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Sprinters07 by gradeone
スプリンターズS2007-観戦記-
土曜日から降り続いた雨の影響により、不良馬場でレースは行われた。夏の間にシッカリと根を張った野芝100%の馬場だけに、元々、前に行った馬が止まりにくいだけでなく、さらに道悪になったことによって、後ろから来る馬も脚が使えないという典型的な前残りのスプリンターズSになった。平成12年のダイタクヤマト、平成16年のカルストンライトオ、平成18年のテイクオーバーターゲットの勝利を再現したような、アストンマーチャンの逃げ切りであった。

アストンマーチャンの勝利には、天と地と人の運命的なものを感じざるを得ない。雨が降ったから、逃げるために中舘英二騎手に乗り替わったのではなく、逃げを得意とする中舘英二騎手に乗り替わり、当日に雨が降り、そして不良馬場をまんまと逃げ切ったのだ。まるでアストンマーチャンが勝つためのシナリオが出来上がっていたかのように、彼女は一直線にゴールへ導かれた。もちろん、アストンマーチャン自身のスプリント能力が高かったこと、調教量を増やしたことで精神的な落ち着きを取り戻していたこと、不良馬場の中で53kgの斤量が有利に働いたこと等々も勝因の中のひとつではある。それにしても今年の3歳牝馬は強い。

中舘騎手はヒシアマゾンで勝ったエリザベス女王杯以来、13年振りのG1勝利となった。逃げといえば中舘、中舘といえば逃げとされるほどに、馬を逃がす技術をひたすらに磨き続けてきた騎手である。レースが始まる前から、名前で逃げることが出来るのは、この騎手をおいて他にはいない。今回のスプリンターズSも、技術で逃げたというよりも、「俺は中舘だ。逃げるのは俺だ」という気迫だけでハナを奪っていた。他の騎手も逃げるのは中舘騎手という暗黙のルールでもあるかのように、ハナを主張するジョッキーはひとりもいなかった。まさにこれまでの騎手人生の結晶と言っても過言ではない美しい逃げ切りであった。

2着に敗れたが、サンアディユも強いレースをしている。馬の気に任せ、揉まれることなくレースを進めた川田騎手も上手く乗ってはいたが、4コーナーで追い出されてからの反応が鈍かった。これだけ馬場が悪くなってしまうと、追ってから伸びる馬は少ないだろう。道中の位置取りが勝負を決めたレースではあるが、1番人気を背負って無理に逃げるわけにはいかない以上、同馬にとっては苦しい展開となってしまった。それでも最後は差を詰めているように、このメンバーでは力上位であることを改めて証明した。

アイルラヴァゲインは積極的に立ち回り、何とか3着を確保した。4コーナーでアストンマーチャンを捕まえにいった分、最後は後ろから差されてしまったが、勝ちに行ってのもので仕方ないだろう。ひとつだけ欲を言えば、もし勝ちに行くのならば、1番枠と人気を背負っていないことを最大限に活かして、スタートしてからの200mで勝ちに行く気を見せてほしかった。

キングストレイルはあわやと思わせる場面を作っての4着。これだけ差し込みにくい馬場を、外を回してあそこまで差してくるのだから、夏の休養を挟んでまさに本格化したとみてよい。若干短いと思われた距離も克服して、スピードの能力も十分にあることを証明した。この後、順調に行けば、マイルCSでも好走は可能だろう。

スズカフェニックスは、4コーナーですでに手応えがなくなってしまった。高松宮記念を勝っている以上、距離が短いということではないのだが、こういう馬場ではとにかくテンのダッシュ力のある馬でないと勝負にならない。また馬インフルエンザで調整が遅れた影響も少なからずあったはずである。スプリンターとしての資質は疑いようがないが、今回は不良馬場と体調不良の二重苦にやられた。

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Comments

かなり雨が降っていたので
サンデー系のフェニックスやコイウタはないな・・
とは思っていましたがまさか3歳牝馬が(笑)

ケチをつけるつもりはないですが、
中長距離ならともかく、
スプリントでの3歳牝馬の53キロは有利なので
公正性ということを考えるとこれを機に議論する余地はあると思います。

Posted by: さとし | October 01, 2007 at 10:04 PM

さとしさん

もう逃げたもん勝ちの馬場でしたね。

それにしても、中舘騎手の気迫は凄まじかった。

53kgは今回の結果だけでは判断しづらいでしょう。

この時期に古馬と戦うのは結構厳しいですよ。

でも議論の余地はあると思います。

南半球産馬の恵量の問題にしても、ロックドゥカンブが一つのサンプルになるはずですよね。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 01, 2007 at 11:24 PM

こんにちわ。
3着のアイルラヴァゲインには、同じような意見、気持ちです、、
勝負どころで積極的に立ち回ったので差されて3着というと聞こえはいいのですが、ラインクラフトに追いつけなかったNHKマイルCを思い出させる内容でした。。騎手的には前走で行き過ぎて勝てなかったことが頭に残っていたのでしょうが、G1のペース展開は重賞に比べても厳しくなるという傾向を知っていればもう少し追走できたとも思いました。そおいう意味でも松岡騎手にはドンドンG1を経験してペースも雰囲気にも慣れていって欲しいと感じました、期待しているだけに。。

Posted by: 走るスンビラン | October 02, 2007 at 10:13 AM

走るスンビランさん

ありがとございます。

アイルラヴァゲインのところは、少し個人的な気持ちが入っていると思いますが(笑)。

>騎手的には前走で行き過ぎて勝てなかったことが頭に残っていたのでしょうが、
→その通りだと思います。

おそらくサンシャインSのようなレースをしたかったのでしょうが、今回のような馬場では意地でも前(先頭)に立って欲しかったです。

いや、せめて立とうとする気持ちだけでも見せて欲しかったですね。

そういう前のめりな気持ちを持った良い騎手だと思いますので。

*すいません。結局、スンビランの意味が分かりませんでした…。でも美味しいバクテーとチキンライスは食べましたよ。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 02, 2007 at 02:24 PM

アストンマーチャンの陣営は、ハナに行ってほしいから中舘騎手へ騎乗依頼をしたのでしょうか。

だとすれば、今回の勝利は陣営の騎手選びの勝利でしょう。(もちろん、騎手の腕と馬の能力があったわけですが)


あと、1200m戦への挑戦で4着によく走ったと言えるキングストレイルですが、気性面での成長が窺える今になってスプリント挑戦をしてきた事は、今後に向けて疑問を感じます。

今回の陣営の判断は正しかったのか、その答えは次走以降に出るでしょう。

厩舎サイドの考えひとつで馬の出世(成績)が大きく変わっていくものではないかと、自分に問題(今後の競馬攻略への宿題)を与えてもらった一戦でした。


~追伸~
今度、時間があれば自分の開設しているブログへ遊びに来てください。【競馬攻略『後出しジャンケン』】

Posted by: 碧音一番星 | October 02, 2007 at 09:06 PM

碧音一番星さん

そう聞いています。

とはいっても雨が降ることまでは分からなかったはずで、雨が降ってなければ玉砕していた可能性が強いですね。

キングストレイルの使い方については、はっきりしたことは分かりませんね。

これで3度目(ゼンノエルシド、シンボリインディに次ぐ)になるのですが、おそらくG1スプリント戦のようなレースを使うことで、馬に刺激を与える意味もあるのではないかと推測しています。

もちろん、それが気性面に悪い影響を与えないとは限りませんけどね。

答えは次走以降に出るでしょう。

碧音一番星のブログ拝見させていただきましたよ。

ずいぶん丁寧に1頭ずつのメモを作られているんですね。

そうやって、自分の中の感覚を残しておくことは大切ですよね。

また遊びに行かせていただきます。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 02, 2007 at 10:33 PM

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