誕生
by echizen
菊花賞2007-観戦記-
大方の予想どおり、横山典弘ホクトスルタンがハナを切り、60秒7→63秒6→60秒8という「速緩速」の巧妙なペースを作り出した。京都3000mのレースにおいて、前半1000mを60秒台前後のペースでまとめると、後ろから来る馬は差せない展開となる。そのため、道中の位置取りが勝敗を大きく左右したレースとなった。
勝ったアサクサキングスは、道中の流れに乗り、4コーナーでの先頭に立つ勢いでの完勝であった。ダービー2着馬が、最大のトライアルレースで2着してきたのだから、結果的には順当勝ちと言ってよいだろう。厳しい展開となった前走に比べ、本番ではこの馬の脚質がバッチリと嵌ったとも言える。
それにしても、四位騎手のこの馬に対する鞍ハマリは素晴らしい。スタートしてから4コーナーまで、馬との呼吸がピタリと合い、上下左右のブレもなく、微塵のロスもなかった。前半が速いペースを読みきって、4コーナー手前から早めに動いたのもファインプレーであった。そして、勝利ジョッキーインタビューでの受け答えも大きく変わったなと思った。私のような者が言うのもおこがましいが、人間的に大きく成長した。元々、技術的には抜けている存在だけに、安心して見ていられるジョッキーがまたひとり誕生した。
惜しくも勝利を逃したアルナスラインであったが、この馬の変わり身には驚かされた。早め早めに動いたのは和田騎手の好判断であったが、前走で古馬に混じってヨーイドンの瞬発力勝負のレースをした馬が、今度は上がり3ハロンが36秒2も掛かる持久戦でも好走したのだから、その価値は極めて高い。瞬発力に長けた馬が多いアドマイヤベガ産駒だが、馬格、クラシックに強い母系からは、こういうガチンコ勝負でこその馬なのかもしれない。
4連勝で1番人気に推されたロックドゥカンブにとっては、道中の位置取りが厳しかった。あのペースでロックドゥカンブの位置からでは、ディープインパクトぐらいの末脚を持っていないと届かない。さらにバテてきた馬に進路を塞がれ、4コーナーで開くはずの内もなかなか開かず、柴山騎手やロックドゥカンブ陣営にとってはまさに悪夢のような3分間だったに違いない。馬体が併わさって伸びる馬だけに、直線でポッカリと開いた空間に放り出されてしまったこともダメ押しとなった。ただ、いくらアンラッキーだったとはいえ、あそこから差し切るだけの強さがロックドゥカンブにはまだ付き切っていなかったことも事実である。
エイシンダードマンは菊花賞に強いダンスインザダークの血が騒いだか。4コーナー手前から一気に動いて、ドリームジャーニーと馬体を併わせながら良く伸びている。ドリームジャーニーも、あの位置からの競馬をせざるを得ない馬だけに、この距離、展開ではこれが精一杯の結果である。
絶妙なペースを作りだしたホクトスルタンは力を出し切っての6着。今後の長距離路線では、横山典弘騎手とのコンビには注目したい。先行有利な展開にもかかわらず大きく崩れたヴィクトリーとサンツェッペリンは、距離もしくは精神面に明らかな敗因があったということだろう。

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Comments
治郎丸さん
負けて強しのロックドゥカンブに脱帽です。ノーマークでしたから。
私の◎はデュオトーンでした。4角の不利もありましたが、スタートの出遅れで終わったなという感じでした。でも、しばらく追いかけてみたいと思います。
それから、四位騎手の勝利ジョッキーインタビューで「私のことはどうでもいいですから・・・」を聞いた時はびっくりしました。成長されましたね。復活した田中勝騎手と同様に応援します。
それでは、競馬について話するのは楽しいですね。ブログありがとうございます。
Posted by: hagi | October 23, 2007 at 11:19 PM
正直ウオッカに乗っているときの四位騎手については
「馬格もあるんだから内を割れないもんかなぁ」
と思っているんですが(^^;アサクサキングスのような
先行馬に乗ったら素晴らしい手綱捌きを見せてくれますね。
レース前に「この馬は前に行くだけだから楽だ」と言っていた通り
リラックスしてまさに思うとおりの騎乗が出来たのでは
ないでしょうか。
今回は休み明けのマイナス体重が気になって強く
推せなかったのですが、よく見てみればGⅠ4連戦の疲れで
馬体を緩めたために増えた分が絞れているだけで
気にしてはいけないマイナス体重だったなぁと反省しています。
次は天皇賞、各馬を見過ぎると展開が、展開に集中すると
各馬の能力分析がおろそかになるので(笑)
今度こそ詰めの甘さが出ないよう頑張って考察したいものです(^^)
Posted by: けん♂ | October 24, 2007 at 02:44 AM
hagiさん
こんばんは。
デュオトーンとは随分思い切りましたね。
バリバリのステイヤー体型の馬だったので、狙いとしては面白いなあと思います。
なんせエイシンダードマンが4着に来ているぐらいですから。
その思い切りがいつか好結果を生むはずです。
昔の四位騎手のインタビューはとても聞けたものではありませんでしたよね。
大人なんだから、きちんとした受け答えしようよっていつも思っていました。
競馬知らない人がみたら、騎手ってあんなレベルなんだって思われてしまいますからね。
hagiさんとこうして競馬の話をするのは本当に楽しいです。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 24, 2007 at 09:26 PM
けん♂さん
おっしゃる通り、四位騎手はこういうタイプの先行馬はメチャクチャ上手いですね。
人馬一体とはまさにこのことです。
ウオッカの敗戦を引きずらず、リラックスして走らせることだけを考えていましたね。
まあウオッカの場合もそうだったのでしょうが、状況が違えば、結果はこうも違ってくるのでしょう。
>今回は休み明けのマイナス体重が気になって強く推せなかったのですが、よく見てみればGⅠ4連戦の疲れで馬体を緩めたために増えた分が絞れているだけで気にしてはいけないマイナス体重だったなぁと反省しています。
→ほとんど気にすることのないマイナスでしたね。
実は、以前にアサクサキングスには反動があるとコメントしてしまっていたので、私も気付いたときには愕然としましたよ。
そういう意味も含めて、馬体評価5つ☆にしました(笑)
気安く良い悪いを言うもんじゃないなと反省しました。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 24, 2007 at 09:32 PM
今晩は、菊花賞は残念でした。
私はワイドでデュオトーン、エーシンダードマンからアサクサ、ドリームへの馬券で見事負けました。
ただヴィクトリーを完全に切ったことに自己満足しています。
理由はいろいろ有りますが結局は騎手とのミスマッチが敗因だと確信しています。
好きな馬だけに立ち直って欲しいのですがどうでしょう。調教師が思い切った決断をして騎手を変えなければ厳しいのではないでしょうか。
Posted by: やす爺 | October 24, 2007 at 10:23 PM
やす爺さん
菊花賞は残念でしたね。
エイシンダードマンを拾えたのは素晴らしいですよね。
私はダンスインザダークの血のなせる業だと思ったのでしょうが、いかに?
ヴィクトリーは完敗だっただけに、騎手の件はもちろんのこと、距離適性など見直す部分は多いですよね。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 24, 2007 at 10:27 PM