記念すべき外れ馬券

この菊花賞は私にとって記念すべきレースである、と言っても誰もが首をかしげるに違いない。あまりにも外れすぎて、頭がオカシくなったんじゃないか?と思われるのが関の山である。しかし、誰に何と言われようが、この菊花賞の外れ馬券は私にとって記念すべき外れ馬券なのである。
ここ数年来、正直に言うと、自分の予想スタイルに行き詰まりを感じていた。ここで言う予想スタイルとは、馬券の種類や買い方のことではなく、予想をする上での思考の過程(流れ)のことである。野球のバッティングにたとえると、どれだけバットを短く持つかとか、バッターボックスのどこに立つかとか、そういうことではなくて、ピッチャーの投げた球に対して、どのような体の動きをしてバットでボールを捕らえるかという感覚のことである。
昨年は十分な結果を出すことが出来たものの、当てる感覚が自分のものではない気がしていた。たまたま当たって結果が出ただけで、自分としては、ちょっとしたキッカケで外してしまっていたかもしれない、という危うさを絶えず感じていた。馬券の当たり外れは確かに誰もが紙一重なのだが、それにしても、自分自身の感覚の中でさえ当てるという感覚が曖昧で、ここ数年来、確かなものを求めて絶えず試行錯誤していた。
野球のイチローは、凡打をした時に自分が打つ感覚を掴んだという。
「ぼくの場合は、打つ感覚をつかむ大きなポイントが2回あったんですけど、それはいずれも凡打です。通常は、いい打撃をする、ホームランを打つ、ヒットを打つ、そういうことによって、「あ、自分はこれで大丈夫だ」と思うらしいんです。ぼくもそうしてきたんですけど、その感覚って、続かないんです。長く続くもの、強いものというのは、「凡打をして、その理由が分かったとき」なんですね。こういう動きをしてしまったから、こうなったんだ。そういう答えが見えたときは、かなり強い感覚ではないかと思っています。」(「キャッチボール ICHIRO meets you ぴあ」より引用)
そして、その凡打から、いつどのようにして強い感覚を得たかというと、
「一度目は、打って、一塁に走っていくときです。こう…逆戻しをするんですね、頭の中で。自分の打った感覚を逆戻しすると、そのポイントが見えてくる。」(「キャッチボール ICHIRO meets you ぴあ」より引用)と述べる。
ここでいう「逆戻し」というのがポイントであろう。自分のイメージとして描いていたフォームに、実際に凡打したフォームを重ね合わせてみるという作業である。そうすることによって、自分が理想としてイメージする打てる感覚のフォームと、実際には凡打してしまったフォームが、どこのどの動きの中でズレてしまったのかが、まるで方程式を解くように分かったというのだ。
予想の過程にも、これと同じことが当てはまるのではないか。まるでビデオテープを巻き戻しするように、自分の思考の過程を遡って(さかのぼって)みることにより、どこのどの思考の流れの中で当てる感覚がズレてしまったのかを認識できるのである。
もちろん、自分の当てるイメージというものが明確にあってこそ、実際に外した自分の思考の流れと初めて重ね合わせることができる。私が自分の予想スタイルに行き詰まりを感じ、手がかりを求めて試行錯誤していた結果として、おそらくこれではないかという当てるイメージがあったからこそ、今回の菊花賞で馬券を外した理由がはっきりと分かったのである。この菊花賞で得た答えは、かなり強い感覚として私の中に残っている。
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Comments
いつも拝見させていただいています。馬券は失敗してうまくなるという考えには本当に共感します。私はハズレ馬券(単勝馬券)は必ず保管しておいて、復習しています。なぜその馬を選んだのか、攻めの予想だったのかなど、予想プロセスを大事にしています。悔いのない予想をすることって大切だなぁって感じますね。
Posted by: yasu | November 03, 2006 at 12:58 AM
yasu様
こちらこそいつもありがとうございます。
私はいつも勉強ばかりさせてもらっているのですが(笑)、今回の外れには大きな意味があったんです。
ここ数年ずっと考えてきた、これまでの予想の思考プロセスの間違いがはっきりと分かったからです。
まさに自分の思考プロセスを巻き戻ししてみて、どの時点から間違ったかが、驚くほどはっきりと見えたのです。
生まれて初めての、外れて嬉しくなった馬券でした。
Posted by: 治郎丸敬之 | November 03, 2006 at 01:39 AM
ご無沙汰しておりますー
JBCで小金稼いじゃいましたw
私は外れた時のパドックを見誤ったことに後悔します。
昨年の毎日王冠、本線はスイープ、サンライズ、ケイアイガード
だったんですが、パドック気配が抜群だったのはサンライズと
気まぐれガード(私命名ですw1年に1回くらいしか走る気になってくれないのでw)、問題は抜群のサンライズをアタマに取るかどうかでした。私の結論は宝塚の悪夢を嫌って、大してよく見えない
、調教でバタバタのスイープをアタマに。結果はサンライズ、ヒモで買ってたテレグノ、ケイアイガード…3連単147万…
あまりのショックで1週間仕事も手につきませんでした。
この馬券はまだ持っています。
自らの眼を、サンライズを信じられなかった証として…
治郎丸さんもこの失敗があったから取れた!という馬券が
きっと取れますよ!
Posted by: しゃち | November 03, 2006 at 03:29 AM
しゃちさん
それは1週間仕事が手につかないですよね(笑)
サンライズと気まぐれガードを持ってたんですものね。
パドックを見て馬券を買う時は、勝負はほんの一瞬です。
迷って、考えたら、当たりが逃げていくんですよね。
私にとって、この「外し方」は、理想のイメージと180度違っていたので、大きな意味を持つことになりました。
今はハッタリにしか聞こえないでしょうけどねw
最後に、JBC的中おめでとうございます!
Posted by: 治郎丸敬之 | November 03, 2006 at 08:38 AM