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弱いところが狙われる

Deltablues

昨年の日本のスプリンターズSとオセアニアのメルボルンカップは、まさにこれからの世界競馬を象徴する2つのレースとなった。どういう意味かというと、これだけ競馬の世界地図が小さくなった今、層が薄いにもかかわらず、賞金が高いレースは格好の標的になるということである。つまり、弱いところが狙われるのである

オセアニアはサラブレッドの生産頭数がアメリカに次いで2番目に多い国であり、その多くの馬は2歳時に行われるゴールデンスリッパーS(1200m)を目標として生産される。このゴールデンスリッパーSは、1着賞金がなんと約1億6000万という、2歳戦としては世界最高賞金を誇る超ビッグレースである。日本の生産者が将来のダービー馬を夢見るように、オセアニアの生産者はゴールデンスリッパーS馬を夢見て配合・調教をする。このことだけを見ても、オセアニアはスプリンターの層が厚く、その中からトップに上り詰めてくる馬が、尋常ではない能力を秘めていることがうかがい知れる。もちろん、その代わりに、純粋なるステイヤーは皆無に近く、層が薄いことは否めない。

対する日本では、生粋のスプリンターとして生産される馬の数はまだ少なく、生産という面から見てもその層は薄い。また、スプリンターズSを秋口に移行したことにより、スプリンターとマイラーの分極化が進んでしまった。強い日本のマイラーがスプリントレースに出走しづらくなったため、まだまだ弱いスプリント路線を外国馬から守ることが出来なくなってしまっているのが現状である。しかし、マイル~中長距離路線は、血統や調教技術の飛躍的な向上により、ひいき目なしに見ても、世界のトップレベルにあるといっても過言ではない。重賞クラスの馬がきちんとした状態であれば、世界のどこに持って行っても好勝負になるだろう。

どちらの国のレベルが高いということではなく、その国のレース体系によって、目指している強い馬づくりの方向が違っているということである。それに応じて、層の厚い路線と薄い路線が出てきてしまうのは、当然といえば当然の結果である。

もちろん、日本としても手をこまねいて見ているわけではない。高松宮記念とスプリンターズSの短距離2冠を制した快速名牝であるフラワーパーク(父ニホンピロウィナー)が、年明けにもオセアニアでリダウツチョイス(父デインヒル)と交配するという。リダウツチョイスは言わずと知れたオセアニアのリーディングサイヤーで、快速馬の中の快速馬を生み出して、のし上ってきた種牡馬である。これは完全に短距離のスペシャリストを意識した配合で、下手にサンデーサイレンスやダンスインザダークなどをかけて距離を持たせるよりもずっと良いと私は思う。弱いスプリント路線を補うために、血統は敢えて強いところを伸ばす配合をする。これからの世界競馬は、「強いところを伸ばす」、「弱いところを補う」ことの両方が要求される時代なのかもしれない。

Photo by fakePlace

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Comments

短距離馬にスタミナ補正のために長距離馬を配合する、
上手くいけば良い産駒が出来るのでしょうけど
逆にスピード能力が損なわれて中途半端な馬が生まれてしまう・・
配合の難しさは生産者の方々が一番良くわかっていらっしゃること
だと思います。

日本ではサクラバクシンオーが短距離に特化した産駒を
次々に生み出して独自の系統を確立しようとしてますね。
アドマイヤコジーンももしかしたらそういう路線になっていく
のかもしれません。
生産面での環境が整ってきているのであれば
あとはJRAが生産者の目標となるレース設定、賞金設定を
していくのが急務かと。
世界を股にかけて活躍する馬が出ている中、国境を越えて
日本の馬にも旅立って行ってもらいたい・・もちろん
行くだけでなく活躍してもらいたいわけで(^^;
競馬ファンがもっと夢を見れる時代が近づいてきていると
信じたいですね(^^)g

Posted by: けん♂ | January 17, 2007 at 11:25 PM

短距離の世界は日本はまだまだですよね。
デュランダルがいたころは強いと思っていましたが
それでも世界からすればまだまだだったのかもしれません。
もっと頑張ってほしいという気持ちがあります。
去年の安田記念の海外馬決着は
東京競馬場で生で見ていて本当に悔しかったです。

フラワーパークの子供に期待したいですね。
あっ。
宣伝になってしまいますが
2006年に引退した馬にスポットライトをあてて
記事を書きはじめました。
ぜひぜひ、感想をほしいなぁ。と思っています(笑)
治郎丸さんの記事に感化されてこういうものを
書いてみようと思ったので(笑)
ぱくりみたいですいません。
ただ、記事は自分の気持ちをこめて書いたつもりですので!

Posted by: UPUP | January 18, 2007 at 03:50 PM

けん♂さん

どういう配合をするかということは、その国の競馬が行われるレース体系に大きく影響されますよね。

もちろん、各路線から名馬が出てくるのが理想ですが、世界という大きな舞台では相手も違ってきますから。

現実として、オセアニアの短距離馬は強いです。

積み重ねてきたものが向こうにもありますからね。

競馬の世界地図が小さくなることによって、これからどのような変化が起きてくるのか楽しみです。

Posted by: 治郎丸敬之 | January 18, 2007 at 11:05 PM

UPUPさん

デュランダルは強いマイラーでしたね。

あれぐらいの強いマイラーであれば、海外から強いスプリンターが来ても太刀打ちできるのですが。

バランスオブゲームの記事、私も少しうるっと来ましたよ(笑)。

UPUPさんが本当に好きだったのが伝わってきました。

1頭の馬を好きになると、競馬の世界も景色が違って見えますよね。

Posted by: 治郎丸敬之 | January 18, 2007 at 11:13 PM

デュランダルは強いマイラーでしたね。⇒同じ意見。

やはりスプリンター層が薄いから勝ててた様に思える。
サクラバクシンオーはまさしくスプリンターだった。エイシンワシントンも好きだったな。あの頃の方がスプリンター路線は充実してたかと。。。

エイシンワシントンの淀短距離Sが忘れられない。スタートした瞬間ロケットスタート。その時点で観客席からため息と「終わった~。ワシントンで決まりや~」の言葉が出てました。

個性の強い馬ももっと出てきて欲しいですね。ツインターボみたいな。。。

Posted by: はやひで | January 19, 2007 at 08:37 AM

はやひでさん

サクラバクシンオーは私の中でベストスプリンターです。

あの馬に1200m戦で勝てる馬なんているのか、と思っています。

とはいえ、やはり世界にはいるんでしょうね。

今年のスプリンターズSでも、バクシンオーの仔は奮いませんでしたね(期待していたのですが…)。

ツインターボ!

この馬も個性的でしたね。

そう言われてみれば、今、大逃げを打てる強い馬っていないですよね。

あれだけ大逃げを打たれると、馬券買っていても、買っていなくても、レース中はドキドキヒヤヒヤしますもんね。

Posted by: 治郎丸敬之 | January 19, 2007 at 10:15 PM

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