集中連載:「サラブレッドはコースで演技する」第10回

■仕掛け⑥「坂、平坦」
次に、坂のあるコースと、そうでないコースの違いに話を移そう。ここでは、4コーナーを回って最後の直線において高低差が1メートル以上あるコースを、坂のあるコースと定義する。そうすると、京都競馬場は、3コーナーに向かうまでに急勾配な坂があるが、直線はほぼ平坦であるため平坦コースということになる。
コースにおいて坂の高低差が大きいということは、直線が長いことと同じように、それだけコースが苛酷であることを意味する。同じ1600mという距離を走るのでも、坂を登ったり下ったりするコースと、真っ平らでそのままのコースでは要求されるタフさが違う。スタミナが豊富であると同時に、精神的にも強くなくてはならないだろう。
さらに、坂を駆け上るにはスタミナや精神的な強さだけではなく、物理的な力強さ(パワー)も要求される。車で坂道を登ることを考えてもらえれば分かりやすいが、車で坂道を登る時に、私たちは必ずアクセルを力強く踏み込むはずである。それと同じように、馬も坂を登るときにはグッと全身に力を入れて走らなければならない。さらに厳密に言うと、後脚に力を入れて登らなくてはならない。坂を上るには腰から後の筋肉が発達していなければならないのである。よって、腰の甘い馬(腰の力の弱い馬)は坂のあるコースを苦手とする。
また、牝馬は総じて牡馬よりも力が弱いので、坂のあるコースよりも平坦コースの方がより実力を発揮できることになる。牝馬は夏に強いという定説は、牝馬の方が牡馬よりも暑さに強いというよりも、夏競馬になり、直線に坂のないローカル競馬場に開催が移って、非力な牝馬が平坦コースで力を発揮するという意味に解釈するべきである。
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Tracked on August 08, 2006 at 06:34 PM

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