大局観でしか

「大局観」とは、一般的には物事の全体の流れやなりゆきのことを言うが、競馬においての「大局観」とは、“全体の流れの中で、出走メンバーの力関係を大枠で捉える”ということである。
たとえば、今回のヴィクトリアマイルには18頭の馬が出走してきたが、私は「ルドルフおやじからの手紙」の中で以下のような大局観を書いている。
昨年の第1回目のレースを見て分かったことは、このレースは「牡馬相手に勝ち負けできる牝馬」でないと勝つことは難しいということです。そういう視点で今年のメンバーを見渡すと、やはり中心はスイープトウショウとカワカミプリンセスで仕方がないと思います。
ヴィクトリアマイルは今年で2回目を迎える新設のG1レースだが、昨年はダンスインザムードとエアメサイアの2頭で決着した。この2頭の共通点といえば、サンデーサイレンス産駒であることと、近走で牡馬を相手に勝ち負けできていた牝馬ということである。
サンデーサイレンス産駒は他の出走メンバーにもたくさんいたので、大切なのは後者の「近走で牡馬を相手に勝ち負けできていた」ことだろうと昨年の結果を踏まえて感じていた。「近走で牡馬を相手に勝ち負けできていた」とは、つまり「今年に入って、牡馬牝馬混合戦で1着もしくは2着になっていた馬」という解釈である。
とここまで書いた時点で、私の大局観の重大なミスに気づかれた方は相当に鋭い。昨年のヴィクトリアマイルが終わった時点で私は、「牡馬を相手に勝ち負けできていた」馬でないと勝つことは難しいと感じ、今年のヴィクトリアマイルに当てはめようとしていたのだが、いつの間にか「牡馬を相手に勝ち負けできる」馬にすり替わってしまっていたのである。
厳密に言うと、カワカミプリンセスは「牡馬を相手に勝ち負けできていた」馬、つまり「最近、牡馬牝馬混合戦で1着もしくは2着になっていた馬」ではない。そして、「牡馬を相手に勝ち負けできていた」馬、つまり「最近、牡馬牝馬混合戦で1着もしくは2着になっていた馬」を厳密に挙げていくと、マイラーズカップで2着したスイープトウショウともう1頭、そう、ダービー卿チャレンジで2着したコイウタがいるのである。
もちろん、コイウタのことは気になってはいたが、最後に頭の中から消してしまった。なぜかというと、ダービー卿チャレンジを勝ったピカレスクコートが次走の京王杯スプリングCで惨敗(18着!)していたからである。
コイウタの単勝は、「大局観」だけで取れた馬券であるというよりも、「大局観」でしか取り得ない馬券であった。
恋と馬券は、いつの時も後悔先に立たず。
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Tracked on June 15, 2007 at 12:25 AM

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