3強はかなりアヤシイ

菊花賞は残念な結果になってしまいましたね。ロックドゥカンブの力を買っていた私は、悔しくて悔しくて久しぶりにふて寝をしてしまいましたよ。
競馬を始めた頃は、馬券が外れると悔しくてよくふて寝をしたものです。馬券を当てたいという見栄ばかりで、なかなか当たらない現実とのギャップにいらだっていたのかもしれません。今から思い返しても恥ずかしいのですが、当たったら当たったで○戦○勝!とか回収率○○%!とか言いふらして、自慢ばかりしていました。自分の都合の良いところだけを取り出していただけなんですけどね。その頃は1点予想で外してばかりいた井崎修五郎先生をバカにしていましたが、今となっては先生の偉大さがよく分かります。自分の負けを認めることができるか、外れてもガッハッハと笑い飛ばせるかどうか、そして自己批判できるかどうかを、競馬は私たちに問うているのですね。反省。
シンボリルドルフは負けられない馬だったのですね。私はまだ小学生ぐらいでしたので、ルドルフの凄さを生で観たことはありませんが、その当時の競馬ファンの熱気とパニックがお手紙からも伝わってきました。期待を一身に背負って走った天皇賞秋でギャロップダイナにまさかの敗北、「あっと驚くギャロップダイナ!」ですよね。東京競馬場はもちろんのこと、大阪球場横の場外も、静寂に包まれたのですか。あのレースの後、ルドルフは馬房に戻り、瞳から涙を流したといいます。よほど悔しかったのでしょう。私たちだけではなく、サラブレッドも負けたら悔しいのですよね。
私にとっても、シンボリルドルフはえも言われぬ魅力を持った馬であることは確かです。それは何よりも、私が尊敬してやまない故野平祐二調教師が管理されていた馬ということ。そして、父パーソロン、母の父スピードシンボリという血統。最後にトウカイテイオーの父であるということが理由だと思います。
パーソロンはシンボリルドルフの父として有名ですが、今は亡きシンボリ牧場の故和田共弘オーナーの名を不動のものにした名種牡馬でもあります。実はパーソロンが故和田共弘オーナーによって日本に輸入された当初は、短距離血統と決め付けられて、あまり注目される存在ではありませんでした。しかし、産駒のメジロアサマが天皇賞を制したのをきっかけとして、カネヒムロから4年連続でオークス馬を輩出し、サクラショウリでダービーをも制覇しました。故和田共弘オーナーのパーソロンに対する思い入れはもうハンパではなく、麻雀をする時でさえ“パーソロンルール”というのがあったそうです。どんな形であれ八索(パーソー)で上がれば、一翻高くなるパーソ・ロンということですね。
ルドルフの母スイートルナの父スピードシンボリは、“祐ちゃん”こと故野平祐二調教師が最も愛した運命の馬です。野平調教師がジョッキーだった時、アメリカ、イギリス、フランスを共に戦って回った、海外に挑んだパイオニアの1頭でもあります。今の日本競馬があるのも、こういう人や馬がいたからこそだと私は思っています。スピードシンボリは、線が細く、迫力のない、どこから見ても強さを感じさせない馬でしたが、とにかく我慢の馬だったそうです。直線に向いてもうダメかと思わせたところから、もうひと踏ん張りふた踏ん張りをするのです。
気性の激しいシンボリルドルフがあれだけの名馬になれたのは、このスピードシンボリの精神力の強さが遺伝したからだと私は密かに思っています。また、彼らがヨーロッパ遠征から貨物機に乗って一緒に帰った話は有名ですよね。故野平祐二調教師は、「結局騎手としては牡馬三冠を勝てなかったけど、スピードシンボリに乗れたことだけでも幸せだよ」という素敵な言葉を残しています。

シンボリルドルフは馬体重の増減が大きかった馬ですが、天皇賞春を-12kgの馬体重で圧勝した反動で、宝塚記念は出走を取り消しました。この取り消しを巡って、故和田共弘オーナーと故野平祐二調教師の間に確執が生まれました。見た目には問題ないルドルフを故和田共弘オーナーはどうしても宝塚記念に出走させようとしましたが、ルドルフの体調に明らかな異常が発生し、休養を必要としていることを見抜いた故野平祐二調教師は、断固として首を縦に振りませんでした。その後の天皇賞秋の負け方を見ても、私は故野平祐二調教師の考えが正しかったと考えているのですが、どうでしょうか。
さて、今年の天皇賞秋には負けられない十字架を背負った馬はいませんね。でも、負けたくない馬はたくさん揃いました。ダーレーに40億円で買い取られたアドマイヤムーンは、さすがに休み明けとはいえ、引退して種牡馬入りするまでの残された戦いは負けたくないはずです。凱旋門賞への挑戦の道を不運にも絶たれたメイショウサムソンも、日本国内のレースでは負けたくないはずです。妹のダイワスカーレットが2冠馬となり、自身の天皇賞秋連覇もかかるダイワメジャーも負けたくないはずです。そして、この負けたくない馬たちの背に跨る3人のジョッキーも、互いのプライドにかけて負けたくないはずです。負けたくない馬や人がたくさんいるレースは本当に面白いですね。
しかし、今回の天皇賞秋に限っては、この3強はかなりアヤシイと私は思っています。
というのも、まずアドマイヤムーンについては、今回のレースに果たして万全の体調で臨めるのかという不安があります。「天皇賞秋を当てるために知っておくべき3つのこと」でも触れていますが、宝塚記念を制した馬が同一年に天皇賞秋も勝つことは至難の業です。理由としては、求められる資質が異なるということと、宝塚記念でピークを迎えた馬がわずか4ヶ月で再び完調に戻すのは難しいということです。唯一、宝塚記念→天皇賞秋を連勝したのはテイエムオペラオーですが、私は天皇賞秋で雨が降って馬場が重くなったことに助けられたと思っています。
アドマイヤムーンは札幌記念や宝塚記念を勝っているように、どちらかというとパワーが勝っていて、多少なりとも重い馬場を得意とするタイプです。おそらくドバイもそういう馬場だったのでしょう。だからといって、軽くて瞬発力の生きる馬場が全くダメだとは私も思いません。母父はサンデーですし、これぐらいのレベルに達してしまったエンドスイープ産駒はどんな馬場でも切れ味を発揮します。ということで、この馬に資質うんぬんを言うのは失礼な気がします。
私が不安に思うのは、アドマイヤムーンの体調の方です。春シーズンをドバイ→香港と連戦していた関係で、宝塚記念にどのような体調で出走してくるのか分からない部分がありましたが、あの勝ち方を見る限りは、ピークの出来で宝塚記念に出走してきたことは間違いないでしょう。100%の仕上がりで、持てる力を最後の1滴まで使い果たした勝ち方でした。おそらく、レース後には、肉体的にも精神的にもかなりの疲れが出たことでしょう。
私の覚えている限りで、かつてビワハヤヒデ、マヤノトップガン、グラスワンダー、メイショウドトウ、ヒシミラクル、タップダンスシチー、スイープトウショウという数々の名馬たちが、宝塚記念で力を出し尽くして、秋シーズンを不調に過ごしました。しかも恐ろしいのは、これらの馬たちは調教では普段と変わりない動きを見せていたことです。超一流馬は体調が悪くても調教は動いてしまうので、見た目では好不調の判断が難しいのですよね。いざ走ってみたら凡走してしまったということです。果たしてアドマイヤムーンはどこまで回復して出走してくるのでしょうか。
長くなりましたので、メイショウサムソンとダイワメジャーの不安点については、次の手紙に書かせてください。
菊花賞2
有馬記念
阪神大賞典
天皇賞春1
天皇賞春2
宝塚記念1
宝塚記念2
宝塚記念3
凱旋門賞1
凱旋門賞2
ジャパンカップ
ファイナルフライト1
引退式
ハーツクライ
伝説のウオッカ
メイショウサムソン
スイープトウショウ引退記念
アドマイヤムーン
ダイワスカーレット桜花賞
ディープスカイ
ウオッカ安田記念
伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
ロジユニヴァース
Strongest Vodka
カンパニー
Keiba is beautiful
Comments
ちわっス。
そうですねぇ。私は謙虚にありたいと思いますので、当たった時こそ謙虚に。外れた時は反省を。
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アドマイヤムーン調教で遅れましたね。ひっかかり気味だったみたいですが、本番でもひっかかると岩田騎手で折り合いを付けれるのかが心配です。
仮説ですが、武騎手がムーンで香港レース時にあえて後ろに付けたのは折り合いを心配してのものでは?と・・・今更ながら考えています。(当時のオーナーは位置取りが気に食わなかったという事で武騎手との関係が悪化しましたね)
後は時計が早くなった時の心配もあります。おっしゃる通り宝塚記念も平凡な時計でしたから。
軸馬に非常に迷う天皇賞デス。
Posted by: はやひで | October 25, 2007 at 08:22 AM
はやひでさん
ええ、私は人間が出来ていませんので反省ばかりです。
私はまだ調教は見ていませんが、太目が残っているのでしょうかね。
武豊騎手も前に行けと言われても…というところでしょう。
馬ってそう簡単に前に出したり後ろに引いたり出来るもんじゃないですからね。
岩田騎手にはその辺のことはあまり気にせずに乗って欲しいと思います。
週末には雨が降るのでしょうかね。
私はそれが今一番の心配です。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 25, 2007 at 08:20 PM
現地観戦の予定なので、
雨予報ときいて落ちこんでいます(笑)
チャンピオンG1を府中観る機会が、
年2回しかないのに・・
ロブロイを覚醒させたペリエ騎手が乗るということで、
雨も降るならエリシオ産駒が良いと思ってはいます。
Posted by: さとし | October 25, 2007 at 09:22 PM
さとしさん
こんばんは。
私も現地観戦の予定なのですが、
やっぱり雨なのですかね。
おっしゃる通り、雨が降っても降らなくてもエリシオ産駒は楽しみですよね。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 25, 2007 at 10:18 PM
降水確率50% 土曜日も50%とか・・・。
気象庁も正直に「判りません」と言って欲しい所だ。
雨だと予想が難しいが、確実に力を発揮できない馬もいるので良馬場で行われる事を望んで止まない。
今回ムーンの馬主が変わっているので、岩田騎手も気楽に乗れるんでしょうか・・。ただ、馬と喧嘩しそうな気がする。
Posted by: はやひで | October 26, 2007 at 08:27 AM
はやひでさん
こんばんは。
50%って…
私も馬券の当たる確率○○%とかにしようかな(笑)。
今回のメンバーは、宝塚記念が重馬場だっただけに、ぜひとも良馬場で走らせてあげたいですよね。
岩田騎手は馬主からのプレッシャーはなくなったと思いますが、40億円というプレッシャーは掛りますね。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 26, 2007 at 08:55 PM
こんにちは。
ルドルフは、わたしを競馬の世界へ誘ってくれるきっかけの馬でした。
ディープの登場で、ラスト直線の爆発的な追い込みのイメージは彼のものになってしまいましたが、わたし個人的には“美しい追い込み”は、ルドルフが天下一品だと思っております。
今回、治郎丸さんがルドルフのことを語ってくれてとても嬉しいです(でも、いちばん好きなのは息子のテイオーなんですけど)。
予想については、春が散々だったので秋は
「当てたい!」
と、必死になっています。
秋・天も頑張ります!
Posted by: 夏葉 | October 27, 2007 at 07:00 PM
夏葉さん
こんばんは。
そうでしたね、夏葉さんはトウカイテイオーが一番好きなのでした。
私はルドルフを生で観たことがないのですが、そのイメージはとても美しいものに仕立てられています(笑)
「当てたい!」と必死になっている姿もまた美しいものですよね。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 27, 2007 at 11:39 PM