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天皇賞春2006-観戦記-
ディープインパクトが遂に世界へと飛び立つ。京都の坂の上りから一気に上がって、そして一気に下がるというセオリー無視の競馬で、最後は他馬を力でねじ伏せてしまった。個人的には若駒Sでの走りに最も強烈な印象を持っているが、今回の天皇賞春は、それに次ぐインパクトを受けた。「これ以上強い馬がいるのかな、と思うくらい強い」という武豊騎手のコメントにも、素直に頷けてしまう。
しかし、レコードを1秒も更新する驚異的なタイムには、素直には頷けない。計算上では、あのマヤノトップガンよりも6馬身先にいることになるが、それはマヤノトップガンやサクラローレルを6馬身千切ったということを意味しない。そもそも、2着であったリンカーンがマヤノトップガンの3馬身前にいるとは思えず、今回のレコードタイムはディープインパクトの強さの証明ではなく、それだけのタイムが出る馬場であったことの証明に過ぎない。ディープインパクトの勝利に水を差す気はサラサラないが、時計が速いことが必ずしも強さの証明ではないことは、何度繰り返し言っても言い過ぎることはないだろう。
今後は海外遠征へ向けて、陣営も慎重に調整を進めていくに違いない。たとえディープインパクトが数々の常識を破ってきた史上最強馬であれ、あれだけ極限のレースをした後に、疲労が残らないはずがない。馬体重もデビュー以来最低の数字となっており、肉体的にはかなりギリギリのところまできている。もちろん精神面でのケアも必要にはなるだろうが、とにかく、ゆっくりと時間をかけて準備してほしい。海外へ行くことが目的の馬ではないのだから。これから、前人未踏の大勝負が待っているのだ。
リンカーンは、横山典弘騎手のソツのないレース運びで、堂々の2着を確保した。ディープの動きにつられて他馬が動いた中、ピクリとも動かずに脚をタメた騎乗は見事であった。リンカーンも好騎乗に応えられる状態にまで仕上がっていたし、やっとここにきて成長が窺える。昨年暮れまで子供子どもしていた顔つきや馬体の形が、ようやく大人になってきていた。このままの状態を保つことが出来れば、次走の宝塚記念も期待できるだろう。
ストラタジェムは内々を進み、ディープインパクトの後を追うようにして仕掛けられた。前から下がってくる馬を見事に捌きながら、あっと言う間に先団に取り付いてしまった。馬は舌を出してしまい追いづらそうだったが、ボス騎手のコース取りと仕掛けるタイミングは最高であった。
マッキーマックスは、スピードの出る馬場とペースが合わなかったのだろう。この馬も34秒8の上がりを使っているが、前の2頭は圧倒的に速かった。これと同じことがデルタブルースにも言え、今回の馬場やペースでは力を発揮することが出来なかった。
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