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集中連載:「馬を見る天才になる!」第3回

第1回の冒頭で、馬を見る天才の“勘”の話をした。

その“勘”とは、「ある思考プロセスを経た無意識の評価」のことに他ならない

馬を見る天才にしてみれば、無意識で行っていることなので、ある思考プロセスを経ているという意識はないかもしれない。また、あまりにも一瞬で判断できるため、本人にとっては“勘”のようなものでしかないだろう。しかし、馬を見る天才も、必ずある思考プロセスを経て、馬体の評価を行っている。

その思考プロセスを真似ることによって、私たちは馬を見る天才と同じ馬の見方ができるようになるのである。馬を見る天才が無意識に行っている馬体評価の思考プロセスを借りてきて、意識的に馬体の評価をするという訓練を繰り返す。最初のうちは、ぎこちなさが伴い、判断ミスを犯すこともあるかもしれないが、次第に、あたかも自分の頭で考えているような感覚が芽生えてくるだろう。そして、いつの間にか、あなたも一瞬にして、馬の馬体を適切に評価することが無意識のうちに出来ているはずなのである。

馬を見る天才の思考プロセスとは、
実はわずか5つのポイントを辿って馬体を評価しているに過ぎない。

その5つのポイントを視覚的に意識しやすくするために、スター(☆)の形をとった「スター☆馬体チェック法」を私は考案してみた。馬を見る天才は、必ず以下の5つのポイントを無意識のうちにチェックしながら、その馬が走られる体調・状態にあるかどうかを選別して、馬券の予想に役立てているのである。

Starcheck

(次回へ続く→)

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掬い上げることができなかった

Wtfebs07

このレースでは、技術的に大きなミスをしてしまっている。そのミスとは、平安Sにおけるメイショウトウコンとサンライズバッカスをひと括りにして評価してしまったことである。つまり、スローペースの瞬発力勝負がハマったという見解を、2着馬であるサンライズバッカスにも無意識のうちに当てはめてしまったのである。

私は最後のエントリーで、以下のように書いている。

平安Sは超がつくほどのスローペースで流れました。そして、その先行馬有利の流れを、後方から飲み込んだメイショウトウコンとサンライズバッカスは強い競馬をしたと思います。素直に考えればそうなのですが、あまりにもこの2頭のレースが鮮やか過ぎたので、私は少し違った見方もしてみました。

もしかすると平安Sはラスト800mだけのヨーイドンのレースだったのではないか、というものです。道中が極端にスローに流れると、ラストの瞬発力勝負になってしまうことが往々にしてあります。そうなると、スロー=前に行った馬に有利という図式ではなく、たとえ先行していても瞬発力に劣っている馬は差し切られてしまいます。芝のレースではよくある形ですよね。

平安Sは前に行った馬もバテてはいないのだけれども、メイショウトウコンとサンライズバッカスの瞬発力に屈したのではないでしょうか。つまり、この2頭は厳しい展開を跳ね返したわけではなく、ただ単に、他馬よりも瞬発力に勝っていただけということです。そんなイメージで平安Sを捉えているので、メイショウトウコンはある意味でハマったと書いたのです。

そもそも、サンライズバッカスは瞬発力勝負に強いタイプの馬ではない。武蔵野Sに象徴されるように、先行馬がガリガリと行ってペースが速くなってこそ、その末脚の破壊力が生きる馬である。そのサンライズバッカスが、平安Sでスローペースからあそこまで堅実に末脚を繰り出せたのは、まさに5歳を迎えて充実一途を辿っているということを証明しているものであった。フェブラリーSに臨むにあたって、腰高のスピードタイプの馬だけに、距離の短縮はプラスに働くはずで、また道中のペースが速くなることも間違いない。結果論を承知で言わせてもらえば、サンライズバッカスにとっては、まさにお膳立てが整ったレースであった。

それでも、私がサンライズバッカスを本命に出来なかったのは、その気性の難しさゆえである。G1レースのような一瞬のスキも見せられない厳しいレースになると、泥を被って馬が走る気をなくしたり、追われてからフラついたりしてしまっては、勝ち切ることは非常に困難になる。サンライズバッカスはそういった面を背後にあわせ持つ馬で、たとえ安藤勝己騎手であったとしても、勝利に導くのは難しいだろうと考えていたからである。そこで思考はストップしてしまい、平安Sのレース評価からサンライズバッカスを掬い(すくい)上げることができなかった。

たとえハナ差の1、2着でも、スローの瞬発力勝負を得意とする馬(メイショウトウコン)と、ハイペースの前崩れ展開を得意とする馬(サンライズバッカス)とでは、180度評価を変えるべきであった。平安Sのサンライズバッカスは、厳しい展開を跳ね返して2着を確保したと適切に評価すべきであったのだ。その作業を怠ったからこそ、この詰め将棋のようなレースで読み抜けをしてしまうのである。勝てる可能性のない馬の中から勝ち馬を探し、当日の馬場状態に惑わされながらも本命を打ったのは、なんとあれほど中心にしないと決めていた6歳馬であった。

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集中連載:「馬を見る天才になる!」第2回

まず初めに断っておかなければならないが、これからお伝えする馬の見方は、決して革新的なものでもなく、これまでの常識を覆すようなものでもない。しかし、他の馬体解説本と決定的に違うのは、「誰にでも分かり」、「すぐに実践できる」という点である。つまり、馬券に直結する馬体の見方だけを、できるだけシンプルに理解してもらえることを目的としている

というのも、巷に出回っている馬の見方に関する本の内容を、ほとんどの人は理解できないだろうという実感があるからだ。これまでたくさんの馬体解説本を読んできたが、私たち競馬ファンに分かるように書かれたものに一度も出会ったことがない。馬体については詳しく書いてあるが、馬体の見方については書かれていないのである。むしろ、馬体について知れば知るほど、馬を見ることが出来なくなっていくという皮肉に陥ってしまっているのが現状であろう。

たとえば、「飛節の角度が浅い直飛節や、深い曲飛節はよくない」と解説本には書いてあるが、実際に馬を見ても、飛節の角度の差は曖昧で見分けることは難しい。なぜなら、脚を付く位置によって、同じ馬でも直飛節にも見えたり、曲飛節にも見えたりするからだ。馬が静止している状態ならわずかに判別できる可能性はあるが、一旦動き出してしまうと、私たちにとって飛節の角度を測ることは至難の業となる。つまり、馬体解説本を読んだ時は分かったつもりになるが、実際にいざ馬を見てみると違いが分からないのである

Hisetu_1そして、飛節の角度を見分けることが、馬券につながることはほとんどない。大種牡馬サンデーサイレンスの飛節が曲がっている話は有名だが、その特徴は少なからずとも産駒にも遺伝している。それでも、産駒がバンバン走ったことは周知の事実であり、あのサイレンススズカでさえも飛節は曲がっていた。飛節が曲がっていても走る馬は走るのであり、はっきり言ってしまうと、私たちが馬を見る時に飛節の曲がりなどに注目する必要はないということになる。つまり、馬がレースで走るか走らないかに直結しない知識があまりにも多すぎて、私たちは余計に混乱してしまうのである

また、専門用語が多すぎるのも問題である。たとえば、“飛節”、“臀部”、“腰角”、“前胸”など、どこを指しているか曖昧であり、もはや覚える気にもなれないだろう。馬の体を細かい部位に分けていくと、それぞれの名称が出てきて当然だが、馬券を買う私たちがそこまで知っておく必要はない。肩とか尻とか目とか、そういうレベルで十分なのである。むしろ各部位に分けて馬を見ることは弊害になる(この理由は最後に分かる)。だからこそ、私は専門用語をあえて使わず、なるべく誰にでも分かるような言葉で説明していくつもりである。

馬体について語ることは専門家の特権であるし、私はそれを奪うつもりはない。

しかし、このままでは、馬を見ることがますます難しくなってしまう。

馬を見ることは、決して難しいことではないのだ。

(次回へ続く→)

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集中連載:「馬を見る天才になる!」第1回

馬を見る天才は、一瞬にして、
その馬が走るかどうかを見分けることができる。

「なぜそう簡単に見分けられるのか?」

と彼に尋ねると、彼はこう答えるだろう。

「勘だよ、勘」

その“勘”の正体とは一体なんだろうか?

(次回へ続く→)

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超絶技巧

Febs07 by gradeone
フェブラリーS2007-観戦記-
水が表面に浮くほどではなく、脚抜きの良い、ダートとしては最も走りやすい馬場でレースは行われた。前半4ハロンが46秒6と、この馬場にしてはそれほど速いペースではないが、最初のコーナーまでの距離が長いため、行きたがった先行馬が折り合いつけるのに苦労していた分、中団以降でスムーズに追走できた馬たちにとっておあつらえ向きの展開となった。

サンライズバッカスは、立ち遅れたもののすぐさま中団に取り付き、抜群の手応えで4コーナーを回り、直線に向くやアッという間に他馬を飲み込んだ。道中の流れや、平安Sからの距離短縮など、全ての要素がこの馬にプラスに働き、終わってみればまさに楽勝であった。この距離とコースでカネヒキリを下しているように、ハマった時の強さはG1ホースに相応しい。4歳時には目に付いた腰高の馬体も、少しずつバランスが良くなってきているように、ここに来て大きく成長している。

安藤勝己騎手の好騎乗も見逃せない。気性に難しい面のあるクセ馬サンライズバッカスを、スタートからゴールまで、まるで何事もなかったかのように導いてみせた。ハミを終始きっちりとかけて、最後までサンライズバッカスに気を抜かせずに走らせたのだが、それ以外の技術的な部分については、私などには到底分からない領域にある。ダイワメジャーに代表されるように、馬を手の内に入れて、能力を100%引き出してしまうその手綱さばきは、まさに超絶技巧と言ってもよいのではないだろうか。

ブルーコンコルドは最後まで良く伸びているが、勝ち馬を追い詰め切れなかった。前走の東京大章典でも道中から手が動いたように、年齢的なものか、多少なりともズブさが出てきていることも敗因のひとつである。勝ち馬が動いて行った時に、スッと付いて行くことが出来なかった。内にモタれたのは、左回りだからではなく、中央の厳しく激しいレースで苦しかったからだろう。スピード負けした感があるとはいえ、この速い時計で走っているように、本当に強い馬である。

ビッググラスは外枠からレースの流れに乗って、ほぼ完璧な走りで能力を出し切った。今回は相手が悪かったが、距離が長くなって更に良さが出てきたし、体調も良かったのだろう。晩成の血統だけに、ダートの短距離界では中心的な存在になっていくだろう。

シーキングザダイヤはレースの流れに乗っていたように見えたが、追い出してからもさっぱりで、ダート戦にしては初めての惨敗を喫してしまった。本来はスピードタイプの馬が、年齢を重ねてズブさが出てきたことにより距離が持つようになったのだが、かえって今回は距離が短いことに加え、脚抜きの良い馬場になったことにより、スピード競馬に対応できなかった。

上がり馬のメイショウトウコンは、初めて体験する速い流れに付いていくだけで精一杯で、道中で末脚を失ってしまった。雨で馬場が締まった影響がなければ、サンライズバッカスとの比較からも、もう少し好勝負になったはずである。フィールドルージュは懸命に追い込んではいるが、この馬にとっては全体の時計が速すぎた。シーキングザベストはリズム良く走ったが、この距離をこのメンバー相手に押し切るには、スタミナが足りなかった。

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◎シーキングザベスト

Jiromaru_22

まずは、平安Sに対する見解の違いから述べておかなければなりませんね。ルドルフおやじさんのおっしゃるように、平安Sは超がつくほどのスローペースで流れました。そして、その先行馬有利の流れを、後方から飲み込んだメイショウトウコンとサンライズバッカスは強い競馬をしたと思います。素直に考えればそうなのですが、あまりにもこの2頭のレースが鮮やか過ぎたので、私は少し違った見方もしてみました。

もしかすると平安Sはラスト800mだけのヨーイドンのレースだったのではないか、というものです。道中が極端にスローに流れると、ラストの瞬発力勝負になってしまうことが往々にしてあります。そうなると、スロー=前に行った馬に有利という図式ではなく、たとえ先行していても瞬発力に劣っている馬は差し切られてしまいます。芝のレースではよくある形ですよね。

平安Sは前に行った馬もバテてはいないのだけれど、メイショウトウコンとサンライズバッカスの瞬発力に屈したのではないでしょうか。つまり、この2頭は厳しい展開を跳ね返したわけではなく、ただ単に、他馬よりも瞬発力に勝っていただけということです。そんなイメージで平安Sを捉えているので、メイショウトウコンはある意味でハマったと書いたのです。

もちろん、ダートであれだけの瞬発力を発揮できる馬を久しく見ていませんし、社台が育ててきた底力が、マヤノトップガンを経て、このような形で表出したことは本当に奥の深いことだと思います。馬格のある馬ではないので、あまり砂の深く、時計のかかるダートは向いていないでしょう。かといって、芝ではスピード不足です。脚抜きの良い、軽い瞬発力が行かせるダートでこそ、この馬の力が発揮できます。そう考えると、まさに東京競馬場のダート1600mで行われるフェブラリーSは、メイショウトウコンにとっておあつらえ向きの舞台ですね。実は私もメイショウトウコンに本命を打とうと考えていました。

しかし、当日の雨を考慮すると、◎シーキングザベストが浮上してきます。水が浮くような馬場になってしまうと、ある程度のハイペースで行ったとしても、前に位置できる馬が有利になります。テンからガンガン行って最後まで粘りきるという、まさにアメリカ競馬のようなレースになってしまうかもしれませんね。そういう馬場、展開になれば、シーキングザベストがゴールまで押し切ってしまうシーンも考えられます。どちらかというとスピードが勝った馬だけに、砂が締まって、時計が速くなることはプラスに働きます。

ルドルフおやじさんのおっしゃるように、血統も成長力があって力強い馬です。アメリカンなスピードだけではなく、スタミナを補強する血がちりばめられていますね。 5月生まれということもあって、完成されるのに時間が掛ったのでしょうが、ここにきてようやく本格化といったところでしょうか。根岸Sは多少なりとも余裕を持たせたつくりで、勝ちきれませんでしたが、本番への上積みも見込めそうです。最終追い切りはビシッと追って、100%の力を出し切れる仕上がりです。今の勢いならば、同厩のシーキングザダイヤの上に来ることも出来るかもしれませんね。

フィールドルージュはメイショウトウコンと同じ平安S組ですが、この馬は瞬発力には欠ける馬だと思います。道中のラップが速くなったところで付いて行けなかったように、あまり速い上がりになると厳しいですね。道中で他馬がバリバリとやり合って、ラストの時計が掛かるようなレースが望ましいです。東京のマイル戦は得てしてそういうレースになりやすいですし、展開の助けがあれば、この馬にもチャンスがあると思います。ただ、雨の影響で時計が速くなって、追い込みにくい馬場になると、この馬の出番はないでしょう。そういった意味で、馬場や展開に大きく左右される馬です。

ブルーコンコルドは最終追い切りもビッシリと仕上げられて、体調は万全で臨めそうです。ダートでの能力という点では随一のものを持っていますが、パワー型という本質は変えることはできません。特に、雨が降るようなスピード馬場では、持続的なスピードに富んだ馬には勝てないのではないでしょうか。最もこの馬自身もスピードがないわけではありませんし、それを支えるスタミナも十分にあります。間違いなく好勝負になる下地はあるのですが、最後の最後でスピード負けしてしまうかもしれません。一旦は先頭に立つくらいの強引な競馬でねじ伏せにくると思いますが、果たして最後まで先頭に立っていることが出来るでしょうか。

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元気があればG1も勝てる!

Rudolf_22

今回は◎からいきましょう。メイショウトウコンです。前走の平安Sでは、Sバッカスと「闘魂」は強い競馬をしていたと思います。1000mを1,02,2で通過するような先行馬ペースをなんなく差しきるというのはナカナカのものです。

バッカスの鞍上の安藤Jにはいつも感心させられますねえ。先行馬が、6ハロン目から急激にペースを上げたところを見逃さず、スパートをかけてます。6ハロンから7ハロン目のラップは11,8でした。速いですね。ここで仕掛けなければ先行馬の逃げ切りを許していたでしょうね。彼にはレースの流れを読みきる嗅覚があるんですね。バッカスも馬体に余裕があってフェブラリーでは更に前進が期待できます。この馬にも印が必要です。

「闘魂」の方はのんびりしてましたよ。安藤Jが仕掛けてもまだ動こうとしないんですから。それでいて、直線だけで全馬を呑み込んでしまう末脚を繰り出すというのはナカナカです。「はまった」というものではなかったと思います。バッカスはこれまでもフェブラリーやJCDで健闘してきたG1で通用する力量の持ち主です。バッカスをものさしにすると「闘魂」もG1で力を発揮できると思います。新年早々見解が違ってしまいましたねえ。

前回の手紙で、本当に地味な血脈、エスサーディー系がフェブラリーでは大活躍をしていると書きました。エスサーディー系のもつ素晴らしい底力がわかりますね。この活躍はわずか10年の間に集中しています。これが血の勢いというものです。「闘魂」は社台が育てたシャダイプリマから出ている血統です。80年代はダイナコスモスやカッティングエッジを出して注目されましたが、その後少し低迷していました。ところがこの数年クラフトマンシップやクラフトワーク、そして今年の金杯でシャドウゲイトを出して勢いを取り戻しています。「闘魂」は社台の生産馬ではありませんが、血はまさにメイドイン社台です。最近、20年前、30年前に社台が導入した血があちこちで開花していますよね。心強いかぎりです。そしてシャダイプリマとはかなり離れていますが、アグネスデジタルも「闘魂」の一族のようです。元気があればG1も勝てる!

根岸Sで強いと思ったのはシーキングザベストです。この馬はどんな展開になってもへこたれませんね。レースはNPサートが追い込んでくるようなペースでしたがベストは先行して2着をきちんと確保しています。馬場不問、展開不問というのが名馬の条件です。配合をみるとますます買ってみたくなります。バックパサーとウォーアドミラルのクロスがあって、見かけよりうんと力強い馬だと思います。もちろん成長力もあります。おまけに母系がラトロワンヌとくればいうことなし、○です。

週末の天気は雨かなあ。先行馬が有利だとは思いますが、案外こんなとき、「我先に」という騎手心理が働いて必要以上にペースがあがるものです。そう考えると「闘魂」に出番が回ってくるかも知れません。「先行馬そろったときの先行馬」「逃げ馬いないときの追い込み馬」とは昔ながらの馬券作戦ですが、今回は「逃げ馬いないときの追い込み馬」の展開からも「闘魂」を狙いましょう。先行馬のなかではザベストの配合のよさを買いましょう。

ブルーコンコルドは▲ですね。名門アストニシメント系エベレストの復活をみたいものです。しかし、この馬については治郎丸さんと同じで、少々危さを感じています。最近のコンコルドの馬体をみると、ゴツゴツしてパワータイプに成長したのかなあと感じています。ここは見解は同じで、一安心と・・・。ただオールドファンのこのおやじは心のなかでしっかり応援しますよ。

フィールドルージュは無印にします。昨年のJCDでは△を打って3着にがんばってくれたのでちょっと応援したくなります。しかしこの馬、リンドシェーバー、ルドルフ、モガミとくる母系が重すぎやしませんか。JCDでこそ、頑張れる血統です。勢いのないアマゾンウォリアー系というのも気になっています。その昔メジロイーグルという胸のすくような逃げを見せてくれる馬がいました。彼もこの血統でした。その妹でメジロエマという条件馬がいてこれはダートで本当に気持ちのよい追い込みを見せてくれました。ルージュはエマに似てますね。もうあれから30年も過ぎたのか、このおやじはいったい何をしてきたのか、なんて言うのはちょっとさびしいかな。かわいい馬ですが今回は見送ります。平安Sで同じ位置取りをしていたバッカスや「闘魂」の前にルージュがゴール板を通過することはないんじゃないかなあ。

シーキングザベストが根岸Sで強い競馬をしたと書きましたが、ビッググラスもナカナカのものでした。道中の折り合いが実にすばらしい!こういう折り合いのいい馬は強いですよ。母系は地味ですが、父のエルコンドルに賭けてみたくなります。胸前が厚いところなどはいかにもエルコンドルという感じでとてもいいですね。ザベストの○と迷ったほどですが、週末の雨が気になって△にしました。こう見てくると今年はエベレストを頂点として日本の血統も頑張っているな、という印象をもちました。

さて印をまとめておきますか。
◎メイショウトウコン
○シーキングザベスト
▲ブルーコンコルド
△ビッググラス
△サンライズバッカス

厚めに買いたいのは「闘魂」-ザベストと「闘魂」-グラスのフォーカスです。
魔よけにザベストとグラスの縦目も少々。

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ビッググラスは距離延長がプラス:5つ☆

アジュディミツオー →馬体を見る
全体のバランスも申し分なく、非の打ち所のない完成形に近い馬体。
ひとつだけ欲を言えば、筋肉・骨量が多い分、素軽さに欠け、鈍重さを感じる。
Pad4star_31

オレハマッテルゼ →馬体を見る
この時期にしては毛艶も冴えて、体調は良さそう。
いつもに増してすっきり映るので、休み明けの割には仕上がりは良いが、ダートが合うかどうか。
Pad3star_42

サンライズバッカス →馬体を見る
5歳になって、腰高の馬体は幾分目立たなくなった。
マイルまでの距離で切れを生かす胴が詰まった馬体で、距離短縮は好材料となる。
Pad3star_42

シーキングザダイヤ →馬体を見る
昨年時と比べると、どうしても年齢を重ねた分、馬体が枯れている。
もちろん、この馬なりには順調に来ていて、力は出し切れる仕上がり。
Pad3star_42

シーキングザベスト →馬体を見る
ダートで実績を残しているとは思えないくらい、線の細さを残す馬体。
馬体を見る限りにおいては、マイルの距離には十分対応できるはず。
Pad3star_42

スリーアベニュー →馬体を見る
いかにもダートが得意そうな、力感に溢れる馬体を誇る。
取り立てて強調材料もないが、マイナス点もなし。
Pad3star_42

ビッググラス →馬体を見る
馬体のバランスに優れ、表情からは素直な気性が伺える。
伸びのある馬体からは、距離延長は明らかにプラス材料になる。
Pad5star_16

ブルーコンコルド →馬体を見る
脚が若干短いため、重心の低い、パワーに富んだ馬体。
距離はこなしているが、馬体だけを見るとマイルまでが適距離と見る。
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メイショウトウコン →馬体を見る
コロン映る馬体で、意外とスタミナには欠けるのではないだろうか。
スピード優先の瞬発力勝負になれば、強さを発揮するはず。
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リミットレスビッド →馬体を見る
昨年時と比べると、若干、力みが抜けた立ち姿になっている。
その分、今年の方が距離は持ちそう。
Pad3star_42

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ブルーコンコルドの本質はパワー

Jiromaru_21

今年初めてのG1レースがやってきました。有馬記念からわずか2ヶ月しか経っていないのですが、やっぱりG1レースはワクワクしますね。お互いに良いスタートが切れると良いですね。

ダートこそ日本の競馬風土と言われて、目からうろこでした。本当にそうですよね。ダートが日本の牝系を育てたんですよね。古い血統からフェブラリーSでの活躍馬が出るのも、当然といえば当然のことですね。

確かにここ最近は、古い血脈のこの牙城が外国勢のパワーとスピードによって崩されそうになっています。ここで食い止めるのか、それとも屈してしまうのか。そんな視点でこのフェブラリーSを見るのもまた面白いでしょう。

フェブラリーSはステップレースが多岐に渡ることもあって、今年もまさに多士済々のメンバーが揃いました。中でも1番人気に推されそうなのは、暮れの東京大章典を圧勝したブルーコンコルドですね。他馬と上がりが1秒も違う末脚を見せられては、新興勢力も見当たらないメンバーでは中心視されて当然です。どこから見ても短距離馬の体型ですが、マイルの距離は全く問題がないと思います。年齢を重ねた今となっては、かえってマイルくらいの距離の方が走りやすいでしょう。 追えば確実に伸びる馬なので、府中コースはうってつけですし、左回りが苦手ということは全くありません。ローテーションもいいですね。ガーネットSなどの短距離をステップに出走してきた馬は、府中のマイル戦とのギャップに戸惑いますが、2000mのレースからであれば、折り合いなど心配することがありません。

全ての条件が揃ったように見えますが、ひとつだけ心配なのはやはり馬場状態でしょう。 不凍剤の撒き方や、気温による砂質の変化によって、ダートの馬場状態も移り変わるものです。ルドルフおやじさんのおっしゃるように、35秒台前半の決着になってしまうと苦しいかもしれません。大井の東京大章典を圧勝したということは、イコール馬力型ということでもあります。 東京大章典を勝った馬がフェブラリーSになかなかつながらないのは、要求される条件が違うからではないでしょうか。唯一、東京大章典とフェブラリーSを勝ったのはゴールドアリュ-ルですが、実はこのフェブラリーSは中山競馬場で行われたものです。中山の1800mは上がりいらずと言われるように、パワーで押し切れるコース設定ですから。ブルーコンコルドはスピードがないわけではありませんが、本質はパワーで勝負する馬なので、馬場があまりにも軽くなるようであれば、この馬の良い面を生かしきれないということがあるかもしれませんね。

森厩舎からの3頭の中では、シーキングザベストを最上位に取ります。この馬はダートで堅実に駆けてきているように安定感もありますし、もちろんスピードにも溢れています。なかなか使い込めなかった馬ですが、6歳にして丈夫になってきたようです。前走の根岸Sでは、森調教師らしい、100%に仕上げない状態での出走でした。ここは勝負レースでしょうし、ビッシリと仕上げられてくれば、好勝負間違いなしの1頭です。若干行きたがる面があるので、マイルの距離はギリギリかもしれませんね。もし私がこの馬に騎乗するなら、いつもの位置取りから馬1頭か2頭分を下げて乗りますね。そして、追い出しを我慢すれば、最後まで伸びてくれるのではないでしょうか。前走もほとんど完璧なレースをしていますが、今回はさらに上手い乗り方が要求されますね。

平安Sを勝った上がり馬のメイショウトウコンは、本当に軽いダートに適性があるんですね。前走はヨーイドンの瞬発力勝負になりましたが、最後方から極上の切れ味でした。ダートの瞬発力勝負に強い馬というのは珍しいですが、この馬は芝ではなくて、やはりダートなのでしょうね。ただ、前走はある意味でハマッた感もあって、今回は同じようなレースにはならないはずです。厳しく激しいペースとなって、果たして最後は力強く抜け出てこれるでしょうか。

平安Sを1番人気で惨敗してしまったフィールドルージュの巻き返しもあるかもしれません。エンジンのかかりが遅い馬なので、前走のようなヨーイドンの競馬は合わなかったのでしょう。府中にコースが変わることは、この馬の末脚を生かすにはプラスに働くはずです。距離は伸びて良い馬だけに、マイルの距離が忙しすぎないかということが不安材料でしょう。ただ、前が引っ張ってくれて、差しが生きる展開になれば、この馬の台頭も十分にありえます。

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猪木の闘魂に賭けてみたい

Rudolf_21

蹄春の候。治郎丸さんお元気でしたでしょうか。みなさま、またお世話になります。昨年の10月ころでしたか、ある騎手がスポーツ紙で「サンデーの後の馬も強いですよ。」と語っていました。まさにその言葉通りに、強い馬が何頭も現れて心躍る春となりました。いいですなあ、まさに蹄春の候。

さて、フェブラリーS。真新しいG1ですが、実はこれ、このおやじのようなオールドファン必見のレースなんです。フェブラリーSは古い日本の血と輸入された新しい血のせめぎあいの場なんですよ。次から次に襲いかかってくる外国勢にどう立ち向かうか。相手は鉄の爪あり、覆面あり、吸血鬼あり、サーベルあり、なんでもあり。こっちは16文キックに空手チョップ、いささか頼りない。それでも正義は勝ってG馬場は偉かった、というのがフェブラリーSなんです。

フェブラリーHG3の時代、このダート重賞は日本の古い血脈の牙城そのものでした。日本で行われる全レースの芝とダートの割合はどうなんでしょうか。もちろん地方競馬を含めての話ですが、9割以上がダートでしょ。ダートこそ日本の競馬風土なんですね。ダートとはいえ、砂でしょ、本当に稀有な競馬風土です。ダートが日本の牝系を育てたと大胆にいっても許されるのではないでしょうか。今回のエントリー馬の中にも日本の古い牝系から出た馬が何頭もいますが、その比率は最近の芝のG1レースに比べると抜けて高い数字になっているはずです。いつか調べておきますね。ともあれダートで穴を狙うなら古い血統には目を配っておくべきだと言っておきます。

第2回フェブラリーHの覇者、アンドレアモンはクインナルビーの血を継いでいます。この程度の古さを古い血とこのおやじは言っているわけです。ナルビーはダービーや菊花賞で3着した他に天皇賞も勝っている怪物ですね。しかし繁殖成績は大したことはなく、繁栄している血脈とは言い難い血です。まあ古い血統のほとんどがスピード更新から取り残されているというのが現実ですから無理もない話です。古い血脈がフェブラリーで活躍するのは、スピードという真価を問われない砂上の戦いなら頑健な血の力を存分に発揮できるということなんでしょう。(もっともアンドレアモンの
ひそかな活躍の5年後、ナルビーの血統から本物の怪物が出ますがね・・・。)

フェブラリーSG1になってからだって、古い血統からスウヰイスーの血を引くGフロンティアが勝っています。なかでもエスサーディー系の活躍はすばらしいの一言です。芝ではリンドプルバン、ネーハイシーザー、ツルマルボーイなどしぶい馬をぽつぽつと出すほどの牝系ですが、フェブラリーSでは、カリブソング、ライブリマウント、メイセイオペラの3頭もの優勝馬と2着馬、トーシンブリザートを輩出しています。まるでサンデーのような優秀な種牡馬なみの驚くべき成績ですよね。40年も50年も昔、サラブレッドの数も少なかったころならいざ知らず、近年のグレードレースではありえないことです。日本の古い血脈が培ってきた力の一端をうかがい知ることができます。

しかし、古い血脈のこの牙城も外国勢のパワーとスピードによって侵されつつあります。まあ、これが時代の趨勢というものだから仕方ないですね。トーシンブリザードが2着したときの優勝馬が、丸外アグネスデジタルだったというのは象徴的です。フェブラリーSは芝でもG1を勝てるスピードがなければ勝てないレースに変質しつつあるのかもしれません。トーシンブリザードの2着を最後に古い血脈から、3着以内に入賞した馬はでていません。

さて今年はどうなりますか?日本勢からはアントニオ猪木級の切り札、ブルーコンコルドが出ます。彼は過去2回、5着、4着、そしてJCDで9着と外国勢に傷めつけられています。おっと、猪木の額から血が出ています。立て猪木!立つんだ。

彼は名門中の名門、アストニシメント系出身ですね。しかもエベレストを経ているときてる。泣けてきますなあ。オークス1着、ダービー3着の女傑チトセホープのいる血統です。地方競馬で何馬身もちぎって勝つ、彼の派手さはこのあたりに由来してるんでしょうね。得意のドロップキックから卍固めだ。

フェブラリーはニジンスキーの独壇場でもあります。ニジンスキーがこれほど入着馬の血統表に現れるG1はありません。コンコルドの父系にはニジンスキーとサドラーが入ってます。とてもいいんですが、母系にリボー、ターントゥときて、フェブラリーを勝つにはにはちょっと重いかなあ、という気もします。猪木、またピンチだ!立て猪木。

猪木、しまった、コンコルドが勝つときは、その本格的な血統から他の馬を寄せつけない勝ち方をするんじゃないかと思います。35秒後半くらいのタイムが理想です。34秒台の時計がでるような競馬だとちょっぴり心配かな。心の中で応援するのはこの馬です。エベレストが再び輝きを取り戻せるか、これが今年のフェブラリーSの最大の見所だと思います。

ところが、この欲張りおやじがお金を賭けてみたいのは、猪木の闘魂の方なんです。メイショウトウコン、こちらは古い血統とは言いませんが、社台が大切に育てた血脈の出身です。ぽつぽつと走る馬がでてきてソロソロ爆発しそうな勢いをもっています。そしてシーキングザベスト、ラトロワンヌの末裔です。この2頭は次回の手紙で触れたいと思います。治郎丸さんの見解がたのしみです。

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「スーパートレーナー藤沢和雄~調教の秘密~」

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藤沢和雄調教師が2005年にリーディングトレーナーの座を失った時、少し時間がかかるかもしれないということを私は書いた。しかし、その予想に反し、翌年である2006年には、藤沢和雄調教師はあっさりと再びチャンピオンの座に返り咲いた。私たちの想像が及ばないほどの高い調教技術を誇り、なおかつ馬に対する思いやりに溢れた藤沢和雄調教師の天下は、これから先も続いていくことだろう。

このDVDには馬を調教することの奥深さが詰まっている。馬を調教するとは、その周辺環境を含め、馬がレースに行って苦しまずに走れるように仕上げていくことである。調教に行く前と、行く後、なぜヒヅメに蹄油を2回塗るのか。馬房の入り口を、なぜ馬栓棒から引き戸に変えたのか。ブラッシングされている馬の姿を見て分かることは?などなど。馬券に直接は役立たないかもしれないが、藤沢調教師のこだわりが、あなたの競馬を見る目を肥えさせてくれることは間違いない。

「The Jockey Cam」という、ジョッキーのヘルメットにカメラを装着して、調教のシーンをジョッキーの視線から切り取った映像は圧巻である。追い切りという行為は、決してダビスタ的なものではなく、アスリートのトレーニングであるということがよく分かる。たとえば、朝日杯フューチュリティSで2着したヤマノブリザードは右回りで内にモタれてしまう癖があるのだが、それを矯正するために常に馬を内に置いて走らせるようにした。また、ダンスインザムードがガツンと行かないようにするため、コースを2周する調教を取り入れたりと、私たち競馬ファンには伝わってきにくい、追い切りの機微のようなものを、まさにジョッキーの感覚を持って味わうことが出来る。

そういえば、先週の共同通信杯を制したフサイチホウオーは、左にササル癖のある馬である。体が仕上がり切っていないため苦しいところがあるのか、それとも精神的なものか分からないが、デビュー以来、道中はずっと左にモタれて走っている。こういう癖のある馬は、特に外から被せられるとモタれようとする。右回りであれば、外から被されてもその馬がブロックとなり、それほど左にモタれることがないのは上に書いた通りである(安藤勝己騎手が常に左手にムチを持っている理由も、馬を左にササらせないためである)。

しかし、左回りであれば、内にもう1頭馬がいない限り、内ラチ沿いへと逃げて行き、終始ラチを頼るような格好で走らざるを得ず、騎手は非常に乗りづらい。つまり、左回りで行われた共同通信杯は、馬を前に置く形だったのでほとんど問題なかったが、外から被される形になれば、また違った結果になっていたかも知れないのだ。父ジャングルポケット譲りの底力に富んだ末脚から、府中競馬場で行われるダービー向き思われるが、「左にササる癖のある馬の左回り」であることも忘れてはならないだろう。

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ディープに本命◎が打てない

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この有馬記念では、お約束的なことも含め、ある種のエンターテイメントとしてディープインパクトを斬ったつもりである。もちろん、「前走のジャパンカップを33秒台の上がりで激走した反動が出る」という理由には、私なりの根拠があった。岡部幸雄元ジョッキーも、「ディープインパクトは極端に上がりの速いレースが多いことが心配だ」というニュアンスのことを、サンケイスポーツの紙面上で書いていた。世界屈指の高速馬場で、いきなりトップギアを入れて最後まで走り切ることが、サラブレッドの肉体的に及ぼす影響は少なくないということである。

ご存知の通り、結果はディープインパクトの圧勝で、私はグウの音もでなかった。結局のところ、ディープインパクトという馬に、そういったサラブレッドの常識は全く通用しなかったことになる。これだけをとっても、ディープインパクトが規格外であったことが、私にはよく分かる。

そういった規格外の強さを十分に承知していながら、それでも有馬記念で本命を打たなかったのは、私にとっては最後の挑戦であると思っていた。そして、明らかに分の悪い賭けに臨むのは、ディープインパクトが絶対勝つだろうという世の中の流れに、ちょっと待ったをかけたつもりでもあった。

しかし、本当にそうだったのだろうか?

ディープインパクトを本命にして、万が一、外したらカッコ悪い。

そんな心理が、私に本命を打たせなかったのではないのだろうか?

偉そうに競馬を語る者にとって(私のように)、またあたかも自分は馬券のセンスがあると勘違いしている者にとって、ディープインパクトという大本命の馬に本命◎を打って馬券を外すことは堪えられない行為なのである。たとえディープインパクトに逆らって馬券を外しても、周りも「そりゃ仕方ないよ」と言ってくれるだろうし、本人も「ディープが勝つのは覚悟の上でのチャレンジだからね」と、下手をすると誇りにさえ思ってしまう。しかし、誰が見ても勝てるだろうと思われるディープインパクトに本命◎を打って、万が一、負けてしまった場合は逃げ道がないのだ。そんなことが起こってしまっては、自分の見識すら疑われかねない。つまり、皮肉なことに、競馬ツウを名乗る者ほど、ディープインパクトに本命◎を打つことのリスクは高いのである。ディープインパクトに本命を打たなかったと私は思っていたのだが、実は打てなかったのである。

あなたはディープインパクトに本命◎を打つことができましたか?

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ラジオからポッドキャスティングへ

最近ラジオを聴かなくなったなぁと、つくづく思う。車に乗らないということもあるのだが、これだけインターネットが普及して、テレビすらもまともに見られないほど忙しくて、ラジオに耳を傾けるという習慣がなくなってしまった。記憶を辿ってみると、中学3年生以来、ラジオ番組というものをまともに聴いていないかもしれない。

中学3年生の頃というのは、私はこれでも一応高校受験というものをしたので、深夜遅くまで、何が目的か分からないまま勉強していたことがある。その息抜きとして、ラジオを聴いていたのだ。なぜラジオかというと、ただ単に、目が疲れないからである。目をつぶって、パーソナリティの声に耳を澄ませるその時間が、ほんのひと時の癒しの休息であった。

当時、私が一番好きだったのは、「辻仁成のオールナイトニッポン」という番組で、リスナーから寄せられるカード(この番組ではハガキではなくカードと呼ばれていた)に対して、辻仁成が曲を選んで流すことで応えるというシンプルな内容であった。失恋の痛みから、親との確執まで、世の中にはいろいろな人がいて、様々な考え方や感情が溢れているということを、なんとなく教えてもらったような気がする。

今になって思うのだが、ラジオの魅力とは、声や音しか聞こえないということではないだろうか。余計なことが一切取り除かれて、流れてくる音楽、そして、そのパーソナリティが話す言葉やその声色が、そっくりそのまま心に染み入ってくる。また、パーソナリティがどんな外見の人なのかを想像して、イメージを膨らませて聴くのも楽しみのひとつである。実際、私は最近になるまで、辻仁成がどんな顔の人か知らなかった。

とまあ、ラジオについて懐かしんでみたわけだが、今はポッドキャスティングですね。競馬についてのポッドキャスティングもあって、【うまジオ】という番組が面白い。各々のブログを持った3人(たまバス、ぶぎー、SpecialWeek)が織り成すトークが絶妙で、肩に力を入れずに聴けるユルい感じが心地よい。今はたまバスさんが一人で頑張っているようだが、さすが日本一当たる競馬ラジオを目指しているだけあって、先週の共同通信杯もバッチリ的中していた。ちなみに私は、若手芸人のオリエンタルラジオをイメージして聴いているが、どうだろうか?

■競馬のポッドキャスティング【うまジオ】はこちら
→http://www.voiceblog.jp/umajio/

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逃げてはいけない

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朝日杯フューチュリティSにおけるオースミダイドウの唯一にして最大の敗因は、決して逃げてはいけないレースで逃げてしまったことである。朝日杯フューチュリティSはなぜ逃げてはいけないかというと、例年、ハイペースでレースが流れるため、終いの3ハロンが36秒も掛かってしまうほど、一本調子の先行馬(特に逃げ馬)にとっては厳しい展開になってしまうからだ。急坂が待ち構えていることも含めて、最後の直線まで脚を温存しておかなければ勝てないレースなのである。

そんな中、1番人気を背負って逃げるということは、まさに自殺行為と言ってもよいだろう。他馬の格好の目標にされてしまうのは明らかで、案の定、手応えの良かったローレルゲレイロはオースミダイドウを目標に仕掛けてきた。ドリームジャーニーの勝ちっぷりは鮮やかであったが、その末脚は、逃げたオースミダイドウに演出されたと言っても過言ではない。

なぜペリエ騎手はオースミダイドウを逃がしてしまったのだろうか?

おそらく、オースミダイドウはパドックでも入れ込んでいたし、返し馬でも行きたがる素振りを見せていたため、馬の気持ちに任せて行かせた方が良い結果が出る、とペリエ騎手は判断したのだろう。もともとペリエ騎手は、馬の気持ちに沿って、積極的に前に位置することに徹する騎乗で結果を出してきたジョッキーである。そのシンプルな思考が今回のレースに限っては裏目に出てしまった、と好意的に解釈すればこうなる。

しかし、そうではなかったのではないかと私は思う。馬が行きたがるから行かせるという思考は、ほとんどの意味においては正解なのだが、そうではないレースもある。今回のレースで、馬が行きたがったから行かせたのであれば、その思考は余りにも短絡的すぎる。朝日杯フューチュリティS特有の流れだけではなく、ここを目標にデイリー杯では抑える競馬を教え込んできた陣営の文脈すら、完全に無視してしまっているからである。もちろん、逃げなくても負けていたかもしれないが、たとえ引っ張ってでも抑えるべきだったのではないか。また、ゲートからゆっくり出すという工夫も出来たはずである。

ペリエ騎手は、日本に来て最も成長した騎手である。初来日の時から、日本語でコミュニケーションを取ろうと努め、ヨーロッパと全ての面で違う日本の競馬になんとか適応しようと、考えに考え抜いてこれまでやってきた。そのことが、彼の騎乗に大きな影響を及ぼし、技術の幅を広げ、超一流の騎手へと成長させたに違いない。そんなペリエ騎手が、レースの傾向も理解していなかったばかりか、オースミダイドウの文脈さえも無視したような騎乗をしてしまった。はっきり言って、何も考えていない騎乗である。もしかすると、ペリエ騎手は考えることからも逃げてしまったのではないだろうか。

かつての緻密で大胆な騎乗をまた見たいと思うペリエファンは、私だけではないだろう。

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競走馬の分岐点

これは今でも親によく言われることなのだが、私は幼稚園の駆けっこではいつもビリだったらしい。ヨーイドンの合図で、他の子が一生懸命に走り出しても、私だけは一向に走ろうとしなかったという。その頃の私には、誰よりも速くゴールするという競走の意味が分かっていなかったのだ。人としての成長が遅いのは今も同じなのだが(笑)、他の子に比べて物心がつくのが遅かったのだろう。

競走馬のデビュー戦も幼稚園児の駆けっこのようなもので、訳もわからないうちに終わってしまうことが多い。もちろん、物心がつくのが早い馬と遅い馬がいて、デビュー前の調教から好タイムを連発して、新馬戦を圧勝するような馬は前者である。新馬戦では、体の完成度が高いだけではなく、気持ちが走るということに向いているかどうかが問われるのである。

しかし、2~3戦目ともなると話は別で、レースでは他馬よりも速く走らなければならないことを、ほとんどの馬は理解し始める。そして、このあたりが競走馬としての分岐点となるのだ。レースや調教というものを理解して、ようやく競走馬としての本能が目覚める馬もいれば、反対に、レースに行くと目一杯に走らされて苦しいことを知るため、走ることを嫌がるようになる馬もいる。もちろん、後者の方が圧倒的に多いのだが、その苦しさを克服しない限り、能力を発揮できるようにはならない。あのディープインパクトでさえ、ダービーまでは極度のストレスを感じ、入れ込んでいたことは記憶に新しい。

Newbegin by M.H

今週の共同通信杯に、そのディープインパクトの弟であるニュービギニング(父アグネスタキオン)が出走する。ここにきて馬が変わってきているように、非常に奥の深い馬である。兄ディープインパクトは、どこまで強いか分からないという点において奥が深かったが、ニュービギニングには、一戦するごとに競走馬として大きく成長しているという奥深さがある。

正直に言って、デビュー前のその馬体や調教での動きを見る限り、ニュービギニングからは素質の片鱗さえも感じられなかった。兄がディープインパクトであることを知らなければ、誰もが中の下くらいの評価しかできない程度の、どこにでもいる馬であったし、父アグネスタキオンの産駒は総じて大柄に出るが、この馬は440kg台と小柄で、父譲りの迫力にさえ欠けていた。

そんな中、新馬戦を差し返す形で勝ち、続くホープフルステークスも後方一気の末脚で連勝を飾ってしまったのだ。実戦に行って大きく変わり、さらに調教や普段の動きも変わってきた。デビュー前はほとんど動かなかったにもかかわらず、今週の追い切りでは馬なりで併走馬に先着するようになった。ようやく走れる肉体になってきたということもあるが、それよりもニュービギニング自身の気持ちが走ることに向いて、集中出来てきたことが大きい。

デビュー3戦目となる今回の共同通信杯は、ニュービギニングにとっての分岐点となるレースである。苦しんで直線ヨレながらも3連勝を飾ったフサイチホウオーや、ソエの苦しさを克服したフリオーソなど強敵は多く、まだまだ幼さを残すニュービギニングはかなり厳しいレースを強いられることになるだろう。それでも、物心つくのが遅かったものの、競走馬としての意識にようやく目覚めてきたニュービギニングが、今度はレースの苦しさを克服することができるのかどうか。まるで我がことのように、暖かく見守りたいと思う。

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自意識の病

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新馬戦  464kg 2着

未勝利戦 462kg 1着

500万下 456kg 1着

ルミナスハーバーの体調が下降線を辿っていたことは、馬体重の推移を見るだけで分かることであった。「馬体重が語る」第6回でも述べたとおり、前走マイナス6kgの大幅な馬体重減で激走した反動は、次のレースであるここで出るはずで、そのことはルミナスハーバーの体調に対して橋口調教師の泣きが入ったことにもよく表れている。

それでも私がルミナスハーバーに本命を打ってしまったのは、今から思い返してみると、以下の2つの自意識からであろう。

1、小牧太騎手が橋口調教師の管理馬でいつかG1を勝つと思っていた
2、今年度のアグネスタキオン産駒は何かが違うと思っていた

1については、お恥ずかしい話なのだが、平成16年の朝日杯フューチュリティSから私の頭のどこかに刷り込まれてしまったイメージである。ペールギュントの能力からすれば、あのレースは、小牧太騎手が中央入りして初めてのG1レースを勝ち、自身を最大限にアピールできるチャンスであった。しかし、後藤騎手が操るマイネルレコルトに上手く立ち回られてしまい、小牧太騎手は中山競馬場の直線をペールギュントで追い込み切れず、そのチャンスを逸してしまった。幸い私はペールギュントを買っていなかったのだが、それでも小牧太騎手の悔しさは想像に難くなく、このレース以来、いつか小牧太騎手が橋口調教師の馬で追い込んでG1を勝つシーンが頭から離れないのである。

2については、ルミナスハーバーを見た瞬間に、これがアグネスタキオンの産駒だとはどうしても思えなかったことだ。初年度のアグネスタキオンの産駒は、父のスケールを一枚も二枚も小さくしたような、馬体に伸びと柔軟性がない早熟な馬ばかりであった(母父のサクラユタカオーが強く出ているロジックは例外)。母系のロイヤルスキーが強く出ていたのかもしれないが、これらの産駒を見て、アグネスタキオンの種牡馬としての能力に限界を見た気がした。

しかし、今年度のアグネスタキオン産駒は何かが違うのだ。平たく言えば、父に似ていないのである。サンデーサイレンスが抜けて、良質の繁殖が回ってきたこともあるのだろう。繁殖牝馬の良さが見事に引き出されて、1頭1頭の個性や形態にバラつきがあり、奥の深さを感じさせる馬が多い。そして、ルミナスハーバーはその1頭だと思い、いち早く先取りして馬券に生かしたかったのである。

1にしても、2にしても、いずれも先走りすぎていて、自意識過剰のような気がする。小牧騎手は困ると逃げる癖を出してしまい、武豊アストンマーチャンのいい目標にされてしまった。また、アグネスタキオン産駒にこだわったつもりが、同じ新種牡馬であるタニノギムレット産駒のウォッカに勝たれてしまった。その後、ダイワスカーレット、アドマイヤオーラ、ニュービギニングと母系の良さが出た重賞級の活躍馬が出ているが、このレースに関しては先走りすぎていた。アストンマーチャンが勝たないことが分かっていただけに、もう少しシンプルに考れば、ウォッカに辿りついたかもしれない。先取りしてカッコよく勝ちたいという自意識が、それをさせなかったのだろう。

自意識の病。

この病によって、いつも私は美味しい馬券を取り逃してしまう。

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