◎アグネスアーク

私も関西で中学生時代を過ごしましたので、「もろうた!」と「あかんわ…」の2つがセットであることはよーく知っていますよ。「もろうた!」と思った馬券があかんかったり、「あかんわ…」と思った馬券の方が案外もろうてたり、馬券は思ったとおりにはいきまへんなぁ(関西弁?)。
さて、スランプ時の買い方のお話、まことに身に染みました。当たらぬことを前提に絞り込んで、穴馬の買えない要素を見つけて、買える魅力は他の馬のそれと比較して、できれば買わないのですね。この4か条は、治郎丸家の家訓として、掛け軸に書いてかけさせたいと思います。
で、教えの通り、実際に今回のマイルCSでもやってもみましたよ。私がみたお化けはベクラックスです。実はこの前の手紙を書いた時に、この馬の存在自体を見落としてしまっていました。あの後に気付いて、この馬もクサイなと気になり始めたのです。というのも、他の日本馬でどうしてもこの馬という馬が見当たらなかった、またどの馬にも買えない理由が見えてしまっていたからです。日本馬でなければ外国馬なのでは、ということですね。
もちろん、それだけではありません。何よりもこの馬が魅力的に思えたのは、ベクラックスを管理するのがニール・ドライスデール調教師だからです。おそらく競馬ファンよりも日本の調教師たちの方が、ドライスデール調教師が連れてきたベクラックスを恐れているのではないでしょうか。ドライスデール調教師はアメリカではそれはもう有名な調教師で、日本でブレイクしたフレンチデピュティやラーイ、米国の種牡馬チャンピオンであるエーピーインディ、そしてあのフサイチペガサスを育て上げた敏腕調教師です。今年でもう60歳になるのですね。
そのドライスデール調教師が若き頃に師事したのが、これも世界的に有名なチャーリー・ウィッティンガム調教師です。もうここに書くまでもないかもしれませんが、あのサンデーサイレンスを育てた調教師です。あれだけ気性の激しいサンデーサイレンスが引退するまで連対を外すことなく走り続けたのは、ウィッティンガム調教師の手腕があったからでしょう。その他、アックアックやファーディナンドなども彼の管理馬ですね。ウィッティンガム調教師について面白いエピソードがありまして、ある調教師に「もしあなたの馬が口が利けるとしたら何て言うでしょうね?」と聞いたところ、「ウィッティンガム厩舎に入れてくれ!って言うに決まってるだろう。」と答えたそうです。
そんなウィッティンガム調教師に教えを受けたドライスデール調教師が連れてきたのが、このベクラックスです。ジャパンカップにアルティストロワイヤルを連れてきていて、べクラックスは帯同馬として見られがちですが、どうして、ドライスデール調教師が付きっ切りで調整をしているではありませんか。どちらの馬でも勝ちに来ているようにしか私には思えません。
だからといって、勝つとは限らないのが競馬ですね。この馬の買えない要素は、マイル以上の距離で実績がないということでしょうか。マイル戦で6勝しているように、典型的なマイラーなのでしょう。日本のような速い時計の出る馬場も得意としているようですが、マイルがギリギリという感じがしないでもありません。マイルCSは3コーナーの下りからゴールまで、坂を下りながら一気に流れが厳しくなりますので、2000mの中距離を走られるくらいのスタミナを持った馬でないと最後が苦しいのです。これが、天皇賞秋組がスワンS組よりも良績を残している一因ですね。ベクラックスは中距離をこなせるスタミナに欠けるという理由で、勝ち切るところまではいかないと判断しました。
そうしたら、なんだかスッキリと答えが出ました。私の本命は◎アグネスアークに打ちます。あれれっ?ルドルフおやじさんと同じですね。おかしいな(笑)。
アグネスアークについての不安点はこの前の手紙で十分に書きましたので、今回はこの馬を買う理由を書きたいと思います。ひとつはマイル戦3戦2勝という実績があるからです。負けたマイラーズCにしても、前の止まらない流れでしたからね。その後、休養を挟んで本格化しましたし、毎日王冠で速い時計にも対応できることを証明しました。
ちなみに、この1年、京都芝1600mの種牡馬成績のトップはアグネスタキオンです。1位のアグネスタキオンは【10・5・3・16】の勝率29.4%、連対率44.1%に対して、2位のサンデーサイレンスは【5・2・0・35】で勝率11.9%、連対率16.7%です。この条件はアグネスタキオン産駒が最も得意とする条件といっても過言ではありませんね。
もうひとつは、札幌記念や天皇賞秋で示したように、アグネスアークは中距離を走りきるだけのスタミナを有しているからです。札幌記念はスローの展開に泣き、天皇賞秋は道中の不利があっても2着を確保しました。道中で遊びがあるのも、距離をこなせる一因になっているのかもしれません。3コーナーの丘を越えてから少しずつスパートをかけて、ゴールまで十分に伸び切れることでしょう。
さらにもうひとつ。河内調教師は、この馬に長谷川騎手、津村騎手、吉田隼人騎手と若手を乗せ続けてきました。今の調教師にしては珍しく、若手を育てようという姿勢がこちらにも伝わってきます。そして、それぞれの若手がその期待に見事に応えて、アグネスアークと共に成長しましたね。それだったらここも若手で行けよ、という声も聞こえてきますが、私はあらゆる方面から考えても最良の決断だったと思います。若手騎手たちから受け継いだバトンを、藤田騎手はなんとしても最後までつなげなければなりません。今の藤田騎手なら、その大仕事を果たしてくれるはずです。
福永祐一騎手が騎乗するカンパニーは、私も最後まで悩みました。おっしゃる通り、買えない要素の少ない馬ですよね。マイルの連対率が低いことが気になっていましたが、ルドルフおやじさんが心配ないとおっしゃるのであればそうなのでしょう。となると、買えない要素は年齢でしょうか。とはいえ、クラフティワイフの晩成の血統のなせる業もあるかもしれません。最後に私が買えない要素として導き出したのは、天皇賞秋のあの3着という着順です。2着のアグネスアークとの間にあるあのクビ差は、見た目以上に大きい気がします。先に抜け出したカンパニーが最後の最後に差されたのは、2000mの距離が少し長かったのではないでしょうか。もちろん、今回はマイルに距離が短縮されるのですが、先ほど書いたように、マイルCSは中距離のスタミナを問われるレースになりますので、その点においてアグネスアークを上に取りました。
ダイワメジャーは前走で大きな不利を受けてしまいましたが、まともに走っていてもメイショウサムソンには勝てなかったでしょう。それでも、あの惨敗で人気を少し落とすならば、今回は逆に妙味があると思っています。前走の天皇賞の4コーナーで、なぜあんなにも手応えが悪かったのか不思議に思っていたのですが、安藤勝己騎手がああいう乗り方をしていたようですね。安田記念で最後にビュっと伸ばすレースが出来たので、行き過ぎた毎日王冠の敗戦を受けて、前走は少し後ろから脚を伸ばすレースを意識的にしていたようです。安藤勝己騎手は、「こんなことだったら、前に行っておくべきだった」というような言い訳をする騎手では決してありませんので、真意を図りかねていましたが、そういうことだったのです。今回は距離も短縮されますので、この馬の良さを最大限に活かす攻撃的な騎乗をしてくるはずです。精神面での衰えはあると思いますが、私はこの馬に勝たれてもおかしくないと思っています。

菊花賞2
有馬記念
阪神大賞典
天皇賞春1
天皇賞春2
宝塚記念1
宝塚記念2
宝塚記念3
凱旋門賞1
凱旋門賞2
ジャパンカップ
ファイナルフライト1
引退式
ハーツクライ
伝説のウオッカ
メイショウサムソン
スイープトウショウ引退記念
アドマイヤムーン
ダイワスカーレット桜花賞
ディープスカイ
ウオッカ安田記念
伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
Comments
治郎丸さん、こんばんは。
ライブまであと1週間。お忙しくお過ごしと思います。
何故か東京でマイルCSを迎えることになった(笑)Quinaです。
さて、予想ですが、今回は[A]のみとなりました。
2007 安田記念の出走馬とその後の成績
ダイワメジャー(1) →(休)→(3)→(9)
ジョリーダンス(3) →(休)→(11)
スズカフェニックス(5) →(休)→(9)
エイシンドーバー(6) →(休)
スーパーホーネット(11) →(休)→(1)→(1)
今年の安田記念出走馬で、休養を経て今回出走となったのは、上記の5頭ですが、
スーパーホーネットと、ぶっつけで使われるエイシンドーバー以外の3頭の近走は、目を覆いたくなるような惨状です…
今年の猛暑やインフルエンザ渦は、いかに各馬の調整過程を狂わせたか…ということと、
各馬、安田記念で激しく消耗したということとの証左ではないかと思っています。
更に言えば、このレースでスーパーホーネットは競馬をしてなかったので、
休み明けの二走を好走できたとも考えられます…
しかし、直近の成績には目をつぶって、レースレベルの高い戦いから戻ってきた戦士たちに敬意をはらって、
印は上記安田記念組のみに付けます。
06年だって、安田記念→マイルCSは、両レース出走馬の上位同士で決着しましたし…
気持ちや体調が戻って来ているか?はたまた憔悴しきったままか?レースが終わるまでは、誰にも分かりませんことですし、5頭の中で、もしも2頭が戻って来ていれば、馬券になるわけですから。
本来ならば、安田記念を1分32秒台で走ったエイシンドーバーまでとしたいのですが、近走の充実ぶりから、スーパーホーネットまでまわします。
◎ダイワメジャー
△ジョリーダンス
△スズカフェニックス
△エイシンドーバー
△スーパーホーネット
◎ダイワメジャー、アンカツ土曜日は6勝。先週から完全に「ゾーン」に入りましたね。
それでも日曜はこのレースの前は芝1600mの一鞍のみの騎乗。
天皇賞の直後、検量室にいる時から、刃を研ぎながら、この時を待っていたかの様にも思えてきます。
この気概に乗らない手はありません。
Posted by: Quina | November 18, 2007 at 06:53 AM
アグネスアークの『休養を挟んで本格化しましたし、毎日王冠で速い時計にも対応できることを証明しました』確かに腰に力がついて、2000mの距離にも対応できていることから完全に充実期に入っていると思います。
今回は長距離輸送が無く馬体を減らす心配もありませんから、思い通りの稽古を消化していますし、天皇賞で不利がありながらの2着した力を素直に信じます。
◎ ⑫ アグネスアーク
○ ① コイウタ
▲ ⑦ スーパーホーネット
△ ⑧ ダイワメジャー
× ③ キングストレイル
× ⑩ トウショウカレッジ
× ⑨ カンパニー
※ ①コイウタは、ここを目標に完璧に仕上げてきた印象でヴィクトリアマイルを勝った時以上の状態で挑めると思いますので、最大の伏兵馬だと思います。
Posted by: 碧音一番星 | November 18, 2007 at 09:39 AM
おはようございます。
アグネスアークとスーパーホーネット、人気していますね。
アグネスアークの前走の強さには脱帽しましたが、本当にこの
ローテーションで今回まで突き抜けるのか不安を感じました。
スーパーホーネットも本格化してきているようですが、今回の
メンバーでどこまでやれるかというと正直よくわかりません。
ということで◎はカンパニーにしました。
皆さんおっしゃるように不安点が一番少ない点や成績が安定して
きたこと、マイルGⅠの得意な福永ジョッキーに期待したいです。
次は、やはり天皇賞での巻き返しを図るアンカツジョッキーの
ダイワメジャーです。
治郎丸さんのおっしゃるように、前走は2,000mという距離と
直線が長く、坂のある東京コースということもあっての競馬だったと
思います。今回は得意のマイルですので、実績に恥じない横綱相撲で
捻じ伏せてくると思っています。
あとは休み明けでどうかのエイシンドーバー、ダイワメジャーを意識
した競馬ができるなら面白いキングストレイルとスズカフェニックス、
穴っぽい穴馬トウショウカレッジまで押さえるつもりです。
数年後に見返したら豪華メンバーだったな、といわれるかもしれない
粒ぞろいのマイルCS、楽しみですね!
Posted by: onion | November 18, 2007 at 11:35 AM
Quinaさん
こんにちは。
東京で迎えるマイルCSはいかがですか?(笑)
それにしても、Quinaさんの勝負勘というか、狙いの鋭さにはいつも驚かされます。
ここでアンカツ・ダイワメジャーという手は、うーんと唸らされてしまいました。
天皇賞で普通に走っていれば、ここは断然の1番人気だったことでしょう。
刃を研いでいるQuinaさんと同い年の安藤勝己騎手が怖いなぁ。
Posted by: 治郎丸敬之 | November 18, 2007 at 11:54 AM
碧音一番星さん
こんにちは。
アグネスアーク本命同じですね!
その他にも強いメンバーがたくさんいますが、今回は陣営の必勝体制を買いたいと思います。
>今回は長距離輸送が無く馬体を減らす心配もありませんから、思い通りの稽古を消化していますし
→なるほど、これは考えていませんでした。
調教の動きはあまり感心できませんでしたが、レースに行けば走る馬だと思います。
藤田信二騎手がハミをしっかり掛けてコントロールしてくれれば、ゴールまで伸び切ってくれることでしょう。
あとは相手関係だけですね。
コイウタは1番枠で嫌いましたが、この馬もれっきとしたG1馬ですし、速い時計にも対応できますから面白い1頭でしょう。
Posted by: 治郎丸敬之 | November 18, 2007 at 11:58 AM
onionさん
こんにちは。
G1馬が6頭もいる中で、アグネスアークとスーパーホーネットは勢いが評価されているのでしょうね。
アグネスアークに関しては、私もローテーション、調教の動きなど不安はたくさんありますが、他馬にはないプラス材料もたくさんありますので本命にしました。
カンパニーも東京マイルに比べ、京都マイルは合いそうですし、福永騎手はマイルG1が大得意ですからね。
間違いなく好勝負になるはずです。
トウショウカレッジが来たら、メイショウテゾロほどではありませんが、凄いことになりますね。
どんな展開になるか、今から楽しみです。
Posted by: 治郎丸敬之 | November 18, 2007 at 12:02 PM
こんにちは。あと先週は買いたい馬だけを書き込みしたところ上位2頭が来てました。
やはり◎を打たない方がいいみたいですね…(笑
今週も買いたい馬だけを書きます。
カンパニー(6歳はデータ的に厳しいですが関屋記念は強かったです)
ベクラックス(外国馬ってことで何か不気味な気配が…)
エイシンドーバー(休み明け気になりますがルメールがそろそろやってくれそう…)
ジョリーダンス(休み明け2戦目で川田騎手っていうのも魅力)
スズカフェニックス(春は安田を目標にしていたのに、高松宮で勝ってしまい、目標で走れず。
スプリンターズSはインフルの影響だったので今一度見直し)
ちょこっと買いたい馬は京都得意なトウショウカレッジ、レベル高い牝馬三歳のピンクカメオ。
アグネスはそろそろ落ちてくる頃かなぁと思っているので、複勝でちょこっと買います。
Posted by: keigo | November 18, 2007 at 02:53 PM
keigoさん
こんばんは。
馬券を買いに行っていて返信遅れてすいません。
決して馬券が外れてふて寝していたわけではありません(笑)
先週は2頭来ていましたね…
それにしてもダイワメジャーは強かった!
安藤勝己もまるで未勝利戦のような乗り方で楽勝!
それにしても、アグネスは大丈夫なのですかね…
来週はG1が2つもありますね。
本当に楽しみです。
Posted by: 治郎丸敬之 | November 18, 2007 at 09:05 PM
週末は東京行ってたので競馬はネットで後から見ました。
ダイワも強いですけど、安藤勝騎手は本当に凄いですね。
並の騎手だったら、ダイワメジャー、ダイワスカーレットをこんなにバカスカ勝たせる事は出来ないと思います。
ある種の「これで負けたら仕方ねぇ」っていう開き直りにも似た感じなのでしょうか?それにしても寸分違わぬ仕掛け!並ばれても追い抜かせない豪腕。(馬の勝負根性も凄い)
武騎手であってもこんなに勝てないだろうな・・と思いますね。
Posted by: はやひで | November 19, 2007 at 12:15 PM
はやひでさん
こんばんは。
安藤勝己騎手はスゴイですね。
もう未勝利戦を勝つように、G1レースを勝ちますからね。
スタートからゴールまで全くミスがない。
ここまで人間は平常心を保てるのかという域に達しています。
武騎手でも難しいかもしれませんね…
Posted by: 治郎丸敬之 | November 19, 2007 at 09:06 PM