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五風十雨

Wtvictoriam06

皐月賞からNHKマイルC、ヴィクトリアマイル、そしてダービーに至るまで、これほど馬場状態とトラックバイアスの把握に悩まされた年はない。まず、5週連続G1シリーズが行われた今年の東京競馬場は、外目の芝が長く、外を通った馬が伸びないというトラックバイアスが明らかであった。それに加え、雨が降り、排水システムの作用で内埒沿いの方がより走りやすくなることによって、トラックバイアスは一層強まった。

東京競馬場で雨が降ると内が有利になるこの現象は、【そのまま、そのままっ!】の山城氏の言葉を借りると、「タップダンスシチーの法則」と呼ばれる。平成15年にタップダンスシチーがジャパンカップを逃げ切った馬場状態とコース取りから名づけられたらしいが、「タップダンスシチーの法則」とは、より詳しく説明すると以下のようになる。

東京競馬場・芝コースで「前日・前夜に雨」「レース当日は曇りまたは晴れ」という条件が揃ったとき、地下に埋設された排水システムの作用により、コースの内側からいちはやく馬場の乾燥が進行する。その結果、イン有利のトラックバイアスが生じること。【そのまま、そのままっ!】より引用」

今年のNHKマイルカップとヴィクトリアマイルは、外の芝が長いということと、この「タップダンスシチーの法則」が絶妙に絡み合って、極端に内有利のトラックバイアスが作り上げられてしまった。そのことにいち早く気づくことが出来た者だけが、G1レース5週連続のスタートを最高の形で切れたに違いない。残念ながら私には、それができなかった。

予想を馬場状態によって変えていくのは極めて難しい作業であるし、今から思えば、刻々と変わりゆく馬場状態に気を奪われ、肝心の各馬の能力差や個体差といった大局的な判断力さえ失ってしまっていた。馬場を読み切れていれば、自信を持って買えた馬券も多かったに違いない。重馬場になった時の対応について、もっと多くを学ばなければならないと痛感させられた。そして、【そのまま、そのままっ!】の山城氏の馬場に対する深い観察と考察には、感心させられたと同時に学ぶところも多かった。

このエントリーのタイトルである「五風十雨」とは、五日ごとには風も吹き、十日ごとには雨も降る、そういうことは普通のことなのだ、という意味の漢詩の一部である。レースは良馬場ばかりで行われるわけではない。今年のように、日曜日にばかり雨が降ってしまうことも、ごくごく普通のことなのだ。雨が降ったから馬券を外してしまったでは済まされないのである。


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