことである。ラインクラフトのように、舌を出したり、口を開きながら走るため、手綱の操作がうまく伝わりにくい馬に効果がある。

舌を出して走ることによるメリットはない。手綱から舌の上にあるハミを通して、騎手は競走馬に意志を伝える。舌を出してしまうということは、ハミを通して騎手の微妙な意志が伝わりにくいということである。そうなると、折り合いが付けにくいだけではなく、勝負所で最後まできちんと追うことが難しくなる。ハミがきちんと掛かっていない馬は、踏ん張らなければならない場面において、集中力を欠き、遊んでしまうからだ。

Noseband
(3歳のNHKマイルカップ~昨年の阪神牝馬Sまで、ノーズバンドを使用した)

そのノーズバンドを外したということは、効果が期待できなかったということもあるのだろうが、それ以上に、今のラインクラフトにはもう必要がなくなったということではないか。事実、前走の阪神牝馬Sでは、道中でほとんど引っ掛かることもなく、最後までシッカリとハミを噛み、集中力を切らすことなく伸び切っていた。ノーズバンドを使わずとも、舌を出したりして折り合いを欠く心配はないだろう、という陣営の判断は正しかったことになる。

しかし、先週と今週の追い切りを見て、ラインクラフトが舌を左側に出して走っていたことが、とても気になった。集中力を欠き、ほとんど真面目に走っていない印象を受けた。レースと年齢を重ねる毎に、この傾向は強くなってきている。追い切りで舌を出して走るのはこの馬のクセではあるが、あまりにも露骨に表れていたので、本番のレースではきちんと走ることが出来るのかと不安になったのだ。レースに行ってきちんと走れば問題ないが、果たしてどこまで調教とレースの切り替えが出来るのだろうか。

舌を出すことなく、しっかりとハミを受けて走ることが出来れば、課題である折り合いも心配ない。折り合いさえキチンと付けば、たとえマイルの距離でも、最後まで押し切ってしまうだろう。さらに、明日のヴィクトリアマイルは馬場の悪化が予想される。馬はハミを頼ることによって、悪い馬場をノメらずに走ることが出来る。舌を出してハミ受けが悪いということは、道悪では不利になってしまうのだ。つまり、ラインクラフトの口元の問題は、この記念すべき第1回のヴィクトリアマイルの勝敗の行方すら決めてしまうと言っても過言ではないのだ。


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