Believe me.
by photostud
ジャパンカップ2006-観戦記-
前半1000mの通過タイムが1分1秒1という、超が付くほどのスローペースで道中は流れ、最後の直線での瞬発力勝負でレースは決した。これだけのスローだと、少しでも前に位置した馬にとって有利になるのだが、上位3頭は秀でた瞬発力を生かして他馬を封じ込めた。特に、最後方から外々を回り、ラスト3ハロンを33秒5の脚でまくり切ったディープインパクトは、目に見えない着差以上の強さで、遂にその鬱憤を晴らした。
ディープインパクトの勝因は、フランス遠征を経て、馬に走る気力が蘇っていたことに尽きる。今年に入ってからは、調教で動かなくなるなど、厩舎での生活や走ること自体に嫌気が差していたが、環境の変化や馬にとってはストレスの少ないフランスでの生活が、ディープインパクトに再び英気を養わせたのだろう。帰国後は走りたくて仕方ないと言わんばかりの動きで、遠征後のレースにもかかわらず、久しぶりに絶好調といえる出来での出走であった。
武豊騎手も、ディープインパクトを信じて、スタートから折り合いを付けることだけに専念していた。直線で他馬にも脚が余っていただけに、一瞬ヒヤッとした場面はあっただろうが、最後まで冷静に馬を伸ばし続けた。武豊騎手といえども、ディープインパクトという馬を通して学び得たことは多く、道中でブレない心や、勝負どころでの馬の動かし方など、さらに磨きが掛かっている。勝つことが使命づけられていたレースだけに、陣営にとってはひと安心というところだろう。
あわやという場面を作ったドリームパスポートは、ここに来て走る気力と体力が実に充実している。スタートから手応え十分で道中を回り、少し力んで走っている場面もあったが、全体としてはほぼ完璧な内容であった。岩田騎手もギリギリまで仕掛けを我慢して、ドリームパスポートの一瞬の脚を生かした騎乗であったが、今回だけは相手が悪すぎた。この後は有馬記念に向かうが、叩いて調子を上げていく馬だけに、次走も良い状態で出走できるはずである。今回のように、無理をせずに好位を進むことが出来れば、チャンスは十分にあるだろう。
ウィジャボードも、勝つまでは行かなかったが、さすがという競馬での3着であった。位置取りと回ったコースを考えると、ドリームパスポートと同じぐらい走っている。ブリーダーズカップを勝った上で臨んできたことを考えると、末恐ろしい牝馬が世界にはいるものだと感じざるを得ない。現時点では、プライドと肩を並べるだけの実力を持つ最強牝馬であることに、全くもって異論はない。
ハーツクライは好位を進んだにもかかわらず、4コーナーでは既に手応えが悪くなって惨敗を喫してしまった。ノド鳴りの影響というのが大方の解釈だろうが、それだけではないはず。あれだけ緩いペースで行っていながらも手応えを失っているということは、複合的な要因が考えられる。二度に渡る海外遠征による目に見えない疲労、そして何よりも、キングジョージで差し返されて負けた精神的ショックもあるのではないだろうか。とはいえ、引退が決まった今となっては、あくまでも推測の域を出ない。府中の長い直線で、ディープインパクトと火の出るようなデッドヒートを期待しただけに、非常に残念な結果であった。
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Tracked on December 19, 2006 at 12:33 PM

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Comments
武豊騎手が何度も叩いていたので焦りは感じました。
ダービー時に比べると、もう一歩という手ごたえだったのかもしれません。
さて有馬ですが、ディープが負けるとしたら、
スローからの瞬発力勝負で早めに仕掛けたスイープに・・
という感じで考えています。
スタミナ勝負だとディープでしょうし、
スイープやムーン以外は勝負付けがすんでいる感がありますからね。
ディープは今回も圧倒的人気になるはずで、
あまり大胆な騎乗はできないと思うので、
そのへんが鍵になるかとおもいます。
Posted by: さとし | December 18, 2006 at 10:39 PM
こんにちは。
JCの直線、どこか半信半疑な走りに映ったディープの走り。
やはり世界最高峰の頂に片手をかけた代償は少なからず今も残っていると思います。
モヤモヤから開放されたかのように、JCでは広いコースで伸び伸びと走れましたが、今回の中山2500mという舞台がなんとなく気にもなります。
徹底先行型もいて、有力馬に先行脚質の馬も多く、武さんの乗り方が興味深いです。おそらく今回はいつもより早めに動くことになりそう。
やっぱりディープか、と誰もが勝利を確信した瞬間に、意外や伸び切れないなんてシーンもありかな?て。
海外遠征というのは難しいものです。
あのゼンノロブロイも、そしてハーツクライも遠征で潰れたといっても過言ではありません。
そういった意味では、前走のJCというのはディープにとって、とてもタイミングが良かったと思うのです。
なんせ伸び伸び走れましたから。
今回はスピードの強弱(メリハリ)の要求される6つのコーナーを持つ鬼門?コース。
凱旋門賞のつけはディープ本人しか知り得ませんが、少なからず現在は表面化しておりません。
そこがかえって嫌だったりもしています。
ディープに最後の挑戦を挑むと言っていた治郎丸さん、そのあたりどうでしょう?
Posted by: 江戸川 | December 18, 2006 at 11:23 PM
アドマイヤメインが柴田善騎手を鞍上に出走してくる
ということでおおよその展開が決まってきましたね。
ダービー同様、この馬の持ち味とはまた違ったスローで
淡々と逃げることになるでしょう。
先行馬は脚をためて最後の短い直線をしのぎ切ることに
専念するでしょうし、かなりディープインパクトにとって
厳しい展開になることは間違いなさそうです。
中山では上がり3Fで34秒を切ったことがない点も
気になるところ。武豊騎手はどういう作戦に出るんでしょうか。
JCでは過去最低体重で出走していたディープインパクト、
マスコミも陣営も「万全」というニュースを流し続けて
いますがこれまで以上に万全でないように思えて仕方が
ありません。
個人的には強引な減量でJCに臨み、敗退したメイショウサムソンが
順調に調整してくれば怖い存在になりそうだと考えて
いるんですが・・・。
Posted by: けん♂ | December 19, 2006 at 03:11 AM
さとしさん
ジャパンカップは、極限のレースをしていると思います。
あれだけのスローペースの最後方から、仮にもG1級の馬たちをまくり切ってしまったのですから。
ディープの前では、他馬がまるで条件馬のようですが、ドリームパスポート、ウィジャボードなど、世界レベルの面子ですよね。
私はディープインパクトが負けるとしたら、体調が優れずに飛ばなかった時だけと考えています。
普通の状態であれば、展開うんぬんは関係ないと思います。
飛ぶか飛ばないかが全てではないでしょうか。
Posted by: 治郎丸敬之 | December 19, 2006 at 09:39 PM
江戸川さん
さすがの読みですね。
でも、まだ楽しみは後にとっておかせてください(笑)。
ただ、私は海外遠征の疲れはほとんどないと思っています。
逆に、日本で競馬をしていた疲れが向こうで出てしまったと思っていますから。
JCの走りも、直線でいつもの伸びがなかったという見方がありますが、私はかなり伸びていると思います。
あのメンバーで、あれだけのスローになって、瞬発力勝負であれ以上突き放すのは、たとえディープでも難しいのではないでしょうか。
見た目は並でしたが、かなりのレースをしています。
いずれにせよ、ディープが普通に走れる体調にあれば、ペースやコースはほとんど関係ないですよね。
万が一、彼が飛ばなかった時にこそ、他の全馬にチャンスが生まれます。
江戸川さんの見解も楽しみにしております。
Posted by: 治郎丸敬之 | December 19, 2006 at 09:47 PM
けん♂さん
やはり、アドマイヤメインが逃げるのですかね。
そうなると、前半はスローになるのかもしれません。
とはいえ、最後までスローかというと疑問が残ります。
ダイワメジャーは正攻法で攻めてくるでしょうし、それに伴ってディープも早めに仕掛けてくるはずです。
有馬記念は極端な上がりの勝負になったことはないはずで、最後は仕掛けたタイミングの良し悪しで勝敗が決まる気がします。
いずれにせよ、ディープが普通の体調であれば、付け入る隙はないと思いますが…
私もけん♂ さんと同じく、あまりにも万全と言われると、かえって心配になりますよ。
Posted by: 治郎丸敬之 | December 19, 2006 at 09:51 PM