NダンサーとネイティブD馬連1点
で、続きですが。
何かと言うと負けられない馬、ルドルフが天皇賞で負けた話の続きです。
このおやじの睡眠障害はいまだに続いていて、うとうとすると決まって何かに追われる悪夢にうなされるはめになってしまいました。(秋の天皇賞でルドルフは直線で早めに先頭に立って追い込み馬に差された)
1985年11月24日は、シンボリが会ったこともない者たちとの約束を果たす日でした。朝から季節外れの生暖かい雨が蕭然と落ちている。この日の昼過ぎ、シンボリはJCを勝ってみせなくてはならなかった。
その日はシンボリだけをみればよかったのでおやじはいつもより遅くに起床し、例の大阪球場横の場外へ足を運んだ。雨はまだ降り続いていて心なしか午前中よりも暗くなったような気がする。シンボリの単勝はいつまでも2倍を割ることはなかった。少し単勝を買って実況用テレビの前の人だかりに潜り込んだ。
今日は大人しい。シンボリは素直に名手の指示に従っている。淡々とレースは流れるがいつもの喚声はあがらない。最後の直線半ば、シンボリが馬群を割る。静まり返った人だかりの後ろから、突然、「シンボリ、今日は大丈夫やでえ」という絶叫が響いた。振り向いて見ると、痩身の50がらみの男が脱力するかのごとく、膝を折っていた。人だかりから少し失笑がもれる。シンボリは1完歩ごとに差を広げてゴールしたが歓声はない。ようやく地方馬ロッキータイガーが2着に押し上げたところで、よっしゃあ、などといつもの場外の気合が入った。
人の熱狂なんてこんなものなんですね。頂点に達した瞬間に凍りつく。ただ雨中のターフを照らす照明の中をゴールしたルドルフの美しさと脱力しひざまずいた男とのコントラストが目に焼きついている。ルドルフはこの男にどんな約束を果たしたのだろうか・・・。
さて、ウオッカとマーちゃんのすさまじい叩き合いからもう1年がすぎたのですね。それにしてもJCのウオッカの強かったこと。パドックは秋華賞よりは若干よかったかな。それでもまだピンとくるものはない。いやあ、実に恐ろしい馬である。
今年の2歳牝馬はどんな走りを見せてくれますか。今年はポストサンデー元年ということで、この十数年あまり日本で猛威をふるったターントゥ系の勢いはどうなったんだろうという興味がわいて下のような表をこしらえてみました。数字は阪神JFの6年間の年度ごとの出走頭数に占める各主流血脈の割合をパーセントで示したものです。今年は全登録馬29頭をあたって調べてみました。
| 6年前 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 昨年 | 今年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Nダンサー | 28% | 56% | 0% | 22% | 11% | 28% | 38% |
| ターントゥ | 44% | 17% | 50% | 61% | 50% | 44% | 24% |
| ネイティブD | 17% | 11% | 11% | 17% | 17% | 0% | 24% |
| ナスルーラ | 11% | 17% | 17% | 0% | 11% | 28% | 14% |
| 異系 | 0% | 0% | 22% | 0% | 11% | 0% | 0% |
本来なら全種牡馬に占める各主流血脈の割合と上の数字を比較してこそ意味のある表なんですが、時間がない。そもそも数学や統計で最も大切なのは「だいたい」とか「おおよそ」なんですから、まあいいじゃないですか。
昨年まではターントゥ系が出走馬の約5割を送り込んでいます。日本にいるサラブレッドの半分がターントゥというはずはないのでこれは驚異的な数字というほかありません。ところが今年は25%に落ち込んでいる。おやじはよく血の勢いという言葉を使いますが、半分に減るというのはターントゥにとって危機的な状況が現れているというのは間違いありません。サンデー系の種牡馬でもタキオンやディープのような異種の臭いのする種牡馬しか生き残れないかもしれません。
Nダンサーの数字はばらつきがあるように思えますが、数学的にみると30%ということでいいでしょう。あっ、算数的でしたね。今年は38%と好調なようですがNダンサー系のサラブレッドの数を想像すると、やや勢いを取り戻したと理解するべきなんでしょう。アイルランドの種牡馬の90%以上がNダンサー系で占められていることを考えればものたらないといっていいのかも知れません。
ナスルーラ系の不振は目を覆いたくなるばかりです。おやじの若いころはナスルーラの黄金時代でしたがね。この血統で活躍するのはグレイソブリン系ばかりです。Aコジーンやジャングルには今後も何年かに1頭、大物を出してほしいものですし、その期待ももてると思っています。しかしブラッシンググルーム(オペラオーの母系に入っている種牡馬)のように母系に入って力を発揮する種馬がナスルーラ系から出てきているというのは、この血がすでにアウトサイダーに追いやられているということなのかもしれませんね。パラダイスクリーク(9歳馬アサカデフィートの父)なんてのは異種の臭いのプンプンする種牡馬です。おやじが主流血脈といっているのはすべてファラリスという20世紀初めの種牡馬から出た父親たちなのですが、ナスルーラはファラリス系の異種になりつつあるのかもしれませんね。
ファラリス系以外の種馬もなかなか元気なところを見せています。異系の活躍が他のG1より目立つのはよい母馬決定戦にふさわしいですよね、阪神JFは早熟な血の争いだけではなく、それなりに底力も試されているんですね。
今年目立つのはネイティブダンサーの躍進です。この血統こそサラブレッドの魅力のすべてを兼ね備えた血統だとおやじは思っています。速くて強くて不気味、そして万能。日本ではこの血統がターントゥにとってかわるのかも知れません。
優勝馬の父系をみるとやはりNダンサーが強いですね。16年のJFの歴史の中で7頭の優勝馬を出しています。今年も有力馬のほとんどがNダンサー系の牝馬です。ターントゥの優勝馬は4頭、意外に少ないので驚きました。今年はエントリーした馬の4分の1ほどしかターントゥはいないので確率的には優勝馬を出すのは更にきびしくなりました。逆にいうとNダンサーの馬を狙えば馬券はとれるかも・・・ということになりますか。そんな単純がまかり通ればおやじも今頃大金もち!
ナスルーラの優勝馬は1頭、やはり厳しい。ことしも勝ち馬を送り出すまではどうでしょうか?異系からは2頭、いずれもトゥルービヨン系からのチャレンジでした。今年の異系からのエントリーはありませんでした。
ネイティブD系の優勝馬は2頭、今年はこの血統のエントリー馬が例年の倍近くあるので、勝ち馬を出す期待がもてますね。人気はNダンサーに集まると思うので馬券の妙味もあると思います。そういえばJFが牝馬限定G1となった、初回の勝ち馬、ニシノフラワーはネイティブDの娘でした。河内師の全盛時代の名馬です。初めて西山牧場にクラシックの栄冠をプレゼントした馬だったと記憶しています。
ニシノフラワーから8年後、2頭目のネイティブDの娘がJFを勝っています。ヤマカツスズランです。今年はというと、それからまた、8年後にあたるわけです。それはいい・・・。先週は佐藤哲三に全部もっていかれたので、今週は地道に血統の研究でもして楽しみたいと思っています。NダンサーとネイティブD馬連1点に少額賭けて楽しむとしようかな。
母系については次回の手紙で書かせてください。
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天皇賞春2
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凱旋門賞2
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