凄い人がいる

これほどまでに方向性を誤ったレースは久しぶりである。どこをどう誤ったかというと、「皐月賞を予想する前に知っておくべきこと」にも書いた、“皐月賞は道中がゆっくりと流れ、ラストの瞬発力勝負になる傾向が強くなってきている”という分析が誤っていたのである。
もう一度、過去10年の皐月賞における上がり3ハロンの時計の推移を見てみたい(今年を除く)。
36.5→36.7→36.0→36.3→35.8→35.8→34.7→34.4→34.5→35.7
平成15年から17年までが3年連続で34秒台の上がりで決着したため、これからは皐月賞もスローペース症候群に陥るのではないかと考えた。昨年の35秒7は馬場が悪かったため例外とした。スローの瞬発力勝負になれば、ご存知サンデーサイレンス直系の産駒が得意とするところで、これまでの皐月賞で猛威を振るってきたブライアンズタイム産駒の出番は少なくなってしまうということになると分析していたのである。
しかし、そうではなかった。結果、上がりは35秒9という、まるでサニーブライアンが逃げ切った皐月賞を思い出させる決着で、パワーと地脚の強さに勝る馬たちのワンツーとなった。私はフサイチホウオーもこういう力勝負に強いと思っているが、今回は展開が向かない等、レースの綾に翻弄されてしまった。ひとつだけ挙げると、フサイチホウオーは、皐月賞馬の条件である「器用さ」に欠けていたということである。
よく考えてみれば、皐月賞が瞬発力勝負(上がり時計の速い勝負)になる可能性は低い。平成15年から17年までが例外で、おそらくこれからもラスト3ハロンが35秒台後半という決着になるはずである。その主な理由は、中山2000m内回りコースの形状と皐月賞当日の馬場にある。
中山2000m内回りコースについてはこちらを参照していただくとして、つまり、このコースは3~4コーナーにかけてスパイラルカーブが延々と続くため、後ろから行く馬は一気に差を詰められず、先行している馬はある程度息を入れながら回ることができる。つまり、どの馬にとっても、ギアをトップに入れるのは最後の310mの直線だけということになる。だからこそ、たとえラスト310mで驚異的な瞬発力を使っても、脚が残っている逃げ・先行馬を捕らえることは難しい。そう、今回のフサイチホウオーのように。
皐月賞当日の馬場については、最終日ということもあって、全体的に重くなっているのが通常である。特に、最も良く使われる3~4コーナーにかけては、見た目以上に馬場の傷みは激しく、当然力の要る馬場となっている。つまり、手脚の軽い、瞬発力で勝負したい馬にとっては、その重い馬場が思いのほか足かせとなる。ほぼ1ヶ月前に行われた弥生賞当日の馬場とは、全くと言ってよいほど異なった馬場になってしまうのである。これも弥生賞馬が皐月賞を勝てない理由のひとつかもしれない。
このように、最初から誤った方向に進んだ船が目的地に着くはずもない。大いに反省し、自分の力不足を嫌というほど思い知ったレースであった。そんな中で、嬉しい知らせもあった。ご存知の方も多いと思うが、あのカリスマネット馬券師(?)の半笑い氏が皐月賞を◎ヴィクトリー→○サンツェッペリンの本線で完全的中させたのだ!半笑い氏とは面識はないが、同じ個人ブロガーとして応援と心配をしていた部分もあって(余計なお世話か)、彼がこのような形でこれだけの馬券を的中させたことは、羨ましさや妬みを通り越して、正直驚きであり、そして嬉しい。やはり、世の中には凄い人がいる。「お金も大切ですが、今回の予想的中は、お金では買えないものをいっぱいもたらしてくれた気がします」という彼の言葉、私はすごく好きだなぁ。
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Tracked on April 27, 2007 at 04:35 PM
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Comments
次郎丸さん、こんばんわ
半笑いさん、凄いですよねえ。
爆笑問題の田中さんは有名ゆえ、税金を払うんでしょうけど半笑いさんは取っ払いなんでしょうか(笑)
まあ、そんなことはいいんですが馬体チェックは確かに全体をみた印象ってのは重要ですね。この辺は「百聞は一見にしかず」でしょうか? つたない私もたま~に「え、この馬がこんなに人気ないの?」とか「この馬が1番人気?」とかあります。ただ、良く見えた馬が好走するかと言うとそんなこともなく、その辺が競馬の難しいところですね。でも次走、次次走とかに好走すると自分の馬見もまんざらじゃないなと悦にいってます(笑)まだまだ切磋琢磨しないと。
Posted by: 山人 | April 22, 2007 at 12:40 AM
ども。
私もそれは考えてはいました。
最近の皐月賞は瞬発力勝負でも決まるなということを。
中山は直線が短く坂があるので短くも鋭い脚を使える馬が勝ち切ることがあります。でもG1ではそれだけでは勝てません。
ネオユニヴァースやディープインパクトはその後の走りを見ても能力で勝っていたと思うのと、ダイワメジャーは先行抜け出しての速い上がりですので瞬発力を生かした競馬ではありません。そう思うと、あとはG1での底力勝負に足りうる馬がいるかどうかですね。
人気2頭とも2倍前半のオッズにならなかったように、周りは小回り2000の皐月賞の特性というものを十分考えていることの表れだったのではないでしょうか?4戦無敗なのにフサイチの方が人気なかったですし。でもちょっと違う展開になっていればこの2頭で決まっていたと思います。
新しい傾向は常に事実として吸収していかなければいけませんが、競馬を覚えることに全力少年だった時期に染み付いたものは今は大事にしてしまいます。
羽生3冠のように実戦のここ一番という時に新しいことを試し、その経験の積み重ねで後の自分を形成していかなければいけないのですが…。
そう思った瞬間、極論馬券を買わないという選択もできるので成長できないのかもしれません。ならその時その時での行く行かないの判断力に磨きをかけていけば悪くないかのかなぁ。
半笑い師は別格です。面識はありませんが、サイトを初めて見たときにモロに直感で感じましたから。この人ちょっと違うと。思考と印と馬券が完全にシンクロしてましたし、ビンビン伝わってくるものありましたね。額も違うしなー。あっ、ガラスの競馬場もそうでしたよ。(^_^;
ではでは。
P.S.
あー、ジョッキーマスターズ見に行きたいよー。
Posted by: あらた | April 22, 2007 at 01:26 AM
こんばんは。
京成杯の回顧をしているときに
「今年の皐月賞は後半緩まないタフな消耗戦になる」
という予想を立てて、ずっとそれを軸に他のステップレースを
見てきたので、ある意味皐月賞の内容は会心の展開でした。
しかし、それでもそのペースに追走して末脚を伸ばせる
としたらアドマイヤオーラだと予想したんですけど・・
後方からでは無理でした(涙)
もちろんそれも競馬、だと思っているので後悔は
してませんが、今でも◎は間違えたと思っていません。
消耗戦になると考察しておきながら
先行馬のうちヴィクトリーだけを馬券対象から外すという愚挙
・・・あのときの私には何がとり憑いていたんでしょうか(笑)
今でも不思議なんですがふり返ってみるとヴィクトリーだけ
ろくに考察もしないで片付けてしまっているんですよね・・
見て見ないフリをしてしまっているというか・・・
ヴィクトリーは逃げてバテる、気性難、馬体が幼い、
前で粘るにしても脚が鈍くなるだろう・・・
欠点ばかり見ようとして良さをわかってあげれなかった(涙)
自分の頑迷さがそのまま跳ね返ってきた痛い、痛い皐月賞でした。
Posted by: けん♂ | April 22, 2007 at 02:19 AM
山人さん
おはようございます。
半笑いさん凄いですね~。
雑誌等でも活躍されて、同じ個人ブロガーとしては、もっとやれーっていう感じです。
半笑いさんがどれだけ儲けたかは分かりませんが、税金の問題については、本当に当たり馬券に税金を払うのであれば、JRAは潰れると思いますよ。
爆笑問題の田中さんだって、今回儲けた以上に損をしてきているでしょうし、これからも損をし続けるでしょう。
だれも馬券なんか買わなくなる…。
まあそれはそれで、ドバイみたいでいいのかもしれませんが(笑)。
馬体の見方については、山人さんにそうおっしゃっていただければ嬉しいです。
山人さんほどの上級者でなくても、素直な視点で見れば、私は誰にでも馬は見れると思っています。
素直な視点というのが、全体をパッとみた印象ということですよね。
余計な知識は無用ということですか。
もしかしたら競馬全体もそうなのかなぁ…
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 08:28 AM
あらたさん
そうですよね。
最近、速い上がりの勝負になることが多かったので、中山の小回りに対する意識が私は薄かったかもしれません。
ただもうひとつ、馬場の傷みはこれからも考慮されなければならないポイントだと思います。
>新しい傾向は常に事実として吸収していかなければいけませんが、競馬を覚えることに全力少年だった時期に染み付いたものは今は大事にしてしまいます。
→はい、私もそう思います。
新しいことはほとんど僅かで、ほとんどは実質的ではないものが多いんですよね。
レースの傾向の基本は10年前からほとんど変わっていませんから。
皐月賞の舞台で、いきなりよーいドンの競馬にはならんですよね…反省
ところで、昨日BS2でやっていた渡辺竜王とコンピューターの対戦の番組観ました?
私は見過ごしてしまって、泣いているところです。
半笑い氏は別格ですね。
私など脚元(?)にも及びませんが、私には違った進む道があると思っています。
来週は天皇賞春ですね。
共に楽しみましょう。
PS 今日はジョッキーマスターズ観にいく予定です。
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 09:06 AM
けん♂さん
おはようございます。
>京成杯の回顧をしているときに
>「今年の皐月賞は後半緩まないタフな消耗戦になる」
→なぜこのように予想を立てられたのですか?
ぜひ教えてください。
確かに、そのように予想を立てられたのであれば、ヴィクトリーを消したのは惜しまれますね。
消耗戦の若葉Sを制したレース内容は良かったですから。
私もヴィクトリーは気性難ということもあって当初軽視していました。
ただ外枠を引いたことで、悪い部分を出さずに回ってこれたと思います。
競馬はそういうあらゆる要素が絡み合いますので、恐ろしいですね。
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 09:12 AM
>ところで、昨日BS2でやっていた渡辺竜王とコンピューターの対戦の番組観ました?
あー、忘れた。BS映らないけど。(T_T)/
対戦後各メディアで報道されていましたが、竜王は相当なプレッシャーのようでしたね。3冠のディープと同じく、負けることは許されないのですから。
ボナンザに6四で自分の馬筋を止める歩を突かれた時に違和感を感じたとか。まずやらない手だそうで。ホントの終盤では決め駒になる桂馬を渡さなければ負けないと思ったそうですね。
しかしあのセットは凄かったですね。映画でも作るんじゃないかって?
また竜王は競馬大好きですよ。
確か東京競馬場でイベントやるのでは?
ジョッキマスターズ私の分も楽しんできてください。
では。
Posted by: あらた | April 22, 2007 at 09:31 AM
ほんと、どういう思考でたどりついたのか
ひとつひとつ解説して頂きたいくらいですよね~(^^;
先日、ヴィクトリー単勝を的中させた知人に話を聞いたところ
「ヴィクトリーってアドマイヤの近藤さんの奥さんが馬主だろ。
弱い馬なわけないでしょ。」
そうかーそうだったのか!ってかその時初めて知りました(><
競馬は記憶のゲームとも言いますが、そういう意味でも
私は未熟だったようで…これからも勉強勉強ですね(--
Posted by: しゃち | April 22, 2007 at 11:15 AM
こんばんは。
細かい数字は割愛しますが京成杯の後半1000mは
ここ2年の中山2000m(2、3歳戦)で最速かつ
サンツェッペリンは逃げ馬としては圧倒的に最速の末脚を
使っていること。
後半のラップ計は過去6年の皐月賞の後半と比較しても
上位クラスであり、逃げ馬ということに限定して見れば
メイショウボーラーと並ぶ最速であったこと。
※04年の皐月賞は33秒台の末脚が使えるほどの
良コンディションであったことを考えると
サンツェッペリンの方が優秀かも・・。
弥生賞と並べてみるとよくわかるんですが京成杯は
まるで1000mダッシュをしているかのような
緩まないペースになってます。
速いペースで逃げバテしない先行馬が引っ張るレース
=後半緩まない消耗戦
と見たわけなんですが、問題はこの後・・・。
皐月賞前に京成杯を含めてステップレース評価をしていたんですが
なぜかこの中に若葉Sが入ってないんですよ・・(涙)
百日草特別やセントポーリア賞まで見ているのに
なぜ若葉Sが抜け落ちてしまったのか?
今考えても狐につままれたような感じです(爆)
Posted by: けん♂ | April 22, 2007 at 05:52 PM
あらたさん
ジョッキーマスターズ面白かったですよ。
まるでG1レースのような騒ぎでした。
結果は河内騎手がインから抜け出したのですが、
他の騎手も現役時代を思い出したかのようなハッスルでした。
個人的には、岡部騎手の4コーナー持ったままをもう一度観たかった…
>あー、忘れた。BS映らないけど。(T_T)/
→ビデオ撮っていらっしゃったらお借りしようかと企んでいました(笑)。
そんなビデオ録画しているのはあらたさんぐらいしか思いつかなかったもので。
渡辺竜王は競馬好きなので、愛着が湧きますよね~
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 10:53 PM
しゃちさん
アドマイヤのオーナーの奥さんですよね。
リンカーンもそうでした。
まあ、そんな理由で当たるのも競馬ですから、的中はそこらへんに転がっているということですね。
今日はジョッキーマスターズを観に行ってきました。
メインレースよりも盛り上がっていましたよ。
ああゆう企画は素晴らしいですし、これからの競馬の方向性を示したような気すらします。
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 10:56 PM
けん♂さん
なるほどなるほど。
京成杯の後半1000mを基準として、同じく皐月賞も緩まないペースになるだろうと。
確かに京成杯のタイムはサンツェッペリンが作り出したペースなので、馬場差を差し引いても大きな目安になるんですね。
サンツェッペリンは実際には逃げませんでしたが、それを上回るヴィクトリーが緩まないペースで引っ張ったのですから、けん♂さんの予測は正しかったということですね。
ただひとつの誤算が、若葉Sが抜け落ちていたことだけ…
私だったら、夜も眠れないかもしれません(笑)
Posted by: 治郎丸敬之 | April 22, 2007 at 11:28 PM