« November 2007 | Main | January 2008 »

点ではなく線として

Wtjapancup07

以前、「勝つためには勝つ気で乗らないこと」という安藤勝己騎手の思想を紹介したが、自分で記しておきながら、その思想の真意をはかりかねていた。というよりも、無欲・無心を貫くことによってこそ勝ちは向こうから転がり込んでくる、という意味に曲解していたのである。その解釈は間違ってはいないが、決して正しくもないと今は思う。

そんな風に思い直したのが、今年の夏、シンガポールに旅打ちに行った時ぐらいだろうか。簡単に説明すると、その日の勝負レースを外してしまった私は、その後のレースで、応援する日本人ジョッキーの乗る馬を買い続けるという安易な馬券に終始した。競馬新聞を見てもよく分からないという理由を付けて、その日の競馬を勝ちに行こうとしなかった。その反省を踏まえ、翌日のマレーシアではわずかに負け分を取り戻すことが出来たが、勝ちに行かない、変にあきらめの良い自分に嫌気が差した旅であった。

勝とうという意志がなければ勝つことは出来ない。武豊騎手の凄さは勝とうという意志の強さと頭の良さだと私は思うが、もちろんそれは安藤勝己騎手にも当てはまる。その安藤勝己騎手が、勝つために乗っていないとは到底思えない。そんなこと当たり前のことである。もしかしたら、47歳になった今でも、他のどのジョッキーよりも勝とうという意志は強いのかもしれない。その勝つことに対するハングリーさが、安藤勝己というフロンティアを支えているといっても過言ではないだろう。

それでは、勝つ気で乗らないということが負けてもいいと思って乗るという意味ではない以上、安藤勝己騎手の言う「勝つためには勝つ気で乗らないこと」とは、一体どういう意味なのだろうか。

私たちは目の前にある場面をなんとか勝とうと強く意識してしまうため、余計な小細工をしたり、実はそれほど安全ではないにもかかわらず安全に見える方を選択してしまったりする。そうではなく、ひとつひとつのレースにおいて勝とうとせず、全体を通した騎乗の中で勝てばいい。そういう意識で乗れば、ひとつひとつのレースにおいても、また最終的には全体を通しても勝つことが出来る。これが安藤勝己騎手の真意だと私は思う。

点ではなく線として勝つことを意識する。なんとなくその意味が分かりつつあったのに、相も変わらず私は点として勝ちに行ってしまっている。JCダートは勝負レースであったにもかかわらず、諸般の事情でレートを下げてみたり、ジャパンカップでは前日まで勝ち馬を本命にするつもりが最後は勝つ確率が高いと思われた方を選んでしまった。

後にも先にも競馬は続いていくのであり、今日の負けが全ての負けではない。今日負けることが全体の勝ちにつながることは意外と多い。今日負けることを恐れるからこそ、全体としても大きく負けてしまうのだ。点で負けても線で勝てばよい。そのためには、点ではなく線として勝つことを強く意識しなければならない。線として勝とうとするからこそ、点としてはヤマを張ったり創造的に振舞ったりすることも出来る。私にとって、来年に持ち越しの大きな課題ができた。

Wtjcdirt07

追記
今年も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
おかげさまで、今年も楽しくブログを書き続けることができました。
この後は、「K-1 Dynamite!!」でも観ながらのんびりと年を越すことにします。
また来年も一緒に競馬を楽しんでいきましょう!

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (88)

「プロフェショナル馬券戦術ライブ」CDが残り僅かとなりました。

Textcd_2

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDが残り僅かとなりました。一人でも多くの方々にお伝えしたいと思っているのですが、いかんせん作成するまとまった時間が取れない私の都合で、限定発売にさせていただいていることをご理解ください。

このライブでお話しているテーマは、ラップから『レースレベルを判断する』ということと、馬の本質を知ることによって『レースへの適性を見極める』ということです。特に『レースへの適性を見極める』ということについては、集中連載「サラブレッドはコースで演技する」や「Good馬場!」でお伝えしてきたコースや馬場とサラブレッドとの深い関係性についてお話しています。有馬記念でマツリダゴッホが勝った理由が分かるでしょうし、また逆に競馬の難しさを感じるかもしれません。そういう目の前にある馬やレースについて、どう考えていくべきかという実践的な内容になっています。

また、この“プロフェッショナル”とは、決して私がプロフェッショナルという意味ではなく、このライブCDを聴くことによって、あなたがまるでプロフェッショナルになったかのような視点で競馬を見ることが出来るようになりますよということです。実際に競馬を見る目が変わったと言ってくれた参加者の方もいて、とても嬉しく思いました。

今年の競馬は終わってしまいましたが、もうすぐ来週からは新しい年の競馬が始まります。来年に向けてもう少しレベルアップをしておきたいという方は、ぜひこのライブCDを聴いてみてください。年始のお休みにゆっくりと学んでみてはいかがでしょうか。

■ライブ動画(柴田政人騎手の対角線理論について話しています)


以下、ライブに参加していただいた方々から頂いた感想になります。
*○○のところは隠そうとしているわけではなく、これからCD等を聴いていただく方の楽しみを奪わないようにとの配慮からです。

ジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました
まず、私に1番役にたったのはラップのところです。実は、去年の今頃から興味をもちだしまして、分析していました。そのころは上がり3ハロン重視で特に最後の1ハロンを重視していました。たいがい、最後の1ハロンは減速するものですがたまに加速したり、最後の2ハロンと同じだったり、減速値が少ないレースがあるのに気がつきました。今はそこから自分なりのアレンジを加えてようやく自分なりの形がみえてきました。そこに治郎丸さんのラップの解説が自分とってタイムリーでした。「○○の○○○○○○が○○○に倍になって返ってくる」この言葉は、私にとって競馬いうジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました。話はここでコスモバルクばりにによれるのですがJCのアルカセットの解説がすばらしかったです。今年のJCを見るうえでもちょっとだけプロっぽく見れました。デットーリポジションっていい言葉ですね。東京D2100には横山典ポジションもありますよね。彼は東京D2100に乗せれば世界1うまい騎手です。JCDは阪神にいっちゃいましたが・・・○○ポジションて使えますよね。例えば秋天のスペシャルウィークポジションとか。少し生意気いいますと今後、治郎丸さんが言った言葉を世間の人が使うようになればいいなと思います。ぜひそういう言葉をつくって下さい。
I様

ラップの原則を参考に予想に取り入れたい
ラップは先行馬のもので参考にしづらいと思っていました。今回のラップの原則を参考に予想に取り入れたいと思います。次回も参加したいです。今後もよろしくお願いいたします。
萩本様

明日の予想がとても楽しみになりました
嶋田功、ダービーの話は知らず、明日の予想がとても楽しみになりました。他にも開幕内枠=買いのように方程式として最近考えていたことを論理的に話されていたので、とてもためになりました。とてもよかったです。またキカイがあれば参加したいです。
T・H様

レベルを測るものさしとして優れているかもしれません
レース○○○でラップを比較する視点。前後半3ハロンの合計タイムから馬の実力を測る視点で見ていましたが、レースレベルの比較というのも面白いですね。緩みのないラップよりも、○○○のラップ差の方がレベルを測るものさしとして優れているかもしれません。
S.A様

これが最善の方法ではないかなと思いました。
ラップ分析で全体を○○○に○○○考えるのは理にかなった方法であって、現在のレースラップしか公表されない状況ではこれが最善の方法ではないかなと思いました。また機会があれば参加したいです。
Mr.Honma様

別の視点から予想法を聞くことができて面白かった
ラップの基本的な考え方を学ぶことができました。走法の考え方や概念が参考になりました(○○○○○○○○○がピッチ走法だとは知りませんでした)。長距離でも走れるのですね。別の視点から予想法を聞くことができて面白かったです。
M.N様

新しい発見もあり、ためになりました
自分の競馬歴の中で既に知っている内容も多かったのですが(いつもブログを拝見させていただいていますので)、調教の15-15の意味や重馬場でのプラス能力、パワー、瞬発力、手軽さの微妙な違いなど、新しい発見もあり、ためになりました。
中島様

今迄はレース全体のラップは気にしていなかった
ラップからのレースレベルの判断は参考になりました。今迄はレース全体のラップは気にしていなかったので、使ってみたいと思っています。
H.T様

レースのレベルをつかむために活用していきたい
今まではラップタイムをどのように活用すればいいのか分からず新聞に出ている上がり3ハロンタイムをチラッと見る程度でした。レースのレベルをつかむために活用していきたいです。生でいろいろな話を伺えて楽しかったです。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
S.S様

自分なりに取り込んでいきたい
ラップの○○○○の考え方、見方は参考になりました。自分もラップを意識し始めた時期なので、本日の話は自分なりに取り込んでいきたいと思います。今日も参考になる話ありがとうございました。血統面でのアプローチについて何かお話しをいただければありがたいです。
黒木様

ラップの新たな読み方が分かり試してみたい
レースへの適性を見極めるの部では、予想をする事よりも、レースを楽しく見れるポイントを教えていただいたと思っています。ラップからレースレベルを判断するの部では、ラップの新たな読み方が分かり試してみたいなと思います。今回も楽しかったです。オフシーズンにでも時間を増やしたライブをしていただけたら嬉しいです。
T.M様

おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだ
ラップを一杯見ていて、おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだのでちょっと調べてみたいと思います。あとそれに関係して、瞬発力と持続力の定義で新しい考え方が浮かんだので、また言える時がくればいいんですが…。まとまるかどうか。基本的なところが大変参考になり、改めて気付く事が多かったです。ありがとうございました。
M様

ラップに関する考え方が変わった
ラップに関する考え方が変わり、レースレベルの判断基準がわかりました。枠順の有利不利が細かくわかりやすく今まで以上に馬券購入の検討に組み込みたいと思います。とても参考になりました。これからも続けてください。
K・M様

今まで私にない知識だった
○○○のラップによるレースレベルの分析が非常に勉強になりました。今まで私にない知識だったので参考にしたいです。とても楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。
H・I様

レースレベルを判断するは少し難しかった
ラップからレースレベルを判断するは少し難しかった。メンバーにもよるので、いちがいに言えることではありませんが、注意してレースを観たいと思います。
K・K様

見る時のツボやコツが分かってきました
昔、なんとなくみていたレースも、新たなる知識を加えて見直すと非常に新鮮でした。また、ラップの見方もこれまで何となく数字を眺めているだけでしたが、見る時のツボやコツが分かってきました。ただ基準のタイムが頭に入っていないと瞬時に判断することが難しい。まだまだ奥深いと感じました。
T・S様

馬券のヒントの方がしっくりきます
具体的な馬名を挙げての説明はとても分かりやすかったです。ライブのタイトルに違和感があります。これは治郎丸さんの人物像を知っている当方だからこそなのかも知れませんが、「プロ」の「馬券術」のレクチャーを期待して来場する方がいるとすれば、予想、馬券に直接届かない(特化)しない内容は不満があるかもしれません。内容に満足しているので、タイトルは違うほうが良いと思いますが、では他にと言われると思いつかないのですが「馬券のヒント」の方がしっくり来ます。余計な事ですが。
Quina様

遠方から来た甲斐がありました!
コーナーでの遠心力の話が初めて聞く話だったので、とても参考になりました。とても楽しかったです。遠方から来た甲斐がありました!これからも頑張ってください。
K・S様

走法のところが面白かった
ラップという言葉はブログでも良く目にすることばですが、どうしたものだかさっぱり?でした。1回聞いただけではすべてわかる訳ではないですが、なんとなく初歩的、基礎的なことは理解できたような気がします。第2部は文化系の人間でもわかる内容で、今まで何となく知っていたことがよくまとめられていて理解を深めることができました。走法のところが面白かった。
K・H様

幅を広げて楽しみたい
まだ一部の馬券の買い方しか分からず、初心者なのに、3連単ねらいばかりで、当たる時はそこそこですが確率が低い状態です。もう少し幅を広げて楽しみたいと思います。
K様

3時間半があっという間
遅くまでお疲れ様でした。そして、ありがとうございました3時間半があっという間に過ぎてしまいました。ラップタイムの話しは興味深く聴かせていただき、大変為になりました。勝負に負けても、ラップ○○○○のタイムにより次のレースで勝てる可能性があることが分かった。大変参考になりました。今後もライブがあれば参加したいと思います。
T・H様

ビックリした
○○○○ラップによる考え方は初めて知った。ビックリした。勉強してみたい。あっという間に時間が過ぎてしまった。22時までというので長すぎると思っていたが、全然違った。ビデオの活用とかも良かった。来て良かった。
Y.H様


「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの内容は以下の通りです。
Disc1 ラップからレースレベルを判断する(55分)
■ラップの原則
■理想的なペース配分とは?
■武豊騎手の「1馬身下げると2馬身前へ」
■ダイワスカーレットの秋華賞
■ラスト3ハロン、中盤などを切り取ってしまうことの怖さ
■柴田政人騎手の対角線理論
■キングカメハメハVSディープインパクト(ラップ編)

Disc2 ラップからレースレベルを判断する~レースへの適性を見極める(48分)
■サイレンススズカとディープインパクトはどっちが強かった?
■今だからできる、サイレンススズカの天皇賞秋の結末予想
■サラブレッドの能力を形成する4大条件とは?
■瞬発力型、持続力型なんて本当にあるの?
■メジロマックイーンのジャパンカップ
■テイエムオペラオー、アドマイヤベガ、ナリタトップロードをグラフにしてみると…
■グラスワンダーはどんなコースを得意としたか?

Disc3 レースへの適性を見極める(37分)
■ハーツクライが逃げられるようになった理由
■差し馬が有利なコースなどない!?
■首の使い方のうまい馬、下手な馬
■かき込みの強い馬はどんなコース、馬場で力を発揮するのか?
■一本の線の上を走る馬ベガ
■遠心加速度は2倍3倍ではなく2乗3乗
■出走表でまずどこを見るか?
■ローカル競馬場には勝ちパターンがある
■嶋田功騎手とデットーリ騎手

Textcd_2
Sityou
(MP3形式、3分40秒)

ライブCDの内容は、CD3枚(合計140分)と当日使用したレジュメ(板書付き43ページ)と「G1レース攻略&競馬場データ集」(104ページ)になります。かなりの量の内容になりますので、ゆっくりとお楽しみください。

料金は5000円のみ(税込み・送料、代引き手数料無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。ライブの参加費と同じ料金でお分けしたかったのですが、今回は冊子の作成・製本等のコストもあり、どうしても難しいのです。逆に安くて心配と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めています。

Button

そして、今回、特別に作成しました「G1レース攻略&競馬場データ集」(なんと104ページ!)は、私がおよそ15年間にわたって書き綴ってきたG1レースの研究ノートです。ひとつひとつのG1レースの重要なポイントを足したり削ったりしながら、大切な部分だけを残しています。また、JRA全10場の競馬場データも収録しています。コースの特性や馬場の状態がひと目で分かるようになっていて、とても便利です。

G1note_2

このG1研究ノートの凄いところは、開催条件やコース変更がない限り、10年後、20年後まで使っていただけるということです(15年間の蓄積ですので当然といえば当然ですが)。使い方としては、この本をハンドブックとして片手に取っていただきながら予想をして、レースが終われば、あなたの考えや大切に思うポイントをさらに書き加えていくというところでしょうか。そうすれば、毎年進化していく最強の予想ツールになるはずです。この「G1レース攻略&競馬場データ集」だけでも料金分の価値は十分にあると私は思っています。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2お申し込み確認メールが届きます。
Step3お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。

Button

また、質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたら私宛のメールにて遠慮なくドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

| | Comments (85)

明日は東京大賞典!

Tokyo

2007年最終最後のG1レースとなる東京大賞典。今年はジャパンカップダートの覇者ヴァーミリアンを筆頭に、中央のメンバーも手厚く、それを迎え撃つ地方馬も3冠を分け合った3歳馬3頭がいずれも参戦と、好勝負必至の好レースとなった。

まずは、国内ダート最強は疑いようのないヴァーミリアンから。ドバイ遠征から戻り、無理をさせずに休ませたことが功を奏し、JBCクラシック→JCダートというレベルの高いG1を連覇した。芝の重賞を勝っているように、このメンバーではスピードそのものが一枚も二枚も上の存在で、さらに前走で驚異的なラップを刻んだハイレベルのレースを圧勝したように、スタミナも十分すぎるほどにある。また、JBCクラシックではスローの瞬発力勝負を突き抜け、JCダートではハイペースの底力勝負を制したように、道中でどんな緩急のあるレースにもピタリと折り合い対応できる。

もはや死角と呼べるものはないのだが、それでもあえて重箱の隅をつつくとすれば、前走をレコードタイムで走ったことによる反動だろう。前走後は様子を見ながらゆっくりと調整を進めてきたことが調教過程から窺えるが、それゆえ現状維持はあっても大きな上積みはない。現状維持で出走してくれば、間違いなく頭は鉄板である。逆にもしこの馬が負けるとすれば、レコード勝ちの反動という体調の問題だけである。JBCクラシック→JCダート→東京大賞典の3連勝は、中央競馬でいえば天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念に相当するはずで、そう簡単なことではないだろう。

2番手以降は混戦だが、実績・実力を考慮すればブルーコンコルドが筆頭か。JBCクラシックは引っ掛かったことや4コーナーでの不利もあって、1番人気を裏切ってしまった。引っ掛かった原因はその前走(南部杯)でマイル戦を使ったことであろうし、休み明けをマイナス体重で好走した反動もあった。ジャパンカップは好位を取りに行ったことによって引っ掛かってしまった。あれだけのハイペースを先行すればバテて当然で、むしろ1.5秒差の7着に粘ったことは評価したい。そもそも前走時は自慢の筋骨隆々の馬体が薄く映り、体調自体がまだ本物ではなかった。馬体重から考察すると復調なったと考えてよく、年齢的な衰えがなければ、今回は巻き返し必至である。

ここに来て充実期を迎えていると思われるのがメイショウトウコンである。この馬はダート馬にしては珍しいタイプで、スローペースのヨーイドンを得意とする。血統的には芝の方が良さそうだが、芝の瞬発力勝負では少し分が悪いのだろう。しかしダートでは話は違う。平安SやエルムSを見ても、前残りのしそうなスローペースをあっと言う間に差し切ってしまう。差し馬なのでハイペースの方が力を出せると誤解されるが、前走のジャパンカップダートのような厳しいペースは苦手である。直線に向くまでにこの馬自身が脚を使ってしまい、持ち前の瞬発力を発揮することが出来ないからだ。今回のメンバーを見渡すと、逃げを主張する馬はおらず、スタートしてから最初のコーナーまでの距離も長いため、各先行馬がけん制をし合ってそれほど速いペースにはならないだろう。前に行っている馬も楽をしているので、それを差し切るのは容易ではないが、メイショウトウコンにとってはおあつらえ向きのレースになりそうである。砂厚の薄い(7cm)大井競馬場の馬場も合いそうだ。

シーキングザダイヤがもし勝てばドラマになる。スピードもスタミナもG1級のものを持っているが、どちらも中途半端であるため、乗り方が難しい馬である。乗り方というよりも、勝ち方が難しいというべきか。理想は、ミドルペースで先頭もしくは2、3番手を追走し、直線入り口で一気に突き放したリードをゴールまで死守するというパターンだろう。ただ同じようなレースをしたいフリーオーソがいて、競り合ってしまうと共倒れしてしまうだろう。森調教師は馬を長く使うことに長けているので、年齢的な大きな衰えを心配することはないだろうが、上積みはないことを考えると頭では狙いにくい。

地方馬から1頭ピックアップすると、内田博幸騎手が騎乗するルースリンドだろう。ヴァーミリアンと同じエルコンドルパサーを父に持つが、晩成血統であることを考えると、この馬も今が最も充実しているはず。マイル戦を8勝無敗とスピードの勝った馬だろうが、しっかりと折り合いがつくため、今回の2000mの距離はマイナス材料にはならない。JBCクラシックは休み明けにもかかわらず、後方からよく追い込んで来ているし、前走の浦和記念にしてもシーキングザダイヤには負けたものの勝ちに等しい2着と、G1を勝ってもおかしくない力を付けてきている。晩成の血が開花したエルコンドルパサー産駒は一気に頂上まで登ってしまう可能性を秘めているので、鞍上の魅力も含めて注目したい。

明日は大井競馬場で観戦するつもりなので、最終的な本命はパドック→返し馬の動きを見て決断したい。いずれにせよ、不完全燃焼で終わった有馬記念の鬱憤を晴らすべく、思い切った馬券で勝負したいと思う。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (72)

スイープトウショウ引退式

Sweepintaisiki_2

少し時間が経ちましたが、スイープトウショウの引退記念壁紙にたくさんのご応募を頂きまして、本当にありがとうございました。私の考えていた以上に反響があり、改めてスイープトウショウの人気の高さに驚かされました。そこで、紆余曲折を経ながらも、長きにわたって激しく走り続けたスイープトウショウに感謝の意を込めて、「ガラスの競馬場」で引退式を静かに行いたいと思います。

以下に、皆さまからスイープトウショウへの「ありがとう」を掲載させていただきます。

かけがえのない馬に

今までで一番好きになった馬が彼女です。敵との戦いというよりも、自分との戦いを繰り返しているスイープがようやく秋華賞を勝った時には、競馬をやるようになって、初めて号泣しました。ちょうどその頃、上手くいかないこと、落ち込むことが重なり、家から出られなくなってしまいました。競馬場へも行けなくなっていたので、テレビで見ていたのですが、こんなにもひとつのレース、走りに感動することがあるのかと驚き、それから私にとって、かけがえのない馬になりました。辛い調教、本場場入場、ゲート入れを乗り越え(笑)走る姿は、辛い毎日を過ごしていた自分への、大変な励みになりました。自分の弱さを乗り越えることのむずかしさ、困難。そういうものを振り切って走るスイープの美しい姿や、強いレースぶり。その他の色々な事件も(笑)言葉では表現できない、たくさんの魅力が詰まった特別な馬です。引退はとても寂しいですが、彼女の子供に会える日を楽しみにしています。

える

いつもハラハラドキドキでした

長い間の競走馬生活ご苦労様でした。思えば貴女の本馬場入りは、いつもハラハラドキドキでした。大人しく入ってくれと毎回祈っていました(大袈裟)。どこかでヘソを曲げて動かなくなるんじゃないかと心配ばかりしてテレビを見ていました。宝塚記念では、万馬券をプレゼントして貰った事、一生忘れません。これからは、丈夫な仔をドンドン生んで、第二第三の女傑スイープが誕生する事を心より願っています。

Hokutoboy

「これから?」っていう時に引退とは

私は、なかなかスイープ様とは相性が良くなくていつもイライラさせられていましたが、昨年のエリ女から応援をさせていただきました。(^^;「これから?」っていう時に引退とはつくづく縁がなかったですが、これからは私のPCの中で走り続けさせていただきます

あねまん

母親という次のステージが待っています

スイープトウショウのレースで一番印象に残っているのは、05年エリザベス女王杯です。オースミハルカをただ一頭追いかけて、差し切った姿が脳裏に焼きついています。あれはすごかった、強かった。そして05年天皇賞(秋)池添騎手を振り落とし、すたすた歩くスイープトウショウと、とことこスタートまで歩く池添騎手。これぞスイープ!と拍手拍手、周りと一緒に大声援をあげたことです。走る姿でも、それ以外でも個性を見せてくれた馬でした。競馬場からは姿を消しますが、母親という次のステージが待っています。ディープインパクト×スイープトウショウ、今から楽しみで仕方ないですね。3年か4年後に、母 スイープトウショウ の馬が調教で駄々をこねるのを楽しみに待ちたいと思います。

Lupin

これまでの感動をありがとう

これまでありがとうございました。現役馬では特別に好きな馬だったので、寂しさはあります。でも、これからの第二の人(馬)生での素敵な子供に期待します。わがまま娘でしたが、レースでは一所懸命走ってくれましたね。宝塚記念で馬群を割ってきた時には、鳥肌が立って震えが止まりませんでした。彼女が一時でも女傑と言われた時代を築いたのは、彼女自身のレースでは一所懸命走る姿勢もそうですが、オーナーであるトウショウ殿、調教師である鶴留氏、調教助手(すみませんお名前存じません)、騎手の池添J、他関係者の尽力だと思います。オーナーがここで引退の決断をしたこと、ヘグッタことがあっても池添ジョッキーを信じて乗せ続けた調教師、日々の調教の苦労をいとわなかった調教助手、また、最後の最後で、勝つために内を選択し最高の騎乗を見せた池添J。まだまだ、他にも関係者の努力と決断には賛辞を惜しみません。ありがとう、スイープトウショウ。関係者の皆さん、ほんとにお疲れさまでした。併せて、これまでの感動をありがとうございました。彼女のこれからの活躍を期待しています。そして、彼女はいつまでも、僕の心に残るでしょう。僕の中では歴代の名馬としていつまでも、、、。

はずれっち

いいお母さんになってください

宝塚記念制覇には、ほんとに驚きました。天皇賞・秋も勝ってほしかったですがこの馬、左回りはダメなんですかね?。2着が最高で勝ち星がありません。子供に盾の制覇を託すとして、いいお母さんになってください。長い間お疲れ様でした。

神山 洋

彼女のおかげで全国デビューできました

宝塚記念ではハーツ、タップ、スイープのBOXで勝負して近年まれにみる雄叫びをあげました。ゴール前で高々と拳を上げている自分が帰宅後のVTRで発覚!彼女のおかげで全国デビューできました。ありがとうスイープ!

キノP

最後にもう一度鬼脚を!!

競馬をはじめたのが去年の秋です。スイープをはじめて見たのが天皇賞・秋…1番人気でした。競馬についてほとんど何も知らないで見ていた僕がこの1番人気に対して感じたことは競馬は男も女も大差は無いものなのかな?という印象でした。そうでないことは後々分かりますがおそらく、宝塚記念がファンに与えた衝撃は凄まじかったんでしょうね。僕も知っているウォッカがダービーを勝ったように。。エリ女でも一瞬期待してしまう自分がいました。引退ということを知っていたため最後にもう一度鬼脚を!!と。        

jun

女王様だったスイープ

調教を嫌がったり、枠入りを嫌ったりと違う意味で女王様だったスイープ。もう一度天皇賞秋でみたかったなぁ。ディープインパクトの仔を産んで最強の追い込み馬を期待します()

スペシャルインパクト

一番大好きなお馬さん

競馬を始めたきっかけが、スイープトウショウの宝塚記念を勝った日でした。それ以来応援しています。一番大好きなお馬さんです。

すだれん

わがままだったけど、すごい足で差して行く所がすきでした。

マサコウ

この馬にとっての1番の思い出は宝塚記念で馬連を1点で的中出来た事です(^^d) ク゛ッ!!

ハロ

母親譲りの末脚と個性を受け継いでいたらいいなぁ

競馬を始めてまもない私が、初めてスイープを見たのが2005年の天皇賞秋でした。それ以来、おてんばだけど強いスイープのファンになりました。今度は子供が走る日を楽しみにしています。できたら牝馬で、母親譲りの末脚と個性を受け継いでいたらいいなぁ。

くっきー

自分の一番最初に好きになった馬

スイープトウショウは自分の一番最初に好きになった馬です。調教をごねるスイープ、関西では確実に走る堅実さ、そして牡馬を一閃する鬼脚今回は一着はないと思ってても自然と馬券を買ってる自分がいて、馬券には私情を入れてはダメだと思っ ているけどやっぱり好きなんだと。ラストランもあの年齢であの着順は強い!無事に回ってきて本当に良かった。いい子を産んでほしい!!

鬼脚

このレースを見れて良かったと思いました

2005年のエリザベス女王で見せた末脚は反則です (≧∇≦)。オースミハルカの単勝馬券を買っていた人間からすると、怒り心頭のハス゛・・・でも、怒るより、このレースを見れて良かったと思いました。なんなんでしょうね(笑)

ナルトーン

何かと話題の多いジャジャ娘でした

競馬を始めたのが確か2005年のダービー。ディープインパクトがダービーをとった年でした。そんな競馬初心者の僕を虜にしてくれたのディープではなくスイープトウショウでした。ダービーの数週間後に行われた安田記念で、僕はアサクサデンエンを軸に数頭の馬単を買いました。相手候補にスイープトウショウもいました。そのまま行けば、万馬券です。でも、、直前でスイープじゃなくてダンスインザムードに変更してしまいました・・・。新聞にダンムーとか書いてあるばっかりに(笑)レースは2着にスイープが来て、荒れました。自分を信じて馬券を買っていれば。。。「次は絶対に買う」それ以来、僕はスイープを応援することにしました。調教拒否、馬場入り拒否、でもレースでは切れのある差し。何かと話題の多いジャジャ娘でしたが、いつの間にかそれが楽しくなっていました。これから繁殖牝馬としてどんな仔を産むのでしょうか。楽しみでなりません。

shin

彼女にはいくつか大きな馬券をプレゼントされました。好きな馬だったけど、大好きではなかった。私が彼女のファンになったのは今年のエリザベスのゴール後、引退を知ったとき。現役引退でこんなに悔しい気持ちになったのは初めてです。なぜ現役時から応援できなかったのか・・・。お疲れさま。元気な子供を育ててね。今度はきちんと応援するよ!

スパーク 

初めて牝馬を「女」だと感じた馬がスイープトウショウでした

スイープトウショウに対するメッセージをお寄せください。競馬を始めて6年程度の若輩者の私が、こんなことを言うのは痴がましいとは思うけど、初めて牝馬を「女」だと感じた馬がスイープトウショウでした。これからは、存在感を感じさせる「お母さん」として頑張ってください!!

IskwUMA

恋に落ちました

長くブランクのあった競馬に私が戻った時に、既にスイープトウショウ様のお稽古の記事に「坂路で立ち止まること数分」と有りました。同じ年のヘヴンリーロマンスが優勝した天覧競馬でジョッキーを下馬させた上、ゲートまで鎌田厩務員さんに連れて行ってもらうというハプニング。これで恋に落ちました。出ればちゃんと走れる。しかし、なんてかわいい牝馬なんだろうか~と。牧場に帰っていいお母さんになって下さい。健康で長生きしてネ。

アリッサ☆

おてんばな子供たちを

パドックで暴れているのを見て、消して泣きを見たこととか軸にして飛んで泣きをみたこととか思い出深いです。おてんばな子供たちを生んでくれることを楽しみにしてます

スリーパー

スイープお疲れ様。長生きして、よい子を残してください。

ぼうず

絶対に追い込んでくると信じて応援していました

夢中になった馬でした。出走するレースは必ず軸で買い、絶対に追い込んでくると信じて応援していました。引退は寂しいですが、それ以上に彼女には競馬を楽しませてもらいました。ゆっくり休養して元気な仔を産んでほしいです。

ベル

ドキドキをくれた愛しい子

04年のエリザベス女王杯で、よそ見をして思い切り出遅れたスイープに心を奪われて、以来ずっと追いかけてきました。レースでもレース以外でもドキドキをくれた愛しい子でした。追い切りが出来ただけで記事になる子は、もう当分出ないことでしょう(笑)。長い長い現役生活を無事終えてくれただけでも満足なのに、最後までスイープは誇り高い女王らしい走りを私達に見せてくれました。お疲れ様、スイープ。ゆっくり休んで、どうか良いお母さんになってくださいね。

デビューから応援してました。なかなかG1勝てませんでしたが、色々良い思い出ももらいました。

もろこし

私も頑張っていきたいと思います

スイープ引退のエリ女から2週間。毎日毎日ネットで彼女の姿を探しながら、涙している毎日です。もう走らなくていいんだよ、よかったね、と思う反面、やっぱりもう少し彼女の姿を見ていたかった、というわがままな自分もいます。ネットのいろいろな書き込みを見て、スイープはみんなに愛されていたんだと思い、本当にうれしく思っています。彼女の2世がまた剛脚とわがままぶりを発揮してくれる日を信じ、私も頑張っていきたいと思います。今までおつかれさま。そして、ありがとう。

すいっぷー

牧場の女帝として君臨して欲しい

長い間、本当にお疲れ様でした。エリ女が最後になるかと思い、長距離輸送で京都競馬場へ駆けつけた甲斐がありました。レース中は初めから最後までスイープ!池添!と絶叫。自分の大声で耳鳴りがする程でした。あの末脚や、お騒がせ記事とも、もうお別れかと思うと寂しいです。スイープのおかげで競馬ファンになりました。これからは、牧場の女帝として君臨して欲しいです。シーイズに負けないで!今まで本当にありがとう。牧場に会いに行くからね

オッシー

32秒台で追い込んでくるんですから

スイープトウショウは近年稀な個性的な馬でしたね。特に馬場入りを嫌ったりしてお騒がせな馬でした。何と言ってもこの馬の最大の長所は末脚の凄さでしたね。私たちが競馬を始めた頃は速くて上がり3F34秒台。(たまに33秒台を見ると驚いてました)時が経って競馬が進化して33秒台なんて当たり前になってしまいましたが。それが32秒台で追い込んでくるんですからね。そりゃ凄いですよ。一番印象に残っているレースは秋華賞ですね。「この馬の瞬発力を最大限に発揮できるのは内回りコースだ!」と自信を持って本命にしたのを憶えています。最後2戦はスイープらしい末脚は見られませんでしたが、よく頑張ったんじゃないでしょうか。あとは繁殖に上がって、自身に負けないくらい個性的な馬を産んで欲しいと思います。

ちゃんまん

あなたに出会えたことに、ありがとう

先日23日、正式にスイープトウショウの登録が抹消されましたね。勤労感謝の日に抹消というのがまた、彼女の約4年間の現役生活を締めくくるのにふさわしいなあと思うのです。競馬ファンとしては彼女の走る姿を望み、彼女自身のファンとしては、もう嫌がることはさせたくないとも思う。そんなジレンマに悩み続けた日々にも、やっとピリオドが打たれました。本当に、スイープには感謝の言葉を言い尽くしても足りません。 「人間のために凄く嫌な思いをしたのに、感謝なんてされたくないわ!」スイープはそう言うかもしれませんね。でもありがとうという言葉以外、出てこないです。走ってくれて、ありがとう。あなたに出会えたことに、ありがとう。お疲れ様でした。スイープトウショウへ、本当にありがとう。

かしみや

追いきり後のスポーツ紙の見出しを楽しみにしてました

競馬を始めて間もない私にとって、彼女はキョーレツでした。競馬の事をわからない状態で見た宝塚記念の勝利・・・(ほ~牝馬でも勝てるレースなんや~ )とのんきな感想を持ったのが大間違いで、少しずついろいろな情報を集め勉強を進めていくと!!!すごい強い牝馬だ!!!という結論に達し、ファン街道へ・・・そういえば追いきり後のスポーツ紙の見出しをいつも楽しみにしてました。。。      

ロデン号

精一杯の愛を込めて!

この世代では元々ラインクラフトが大好きで追いかけていたのですがラインはあんな事になってしまって。それで、同じエンドスウィープ産駒という事で注目し出したのが秋華賞をあの末足で勝ち、印象に残っていたスイープでした。追いかければ追いかける程、素晴らしい才能と、美しい姿に。何よりその強い性格にのめり込んで行きました。一挙手一投足に、これだけ注目した馬はスイープだけです。競走馬でありながら、これほど自分の確固たる意志を表に出ししかも強い馬は、もう出て来ないのではないかと思います。最後まで誇り高いサラブレッドだった彼女に今はただありがとうと言いたいです。精一杯の愛を込めて!……実は彼女の事を考えると未だに涙腺がゆるみます

桂華

あの気まぐれぶりにますます好きになってしまった

ディープインパクトとの子どもだそうでとても楽しみにしています。思えばジュベナイルフィリーズの敗戦からずっと追いかけ続け、レーズぶりもさることながら、あの気まぐれぶりにますます好きになってしまったように思います。本当にお疲れさまと、そしてありがとうと言ってあげたいと思います。

ハムハムセブン

皆さまからの声をお聞きすると、2005年のエリザベス女王杯の末脚に魅了された人は多いようです。確かに凄まじい末脚でしたね。逃げたオースミハルカの型になったにもかかわらず、前年の覇者であるアドマイヤグルーヴを置き去りにして伸びた別次元の末脚は、私たちに鮮烈な印象を与えました。確かフジテレビだったと思うのですが、このレースの最後の直線を別のアングルから捉えた映像が流れ(スイープトウショウ専用カメラのような)、後肢のキックが生み出す迫力に圧倒されてしまった記憶が残っています。まさに飛んでいるという表現が適切な、最後の直線での走りでした。

最後までお疲れさま、スイープトウショウ。

ゆっくりと休んで、ぜひ素晴らしい仔を産んでください。

2005年エリザベス女王杯

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (84)

「個別」という名の多様性

Wtmilecs07

アグネスアークの故障は残念だったが、それよりも私にとってはダイワメジャーが勝ったことに大きな衝撃を受けた。というのも、天皇賞秋でこの馬に◎を打った私にとって、掲げた旗をあっさり降ろしてしまったことをあざ笑われたかのように感じられたからである。

私が掲げた旗にはこう書いてあった。

「サラブレッドにも人間にも必ず衰えがあります。サラブレッドの場合、特に精神面から衰えていきます。最後まで頑張り通せなくなってしまうのです。ノド鳴りでほとんど走っていなかった間はあったとしても、この馬は3歳の頃から一戦級で活躍し続けている馬ですので、ピークであった昨年の勢いをどこまで維持し続けることができるのかという心配は当然あると思います。そのピークは半年とも1年とも1年半とも言われます。しかし、ルドルフおやじさん風に言うと、これはとてもデリケートな問題です。馬には個体差がありますので、全ての馬が半年とか1年とか1年半で力が落ちるとは限りません。私が精神的な疲労を心配したその裏には、もしかしたらダイワメジャーは常識の壁を超えていくのではという期待もあるということですね。今年47歳にしてまだまだ勢いを失わない安藤勝己騎手がこの馬に乗るというところも、また面白いところです。」

アスリートである以上、サラブレッドの肉体や精神には必ずや衰えが来る。激しいレースをして消耗すればするほど、その衰えは早まる。2歳の早くから一線で活躍した馬が古馬になって見る影もなくなってしまうことや、クラシックなどには目も向けずにゆっくりと仕上げられてきた馬が古馬になって大成するということが往々にして起こるのはそういうことだ。

だからこそ私たちは、年齢や活躍してきた期間をモノサシとして、その馬の消耗や衰えを計ろうとする。それはそれで間違ってはいない。ほとんどの馬はそういうモノサシの中に当てはまってしまうものである。「普遍」というのはそういうことである。そしてまた、「普遍」を疑うことなく貫いた方が、私たちにとっても便利でありアタマを使わないので楽なのである。

しかし、本当にそれだけでいいのだろうかというのが、私が天皇賞秋でダイワメジャーに◎を打った意味であり、今年の秋のG1シリーズのテーマでもあった。あたかも常識のように語られる「普遍」は、本当に私たちの目の前にいる馬たちにも当てはまるのだろうか。まるで無反省に「普遍」を垂れ流し続けることに正直嫌気が差していたのだ。

これは少し別の問題になってくるが、自分の中に普遍的なものがあるとして、それを貫ける人間は世の中でも成功する可能性が高い。ナントカ理論とか、そういう自分の中にある普遍を推し進めると、案外と現実の方から折れてくることが多い。それはナントカ理論が正しいからということではなく、多様な現実の一部がタマタマにしてナントカ理論に当てはまってしまうからである。その衝突が激しければ激しいほど、ナントカ理論は世の中の「普遍」として広まってしまう。

話を元に戻すと、「普遍」だけでは物事の本質を外してしまうということだ。「普遍」の正義だけを信じて、我が身を省みることがない世界観は、なんとも砂を噛むように味気ない。それは想像力のなさでもある。そんなに年食ってたらもう無理でしょ、もう頑張ったんだからサヨナラバイバイ、とは自分がオッサンになることを少しも想像できない若者の思想や言葉である。そんな若者たちに、47歳の安藤勝己と6歳馬になるダイワメジャーが教えてくれたのは、「個別」という名の多様性であった。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

KY有馬記念

Arima07 by fake Place
有馬記念2007-観戦記-
外枠からチョウサンが少々強引に先頭を奪い、創り出した流れは前半73秒5、後半73秒2というイーブンペースに見えるが、実は前半中盤後半に分けると、前半46秒9、中盤51秒0、後半48秒8というまるで長距離戦のように中盤が緩む差し馬にとって厳しいペース。それに加え、当日朝まで降り続いた雨が時期的にも乾きづらく、地盤は緩み、全馬のスタミナを奪う馬場であった。前に行った馬もバテているが、後ろから行った馬もバテているという、まさに行ったもん勝ちのレースとなった。4コーナーでは既に大勢が決しており、ゴール後に蛯名騎手が発した「よっしゃ!」の喚声だけが沈黙の中山の冬空に響き渡った。

大金星を獲得したマツリダゴッホの勝利は、中山競馬場に対する適性以上に、力の要る馬場に拠るところが大きい。他馬が馬場にスタミナを奪われて手応えがなくなる中、この馬だけは絶好の手応えで4コーナーを回り、あとは後続を離す一方であった。こういう首の高い馬は、手脚に力を入れて走るため、道悪・力の要る馬場に滅法強い。サンデーサイレンス産駒のマツリダゴッホは一見顕著に映り、パワーを感じさせないのだが、この馬の走法が今回の馬場にピッタリと一致したということだろう。また、ジャパンカップをスキップした効果もあり、体調も最高の状態にあった。

2着に粘りこんだダイワスカーレットは本当に良く走っている。スタートから絡まれて、道中は少しエキサイトして走っていたように映った。なんとか折り合ってはいたものの、これまでの自分の型でレースをさせてもらえなかった中での連対確保だけに、その価値は高い。展開に恵まれた面は確かにあるが、それ以上にこの馬の強さと勢いを見せつけた走りであった。牝馬だけに、来年も同じテンションの走りを期待するのは難しいかもしれないが、末恐ろしい牝馬であることは間違いない。

これが引退レースとなったダイワメジャーも最後まで伸びている。これがラストランとなるのがもったいないほどの、力強いレースであった。距離不安があっただけに、マイル+800mという競馬をデムーロ騎手は意識していたのだろう。また、少しでもスタミナを温存するために、ダイワメジャーのような大型馬を手綱一本でコントロールしながら、内埒ギリギリを通るコース取りも見事であった。

惜しいレースだったのが4着に入ったロックドゥカンブである。キネーン騎手が他の有力馬を意識したのか、それとも馬自身が前に行けなかったのか、前半から積極的に攻めることなく、好位を確保することが出来なかった。前走の敗因を踏まえると、もう少し無理をしてでもポジションを取りにいっても良かったのではないかと思う。このあたりは、たとえ世界的ジョッキーとはいえ、ポンと来て乗り慣れていないキネーン騎手と、勝った蛯名騎手との間には大きな差があったように感じた。

1番人気に推されたメイショウサムソンは、4コーナー手前の時点で手応えが全く残っていなかった。スタートしてからの行きっぷりも悪く、武豊騎手がおっつける始末で、道中もずっと推進意欲のない走りに終始してしまった。ここまで惨敗してしまうと、走られるだけの体調になかったことは明らかである。凱旋門賞を目指して放牧に出さずに、厩舎で夏を越したツケがここに来て出てしまったということだろう。

ポップロックは4コーナー手前までは抜群の手応えに見えたが、追ってから全く伸びなかった。年齢的にピークを過ぎていたのか、それともジャパンカップが意外と厳しいレースで反動があったのか分からないが、いずれにせよ本来の体調にはなかった。

ウオッカは前走よりも積極的な競馬を心掛けたが、結局伸びきれずに惨敗した。秋華賞とジャパンカップ、そして今回の走りを見る限り、敗因は乗り方ではなく、ウオッカ自身の体調にあることは明らかである。ダービーを勝った反動はそう簡単には抜けない。春までゆっくり休養して、また強いウオッカとしてターフに戻ってきて欲しい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (100)

お疲れさまでした。

今さっきまで、死んだように眠っていました。昨日は寒い中、競馬場までご一緒していただきました皆さま、お疲れさまでした。有馬記念は口アングリな結果でしたが、めげることなく、最後の忘年会までお付き合い頂きましてありがとうございました。楽しかったですね。

滋賀から気合でやって来たIさん、ラスト2レースの巻き返しはお見事でした。アンブロワーズが差して来たときの別人ぶりこそあなたです。浦安のジャーナリストSさん、今日はお会いできて良かったです。競馬場もたまにはいいものですよ。初めて参加していただいたNさん、ホープフルSはお見事でした。負けないあなたなら、予想を芸術の域に高められるかもしれません。ソムリエのSさん、まさかそんな資格を持っていらっしゃるとは。今度はお店を教えてください、ワイン飲めませんが。大将格のMさん、今日もご参加いただき嬉しかったです。これからも当てて当まくって競馬を楽しみましょう。Oさん、あれからもうひとつ忘年会お疲れ様です。手が出なかったマークシート大切に取っておいてください。妄想を軸に予想するMさん、昨日もありがとうございました。いただいたビクトリーシートには誰もサイン出来ませんでしたね、本当に残念でした。勝負師のNさん、Tシャツ見つかってよかったですね。ファイナルCは落馬で笑わせてくれてありがとう。Kさん、メイショウサムソンはショックですよね。これに懲りずにこれからも競馬を楽しみましょうね。Hさん、色々な話が出来て良かったです。競馬関係の仕事見つかるといいですね。ドコモの携帯がなかなかつながらなかったSさん、最後までありがとうございました。探しにいっていただいて、おかげさまで白木屋がみつかりました。Kさん、今日はゆっくりとお話ができて良かったです。暖かそうなニット帽が素敵でした。Kさん、電話がなかなか繋がらずに大変失礼しました。これに懲りず、来年こそ必ずご一緒しましょうね。最後にカレンダーと手帳を送っていただきましたKさん、ありがとうございました。大変感謝しております。

その他、競馬場にお越しになれなかった皆さま、今年も大変お世話になりました。おかげで最後まで競馬を楽しむことが出来ました。本当にありがとうございました。今年は東京大章典を残すのみとなりましたね。最後まで頑張りましょう!

おまけ

最後まで素晴らしい走りを見せてくれたダイワメジャーの引退式の映像です。多くのファンが最後まで残り、「ありがとう」の言葉が冬の満月の空に快く響いていました。お疲れ様でした。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (6)

◎メイショウサムソン

Jiromaru

最後のお手紙ありがとうございました。そして、1年半の長い間、本当にありがとうございました。お子さんと遊ぶ大切な時間や睡眠を削ってまで、競馬に対する愛情を綴っていただいたことに感謝しております。深夜に届くお手紙を拝見して、100キロ離れていても、気持ちはつながっていることを深く感じておりました。無理を言ってお願いしたやりとりですが、楽しかったと最後に言っていただけたことを嬉しく思います。最後のお手紙をアップする時、さすがにジーンときてしまいました。

私だけではなく、たくさんのルドルフおやじファンがいましたね。ルドルフおやじさんから私たちが教えてもらったことはたくさんありますが、その中でも一番の教えは、競馬はがっはははははと笑って楽しむものだということです。競馬は負けることの方が多いですもんね。あの武豊騎手でさえ、競馬は負けることの方が多いので楽しんで乗ることが何よりも大切と言っていました。勝とうと思えばこそ負けることの方が多く、それでも勝っても負けてもがっはははははと楽しめるようになりたいと思います。それでこそ、初めて競馬が好きだと言えるのかもしれませんね。

それからもうひとつ、ルドルフおやじさんには血統の奥深さを教えてもらいました。特にサラブレッドの母系に流れる大河のような血脈を、これほどまでに分かりやすく、面白く教えてもらったことは初めてでした。たとえ血統の奥行きを知らなくても馬券は当たるかもしれませんが、知ることによって1頭1頭の馬の輪郭がよりハッキリと見えてくるものですよね。包み隠さずに言うと、それまで私が持っていた血統の知識がどれだけ浅はかなものだったかも思い知らされて、ひとり赤面したものです。

最後にこれまで頂いていたお手紙をもう一度読み直してみました。宝塚記念の◎アドマイヤムーンや今年の菊花賞の3連複はお見事でしたね。誰もルドルフおやじさんの印が冗談だとは思っていませんよ。私の知っている方がこんな賭け方をしていたそうです。ルドルフおやじさんの本命と私の本命とその方の本命でボックス馬券を買うそうです。当たったことはあるのかなあ?まあそんなことは大した問題じゃありませんよね。

お手紙を読み直してみて、私の勝手ですが、ルドルフおやじの名言集を作ってみました。この他にもたくさんありましたが、私の心に残った名言をピックアップさせていただきました。

「綾のあるゲーム」
実力があっても負けることはあるものです。だから競馬がギャンブルとして成立しているわけです。日本の競馬場がギャンブルという要素によって支えられていることは忘れてはいけません。ここに競馬の胡散臭さがあります。失礼、魅力があります。一言いっておきます。競馬は綾のあるゲームです。

「2強3強について」
2強とか3強といって、レース前によく煽り立てられることがありますよね。レースの綾が出るのは2強と言われたときですよ。互いを意識して、自分のレースができないからですね。(中略)馬券というものは、それほど無理して当てるものではないので、黙って見ておくのが競馬の神様仏さまというものです。

「メイショウサムソンについて」
サムソンを皐月賞馬にしたのは、父オペラハウスのタフネスではなくこの鋭さです。この鋭さはエールのブルードメアサイアー、フォルティノからきているんだろうなあ、と想像しています。フォルティノは、マンノウオー系レリックの肌馬に快速馬グレイソブリンというとても分かりやすい配合で生まれた名馬です。フォルティノ系は確実に切れ味を代々伝えることによって、世界的血脈になっています。日本にいた種牡馬で、これほどの血の広がりをみせた馬はいませんね。

「ウォッカについて」
来年のクラシックということになると、この馬に注目です。力のある馬だと思います。母系は名門シラオキです。シスタートウショウ、シーズトウショウが血統的に近いところにいます。女の子にウォッカという名前、おもしろいですねえ。バクシンヒロインなんていう勇ましい女の子も出走しますが、こちらもシラオキ系、メイショウサムソンの近親です。今年はシラオキ復活年、実にめでたい年だったんですね。

「シメシメ馬券について」
クラッシクロードが続いていきます。本番までわたしはいつもシメシメ馬券を小額買って馬を見るようにしています。やはり馬券を買ってレースを見るのと買わずにみるのとでは違いますなあ。どんなに人気薄でもシメシメと思えば買って観戦する。小額ですよ、あくまで。ほとんど外れますが、時にシメシメの馬たちの中におもしろい発見をすることがあるんです。この発見が競馬をするわたしの喜びのひとつになっています。

「記憶というものは」
だいたい記憶というものは、おおよそ25年ほど過ぎれば美しくなるということが、最近わかってきました。30年前ひどい目に遭ったあの馬この馬、今ではすべてこのおやじの名馬か、愛馬であります。競馬ファンをながくやろうと思えば忘れっぽくならなくてはいけません。

「ラップについて」
慣れないラップを見ましょうか。このおやじがついていけてたのはレゲーのボブ・マーレーまでで、どうもラップは苦手なんですなあ。Everything gona be all right!

「さあどっちだ」
ムーンは勝つ馬、サムソンは負けない馬、さあどっちだ。

「幸運」なんてものは
「幸運」なんてものはブゼンキャンドルのように意図せぬところから突然やってくるものかもしれないし、ダイコーターのように掴み取ろうとするとするりと逃げていってしまうものかもしれない。競馬が賭け事に過ぎぬものならば、これほど危ういものはありません。

「大種牡馬の大種牡馬たるゆえん」
大種牡馬の大種牡馬たるゆえんは母系の良さを引き出すところにあります。もちろんサンデーも例外ではありません。多様なサンデー産駒のなかにあって特にDメジャーは異質なスピードの持ち主ではないでしょうか。彼の異質なスピードはメジャーの母系で生きているヒムヤー系50年代の傑作クリムゾンサタンに由来するものかも知れません。

「イージーなレースを創ってどうする」
鏡のようなグリーン、絨毯のようなラフの上で毎日戦っている国のゴルファーがジ・オープンを制するなんてジ・オープンの歴史が終わるまでありえないでしょう。タフなコースをつくってタフなレースが行われてはじめて血は鍛えられる。イージーなレースを創ってどうする。おやじは、来年からJCDは買いません。損したなJRA、いいのかい、いいのかい。

「晴雨不問は名馬の条件」

「本格化馬恒常的好走伝説」

さて、最後の有馬記念です。本当に素晴らしいメンバーが揃いました。どの馬にも勝つ理由ある、どの馬からでも馬券が買えるドリームレースですね。たとえ重馬場になろうが、人気があろうがなかろうが、そんなことどうでもいいのです。自分の信じた馬に夢を託しましょう。

私の本命は◎メイショウサムソンに打ちます。重馬場はあまり得意でない馬ですが、なんとかこなしてくれると思っています。晴雨不問は名馬の条件ですからね。それよりも、この馬の唯一の不安は距離に対する適性でしょう。天皇賞秋で武豊騎手がこの馬に初めて跨った時、「思ったよりもスピードがあるのでビックリした」と語っていましたが、そのとおりの楽勝でした。メイショウサムソンは4歳の秋を迎え、胸前からキ甲にかけて、それから体の幅が一段と広くなり、もの凄く力強い馬体に成長しています。そのことがもしかすると距離適性を縮めているかもしれません。

サラブレッドは成長とともに距離適性が狭くなり、その馬の本質的な適距離に近くなりますが、メイショウサムソンの場合、今は2000mという距離がベストになってきているのでしょう。武豊騎手がジャパンカップで少し位置取りを下げて進めたのは、そういうことも考慮に入れてのものだと思います。4コーナーで外を回してしまったことは悔いているはずですが、道中の位置取りはあれで良かったのではないでしょうか。ジャパンカップは負けてはしまいましたが、武豊騎手としては、ロスなく乗れば、中山の2400mならばスタミナ切れは起こさないという手応えを掴んだはずです。

おそらく、今回もガツンと出していくことはないので中団からの競馬をするでしょうが、4コーナーでは先頭に立つくらいの積極的な競馬をしてくるはずです。そうあのオグリキャップがラストランを飾った有馬記念のように。

ただ、そのためには道中がスローからミドルのペースで流れることが条件です。万が一、4コーナーに縦長の馬群で向かうようなハイペースになってしまうと苦しいかもしれません。4角で先頭に立つ形に持ち込めないばかりか、もしかするとジャパンカップ以上のスタミナが要求されてしまうかもしれないからです。どのようなペースになるかは予測しがたいことですが、過去の有馬記念のラップを見比べてみることによって糸口を掴んでみましょう。

過去10年の有馬記念のラップです。
7.2-11.1-11.8-11.8-12.2-12.8-13.5-12.6-11.9-12.4-12.9-12.2-12.4
2:34.8 シルクジャスティス
7.1-12.0-12.9-11.3-11.4-12.5-12.5-12.2-11.6-12.2-12.3-12.5-11.6
2:32.1 グラスワンダー
7.1-12.6-13.1-12.5-13.2-13.4-12.9-12.7-12.1-12.3-12.4-11.0-11.9
2:37.2 グラスワンダー
7.2-12.0-12.5-12.2-12.3-13.0-12.7-11.9-11.3-11.8-12.3-12.2-12.7
2:34.1 テイエムオペラオー
6.9-12.0-12.1-12.1-12.7-13.6-13.2-12.6-11.8-11.5-11.3-11.3-12.0
2:33.1 マンハッタンカフェ
6.8-11.5-12.5-12.9-12.0-12.7-12.8-12.3-11.5-11.8-11.4-11.7-12.7
2:32.6 シンボリクリスエス
7.0-11.2-11.2-11.2-11.6-12.3-12.9-12.6-12.2-12.7-11.7-11.7-12.2
2:30.5 シンボリクリスエス
7.0-11.6-11.5-11.7-12.3-12.4-12.0-11.7-11.8-11.9-11.6-11.6-12.4
2:29.5 ゼンノロブロイ
7.0-11.4-11.7-12.1-12.9-13.0-12.2-11.8-12.0-12.3-12.0-11.4-12.1
2:31.9 ハーツクライ
7.1-11.5-11.4-11.3-11.8-12.8-12.9-12.7-12.2-12.8-12.2-11.2-12.0
2:31.9 ディープインパクト

ここで注目したいのは、前半の3ハロン(最初の100mは除く)とラスト5~6ハロン(向う正面)のラップです。大体の場合において、この2つのラップタイムはどちらかが速くなればどちらかが遅くなる傾向があります。つまり、前半が遅く流れたレースでは向う正面で各馬が動き、前半が速く流れたレースでは向う正面での動きは少なくなります。ただし、どちらがより重要かというと、前半の3ハロンのラップです。ここの動きでレースの質が変わってきます。

ちなみに、前回の手紙で紹介したテンポイントとトウショウボーイの有馬記念がありましたよね。このレースを振り返ってトウショウボーイに騎乗した武邦彦調教師(武豊の父)はこう語っています。

「勝負をファンサイドから見ると、直線の攻防がいちばんなのでしょうが、やっているほうから言えばスタートなんです、大事なのは。直線で競り負けるのは、そこまでに脚を使ってしまってるんです。」

トウショウボーイはスタートしてからスタンド前の直線でわずかに引っ掛かってしまっているように、大切な前半3ハロン部分でわずかにロスをしてしまっているのですね。その分、最後の直線でテンポイントに競り負けてしまったということです。

全体のタイムとの比較になるのですが、前半3ハロン部分で、全て11秒台のラップが刻まれているようなレースは前に行った馬にとって厳しいレースです。10年前のシルクジャスティスが勝った有馬記念は、珍しく前崩れが起きて、あのエアグルーヴでも3着に力尽きたレースでした。このレースの前半3ハロンは11.1-11.8-11.8と、時計の掛かる馬場状態であったことを考えると、かなり速いペースだったことが分かります。

また、昨年と一昨年の有馬記念は奇しくも同じタイムですが、前半3ハロンのラップタイムが違います。ディープインパクトが勝った昨年は11秒台が続き34.2、ハーツクライが押し切った一昨年の35.2と比べても1秒も速いラップになっています。昨年の有馬記念は向う正面が緩んでいるので前に有利なレースだったと誤解されることが多いのですが、一昨年に比べると厳しいレースでした。

武豊騎手が「最後の有馬記念が一番強いレースだった」と語るのも頷ける気がします。あれだけのペースで前半を引っ張ってもらえれば、ディープインパクトにとっては最も末脚を炸裂できる展開ですから。逆に言うと、前半を攻めて2、3着したポップロックやダイワメジャーはよく頑張っていると言えます。今年の成績を見ても、なるほどという感じですよね。

何が言いたいかというと、今年の前半3ハロンはどのようなペースで流れるのかということです。出走馬と枠順を見渡してみると、案外、前に行きたい馬は多いですよね。ダイワメジャー、レゴラス、ダイワスカーレット、ポップロック、ロックドゥカンブ、サンツェッペリン、コスモバルク、デルタブルース、もしかしたらチョウサンと半数以上が先行馬です。しかし、もっとよーく見ると、絶対に逃げたい馬というのも見当たりません。どの馬も、行く馬がいるなら抑えてもいいよという柔軟な先行馬たちです。

そうなると、果たしてどの馬が逃げるのでしょうか。もしサンツェッペリンに松岡騎手が乗っていたら、迷わずハナを切って、大逃げをかましていた可能性はあります。しかし、今回は折り合いをつけるのが巧い北村騎手です。強引に逃げるタイプではありません。となると、やはりダイワスカーレットが逃げることになるのでしょうか。そうなると、おおよそ前半の3ハロンはスローに流れるのではないでしょうか。たとえダイワスカーレットが逃げなくても、お見合い状態が続けば、スローになる可能性は高いでしょう。

そう考えると、メイショウサムソンの勝ちパターンに持ち込める可能性が高いと思います。たとえ向う正面で各馬の動きが速くなったとしても、全体のペースはミドル以上にはなりません。馬群に包まれないように、どこかで外に出しておけば、自らの脚力でマクっていける態勢が整うはずです。

とまあ、最後にこんな夢を観ることが出来たら最高だなと思います。寺山修司はこう語りました。「競馬ファンは馬券を買わない。財布の底をはたいて自分を買っているのである」と。私も今日は自分を買いに、中山競馬場まで行ってきます。

ルドルフおやじさんとのやりとりはこれで一時お休みということになってしまいますが、頂いた手紙は「ガラスの競馬場」のアーカイブとして永遠に残り続けます。カテゴリーの「ルドルフおやじからの手紙」をクリックすると、いつでもルドルフおやじ節が現れます。つまり、ルドルフおやじさんの想いは、常に「ガラスの競馬場」にあるということです。これから苦しいこと、つらいこと、逃げ出したくなるようなこともあると思います。そんな時は、いつでも「ガラスの競馬場」に遊びにきてください。お待ちしております。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (82)

ルドルフおやじから最後の手紙

Rudolf

女傑ツキシロの末裔にジンクエイトという馬がいました。66,5キロを背負わされたテンポイントが競走を中止した、凍える日本経済新春杯の4角。そこで起きていることに競馬場の視線が集められるなかを、静かに1着でゴールした馬がジンクエイトです。26戦6勝、うち重賞1勝。最も静かなゴール。人間にとってはありふれたことなのだが競馬場でこんなに静かなゴールを見たことはない。主戦、清水英次。病床で自らの死を公表してほしくないとおっしゃったそうだが、敢えてお悔やみ申しあげたい。

朝日杯当日の関西テレビで放映された、サムソンのオーナー松本好雄氏のインタビューは秀逸な企画でした。「僕は高橋騎手の豪快な騎乗ぶりが好きでね、それ以来のお付き合いなんですよ」と語る松本氏、なんとなく高橋成忠師のことが分かったような気がしました。

トウメイの天皇賞で「マイルの競馬を2回走るつもりで乗れば勝てる」と清水英次騎手に助言した高橋成忠。どうやら信ずることができるという資質は誰しも持ち合わせているものではないようです。勝負師としてもっとも大切な力だと思います。奔放に馬を御すと見えた騎乗ぶりには高橋成忠の馬に対する「信」があったのかもしれません。

仮にですよ、サムソンの騎手が石橋守ならば、高橋成忠は迷わず「信じて乗れ」と言ったに違いありません。ところが騎手は武豊ですね、うむうむここが味噌で、しょうゆ、失礼しょうぶの綾が生まれそうな気がしているんです。高橋成忠、なんと言うのかなあ。「任せたよ」ならばウケにまわっている。

「ちょっと内がゴチャついていたし、馬場も内が荒れていた。1番人気馬だから無理にインに入っていくのもどうかと思いましたから」サムソンは前走、はじめての1倍台の人気で出走して敗れました。どんな名手でもはウケにまわったときは案外もろいですね。武豊のコメントはそういう騎手の心理を語っているように思えました。

馬の力を信じてウチを突き進んだ岩田騎手のムーンとは対照的に、サムソンは最大の武器である闘争心を眠らせたままゴールしたように見えました。鞍上が冷静にレースを読める名手だったからこそ負けたのでしょうね。石橋騎手ならば勝てたなんてことは言えません。が、石橋騎手ならば迷うことなくウチを突いてゴチャつく馬群をこじ開けようとしたと思います。それが信じて乗るということだからです。時に勝負の世界では冷静な分析よりも信じることの方が大切な場面があるようです。

今回、ポップロックという強力なライバルがいるのは、殺戮の神サムソンにはむしろ好都合でしょう。この馬は自分でレースをつくったときよりも強い敵がいたり混戦になったときの方が強い競馬をしてきたと思うんです。1枠1番否応なくサムソンの荒ぶる魂が掻き立てられます。

治郎丸さんはJCのサムソンを少し余裕があるように見たのですね。秋は3走、なんとか2勝1敗でいきたいと、高橋成忠は3という数字を繰り返し言っています。秋3戦を同じ体調で走られるように作ってきていると治郎丸さんのおっしゃる通りです。インフルエンザ、天皇賞制覇、JCの敗戦、まさに禍福はあざなえる縄のごとし、有馬の勝利はそこに見えています。後は武騎手がどれだけサムソンを信じて乗るかでしょう。

「関係者に、勝っていると言われてホッとしたよ。これで3冠騎手? いや、それよりこの馬が菊花賞を勝ってくれた喜びの方が大きいね」と語るのは、菊花賞の四位騎手です。この方はダービーの後で「もう騎手をやめてもいいです」と言っておられました。やめなくてよかった、がっはははは。

この方は気持ちのやさしい人なんでしょうね。菊花賞4番人気の馬で勝ってホッとしたり、ダービーを勝って騎手をやめたくなったりするんですから。彼岸の清水騎手もこの方になら、「信じろ」と助言しやすいかもしれません。

「力があることが改めて分かったよ。一瞬、オッ!という感じがあったから」というのがJC後のコメントです。おやじも一瞬、オッと感じましたよ。力があることが改めて分かったのならそれを信じて乗るでしょう。今回、ウオッカが挑もうとする相手はどんな競馬をしても勝てるというような相手ではありません。勝つチャンスがウオッカに訪れるのは、先行する古馬より鋭い末脚を繰り出せた時だけです。ワンチャンス。ならば四位騎手はウオッカの最大の武器である末脚を信じて賭けるほかありません。

中山開催は外の伸びない、内にいる先行馬有利の馬場で開幕しました。少しは馬場も荒れて追い込みがきくようにはなりましたか。それでもウオッカにとっては苦しい馬場には違いありません。しかし負けを恐れてはいけません。勝負だから負けはあります。それどころが競馬ならば九割以上は負けます。大きく負けるのは負けを恐れる人なのです。レースの流れに乗って・・・など考えてはいけないような気がします。先行して末脚をさらに伸ばそうという馬がそろって先行馬群から脱落する馬も多いと思います。この馬にもチャンスはありと見ました。

角居勝彦師は頭脳派の調教師として有名ですが、おやじにはおおらかな人柄が魅力です。この方のコメントは正直でおもしろいですよ。秋華賞の前には「ウオッカは一流馬だからそのレベルを維持することに努めている」というウッカを褒めているんだか、自信がないんだかわからないようなコメントを出していました。エリザベスを取り消してJCに向かう時には「ご迷惑をかけました。損を取り戻してもらいます」と軽口を叩いている。そして今回はコメントの冒頭で「ご心配をおかけいたしました」ときた。心配は過去のものなんですね。もう大丈夫、心配はいりません。

「スタートが良く、スムーズに流れに乗れた。勝った馬は強いね。でもこの馬の強さも分かってもらえたはずだ」ペリエ騎手はJCのあと、ポップロックをこう評しています。確かに去年の暮れよりもポップロックは強くなっていると思います。

ポップロックは日本のG1に参戦して毎回堅実な走りを見せています。外国人騎手や地方の騎手は馬の特長をつかむのが本当に上手です。ポップロックの母系はパワー血統なんです。来年ここから必ずダートの大物が登場しますよ。ペリエ騎手はパワーを生かす積極的な競馬をしてくると思います。徹底的に逃げ馬をマークして底力勝負に持ち込むでしょう。先行馬の死命を制するのはペリエ騎手です。

父のエリシオはポップロックを唯一の活躍馬として送るワンホースサイヤーですね。実は有馬記念はワンホースサイヤーの歴史でもあるんですよ。ポップロックという歴史の1ページが加わるかも知れません。

ダイワスカーレットの松田国英師は「なぜ人気がないのか」と語っています。その通りですね。フサイチパンドラを破った(失格になった)Kプリンセスが宝塚で強い競馬をしたことを思うと、スカーレットにも十分すぎるほどの勝機はあります。コースや距離はむしろウオッカより向いています。今回はこの馬を頭にしないのでおやじにとっては実に怖い存在です。しかしウッカのようにダービーやJCなどで一流の牡馬に揉まれた経験がないというのが負い目となります。ただ雨の降る有馬記念ならば1着も考えておくべきだと思います。

Dメジャーはラストランですね。お疲れ様でした。なぜおやじに馬券を取らせてくれませんでしたか。失礼。不屈の魂をもった馬です。アメリカから種牡馬としてオファーがあったそうですね。もったいない。日本での初年度の種付け料は500万だそうです。おやじの月収ほどでまあまあかな。因みにユートピアのアメリカでの種付け料は30万ほどだそうですので、アメリカへ渡れば価値が下がるということかな。それでもこの血は明らかにアメリカ競馬向きなので本当に惜しい気がします。

ロックドゥカンブはMキネーンを配してきました。キネーンはカンブの父も母も知っているそうです。うむ、うむ、これが競馬だ。前走はもう少し前につけられれば、という恨みを残したのでこの手がわりはいいかも知れません。それにしても3歳牡馬はか弱いですね。菊花賞1、2着馬がJCにも有馬にも顔を見せない。

堀宣行調教師がおもしろいことを言っています。
「いいえ、必ずしもそうとは思っていません。ディープインパクトが負けた時もこの臨戦過程だったように、むしろ仕上げは難しいかもしれません。だから、一度放牧に出して心身ともにリフレッシュさせたのです。」

冒頭の「いいえ」というのは「余裕をもったローテですね」という言葉を否定したものです。堀宣行調教師という方はおやじには馴染みのない調教師なのですが、このインタビューを読んで恐ろしい人物のように思えました。ディープの失敗をきちんととらえて自らのとるべき方策を打ち出している。セントライトの強い競馬を忘れたら痛い目に遭うかもしれません。

佐藤哲三とインティライミにはJCで悪いことをした。おやじの気合いが馬に乗り移ってしまいましたね。おまけに佐藤さんは怪我までして本当に申し訳ない。

Dパスポートは世代最強馬だと思っています。ただ20年に一度出てくる無冠の帝王というやつですね。治郎丸さんは無冠の帝王といえば何を思い出しますか。おやじならバンブトンコートなんですがそれ以外は思い浮かびません。帝王であって無冠という二律背反した命題を解く存在なので3冠馬より珍しいわけだ。なるほどこの馬、無冠の帝王でいたいがためにわざと負けてるんだな。よし次は無冠の帝王特集でいこう、いや、有馬記念ワンホースサイヤー伝説でいこう、しまった!おやじは隠居するんだった。

治郎丸さん、今日までありがとうございます。

手紙でよかった、往復書簡がこの1通で区切りを迎えると思うとやはり泣けてくるからねえ。

1年半付き合ってもらったのですか。「楽」のある時間を過ごさせてもらいました。だって好きなことをバンバン書けるわけでしょう。ノーコンピッチャーが好きに投げていいよ、と言われて「楽」しんでいたようなもんです。こんな「楽」な時間をもたせてもらった人間はおらんだろう。

受けとめる方は毎回大変だったと思います。あらためて治郎丸さんに感謝です。おやじの方は治郎丸さんの球を受け損なったことがある。これは反省だ。分からなかった部分はこれからまたひとつひとつ考えます。

惜しむ、惜しむ。おやじの隠居のことではありませんよ。病床にあるオシム監督のことです。とんとサッカーの分からぬこのおやじがオシムサッカーを見て何となくサッカーが好きになった。本当に物が分かっている人ってすばらしいですね。サッカーが見えなかったおやじにちゃんとサッカーを見せてくれている。

治郎丸さんが目指しているのはたぶんそういうことなんだと思っています。競馬、好きですか、がっはははは。おやじは大好きです。がっははははは。しかし競馬を競馬として見せるというのは難しいですね。サッカーや野球はスポーツという言葉で括れるんでしょうが、競馬は競馬ですからね。スポーツだと誤解されたりギャンブルだと誤解されたり、数学や統計学だと思われたり、色々難しい。

1000キロも離れていますがおやじは治郎丸敬之を応援します。そしてちょくちょく邪魔させてもらいますよ。ありがとう、ありがとう、感謝の言葉しかありません。

最後になりましたが手紙を読んでくださったみなさん、ありがとうございました。てめぇーのせいで大損こいた、なんて苦情がないのは心外だったなあ。これでも毎回当てにいってたんですよ。いつも手紙の最後に載せている◎とか○とか、あれ、冗談ではなかったのですよ。がっはははは。ガラスの競馬場に訪れていらっしゃる方は皆手強い。お元気で、またお目にかかれればと念じております。ありがとうございました。

◎ウオッカ
○メイショウサムソン
△ポップロック
×ロックドゥカンブ
×ダイワスカーレット
穴パンドラ

雨はだいじょうぶかな、事故のないようにお願いしたいものです。

| | Comments (87)

こんなこと話しています(ラップ編)

A 12.0-10.7-11.6-12.1-12.7-12.7-12.4-12.2-11.8-11.9-11.9 
B 12.6-11.5-12.4-12.3-12.2-12.6-11.8-11.8-11.3-11.4-12.6 

上に2つのレースラップがあります。どちらもほぼ同じ時期に中山競馬場で行われた2200m戦のそれです。この2つのレースの勝ちタイムはほぼ同じですが、道中のラップ構成が全く異なります。Aは前半4ハロンぐらいまでが速く、中間がわずかに緩み、後半3ハロンがまた速くなります。Bは前半6ハロンまで淡々としたペースで進み、後半からラスト200mまで厳しいラップが続きます。

それではここで質問です。

逃げ馬の通ったコース(内外)や当日の馬場状態がほとんど同じだと仮定すると、AとBのどちらのレースの方がレベルは高いと思いますか?2つのレースのラップ構成を見比べながら、じっくりと考えてみてください。計算機を使うのもアリです。どちらかに決めたら続きを読んでみてください↓

Continue reading "こんなこと話しています(ラップ編)"

| | Comments (148)

一時お休みさせていただきます。

Rudolflast

大変残念なお知らせがあります。昨年秋より始まった人気コーナー「ルドルフおやじからの手紙」を、来年から一時お休みさせていただきます。次がルドルフおやじさんからの最後の手紙ということになりますので、しっかりと拝読させてもらいましょう(1通目のトウメイの話も珠玉のストーリーでしたね)。血統表を読む天才であっただけではなく、競馬のイロハを名文で語るルドルフおやじ節がしばらく聞けなくなるのは悲しいことですが、新たな旅立ちを笑顔で送り出したいと思います。ルドルフおやじさん、振り返ってはいけませんよ。後ろには夢はありませんから。私の感謝の気持ちは、次の手紙にて書かせていただきます。「ガラスの競馬場」は私が生きている限り続いていきますので、また良きタイミングが来たら手紙のやりとり始めましょうね。長い間お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

photo by fake Place

| | Comments (79)

こんな名勝負を観てみたい。

Jiromaru

お手紙ありがとうございます。前回の馬インフルエンザ騒動があった年に、有馬記念を制したのが牝馬のトウメイでしたね。トウメイは牝馬として、ガーネット、スターロッチに次ぐ史上3頭目の有馬記念の勝ち馬になったのですが、それ以降、ずいぶん長いこと牝馬から勝ち馬が出ていませんね。やはり、常識的に考えて、古馬の牡馬に混じって、2500mもの距離を走って先頭に立ち続けることは並大抵のことではないのでしょう。また、暮れの中山だけに、通常より力の要る馬場になっていることも関係していると思います。

トウメイという名前は、本当は銘刀(メイトウ)と付けたかったところが使用できず、仕方なくひっくり返して付けられた名前だそうですね。名前のひっくり返しとしては、これは母と子の名前ですが、クモワカとワカクモが思い浮かびます。どっちがどっちだか分からなくなってしまうのですが、テンポイントの母がワカクモで、祖母がクモワカです。クモワカは馬伝染性貧血という、伝貧(でんぴん)とも呼ばれるウイルス性の伝染病であると診断されて、一時は殺処分命令を受けた馬です。

今年の馬インフルエンザどころの騒ぎではなくて、馬伝染性貧血は発熱を繰り返して死に至る病です。当時、治療法はおろか正確な診断法すらなく、伝貧(でんぴん)と診断されてしまったクモワカは処分しなければならなかったのですが、診断に疑いを持っていた関係者は秘かにクモワカをかくまい、子供を産ませました。結局、裁判にもなって感染していないことが認められ、クモワカの仔ワカクモは晴れて競走馬としてデビューし、桜花賞馬になりました。

寺山修司は「ワカクモは幽霊の仔であった。なぜなら死んだ馬から生まれたからである」と書きましたが、まさにそのとおりで、クモワカは当時の規定に従っていれば死んでいた馬でした。その幽霊の仔からテンポイントという名馬が出たのですから、競馬というのは本当に奥が深いというかドラマチックですね。貴公子と呼ばれたテンポイントは幽霊の孫ということになります。

ちょっと強引にトウメイからテンポイントにつなげてしまいましたが、有馬記念といえば、いつもフト思い出すのがテンポイントとトウショウボーイの有馬記念です。もちろん、私はこの名勝負を生で観てはいませんが、それは鳥肌が立つほどの素晴らしいレースだったそうですね。

私がこの名勝負のことを知ったのは、ナリタブライアンとマヤノトップガンがお互いに一歩も引かないマッチレースをした阪神大賞典の時でした。私の周りにいた人たちは皆、立ち上がって感動していて、私が知っている中でもベスト3に入る名勝負でした。そんな名勝負に対して、マヤノトップガンに乗った田原成貴元騎手は、「あれは名勝負なんかじゃない。マヤノトップガンが打てるもんなら打ってみろと真っ直ぐに投げたストレートを、ナリタブライアンが見事に打ち返しただけのレースだ。もしあの阪神大賞典が名勝負だとしたら、テンポイントとトウショウボーイがスタートからゴールまで馬体を併せた、あのマッチレースの有馬記念はどうなるんだ?あれこそが名勝負だ。」とコメントしたのですね。私はそれを聞いて、田原騎手がそれだけ言うテンポイントとトウショウボーイの有馬記念って、どんなレースなんだろうと観てみたのがきっかけです。

レースを観ただけでも、これぞ名勝負というのが伝わってくるのですが、さらにこの2頭のそれまでの生い立ちや戦績を知ると、このガチンコ勝負がどれだけ大きな意味を持っていたか分かるのです。トウショウボーイにとってはこれが引退レースでしたし、テンポイントにとってもこのレースが実質最後のレースになってしまったのですから。それまでトウショウボーイに苦杯を喫し続けてきた貴公子テンポイントが、最後の最後に先着した瞬間でもありますし、また天馬トウショウボーイが生涯初めて、負けたくないという自らの意志を見せて、差し返した瞬間でもあります。こんな名勝負を今年の有馬記念でも観てみたいものです。

さて、いよいよ有馬記念です。粒ぞろいの面白いメンバーが揃いましたが、必ずしも強い馬が勝つとはいえないレースです。それはシーズンの最後であるため、強くてもピークを過ぎている馬がいるということ、そしてもうひとつはスタートしてからゴールまで、なんと6つのコーナーを回らなければならず、展開のアップダウンが激しいということが理由です。

3歳馬であれば、この秋の最大目標は菊花賞や秋華賞であったはずです。古馬であれば、それはジャパンカップやエリザベス女王杯であったりしたはずです。有馬記念が目標でローテーションを組む馬は皆無ですので、最大の目標で最高に仕上げて、そこからおつりが残っていればこれ幸いという感じで仕上げてきます。そして、大抵の場合、おつりが残っていないことが多く、あれだけ強い勝ち方をした馬たちが凡走してきたのはそこに理由があります。

ですので、いささか逆説的ではありますが、最大目標のレースであった前走で好走してしまった馬は、有馬記念ではおつりが残っておらず惨敗して、前走で思わぬ凡走をしてしまった馬の方が平行線以上の上積みが望めるはずです。有馬記念を2連覇したシンボリクリスエスは、ジャパンカップで凡走したからこその走りだったとも考えることが出来るでしょう。

有馬記念が荒れやすいもうひとつの理由として、スタンド前を通ってコーナーを6つ回りながら1周するというトリッキーなコースであることが挙げられます。レースの流れというのは、コーナーを回るところで落ち着きますので、そのコーナーが多いということは、ペースのアップダウンが激しいということになります。ペースが上がったと思ったら落ち着いて、落ち着いたと思ったら急激に上がってという乱ペースになりかねません。

秋華賞→エリザベス女王杯を連勝して、堂々の1番人気に推されて臨んできた牝馬のファインモーションが、タップダンスシチーにハナを奪い返され、惨敗したことは記憶に新しいですよね。あのレース以来、ファインモーションは自分のリズムで走ることが出来なくなってしまいました。

そんなことをアタマに入れながら有力馬を見ていきましょう。

1番人気に推されるのは、当然、メイショウサムソンでしょう。ジャパンカップは負けてしまいましたが、内外を通った分が、ゴール前の差として出てしまったアンラッキーなレースでした。この馬としては、最後まで良く走っていると思います。馬インフルエンザの影響で凱旋門賞に出走することが出来なくなってしまいましたが、秋3戦に目標を切り替えて調整されてきました。逆にジャパンカップで負けているのも好ましいですね。もし勝ってしまっていたら、反動が出たり、おつりのない状態で出走していたかもしれません。

前走のジャパンカップ時に思ったのは、高橋調教師はジャパンカップを獲りに来たというよりも、秋3戦を同じ体調で走られるように作ってきているなということです。私にとっては、その分、ジャパンカップの体調は100%のものではなかったように映りました。ほんの少し余裕残しという感じでしょうか。引退レースとして100%に仕上げたアドマイヤムーンとの差が、ゴール前での着順になって表れたということでもあります。今回は本年最後のレースでもありますので、ビッシリと仕上げてくるはずです。今度こそ、高橋調教師も馬を信じて自信を持って送り出してくるのではないでしょうか。

ポップロックは道中ゆったりと行って、ラストの末脚で勝負する馬ですが、ほんの僅かエンジンの掛かりが遅いことが勝ち味の遅さにつながっています。その分、府中のような直線の長いコースを得意とするはずで、中山競馬場は昨年で2着しているとはいえどうでしょうか。昨年のようにスムーズに回ってくることが出来なければ、直線伸びたものの届かないということにもなりかねません。ペリエ騎手の手綱さばきと、枠順にかかっていると思います。

ウオッカはダービーの疲れが抜けきれていないのか、秋2走は精彩を欠いた走りをしています。四位騎手がこの馬を前に付けられないのは、ウオッカ自身がどこか苦しいところがあって折り合いを欠いてしまうからでしょう。ジャパンカップは満足な体調ではなかったので、そんな中、よくぞあそこまで走っていると思います。この馬が本来の体調を取り戻したら、このメンバーでも正攻法で勝負して勝てるだけの能力を持っています。それが来年になるのか、それとも今回の有馬記念になるのか、見極めなければなりませんね。

ダイワスカーレットは鞍上に安藤勝己騎手を得て、まさに百人力ですね。おそらく、この馬が逃げてまた主導権を握ることになるのでしょう。しかし、私としてはファインモーションと被るのですが、もし道中で絡まれるようなことがあれば惨敗も覚悟しなければならないかもしれません。そうでなく、誰も競りかけてこなければ、この馬は止まらない馬ですので、あわやという見せ場を作ってくれるのではないかと期待しています。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (77)

臨戦態勢が整ったポップロック:5つ☆

インティライミ →馬体を見る
前走と馬体自体の印象は変わらないが、表情から覇気が伝わってこない。
体のラインの細い馬で、暮れのやや力の要る中山の馬場がどうか
Pad3star

ウオッカ →馬体を見る
今回のようにガッチリと見せた時の方が、この馬は走っている。
ジャパンカップ時は薄く見えただけに、体調のアップは必至か。
Pad4star

ダイワスカーレット →馬体を見る
立ち姿だけで言うと、この秋で最も良く映らない。
時期的なものもあるだろうが、馬体全体からも迫力が失われている。
Pad3star

ダイワメジャー →馬体を見る
いつも安定して良く見せる馬だが、今回は馬体全体が迫力に欠ける。
前走時がピークだったこともあって、調子落ちは避けられない。
Pad3star

デルタブルース →馬体を見る
年齢的なものもあって、最近は馬体からも以前の迫力を感じさせない。
Pad3star

ドリームパスポート →馬体を見る
昨年の全盛期と比べて、外見上はあまり大きな違いは見られない。
前走の休み明けもそうだったが、かえって細く映るのは心配である。
Pad3star

ポップロック →馬体を見る
前後のバランスも良く、立ち姿にも力強さがある。
キリっと引き締まった表情も良く、臨戦態勢は整った。
Pad5star

メイショウサムソン →馬体を見る
いつも良く見えない馬だが、この秋の3戦中では最も良い。
胸前からキ甲までの幅が広く力強いが、穿った見方をすれば距離が若干の不安か。
Pad4star

ロックドゥカンブ →馬体を見る
菊花賞時に比べて、メリハリに欠け、仕上がり途上の馬体。
前走の疲れが、わずかに尾を引いている感じを受ける。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

清水英次騎手が肩入れしているのはどちらなんでしょう

Rudolf

そろそろ年賀状のことが気になり始めました。この歳になると12月に入って続々と喪中の葉書が届きます。ほとんどが年賀状だけのお付き合いの方からの便りで、はてどういう方が亡くなられたかで済むところですが、たまに喪中の葉書で遠方に住む友の父上や母上の訃報にはじめて接することがあります。そうした場合は無性にやるせない気持ちになる。歳をとるというのは悲しいことです。

清水英次騎手はすでに鬼籍に入っておられたのですね。牝馬が人気を集める有馬記念ということでトウメイでも書いてみようかな、とネットを眺めていてはじめて知りました。おやじが知らなかっただけのお話なんですが、やるせない。申し訳ない気になった。12、3年前でしょうか、おやじが競馬から少し離れているときに落馬事故に遭われて、それ以来懸命にリハビリに取り組んでいらっしゃったそうですが、ついに体調は戻ることはなかったようです。

愚息が騎手になりたいなんていったら、バカの一言で済ますことにしている。理屈などない。命がいとおしいから。一生涯勝てないかもしれぬ馬の背から落とされ、どんじりを走っている馬の蹄に背骨を砕かれる悪夢を背負わされ、それでも勝ちにいかねばならぬのが騎手ならば、騎手というのはもはや生業とはいえないないだろう。年に1度は畏怖の念をもって競馬を見たいものです。

岡部幸雄、柴田政人、福永洋一など、清水英次騎手と同じ年にデビューした騎手は花の15期生なんて呼ばれてもてはやされていました。天才もいれば哲人もいる、アローエクスプレスからタイキシャトルの時代を体をはって支えてくれた偉大な騎手たちです。レスター・ピゴットが福永騎手の天才を一瞥して見抜いたという治郎丸さんの話はおもしろかった。

清水英次騎手は花の15期生とは呼ばれません。長期騎手講習を経ず、短期講習によって騎手免許を取得したからです。よって花はない、といったらあまりにも失礼か。だが15期生のなかに職人と呼ばれた騎手はいなかったはずです。清水英次騎手は玄人を唸らせる職人でした。素人のおやじの目には凄みのある追い込みが今でもやきついています。自らも京都の外回りコースや東京で追い込みを決めるのが好きだと語っておられたと思います。

1967年にデビューした騎手のなかで最初に世間に注目されたのは、どの騎手だったのでしょうか。1970年はアローエクスプレスの年でしたが、皐月賞前までアローの馬上には柴田騎手がいました。1971年の秋には福永洋一もニホンピロムーティエで初めてクラシックを勝っていますし、春には既に岡部騎手が、カネヒムロでオークスを制しています。ああ、岡部騎手はこの中では遅咲きの花でしたね。

1971年、牡馬の強豪を何度も退け強いマイラーと目されていた女傑トウメイの手綱は清水英次騎手に託されました。もともと3着を外さない金になる馬だったトウメイですが、清水英次騎手に乗り替わってからは連勝を続けました。以後清水英次騎手はリーディングの上位に顔を出す騎手になっていきます。

トウメイといば牡馬相手に秋の天皇賞を勝ち、天皇賞馬テンメイの母になったことからステーヤーのイメージをもっていらっしゃる方も多いと思うのですが、当時の評価はあくまでマイラー。トウメイが天皇賞を勝ったときは3番人気でした。貧弱な母親から生まれ、売れ残って「ネズミ」と呼ばれた410キロそこそこの馬に天皇賞3200Mを走りぬく力を期待するのは酷でしょう。

おやじが実際に見た小柄な牝馬ならラフォンテースかな、かわいい馬でずいぶん入れあげたものです。彼女も秋の天皇賞に出て健闘はしたものの掲示板にのれませんでした。仮に牡馬であっても400キロ前後の馬には天皇賞2マイルを勝つのは難しい。

ところで花の15期生にはどうも名言がないような気がしているのですが、いかがでしょうか。なにせ天才や哲人たちなので言葉にする前に腕で語ってみせる。トウメイで天皇賞に挑んだ清水英次騎手にはひとつの名言があります。「マイルの競馬を2回走るつもりで乗ればいい」トウメイの距離不安について尋ねられたときの言葉でした。 

ここまではすべて若いころに耳にしたり読んだりした話なのですが、この言葉の真意がおやじにはずっと分かりませんでした。この言葉に2マイルの競馬の奥義が隠されているんじゃあないか、清水英次騎手は若くして奥義を窮めた仙人じゃないかと、天皇賞のたびにいつも清水英次騎手のことが気になっていました。今から思えば彼が倒れた後もずっとそう思っていたわけですね。

今回、1マイル+1マイル=2マイルという競馬では成立しえぬ足し算の謎が少し解けた気がしました。マイルの競馬を2回すれば勝てる、と清水英次騎手が言ったというのはどうもおやじの思い込みだったようでして、ネットをたどっていくとどのページにも先輩の助言だったと書いている。

その先輩というのが高橋成忠騎手。桜花賞(2着)を経てオークス(3着)までトウメイの主戦を務めていました。「トウメイは確かにマイルを得意としているが、強い馬だ、馬を信じて乗れば2マイルだって勝てる。」助言ならばそういう意味だろう。

高橋成忠は天皇賞を2度制して全国リーディング1位にもなった大騎手ですが、おやじは騎手時代の晩年をかすかに覚えているだけです。調教師となってからは実に個性的な馬を育てていらっしゃいますね。サンレイジャスパーやメイショウバトラー、情を感じさせる馬が多いのは人柄のせいでしょうか。

これまでG1勝ちはありませんでしたが、今年の春、サムソンを引き受けて天皇賞を勝たせています。そのときの高橋成忠師のコメント。「石橋くんはすごい自信でのったんじゃないですか」菊花賞で負けたメイショウサムソンもトウメイと同じように距離を云々されていましたね。人気も2番人気でしたか。

馬券を買う者なら分かるはずですが、必ずチャンスは何度か訪れる、訪れるがそれをチャンスだと信じることはむずかしい。おおよそ、あの時なあという話になっている。1枚の馬券でさえあの時なあである。それがトウメイならどうだ、サムソンならどうだ、と思う。高橋成忠師は清水英次にも石橋守にも「信じろ」と説いたのかもしれません。

トウメイは続く有馬記念も勝ちました。わずか6頭の競馬でしたがこのときも2番人気。メジロムサシに1番人気を譲っています。我々は既にトウメイが名馬であることを知っているので2番人気だったことをとても不思議に思いますが、牝馬に対する評価というものはそんなものでしょう。どんなに強くても、信じるというのはなかなかむずかしい。ただ、清水英次騎手はトウメイに「すごい自信でのったんじゃないですか」

余談ですが、トウメイの有馬記念を少し軽く扱う人もいますね。インフルエンザの大流行で有力馬が出走を取りやめていたからでしょうが、八大競争の勝利をけなすのは上品な態度ではありません。

彼岸にいらっしゃる清水英次騎手の目には今年の有馬記念はどう映っているのでしょうか。強い牝馬の挑戦、インフルエンザの流行。自らの1971年を思い出していらっしゃるかもしれません。物語は1971年に始まりました。そして今年、牝馬の挑戦を受けるのは、清水英次騎手に「信じろ」と助言した高橋成忠です。これが物語に仕組まれたプロットです。

2007年春、自らに訪れたウオッカというチャンスを信じて今年のダービーを制した角居勝彦師を清水英次騎手なら見守ってくれていたはずです。高橋成忠と角居勝彦、清水騎手が肩入れしているのはどちらなんでしょう。年の瀬には不思議な時間が流れているのでしょうか。時間に追いまくられながら1年の始末をつけているうちに、過ぎこし年月や別れた人を思い出してしまいました。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (68)

阪神カップの分析

■マイルCS好走組が中心
昨年も書いたが、スプリンターズSの開催時期の変更によって、スプリンターとマイラーの分極化が進んでしまった影響は大きい、と1年経った今でも思っている。

スプリンターズSは1990年にG1レースに昇格し、それ以降、師走のスプリント王決定戦として定着していたが、2000年から秋の中山開催へと時期が変更された。2000年までの日程だと、スワンS→マイルCS→スプリンターズSという短距離馬の王道があったが、スプリンターSを秋口に持ってきたことによって、マイルCSを目指す一流のマイラーたちがこのレースに出走しなくなってしまったのである。

その結果、スプリントの専門家がスプリンターズSで好成績を挙げることができるようになった反面、一流マイラーが参戦してこないことによるスプリンターズS出走馬のレベルの低下は免れ得ない。過去のレースを見ても、ダイイチルビー、ニシノフラワー、タイキシャトルらの馬は、この開催日程では出走していなかったのではないだろうか。つまり、かつては短距離としてひと括りにされていた路線が、二極化してしまったことにより、もとより層が薄かったスプリント路線の地盤が沈下してしまったのである。

そのような状況にテコ入れをすべく(かどうか分からないが)、阪神カップ(GⅡ、阪神1400m内回り)が昨年、新設された。まさに、開催時期が変更される前にスプリンターズSが行われていた日程である。この日程であれば、マイルCSに出走した、スタミナと底力に富んだマイラーも出走できることになる。今さらスプリンターズSの開催時期を戻す訳にもいかないのだろうが、阪神カップがこの時期に定着すれば、スワンS→マイルCS→阪神カップという短距離馬の王道が出来上がるのかもしれない

最後の直線に急坂が待ち構える阪神コースでは、たとえスプリント戦とはいえ、一介のスピード馬では勝ち切ることは出来ない。スタミナと底力に支えられた短距離馬でなければ、ゴール直前でふるい落とされてしまうからだ。かつてのスプリンターズSがそうであったように、阪神カップも順調に出走してきたマイルCS好走組が台頭する舞台になることは間違いないだろう

■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではないといことだ。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。

5回開催の後半では、内側がかなり傷んで、走りにくい部分が出来てしまうこともあるが、現在のところは、3~4コーナーの内側が若干傷んできているものの、まだ大きなバイアスが出るほどではない。内枠外枠で大きな有利不利はない。

追記
阪神カップの見解、有力馬情報に関しては、メルマガ「馬券のヒント」にて配信させていただきます。日曜日の9時までにご登録いただければ、今回の配信に間に合うはずです。→メルマガ詳細はこちら

メルマガ「馬券のヒント」へは、利用規約をご一読の上、以下のフォームからご登録ください。


現在のランキング順位はこちら

| | Comments (79)

「プロフェショナル馬券術ライブ」のCDのが完成しました。

「プロフェショナル馬券術ライブ」のCDがようやく完成しました。先月のライブ以来、少しでも早く皆さまにお伝えしたいと思い、CD編集、原稿執筆・校正などで膨大な時間が掛かってしまいましたが、なんとか年内にお分けすることが出来るようになりました。同じ内容を二度とお話しすることはありませんので、ぜひこちらの生ライブCDを聴いてみてください。

Liveimg01ライブの告知の際にも書きましたが、「プロフェッショナル馬券術」ライブは、「ガラスの競馬場」を立ち上げた時からいつかはやりたいと思い続けてきた、競馬における具体的な馬券技術についてのライブです。前作の「21世紀の馬券戦略」が競馬の大枠を捉えた馬券の賭け方、考え方の戦略だとすると、「プロフェッショナル馬券術」ライブは、その名のとおり、より実践的な馬券戦術です。基本的なところから応用編まで、私の知っている限りのことをお話していますので、競馬中級者の方から上級者まで、楽しみつつ学んでいただけるような内容になっています。

これは何度も申し上げてきていることですが、ライブCDで私がお話ししているのは、決して必勝法ではありません。皆さんもご存知のとおり、この方法があれば明日から予想が百発百中という方程式のようなものはもちろんありません。こうすれば絶対に当たるということなどないのです。

しかし、ひとつひとつの馬券技術や知識が全く役に立たないかというと、そうではありません。今までに知らなかった技術や知識を得ることで、それだけ決断をする根拠や裏づけが増えるということであり、また当然のことながら、予想をする際の精度や深み、そして楽しみが変わってきます。たとえ基本的なことであっても、意外と知らないで予想をしていることは多いものです。

「プロフェッショナル馬券術ライブ」参加者の感想はこちらから

「プロフェッショナル馬券術ライブ」CDの内容は以下の通りです。
Disc1 ラップからレースレベルを判断する(55分)
■ラップの原則
■理想的なペース配分とは?
■武豊騎手の「1馬身下げると2馬身前へ」
■ダイワスカーレットの秋華賞
■ラスト3ハロン、中盤などを切り取ってしまうことの怖さ
■柴田政人騎手の対角線理論
■キングカメハメハVSディープインパクト(ラップ編)

Disc2 ラップからレースレベルを判断する~レースへの適性を見極める(48分)
■サイレンススズカとディープインパクトはどっちが強かった?
■今だからできる、サイレンススズカの天皇賞秋の結末予想
■サラブレッドの能力を形成する4大条件とは?
■瞬発力型、持続力型なんて本当にあるの?
■メジロマックイーンのジャパンカップ
■テイエムオペラオー、アドマイヤベガ、ナリタトップロードをグラフにしてみると…
■グラスワンダーはどんなコースを得意としたか?

Disc3 レースへの適性を見極める(37分)
■ハーツクライが逃げられるようになった理由
■差し馬が有利なコースなどない!?
■首の使い方のうまい馬、下手な馬
■かき込みの強い馬はどんなコース、馬場で力を発揮するのか?
■一本の線の上を走る馬ベガ
■遠心加速度は2倍3倍ではなく2乗3乗
■出走表でまずどこを見るか?
■ローカル競馬場には勝ちパターンがある
■嶋田功騎手とデットーリ騎手

Textcd_2
Sityou

ライブCDの内容は、CD3枚(合計140分)と当日使用したレジュメ(板書付き43ページ)と「G1レース攻略&競馬場データ集」(104ページ)になります。かなりの量の内容になりますので、ゆっくりとお楽しみください。

私個人の時間的な都合で大変申し訳ないのですが、今回も100部限定とさせてください。料金は5000円のみ(税込み・送料、代引き手数料無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。ライブの参加費と同じ料金でお分けしたかったのですが、今回は冊子の作成・製本等のコストもあり、どうしても難しいのです。逆に、これだけの内容量なのに安くて心配と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めています。早めになくなってしまうことが予想されますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください

Button

そして、今回、特別に作成しました「G1レース攻略&競馬場データ集」(なんと104ページ!)は、私がおよそ15年間にわたって書き綴ってきたG1レースの研究ノートです。ひとつひとつのG1レースの重要なポイントを足したり削ったりしながら、大切な部分だけを残しています。また、JRA全10場の競馬場データもおまけとして収録しています。コースの特性や馬場の状態がひと目で分かるようになっていて、とても便利です。

G1note_2

このG1研究ノートの凄いところは、開催条件やコース変更がない限り、10年後、20年後まで使っていただけるということです(15年間の蓄積ですので当然といえば当然ですが)。使い方としては、この本をハンドブックとして片手に取っていただきながら予想をして、レースが終われば、あなたの考えや大切に思うポイントをさらに書き加えていくというところでしょうか。そうすれば、毎年進化していく最強の予想ツールになるはずです。この「G1レース攻略&競馬場データ集」だけでも料金分の価値は十分にあると私は思っています。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2お申し込み確認メールが届きます。
Step3お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。

Button

また、質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたら私宛のメールにて遠慮なくドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

| | Comments (88)

こんな男に私はなりたい

馬を尊敬しているなんて言うと、頭が変だと思われてしまうかもしれないが、それでも私はブラックホークという馬を尊敬している。見た目は牛のような体つきで、普段も牛のように大人しいのだが、いざレースになると、まるで闘牛のように闘志を漲らせて走る。とにかく男らしい馬だった。ブラックホークを見ると、なぜかいつも私は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出してしまう。

「雨ニモマケズ」

雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしは
なりたい

サラブレッドは走るために生まれてくるのだが、それでも競馬のように目一杯走るのが好きな馬はいない。自分の走りたいように走りたいのだ。人間に走らされるのは大嫌いで、なんとかしてサボろうとするのが普通である。

Blackhawk_2

しかし、ブラックホークは違った。彼は調教でもレースでも、ロケットスタートを決め、常に前へ前へと進み、走ることを決して嫌がらない馬であった。たとえ苦しくとも、脚が痛くとも、展開が向かなくとも、いつも明るく前向きに、口笛を吹きながら、8歳まで走り続けた。そして最後のレースで、念願のマイルのG1を手に入れた。こんな男に私はなりたい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (84)

<ゼロからやり直す>ということ

Wtelizabeth07

私の本命であるテイエムオーシャンが敗れ去ったエリザベス女王杯の日の夜、TBS系の『情熱大陸』という番組で音楽家の久石譲のことをやっていた。久石氏は宮崎駿アニメ『となりのトトロ』『風の谷のナウシカ』などの音楽を作曲したこと、他にはビートたけし監督の映画『HANABI』などの音楽でも有名である。日本映画の音楽賞をほぼ総なめにしていて、この人なしでは映画音楽は語れないという人物である。 この久石氏の音づくりに密着するという形で番組は進んでいくのだが、途中のインタビューでこんなやりとりがあった。

久石 「音を作っていって突き詰めていくと、ある地点で“これは違うな”と感じてしまうことがある。そうすると、どうするか?新しく作り直すには、またゼロからやり直さなくてはいけない。」

インタビュアー 「どうするんですか?」

久石 「俺はやり直すよ」

つまり、延々とシジフォス的に時間をかけて作った音が“違う”と感じてしまう瞬間があり、そんなとき彼はどういう態度をとるかということである。

久石氏がとる<ゼロからやり直す>という態度は、一般にもてはやされている「一からやり直すつもりで」といった心理的態度とは一線を画している。「一からやり直すつもり」とは、つまり、「初心にかえって」とか「気持ちを新たに」という気分転換へのレトリックとして用いられるし、その証拠に語尾には「つもりで」が付くことが多い。

<ゼロからやり直す>という言葉は、ある方向に向かって進んでいた作業を全てなかったものとして、もう一度原点という空白な地点からやり直す、という意味の迫力を持っている。それまで積み上げて来たものすべて、それは時間であったり、人間関係であったり、自分自身であるかもしれないが、それらを完全に否定することによって<ゼロからやり直す>ことは成立する。

『盤上の海、詩の宇宙』(河出書房新書)の中で、将棋の羽生善治はこう語っている。 「考えた指し手に愛着はあるけれども、それをやっぱり考えていく中で捨てていかなくてはいけないことがある。――たとえば、そういう愛着を捨てなきゃいけないときには、向こう側から見ないと捨てられないのかもしれない。」

向こう側とは、将棋盤をはさんでの対面、つまり相手の側から見るということである。相手の側(客観)から見ることによって、それまで考え抜いてきた愛着のある指し手ときっぱりと訣別することができるというのである。苦しみ抜いて自分で考えた手を否定するときに、他者の目、ここでは敵の目を通して判断していることは興味深い。他者という存在を意識することによって、それまでの自己を完全に否定するといった手法からは、ある種マゾヒズム的な残酷さを感じざるをえない。

<ゼロからやり直す>という作業の苛酷さは、<やり直す>ことよりも<ゼロに戻る>という点にあるだろう。果たして<ゼロに戻る>ということは可能なのだろうか。それまである地点を目指し延々と試行錯誤してきたものを、完全にきっぱりと捨て去って、まるで何ごともなかったかのように再び考え始めることができるのだろうか。切っても切り離せない思考の断片のようなものに引きずられている限り、それは<ゼロに戻る>ことにはならない。

「あなたがこれまで生きて来て、今、そしてこれからも生きて行こうとする人生を、何から何まで同じ順序や形で、もう一度、もしくは何度も反復してやり直す」というニーチェの永遠回帰の思想がある。一度見終わった人生というビデオテープを巻き戻し、もう一度、もしくは何度も繰り返して見る。必ず同じ人々が登場し、同じ時間に出会い、同じ場所でキスをして、同じ場面でつまずき、同じジョークに笑い転げる。そこには、あの喜びも、あの悲しみも、あの苦痛も、あの快楽も、すべて同じ程度、色合い、手触り、匂いをもってやってくる。

もちろん過去の人生の記憶は微塵も残っていない。全てがゼロに戻り、<ゼロからやり直す>のである。全く同じことが反復される以上、そこには過去もなければ未来もなく、向上もなければ後退もない。ただひたすらに、与えられた人生を繰り返し生きる。

何度やり直しても、私は2001年のエリザベス女王杯でテイエムオーシャンの単勝を買って負けるのであろう。トボトボと家に帰り、フテ寝をして、起きて、11時からの『情熱大陸』を観る。そして、久石穣という音楽家に触発されてこの稚拙なエッセイを書こうとする。「トゥザビクトリーか・・・」という悔恨の意を胸に宿しながら。同じ失敗をして、同じ病を授かり、同じく不遇で、罪深く、凡庸な人生を、私たちは「それでもやり直したい」と思えるのであろうか。

ニーチェはこうも語った。「そなたたちはかつて何らかの快楽に対して然りと言ったことがあるか?おお、わたしの友人よ、そう言ったとすれば、そなたたちは一切の苦痛に対しても然りと言ったことになる。一切の諸事物は、鎖で、糸で、愛で、つなぎ合わされているのだ。」

ダービーでまぐれ当たりした万馬券の喜び、あの人に出会えた奇跡、あの日の夕焼け、それらすべて、私は否定することができない。いや、一切を肯定したいと思う。そのためには、今日の外れ馬券、あの苦痛、あの虚しさ、自分の愚かさ、卑小さをも肯定しなければならない。プラスもマイナスもすべてはつながっているのだから。すべてをひっくるめて徹底的に肯定することによってのみ、<ゼロからやり直すこと>はできるのかもしれない。

「どうするんですか?」


「俺はやり直すよ」

そう言い切った久石穣を素直にすごいと思った。

以上は今からちょうど6年前に書いたエッセイである。あれから長い年月が経った今でも、<ゼロからやり直す>ことは難しいなと感じる。それは予想の過程においても同じで、ダイワスカーレットが負けるという前提から入ってしまった以上、どれだけアサヒライジングの本命に違和感があろうとも、ゼロから考え直して(予想し直して)ダイワスカーレットを買うことは難しい。

しかし、それでも正解を求めるとすれば、自分の予想を否定するのではなく、徹底的に肯定していくこと以外に方法はないのかもしれない。自分の予想を徹底的に肯定し、論理的に詰めていき、それでもどうしても正解に辿り着けなくて、そうして初めてダイワスカーレットの可能性を拾えるのだろう。全ては一周してつながっているのだから。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (165)

強運、強運、また強運

Asahifs07 by M-style
朝日杯フューチュリティS2007観戦記
ゴスホークケンがポンと1頭だけ飛び出し、そのままハナを奪う形であっさりと隊列は決した。前半800mが46秒3、後半800mが47秒2だから、決してスローではないが、それでも毎年ハイペースで流れる朝日杯フューチュリティSにしては遅いと言ってよいだろう。それは道中の馬群の密集度合いにも表れていて、スピードに溢れる馬が多いこのメンバーにとっては明らかにスローであった。さらに5回中山の最初は内が止まらないという特性もあり、外を回らされた馬と後ろから行った馬にとっては極めて厳しいレースとなった。

ゴスホークケンの最大の勝因はマイペースに持ち込めたことに尽きる。1番枠からの好スタートで、道中は誰も競りかけてこないという、まるで勝ってくださいといわんばかりの楽な競馬であった。大型馬だけに、ゴチャつかない展開になったのも良かった。それでも、直線に向いてから2番手以降を突き放したように、単調なスピードだけではなく、パワーとスタミナをも感じさせる外国産馬である。前走の東京スポーツ杯は中間の乗り込みが少なかったが、今回はポリトラックコースでしっかり追えたように、仕上がりも全く違っていた。今回は逃げる形になったが、今後色々なパターンの競馬が出来るようになれば、かなりの活躍が期待できるだろう。また、テン乗りの勝浦騎手の好スタートから躊躇なく先手を奪った一瞬の判断が光った。

2着に食い込んだレッツゴーキリシマは、好枠とスローの展開を幸騎手が見事に生かした。道中も全くスタミナのロスのない形で進み、直線に追い出されてからも良く伸びている。これ以上の距離延長はマイナスだろうが、マイルまでなら持ち前の渋太さを発揮できるだろう。マルゼンスキーの母シルから流れる血が、ここで実を結んだというのも血統の奥深さを感じざるを得ない。

キャプテントゥーレにとっては願ってもない流れになったにもかかわらず、直線はあっさり突き放されてしまった。パドックで入れ込んでいたように、初めての長距離輸送が若干影響したのかもしれない。それにしても、川田騎手の直線での追い出しは無駄がありすぎる。追えるという印象をアピールしたいのは分かるが、あそこは内から伸びてきたレッツゴーキリシマに併せていく冷静な判断をしていれば2着は確保できたのではないだろうか。

最終的に1番人気に推されたスズジュピターは何とも中途半端な競馬で終わった。切れる脚のない同馬にとっては位置取りが少し後ろ過ぎたため、直線でバテてはいないが前との差を詰めることも出来なかった。テン乗りということもあったのだろうが、自ら動ける馬でもあるので、最後まで何もしないで終わったのはペースが読めていないと言われても仕方ないだろう。

外枠から最も苦しい競馬を強いられたのがアポロドルチェ。これだけ詰まった馬群の外を回れば、どれだけ強い馬でもバテてしまう。ガッチリとした短距離馬だけに、余計に距離ロスが最後に響いてしまった。後ろから一気に伸びる馬ではない以上、強引な競馬をしなければならなかったのだが、それにしても強引すぎる競馬であった。力負けではないので、次回以降の巻き返しに期待したい。

サブジェクトは大外の不利を克服すべく、内に切れ込む作戦を取ったが、この展開ではなす術がなかった。直線で外に出してからも前が壁になり、ほとんど追えず何も出来なかった。パドックでは堂々と歩いて状態も良かっただけに残念な結果である。欲を言えば、直線は内を突くべきであった。実際に外が詰まり、内が開いていたのだから。ヤマニンキングリーもこのペースでは手も足も出なかった。完成するのはまだ先という感じを受けるが、血統的背景のある馬だけに将来に期待したい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (99)

集中連載:「Good 馬場!」最終回

■ダートの馬場状態
次はダートコースにおける馬場について話を移したい。芝の馬場状態を把握する時と同じように、(1)どれくらいの重さ(軽さ)か?(2)馬場の内外で差はないか?(3)レースで極端な傾向はないか?の3項目に絞って考えてみたい。

まず、(1)どれぐらいの重さ(軽さ)かについては、①砂の深さ(厚さ)②砂の質③馬場が含んでいる水分の量によって大きく変わってくる。

とは言っても、現在では、ダートコースの①砂の深さは8cmに統一されており(滞在馬が多い札幌、函館、小倉競馬場は調教用に砂厚を8.5cmにしているが)、また全ての競馬場において青森県の六ヶ所村から採った山砂が使われているため、どの競馬場のダートコースも、①砂の深さ、②砂の質という点においてはほとんど差がない

そのため、ダートの重さは、③馬場が含んでいる水分の量によって大きく変化する。水分を含んでいればいるほど砂が引き締まり、脚抜きがよくなることによって、馬にとっては走りやすい、軽い馬場状態になる。つまり、芝とは正反対に、ダートでは「良」→「稍重」→「重」の順に馬場が軽くなっていくと考えてよい。ただし、「不良」のダートについては、脚抜きは良いが水が表面に浮いているため、かえって走りにくい馬場となる。

また、馬場が含んでいる水分の量は主に降雨の影響が大きいが、それ以外にも「季節」や「砂を洗った時期」にも影響されることがある。

「季節」については、たとえ同じ良馬場だとしても、適度に水分を含んだ春や秋は走りやすい馬場となるが、砂中の水分が蒸発しやすい夏場と、乾燥しやすい冬場の馬場は比較的重くなる。

「砂を洗った時期」については、砂を洗った直後はサラサラになるため、一時的に引っ掛かりが悪く、走りにくい馬場になる。開催が進むにつれ、どうしても砂は汚れてきて、脚のかかりが良くなって走りやすくなる面はあるが、クッション性が失われてしまう。そのため、どの競馬場も年に1~2度は開催終了後に砂を洗う。たとえば東京競馬場の場合、ダービーの開催が終わって、夏から初秋までの間に行われる。そのため、秋競馬の最初は時計の掛かるダートになることが多い。砂を洗う時期は競馬場によって異なってくるので、JRAのホームページの「馬場情報」でチェックしておくべきであろう。

(2)の内外で差はないかについては、レースが進むにつれて砂は内側に流れるということは知っておくべきである。排水の関係で内側が低くなっているからである。日曜日の最終レースに近づくにつれ内側が重くなっていくのだが、競馬のない平日に内側にたまった砂をコース中央部に戻す作業が行われるため、実際にはトラックバイアスというほどの有利不利はほとんど生じない。ダートという馬場の特性上、やはり芝の馬場に比べると内外のトラックバイアスは少ないと考えてよいだろう。

さらに細かいことを言うと、土曜日に雨が降った翌日の日曜日や、午前中に雨が降った日曜日の午後などは、内側に砂が流れて重くなるということ、札幌、函館、小倉競馬場に関してだけは、調教用に使われる内側2頭分くらいの幅の砂が深くなっているので、内に入った馬が不利になることは知っておいてもよいかもしれない。

(3)のレースで極端な傾向はないか?については、ダートの馬場は雨が降って走りやすくなると、非力な牝馬が活躍する傾向がある。この傾向は特に地方競馬で顕著である。中央競馬であれば芝のレースを使えば良いだけの話だが、ダートしかない地方競馬では、たとえ非力な牝馬でもダートを走らざるをえない。そうした中、普段はパワー不足で負けていた牝馬が、適度に雨が降ってパワーをさほど必要としない馬場になるため、スピードと切れ味で牡馬を相手にあっと驚く好走をすることがあるのだ。

もしそれ以外に極端な傾向があるとすれば、それは馬場状態ではなく、コース設定(形態)によるものである。たとえば、中山のダート1800mは時計が掛かり、前に行った(行ける)馬が極端に有利とされるが、これは中山競馬場のダートコースが全競馬場の中で最も起伏に富む(最大高低差4.4m)ことに起因する部分が大きい。1周回って来た時には、どの馬もすっかりスタミナを消耗してしまっていて、前もバテているが後ろも同じくらいバテているという、行った行ったの典型になりやすいからである。

Goodbaba04 by fake Place

■「場」を知ること
最後に、最近アメリカで話題になっているポリトラックの馬場の話をして締めくくりたい。ポリトラックの馬場とは、ゴムや電線の被覆絶縁体等の廃材、ワックスされた砂、弾力性のある繊維などを活用したものであり、水はけがよく全天候型であるだけではなく、砂ぼこりを抑制するため人馬の健康面にも良く、さらに競走馬の脚元への負担が極端に少ないとされている。現在、カリフォルニア州のすべての競馬場は、従来のダートの馬場ではなく、ポリトラックのような合成素材の馬場を設置することが義務付けられている(日本でも平成19年11月16日より美浦の南Cコースにニューポリトラックのコースが完成した)。

しかし、これだけ安全であることが証明されているにもかかわらず、ポリトラックの導入に反対する馬主や調教師がいるという。なぜなら、ポリトラックの馬場はスタミナを消耗しやすいので、スタートからガンガン飛ばして行くようなアメリカ的な流れにはならず、自分たちが現在所有している、これまでスピードにモノを言わせて勝ってきた馬にとっては活躍の場を失うことにもなりかねないからである。馬場が変わることは、その国で生産される馬の質を変え、育成手段をも変え、最後には調教を施す人間や、レースで騎乗する騎手をも変えてしまうだけの影響があるのである。

競馬を語る上で「馬場」は避けて通れないものである。数多くの馬たちが、馬場に笑い、そして馬場に泣いてきた。 数々のドラマは、時にはJRAによって演出されることもあるし、時には神の意志に拠るところもあるだろう。あの雨さえなかったら、もしかしたら歴史は変わっていたのかも知れない。ターフの上を疾走するサラブレッドたちは、陸上競技のアスリートたちと同じく、「場」というものに計り知れないほどの影響を受けているのである。そして、競馬の予想をする私たちにとっても、「場」を知ることが大きな助けとなることは間違いない。

(最後まで読んでいただいてありがとうございました)

参考文献
「コースの鬼!2nd Edition」 城崎哲 白夜書房
「コースの達人」 坂井千明 メディアアート出版

☆集中連載:「Good 馬場!」を最初から読みたい方はこちらから

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (34)

◎サブジェクト

Jiromaru

丁寧な血統解説ありがとうございます。ここまで奥深く血統について語れる人は希少だと思います。マルゼンスキー記念というのは、昨年、ルドルフおやじさんに命名していただいたのですが、やはりそれほどマルゼンスキーという馬は人々の記憶に残る凄い馬だったのでしょうね。残念ながら、私は現役のマルゼンスキーを知りませんし、当時の競馬ファンの興奮も知りません。それでも、当時、持込馬であったためダービーに出走することができなかったマルゼンスキーの主戦の中野渡清一騎手が言った、あの有名なセリフは強烈に印象に残っています。

「賞金なんか貰わなくていい。
28頭立ての大外枠でもいい。
邪魔なんかしない。
頼むから出してくれ。
そうすれば、どれが日本一かわかる」

この言葉だけでも、マルゼンスキーがどれほど強い馬だったか想像がつきます。結局、後続につけた合計の着差が61馬身という圧倒的な強さを見せ付けて、8戦8勝の戦績で引退していきました。引退式の日に、スタンドから上がった垂れ幕には、こんな文字が躍ったそうですね。

「さようなら、マルゼンスキー。
語り継ごう、おまえの強さを」

その通り、マルゼンスキーの強さは多くの人々によって語り継がれてきたわけですし、またマルゼンスキー自身も種牡馬として己の強さを証明してきましたよね。本当に素晴らしい馬だと思います。

もう1頭、後世に語り継いでいきたいマルゼンスキー記念の勝ち馬がいます。フジキセキです。私が実際に見てきた中で、最も強烈な強さを誇ったマルゼンスキーの後継者です。フジキセキが勝った平成6年のマルゼンスキー記念は曇天の下行われたのですが、内ラチにぶつかりながらも抑えきれない手応えで直線に向いたフジキセキが、ラチ沿いをスルスルと伸びた時の興奮は今でも忘れられません。外からスキーキャプテンが伸びてきて、あわや交わされるかというところがゴールでした。着差以上に余裕があったのですが、レース後の角田騎手の「ムチを入れていませんから」というコメントが印象的でした。実際には肩ムチを一発だけ入れているのですが、そう言わせたのはフジキセキが圧倒的に強いという角田騎手の意地なのでしょうね。

フジキセキは坂路コースの申し子でもありました。栗東トレセンに坂路コースが出来たのは、今からおよそ20年前のことです。今でこそ関西馬が強くなったのは坂路コースのおかげなどともてはやされていますが、完成当初の調教師たちの反応は冷ややかなもので、実際に坂路コースを使って追い切られる馬などほとんどいませんでした。そんな中でも、坂路コースに活路を見出し、坂路コースに己の調教師生命を賭けた2人の調教師がいました。戸山調教師と渡辺調教師です。

戸山調教師は、ミホノブルボンやレガシーワールドを育てた、スパルタ式の調教で有名です。今ではちょっと考えられないかもしれませんが、通常では1日3本で限界の坂路コースを、ミホノブルボンなどは1日5本も追われて鍛え上げられていました。後ろからミホノブルボンのお尻を見ると、他馬の2倍くらいの大きさがあったそうです。戸山調教師のスパルタ調教には賛否両論が飛び交いましたが、ミホノブルボンやレガシーワールドの活躍が救ってくれましたよね。戸山調教師の試行錯誤が現在の坂路コースのノウハウにつながっています。

もう一人がフジキセキを育て上げた渡辺栄調教師です。戸山式のスパルタ調教を受け継ぎながらも、入厩当初のヒ弱なフジキセキを鍛え上げていきました。幸いなことに、フジキセキは食欲の旺盛な馬だったため、どれだけ苛酷な調教を課してもカイバの量が落ちたことは全くなかったといいます。だからこそ、坂路で猛特訓を受けながらも、デビュー戦では472kgだった馬体重がマルゼンスキー記念では492kgにまで増えていました。

フジキセキは全くの無駄のない素晴らしいフォームで走る馬でした。坂路を駆け上がってくるところを真正面から見るとよく分かるのですが、脚を外に振り回しながら上がってくる馬もいます。これは無駄のある走り方で、フジキセキはどれだけ速いタイムで上がってくる時にも、脚を真っ直ぐに伸ばして駆け上がってきていましたね。坂路コースがなければ、フジキセキもあれだけの強さを発揮することもなかったかもしれません。

残念ながら、フジキセキは弥生賞を圧勝した後に屈腱炎を発症してしまい、幻の3冠馬になってしまいました。弥生賞も凄いレースだったのですよ。外からホッカイルソーがもの凄い脚で強襲してきたのを一旦受けて、そこからエンジンをふかして3馬身ほどチギってしまったのですから。フジキセキはその漆黒の馬体やレースぶりや気性からも、サンデーサイレンスに最も似ている馬と言われますが、私もそう思います。鋭敏な馬が多いサンデーサイレンス産駒の中でも、最も鋭気を感じさせる馬でした。

さて、今年のマルゼンスキー記念は、そのフジキセキ産駒の◎サブジェクトに本命を打ちます。父ほどに鋭気を感じさせる馬ではありませんが、新馬戦の末脚はなかなかのものでした。直線が短く先行馬に圧倒的に有利な札幌競馬場の1800mコースで、直線だけで差し切ってしまったのですから、その能力と完成度はかなり高いと言っても良いのではないでしょうか。ルドルフおやじさんのおっしゃる通り、札幌2歳Sでは自ら動いて勝ちに行った強い競馬でした。展開の綾で負けてしまいましたが、底力を証明しましたね。前走は初の当日輸送で馬が気負っていたこと、やや重馬場で他馬よりも1kg重い56kgを背負って、しかも出遅れてしまったことに敗因を求めます。巻き返しは十分可能とみます。

母系はトゥールビヨンを生んだ牝系なんですね。知らなかったです。典型的なアメリカ血統ですので、この馬の完成度やスピードはこちらから受け継いでいる部分もあるのでしょう。そういった意味では、前回の手紙にも書きましたが、マイルへの距離短縮は好材料だと思います。マルゼンスキー記念は厳しいレースになりますので、マイル以上のスタミナが要求されます。だからこそ、意外と中距離を使ってきた馬に分があるレースになります。距離が短縮されて、サブジェクトの中距離での実績とスピードが生きてくるはずです。

心配はやはり大外枠ですよね。中山の1600mコースの外枠は、JRAの全競馬場のコースの中で最も不利と言われていますので、決してプラス材料に働くことはありません。しかし、決まってしまったことをあれこれ言っても仕方ありませんので、私がサブジェクトに乗るつもりで作戦を考えてみました。

幸いなことに、この馬は末脚で勝負できる馬ですので、スタートしてから無理に好位を取りに行く必要はありません。ですから、他馬よりも少し遅めにフワッとゲートから出して、最初のコーナーである2コーナーへ向けて、内に切れ込みながら経済コースを取ります。最初のコーナーを回る時には馬場の内を進んでいますので、コーナリングのロスは少なくてすみます。

この時点で、前から数えてどれぐらいの位置にいるかが重要ですね。最後方にいるようであれば、向う正面の中間から3コーナーにかけて、ある程度位置取りを上げておく必要があります。内ラチピッタリを進めればいいのですが、そうはいかない場合は、馬の間を縫わなければならないかもしれません。

3コーナーから4コーナーまではジッと我慢ですね。坂を下るような形になりますので、外から動き出す馬も多くいるはずですが、もうひたすら我慢の子です。内ピッタリを回っていますので、動かなくてもそれほど他馬から離されることはないでしょう。勝負所の4コーナーを向くまでは、ピクリとも動いてはいけません。最後の直線310mに全てを賭けるのです。

そして、ここからが最大のポイントです。最後の直線は内を突くのです。外枠発走のロスを取り戻すには、最後の直線は内を突くしかないでしょう。一か八か内を突けば、先に抜け出した馬たちとの差は一気に詰まるはずです。あとは最後の高低差2mの急坂で、前の馬たちの脚色が鈍るかどうかです。これは道中のペース次第ですが、マルゼンスキー記念はハイペースになりがちなレースですので、最後の最後で先行馬の脚が上がって逆転できる可能性はあります。

もちろんシナリオどおりに進まないのが競馬のレースですが、安藤勝己騎手もこのようなイメージを描いて臨んでくるのではないかと思います。あとは、その場その場での安藤勝己騎手の判断に任せましょう。それが出来るのが、不可能を可能にしてきた安藤勝己騎手だと思っています。マルゼンスキーの28頭立ての大外枠に比べれば、16頭など大したことないとも思えますしね。

アポロドルチェはやはり1番人気に推されていますね。前走の勝ちっぷりを見ても当然だと思います。この馬の強さに関しては、前の手紙で書きましたので詳しくは書きません。マルゼンスキー記念に出走できる確率が4%で、勝てる確率は0%という異系(マンノウォー系)なのですね。勝てばミホランザン以来35年ぶりか。クシュン、ここに赤ん坊からおやじになった人がいますよ。そんな話を聞くとつい応援したくなっちゃいますね。

後藤騎手の騎乗スタイルから考えて、外枠を引いたということもあるので、かなり強引に攻めてくるはずです。前走で立ち遅れていたのは心配材料ですが、今回は前半から中団よりも前につけて、4コーナーでは先頭に立つぐらいの勢いで回ってくるはずです。そうするためには外々を回らなければならず、スタミナがもつかどうかの1点に勝敗はかかってくると思います。この馬の体型は短距離馬のそれですが、走りに柔軟さとスケールの大きさがありますので、パタッと止まる馬ではありません。ただ、ハイペースの中を最後まで押し切れるかどうか微妙なところです。この馬が最後までレースの主導権を握りそうなのは間違いありませんが。

スズジュピターが2歳Sを使わないのはマイラー色が出ているからなのですね。馬っぷりも抜群に良いですし、長いところを使っていけば距離も持ちそうなだけに残念です。この時期の若駒は、どの距離のレースを使うかで将来が変わってきてしまうので、もし本気でダービーを目指すのであれば2歳Sに使って欲しかったなあ。ということは、逆に考えると、ここは勝負が掛かっているということでもありますよね。後藤騎手はアポロドルチェを選びましたが、ことマイル以上のスタミナという部分ではこちらに分があると私は思っています。あとは器用に立ち回れるかどうかです。アポロドルチェに比べると少し鈍重なイメージがありますので、柴田騎手がどのように捌いてくるでしょうか。枠順は文句なしです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (12)

名門ビューチフルドリーマーのフォーチュンは託された

Rudolf

武文のお話はおやじも聞いたことがありました。泣かせる話ですね。
ありがとう、でしたね。そのとおりです。そう、そう、一生を賭けたのですから、ありがとうですね。名馬にめぐりあったのですから、ありがとうですね。名人にあったから、ありがとうですね。

さて、キャプテントゥーレなどおやじが切ろうとしていた馬が何頭かいたのですが、お手紙を読ませてもらうとどうも侮ってはいけないようですね。おやじも思い込みが激しいのでもう1度きちんと考えて結論を出そうと思います。

アポロドルチェ。やはりこれが1番人気か。お手紙には余裕綽々、圧巻なんて言葉があって頼もしい。おやじはステップレースのなかでは京王杯のレベルが高いのかなと思っています。心情的にはマンノウォー系のこの馬は是非買ってみたいなあ。ここ20年ほどで日本の父系地図もすっかり塗り替えられてしまって、もはやエクリプス系、その中でもファラリス系以外の馬の出る幕はないようですね。ヘロド系のトウカイテイオーが頑張っているなんていうのは奇跡に近い話です。前の手紙で書かせてもらったように、朝日杯に異系が出走できる確率は4%。何年かに1頭出走するか、しないか。そしてこの10年のデータ上では勝つ確率は0%。

名馬中の名馬というのは己が負けた馬の名前まで歴史に残すことができるのですね。21戦して1敗、マンノウォー唯一の敗戦は6ハロン戦で大きく出遅れてしまったという偶然によってもたらされた出来事でした。負けた相手につけられていた名はアップセッター(どんでんがえし)。ついでにネイティブダンサーに黒星をつけたのはダークスター。なんともおもしろい。

もしマンノウォーが勝つとすれば35年ぶりか。ミホランザン以来となります。忘れられた馬ですが35秒台の時計で朝日杯を勝った快速馬です。キタノカチドキやイットーと同世代で当時はマンノウォー系を異系なんていってませんでしたよ。主流とはいわないが大種牡馬の「月友」、イットーの父ヴェンチア、オグリの母父で有名なシルバーシャークなど、日本の競馬とマンノウオーは相性がいい。ダービーではトウショウボーイもマンノウォーに敗れていますね。

最近ではサニングデールがマンノウォーの目ぼしい活躍馬ですか。彼は青森で種馬生活を送るそうです。マンノウォー系の現在の地位を物語っていますね。ミホランザン以来の35年といのは馬にとってはとてつもなく長い時間です。人間だって赤ん坊がおやじになる。今、くしゃみしませんでしたか。現役では美形で有名なブラックバースピンもこの系統です。気になるのはこの系統が淡白なスピードを押し出していることですね。Aドルチェ、先週のオディールのように強い馬なのでこの馬も掲示板は確保できると思います。しかし不世出の名馬マンノウォーの血にとって大切なのは、ドルチェが35年の時を経て勝利できるか否か、です。異系に追いやられたマンノウォー、今度は彼がアップセッターになる番です。ここが第2回マルゼンスキー記念の見所だと思います。

ターントゥはエントリーした馬の半数を送り込んできました。有力馬もたくさんいますね。なかなか掘り尽くすことのできない鉱脈です。

キョプテントゥーレ。父のタキオンには早く一流の牡馬を出してほしいものです。活躍馬が牝馬に偏るというのは種牡馬にとって危険な兆候ですから。おやじはタキオンを競走馬としても種牡馬としても高くかっています。タキオン産駒AアークはマイルCSでなんとも惜しいことをしました。Aアークの力は相当なもので種牡馬としても期待していいのですが、このまま引退となるとその道も厳しくなりますね。治郎丸さんはトゥーレを高く評価しているのかな。感性が大切という治郎丸さんは一見凡庸にうつる前走に何か感じとっているのですね。この馬は父と母それぞれの母方にロイヤルスキーをもっている点がユニークなところであり、長所だと思います。競走馬としても種牡馬としても一流と呼べないロイヤルスキーのような良血馬は母系に入ってその血の良さをきちんと伝えてくれます。次の手紙が楽しみです。感性ですよねえ。まず感性があって次に血統だ。そしていろいろあって、最後におやじがもうけるのが望ましい。

スズジュピター。これは治郎丸さんのおっしゃるように父ギムレットの影響の強い馬かも知れません。何度か書いたようにギムレットは大種牡馬になる可能性のある馬です。仕上がりが早くマイルから選手権距離まで力をきちんとだせる。2歳Sを使わないのはギムレットのマイラー色がこの馬に濃く出ているためなのかも知れません。

スマートギャング。父のグラスワンダーからはなぜG1馬が出ないのですかねえ。あれ、忘れた、出ているのかもしれない。良血で素晴らしい能力の持ち主なのに不思議です。ちょっと良血を集めすぎてよくばったかな。スマートギャングの母系は芳しくないのでグラスワンダーと足して2で割ってちょうどいいさじ加減になっているかもしれませんよ。くんくん、穴の臭い。

サブジェクト。フジキセキは父サンデーの死を待っていたかのように強い馬を送り出しています。やはり恐ろしい種牡馬です。サブジェクトが洋芝の札幌2歳Sで力を出せたというのは底力のある証です。このレースは武騎手と安藤騎手の駆け引きの見えたとても良いレースだったと思います。馬の力を信じたのは安藤騎手の方だったかな。強いレースをさせています。母系はとてもいいですよ。近いところではジョリーズヘイローなんかがいます。ルドルフの祖、トゥールビヨンを生んだ牝系だと知ったら驚きですよね。安藤騎手を乗せても人気は出ないかな。くんくんくん。

ミリオンウェーブもフジキセキ産駒です。ユートピアの出る一族で意外と活気のある牝系ですがサブジェクトの牝系の魅力には勝てません。

ギンケイ。父も母もおやじには馴染みの薄い馬ですが、前走は意外と強い競馬をしているのではないでしょうか。ミリオンウェーブを穴で買うならこっち、こっち。

勢いはネイティブダンサーです。前の手紙のエントリー馬の割合より出走馬の割合がぐっと多い。レベルの高い馬を出していることがうかがえます。

ドリームシグナル。例のファンシミン系で底力ならどの馬にも負けません。前走を見ていると無類の道悪後者なのかもしれません。雨ならばこの馬です。強い部類の馬ですが、まだまだ成長しそうですし今回狙っていくのは案外得策ではないかもしれません。

セレスハント。父のコロナドズクエストは先週書いたようにダービーで1着か未勝利でどんじりか、といった魅力をもった種牡馬だと思います。セレスの成績も極端です。ただ芝とダートのマイルで勝っているのは頼もしいですね。母系はなつかしいリボッコ、リベロという兄弟種牡馬が出る牝系でスタミナを蓄えていると思います。リベロについては治郎丸さんの以前の手紙でも触れられていましたね。

ドリームガードナー。新馬でスマイルジャックの2着していますね。ここでも好戦できると思います。母系は江川卓さんのところで書いたレディーゴシップと同系です。すばらしい活力の血脈ですねえ、一言、驚きです。この血脈からは今年コイウタがG1を勝ち、Aアークが2着していますね。

ヤマニンキングリー。Aデジタルの牡馬のエースに育ってほしい馬です。使われるごとによいレースをするようになっているのは父の特長なのかも知れません。ちらっと見ただけですが、大きなフットワークで走る馬だと思いませんか?中山マイルはちと苦しいか。この馬は2歳Sに出てほしかった。まあ、いいか。母系はティファニーラスが出る超のつく良血でキングリーと命名したのもうなずけます。キョプテントゥーレを良血というならこの馬はもっと騒がれなくてはいけません。前走トールポピーをおさえた末脚は見事。あとは小回りをどう乗るか、武騎手が乗ってくれるのはいいですね。

Nダンサー系はやはり少数精鋭できました。いい馬をそろえています。

フォーチュンワードがどんなレースをするか、クラシックのクの字が少し見えてきそうです。父のデヒアをはじめとしてこの牝系にかけられているのは頑健な種牡馬ばかりです。祖母のビクトリアクラウンは今年亡くなったのですか。名門ビューチフルドリーマーのフォーチュンはこの馬に託されています。京王杯は4着でしたがすばらしいレースをしています。今回は中段につけるレースをするはずです。松岡騎手というのもいいなあ。

ゴスホークケン。前走は少し馬体に余裕があったと思います。今回はきちんと仕上げてくるはずです。穴人気以上の評価をされて然るべき馬だと思います。はずかしいので理由はいえませんがこの馬は東京コース向きだと思っています。気になるでしょ、今度お会いしたときに長い長い理由を話しましょう。この馬が3着までにきたときには忘れてください。はずかしいことって多いですよね。母系はこれまたレディーゴシップの一族ときた、怖い血統です。

エーシンフォワード。上と同じストームキャット系ですが、近親には活躍馬が見当たりません。それでずーっと、ずーっとさかのぼると、なんとプラッキーリエージュにたどりついた。サーギャラハットやブルドックそしてボワルセルを生んだ20世紀の母ですね。しかしリエージュの仔の活力も母系そのものの活力も失われています。ボアルセルが最後の戦いに敗れたのは今年のエリザベスの日でしたね。痛い目にあった。

レッツゴーキリシマ。はい、手拍子、手拍子。GO、GO、GO!もっともっとGO、GO、GO!おやじは日本酒党だが、焼酎なら霧島だ、GO、GO、GO!はい、これが今年のマルゼンスキーですね。母系がマルゼンスキーを出しています。だから強いなんて理屈はないがG3級の兄のキリシマよりもいいんじゃないかな。父のMライアンの産駒は中山コースに相性がいい。Nダンサーのサイヤーラインはなぜか日本に根付きにくいのですが、この父系は別ですね。名馬にして名種牡馬、ライアン最後の代表産駒に育ってほしいものです。前走もなかなかの競馬をしていると思います。

ナスルーラからは1頭。ウイントリガー。トウショウボーイの母ソシアルバタフライから出る血統ですね。ここまでくるとですよ、なんだか分からなくなるところが血統のおぞましところですな。がっはははは。結局、馬が見えてないときは血統を見てもだめだな。

まず主流血脈から1頭ずつチョイスしましょうか。

ターントゥ系からはサブジェクト
ネイティブダンサー系からはヤマニンキングリー
Nダンサー系からはフォーチュンワード

この3頭に挑むのがアポロドルチェ
そして焼酎を呑んでいい機嫌なのがレッツゴーキリシマ

◎フォーチュンワード
○サブジェクト
▲アポロドルチェ
△ヤマニンキングリー
×エアトゥーレ
×レッツゴーキリシマ 

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (85)

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」の報告

およそ2週間経ってしまいましたが、ジャパンカップの前日に行われた「プロフェッショナル馬券術ライブ」の報告をさせていただきます。

今回のライブは馬券の戦術に焦点を絞った話をさせていただきました。前回の「21世紀の馬券戦略」ライブにもお越し頂いた方は、180℃違う内容に少し驚かれたかもしれません。

具体的には、「ラップからレースレベルを判断する」と「レースへの適性を見極める」という2つのテーマに沿ってのお話です。実はもうひとつテーマを用意していたのですが、時間の関係でたどり着きませんでした(スイマセン)。3つ目のテーマについては、ぜひまた次回の機会でお話しいたしますので楽しみにしていてください。

Liveimg01_4おかげさまで満員御礼での開催になったのですが、自己紹介において競馬のキャリアをお聞きすると皆さま本当にバラバラでした。ディープインパクトに惹かれて競馬の世界に入った方から、競馬歴○○年の大ベテランの方まで、お一人お一人がそれぞれの競馬観を持って参加して頂いたのだと思っています。

そして、それぞれの方々の競馬に対する考え方や見方と、私のお伝えしたかったことが化学反応を起こして、ライブが終わる頃には何か新しいものが生まれていたような気がします。それぞれがそれぞれの新しい発見や楽しみを持って帰って頂けたのではないかと思います。

以下は、参加者の方々から頂いた感想になります。 *○○のところは隠そうとしているわけではなく、これからCD等を聴いていただく方の楽しみを奪わないようにとの配慮からです。

レベルを測るものさしとして優れているかもしれません
レース○○○でラップを比較する視点。前後半3ハロンの合計タイムから馬の実力を測る視点で見ていましたが、レースレベルの比較というのも面白いですね。緩みのないラップよりも、○○○のラップ差の方がレベルを測るものさしとして優れているかもしれません。
S.A様

これが最善の方法ではないかなと思いました。
ラップ分析で全体を○○○に○○○考えるのは理にかなった方法であって、現在のレースラップしか公表されない状況ではこれが最善の方法ではないかなと思いました。また機会があれば参加したいです。
Mr.Honma様

別の視点から予想法を聞くことができて面白かった
ラップの基本的な考え方を学ぶことができました。走法の考え方や概念が参考になりました(○○○○○○○○○がピッチ走法だとは知りませんでした)。長距離でも走れるのですね。別の視点から予想法を聞くことができて面白かったです。
M.N様

ラップの原則を参考に予想に取り入れたい
ラップは先行馬のもので参考にしづらいと思っていました。今回のラップの原則を参考に予想に取り入れたいと思います。次回も参加したいです。今後もよろしくお願いいたします。
萩本様

新しい発見もあり、ためになりました
自分の競馬歴の中で既に知っている内容も多かったのですが(いつもブログを拝見させていただいていますので)、調教の15-15の意味や重馬場でのプラス能力、パワー、瞬発力、手軽さの微妙な違いなど、新しい発見もあり、ためになりました。
中島様

今迄はレース全体のラップは気にしていなかった
ラップからのレースレベルの判断は参考になりました。今迄はレース全体のラップは気にしていなかったので、使ってみたいと思っています。
H.T様

レースのレベルをつかむために活用していきたい
今まではラップタイムをどのように活用すればいいのか分からず新聞に出ている上がり3ハロンタイムをチラッと見る程度でした。レースのレベルをつかむために活用していきたいです。生でいろいろな話を伺えて楽しかったです。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
S.S様

自分なりに取り込んでいきたい
ラップの○○○○の考え方、見方は参考になりました。自分もラップを意識し始めた時期なので、本日の話は自分なりに取り込んでいきたいと思います。今日も参考になる話ありがとうございました。血統面でのアプローチについて何かお話しをいただければありがたいです。
黒木様

ラップの新たな読み方が分かり試してみたい
レースへの適性を見極めるの部では、予想をする事よりも、レースを楽しく見れるポイントを教えていただいたと思っています。ラップからレースレベルを判断するの部では、ラップの新たな読み方が分かり試してみたいなと思います。今回も楽しかったです。オフシーズンにでも時間を増やしたライブをしていただけたら嬉しいです。
T.M様

明日の予想がとても楽しみになりました
嶋田功、ダービーの話は知らず、明日の予想がとても楽しみになりました。他にも開幕内枠=買いのように方程式として最近考えていたことを論理的に話されていたので、とてもためになりました。とてもよかったです。またキカイがあれば参加したいです。
T・H様

おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだ
ラップを一杯見ていて、おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだのでちょっと調べてみたいと思います。あとそれに関係して、瞬発力と持続力の定義で新しい考え方が浮かんだので、また言える時がくればいいんですが…。まとまるかどうか。基本的なところが大変参考になり、改めて気付く事が多かったです。ありがとうございました。
M様

ラップに関する考え方が変わった
ラップに関する考え方が変わり、レースレベルの判断基準がわかりました。枠順の有利不利が細かくわかりやすく今まで以上に馬券購入の検討に組み込みたいと思います。とても参考になりました。これからも続けてください。
K・M様

今まで私にない知識だった
○○○のラップによるレースレベルの分析が非常に勉強になりました。今まで私にない知識だったので参考にしたいです。とても楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。
H・I様

レースレベルを判断するは少し難しかった
ラップからレースレベルを判断するは少し難しかった。メンバーにもよるので、いちがいに言えることではありませんが、注意してレースを観たいと思います。
K・K様

見る時のツボやコツが分かってきました
昔、なんとなくみていたレースも、新たなる知識を加えて見直すと非常に新鮮でした。また、ラップの見方もこれまで何となく数字を眺めているだけでしたが、見る時のツボやコツが分かってきました。ただ基準のタイムが頭に入っていないと瞬時に判断することが難しい。まだまだ奥深いと感じました。
T・S様

馬券のヒントの方がしっくりきます
具体的な馬名を挙げての説明はとても分かりやすかったです。ライブのタイトルに違和感があります。これは治郎丸さんの人物像を知っている当方だからこそなのかも知れませんが、「プロ」の「馬券術」のレクチャーを期待して来場する方がいるとすれば、予想、馬券に直接届かない(特化)しない内容は不満があるかもしれません。内容に満足しているので、タイトルは違うほうが良いと思いますが、では他にと言われると思いつかないのですが「馬券のヒント」の方がしっくり来ます。余計な事ですが。
Quina様

遠方から来た甲斐がありました!
コーナーでの遠心力の話が初めて聞く話だったので、とても参考になりました。とても楽しかったです。遠方から来た甲斐がありました!これからも頑張ってください。
K・S様

走法のところが面白かった
ラップという言葉はブログでも良く目にすることばですが、どうしたものだかさっぱり?でした。1回聞いただけではすべてわかる訳ではないですが、なんとなく初歩的、基礎的なことは理解できたような気がします。第2部は文化系の人間でもわかる内容で、今まで何となく知っていたことがよくまとめられていて理解を深めることができました。走法のところが面白かった。
K・H様

幅を広げて楽しみたい
まだ一部の馬券の買い方しか分からず、初心者なのに、3連単ねらいばかりで、当たる時はそこそこですが確率が低い状態です。もう少し幅を広げて楽しみたいと思います。
K様

3時間半があっという間
遅くまでお疲れ様でした。そして、ありがとうございました3時間半があっという間に過ぎてしまいました。ラップタイムの話しは興味深く聴かせていただき、大変為になりました。勝負に負けても、ラップ○○○○のタイムにより次のレースで勝てる可能性があることが分かった。大変参考になりました。今後もライブがあれば参加したいと思います。
T・H様

ビックリした
○○○○ラップによる考え方は初めて知った。ビックリした。勉強してみたい。あっという間に時間が過ぎてしまった。22時までというので長すぎると思っていたが、全然違った。ビデオの活用とかも良かった。来て良かった。
Y.H様

ジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました
まず、私に1番役にたったのはラップのところです。実は、去年の今頃から興味をもちだしまして、分析していました。そのころは上がり3ハロン重視で特に最後の1ハロンを重視していました。たいがい、最後の1ハロンは減速するものですがたまに加速したり、最後の2ハロンと同じだったり、減速値が少ないレースがあるのに気がつきました。今はそこから自分なりのアレンジを加えてようやく自分なりの形がみえてきました。そこに治郎丸さんのラップの解説が自分とってタイムリーでした。「○○の○○○○○○が○○○に倍になって返ってくる」この言葉は、私にとって競馬いうジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました。話はここでコスモバルクばりにによれるのですがJCのアルカセットの解説がすばらしかったです。今年のJCを見るうえでもちょっとだけプロっぽく見れました。デットーリポジションっていい言葉ですね。東京D2100には横山典ポジションもありますよね。彼は東京D2100に乗せれば世界1うまい騎手です。JCDは阪神にいっちゃいましたが・・・○○ポジションて使えますよね。例えば秋天のスペシャルウィークポジションとか。少し生意気いいますと今後、治郎丸さんが言った言葉を世間の人が使うようになればいいなと思います。ぜひそういう言葉をつくって下さい。
I様

私自身の気持ちとしては、やはりこういう技術的な話は面白いなと思いました。参考レースのビデオを使ったりして、勉強会というかまるで研究会のようでしたね。おそらく参加者の方々もそうだと思いますが、あっという間に3時間半が経ってしまったように感じました。やっぱり、競馬は面白いですね。私もまた新たな切り口でまたライブをやりたい!と心から思いました。皆さまに再びお会いできることを楽しみにしております。

■おまけ(ライブの隠し撮り動画)

| | Comments (194)

名馬の条件とは

Jiromaru_3

名馬の条件ですか?とても難しい質問ですが、私は「ほとんど負けないが、負けても大きくは負けない」ことじゃないかなと思っています。いくら名馬とはいえ、やはり色々な理由があって負けることもあります。それでも、そんな中でも意地を見せるというか、底力を見せる馬こそが真の名馬だと思います。ですから、勝つ時は強いけど、負ける時はあっさりという馬は真の名馬ではないのではないでしょうかね。また、マルゼンスキー(8戦8勝)のような無敗馬も、もし走り続けていたとしたら…と考えてしまいます。

「ほとんど負けないが、負けても大きくは負けない」の代表馬はシンザンとシンボリルドルフでしょうか。長くなってしまいますが、日本の名馬の代表ですので、ぜひその全成績を記させてください。まずはシンザンから。

競馬場レース名距離着順騎手調教師
京 都 3歳新馬 1200 1 栗田 勝 武田 文吾
阪 神 3歳オープン 1400 1 栗田 勝 武田 文吾
阪 神 3歳中距離特別 1600 1 栗田 勝 武田 文吾
京 都 4歳オープン 1600 1 栗田 勝 武田 文吾
東 京 スプリングS 1800 1 栗田 勝 武田 文吾
東 京 皐月賞 2000 1 栗田 勝 武田 文吾
東 京 4歳オープン 1800 2 栗田 勝 武田 文吾
東 京 東京優駿 2400 1 栗田 勝 武田 文吾
阪 神 4歳以上オープン 1800 2 栗田 勝 武田 文吾
京 都 京都盃 1800 2 栗田 勝 武田 文吾
京 都 菊花賞 3000 1 栗田 勝 武田 文吾
阪 神 4歳以上オープン 1600 1 武田 博 武田 文吾
阪 神 4歳以上オープン 1850 1 武田 博 武田 文吾
阪 神 宝塚記念 2000 1 栗田 勝 武田 文吾
阪 神 4歳以上オープン 1850 1 武田 博 武田 文吾
東 京 目黒記念(秋) 2500 1 栗田 勝 武田 文吾
東 京 天皇賞(秋) 3200 1 栗田 勝 武田 文吾
中 山 4歳以上オープン 2000 2 武田 博 武田 文吾
中 山 有馬記念 2600 1 松本 善登 武田 文吾

もうため息が出てしまうような成績ですよね。シンザンは19戦中4戦しか負けていません。しかも負けているのはG1レースへの叩き台であったオープン戦がほとんどです。なんとG1レースでは一度も負けていないのですね。おそらくかなり太目で使ったであろう叩き台のレースでも、全て2着とほとんど負けていません。この時代において、シンザンはそれほど抜けた存在だったのでしょう。「シンザンを超えろ」というのがホースマンたちの合言葉だったのが良く分かりますね。

次に皇帝シンボリルドルフです。

競馬場レース名距離着順騎手調教師
新潟 3歳新馬 1000 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 いちょう特別 1600 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 3歳オープン 1600 1 岡部 幸雄 野平 祐二
中山 弥生賞 2000 1 岡部 幸雄 野平 祐二
中山 皐月賞 2000 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 東京優駿 2400 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 セントライト記念 2200 1 岡部 幸雄 野平 祐二
京都 菊花賞 3000 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 ジャパンC 2400 3 岡部 幸雄 野平 祐二
中山 有馬記念 2500 1 岡部 幸雄 野平 祐二
中山 日経賞 2500 1 岡部 幸雄 野平 祐二
京都 天皇賞(春) 3200 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 天皇賞(秋) 2000 2 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 ジャパンC 2400 1 岡部 幸雄 野平 祐二
東京 有馬記念 2500 1 岡部 幸雄 野平 祐二
アメリカ サンルイレイS 2400 6 岡部 幸雄 野平 祐二

シンボリルドルフは15回走って、ルドルフおやじさんが書いてくれたジャパンカップと天皇賞秋の2回しか負けていません。これだけを見ても、シンボリルドルフは負けてはいけないという使い方をされていますね。シンザンは悪く言えば本番を勝てばいいやという使われ方だったのに対し、シンボリルドルフはたとえ叩き台のレースでさえも負けられないという陣営のプライドのようなものが感じられます。

その完璧主義が裏目に出てしまったのが、負けた4歳時(現3歳時)のジャパンカップと天皇賞秋でした。ジャパンカップは無敗で3冠を制した疲れがドッと出てしまったレースです。当日はシンボリルドルフも下痢をしていたと言いますね。天皇賞秋はブッツケで馬が気負ってしまっての2着でした。負けてもいいからどこかで叩いていれば、間違いなく勝っていたレースでしたね。付け加えるとシンボリルドルフは最後にアメリカのサンルイレイSにも出走し6着に敗れましたが、左前脚繋靭帯炎を発症したため、まともに競走をしていません。

このように、シンザンもシンボリルドルフもどれだけ体調が悪くとも、惨敗を喫しなかった馬でした。負け方に名馬の意地があったというか、勝ったレースよりも負けたレースでその強さを競馬ファンに見せ付けた馬だったのではないでしょうか。この2頭が20世紀の真の名馬であることに異論を挟む余地はないと私は思います。

21世紀の名馬はやはりディープインパクトでしょう。私は幸いなことに、この馬のレースを新馬戦から同時代で観ることができました。ルドルフおやじさんはシンボリルドルフとディープインパクトの2頭の名馬を観ているのですから、羨ましい限りです。名馬と同時代に生きた幸せは、年月を経るに従って大きくなっていきますよね。

競馬場レース名距離着順騎手調教師
阪神 3歳新馬 2000 1 武 豊 池江泰郎
京都 若駒S 2000 1 武 豊 池江泰郎
中山 弥生賞 2000 1 武 豊 池江泰郎
中山 皐月賞 2000 1 武 豊 池江泰郎
東 京 東京優駿 2400 1 武 豊 池江泰郎
阪神 神戸新聞杯 2000 1 武 豊 池江泰郎
京都 菊花賞 3000 1 武 豊 池江泰郎
中山 有馬記念 2500 2 武 豊 池江泰郎
阪 神 阪神大賞典 3000 1 武 豊 池江泰郎
京 都 天皇賞春 3200 1 武 豊 池江泰郎
阪神 宝塚記念 2200 1 武 豊 池江泰郎
フランス 凱旋門賞 2400 3 武 豊 池江泰郎
東京 ジャパンカップ 2400 1 武 豊 池江泰郎
中山 有馬記念 2500 1 武 豊 池江泰郎

ディープインパクトも、フランスの凱旋門賞を含め14戦走って2回しか負けていません。負けた菊花賞にしても、3冠達成の反動から、まともに走れる体調にありませんでした。凱旋門賞はシーズンオフに近い宝塚記念を勝ったことによる反動がありましたし、現地(フランス)での調教で仕上げが少し緩かった気がします。それでも有馬記念は2着、凱旋門賞は3着ですから、今から考えても信じられないぐらいの能力を持った名馬でした。

「ほとんど負けないが、負けても大きくは負けない」という私の名馬の条件は、ルドルフおやじさんのおっしゃる「晴雨不問は名馬の条件」ということと重なりますよね。雨が降ったから、ドロドロの馬場だからなどと言ってあっさりと負けてしまうのは、真の名馬ではないということでしょう。

そして、ひづめ、性質、体格、血統、生産地の「五調」。これらが揃っていなければ、どんな条件でもどんな状態でも「ほとんど負けないが、負けても大きくは負けない」ということを実現するのは難しいでしょう。ディープインパクトは蹄が薄く、決して強い馬ではありませんでしたので、現代の装蹄の技術に助けられたという部分もあるとは思います。また、体格という面でも決して恵まれた方ではありませんでしたが、天性のバネと性質の良さで補っていたのかもしれません。

シンボリルドルフが菊花賞で3冠制覇に臨む直前に、和田共弘オーナーと野平祐二調教師のもとを、シンザンを管理していた武田文吾調教師が訪れた話はご存知ですか?ちょうど20年前に3冠馬シンザンを送り出した武田文吾調教師は、これからシンボリルドルフで3冠を目指す二人に対してこう言ったそうです。

「ありがとう。私の生きている間にシンザンを超える馬が出ない。それが実に寂しかった。つい最近までは諦めていたのだが、君たちはシンボリルドルフという立派な馬をこしらえた。ルドルフは完全にシンザンを超えた。私はもう思い残すところはないよ。ありがとう和田君、そして野平君」

真のホースマンたちは、こういう絆で結ばれているのですね。もし和田共弘オーナーや野平祐二調教師が生きていて、ディープインパクトの走りを見ることが出来ていたら、彼らは何を思ったでしょうか。ディープインパクトはシンボリルドルフを超えたと思ったでしょうか。それともまだまだシンボリルドルフの域には達していないと感じたでしょうか。彼らもまた、吉田勝己さんや池江調教師の手を握って「ありがとう」と言ったに違いない、と私は思っています。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今週は朝日フューチュリィティS改めマルゼンスキー記念でしたね。先週のウオッカ記念は、同厩舎で同じようなローテーションで臨んできた馬が勝ちましたが、果たして今回はどうでしょうか。ちなみに、マルゼンスキーは府中3歳Sを勝って、旧朝日杯3歳Sに臨んできました。府中3歳Sとは今でいう東京スポーツ杯2歳Sのことですね。

マルゼンスキー記念をひとことで言えば、「絶対能力と完成度が問われるレース」ということです。この時期にしてはかなり速い時計での決着となりますので、現時点においてマイルを1分33秒台で走れるかどうかという資質を試されるということになります。つまり、実力の有無がはっきり出てしまうレースということになります。だからこそ、1番人気が強くて、過去10年間の成績は【3・4・4・0】となっています。1番人気が強いマイルCSと比べても高い数字で、今となっては最も1番人気の信頼度が高いG1レースと言ってもよいのではないでしょうか。

その1番人気になりそうなのはアポロドルチェですかね。この馬の前走のレース振りは圧巻でしたね。出遅れ気味のスタートでしたが、余裕綽々で上がって行き、4コーナーでは大外を回しての楽勝でした。2着馬との差はわずかでしたが、着差以上の力差があったと思います。パワーのある馬ですので、重馬場が向いていたと解釈することも出来ますが、晴雨不問という名馬の条件はクリアしていることになりますね。

3着に負けてしまったいちょうSは、折り合いを教えている過程でのものですので、それほど心配することもないかもしれません。あそこで控える競馬をしっかり教えたからこそ、行ったっきりの馬にならずに済んだということでもありますから。欲を言えば、負けるにしても2着は確保して欲しかったなと思います。名馬は負けても2着ですからね。ただ、この馬の武器はスピードとパワーで、それに加えて柔軟性も持ち合わせているようです。外国産馬にありがちな一本調子のところがなく、スッと抑えられて、ゴーサインにも瞬時に反応する素直さが強みでしょう。

スズジュピターは、タニノギムレット×サンデーサイレンスという血統の良さが、馬体にも如実に表れていますね。タニノギムレットの種牡馬としての価値は、これまでも何度か書きましたが、2歳の種牡馬チャンピオンでないにもかかわらず、初年度からクラシック馬を出したという点に集約されていると思います。外的要因などもありますので一概には決められませんが、タニノギムレットはサンデーサイレンスやトニービン級の影響力のある種牡馬になる可能性を十分に秘めていますよね。

この馬も仕上がりが早く、夏の新潟で早々に2勝した後、新潟2歳Sには目もくれずに休養に入りました。まるでシンボリルドルフのような使い方ですね。そして休み明けで東京スポーツ杯2歳Sを使って、敗れてしまいましたがキッチリと2着は確保しています。休み明けを叩いて、ここはさらに良化してくることは必然で、好勝負になることは疑いようがありません。

ただ、どうしても引っ掛かるのが、高橋調教師は「ゆくゆくはダービーを目指したい」と語っているにもかかわらず、なぜここを使ってくるのかということです。もし本気でダービーを目指すならば、ここ(朝日杯フューチュリティS)ではなく、ラジオNIKKEI杯を使うべきなのではないでしょうか。この時期にマイルのスピードレースを経験してしまうと、来年ダービーの2400mをこなせるようなリズムで走れなくなってしまいます。かつてサクラプレジデントという素質馬がいましたが、あの馬は無理にここを使ってダメになってしまいました。特に若駒だけに、ちょっとしたローテーションの違いで大きく歯車が狂ってしまうことがあります。そんな馬をたくさん見てきただけに、スズジュピターのような馬は、もっと長い距離を使ってあげるべき馬だとも思っています。

キャプテントゥーレは、近代日本の競馬の申し子のような血統ですね。あのスキーパラダイスを祖母、スキーキャプテンを祖父に持ち、母は阪神牝馬Sを勝ちフランスのモーリスドゲスト賞で2着したエアトゥーレ、そして父が今をときめくアグネスタキオンです。前走のデイリー杯は楽勝でしたが、馬体を見ても、まだ距離が伸びても良さそうなタイプです。

デイリー杯はスローの逃げでしたのでフロック視されるでしょうし、デイリー杯の勝ち馬自体が軽視される傾向にありますが、この馬をあまり見くびらない方がいいと思います。新馬と野路菊Sはコロッと負けていますが、これはソエを気にしていてシッカリ調教できていなかったからです。ソエが治まり、ビシッと追い切れるようになった前走は全くの楽勝でした。今回も坂路でビシッと仕上げてくるはずですので、好勝負は間違いなしです。

サブジェクトは3戦共に1番人気を背負いましたが、1度しか期待に応えられていません。新馬戦は追い込みの利きにくい札幌1800mコースで、直線だけで差し切ったように、スピードに乗ってからの脚は素晴らしいものがあります。札幌2歳Sは早めに動いてオリエンタルロックに差されてしまいましたが、内容は悪くありませんでした。

ただ、前走の萩Sに関しては、スタートで出遅れたにしても、最後もこの馬らしい伸びもありませんでしたし、不可解な負け方でした。やや重馬場で他馬より1kg重い斤量を背負っていたということもあったのでしょうか。いずれにせよ、3戦の走りを見る限り、この馬には距離が長かったという印象を受けました。こういうタイプの馬はマイルで末脚を生かす乗り方をしたほうがいいですね。安藤勝己騎手も今回は一発狙ってくるでしょうし、ハマれば勝ち負けになるはずです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (89)

スズジュピター文句なしの好馬体:5つ☆

アポロドルチェ →馬体を見る
特に肩の部分の筋肉が発達していて、いかにもパワータイプといった馬体。
馬体に伸びを感じさせないため、距離はマイルまでが限界か。
Pad3star

ウイントリガー →馬体を見る
力感はあるものの、メリハリに欠け、幼さを残している。
表情からも窺えるように、少し気難しさを抱えているのではないだろうか。
Pad3star

エイシンフォワード →馬体を見る
いかにも外国産馬らしい、前後肢に筋肉のついたガッチリとした馬体。
胴部は詰まって見えるため、距離延長はプラスにはならないだろう。
Pad3star

キャプテントゥーレ →馬体を見る
思っていたよりも胴部にはゆとりがあって、ただの短距離馬ではない。
精神的にも落ち着いてきているようで、安定して力は出せそう。
Pad4star

サブジェクト →馬体を見る
力強い立ち姿は、この時期にして完成の域に達している。
全体のバランスも良く、マイルへの距離短縮はむしろ好材料か。
Pad4star

スズジュピター →馬体を見る
全体のバランスが絶妙で、とても2歳馬の立ち姿とは思えない。
パワー、スピード、スタミナ兼備の文句なしの好馬体。
Pad5star

スマートギャング →馬体を見る
前後肢の実の入りは良いが、全体的な馬体の伸びに欠ける。
短い距離でパワーを生かすレースの方が合っているはず。
Pad2star

ドリームシグナル →馬体を見る
もうひと絞りふた絞り出来そうな、未完成な印象を受ける馬体。
Pad2star

フォーチュンワード →馬体を見る
窮屈なところが全くなく、全体のバランスはとても良い。
若干力強さに欠けるが、牝馬だけに仕方ないか。
Pad3star

ヤマニンキングリー →馬体を見る
本格化はまだ先の気がするが、立ち姿にも力感があってよい。
柔らかい筋肉に覆われた好馬体で、距離にも柔軟性がありそう。
Pad4star

レッツゴーキリシマ →馬体を見る
やや腰高で、スピードの勝った馬体。
距離の延長は必ずしもプラス材料にはならないだろう。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (93)

大逆転

Hansinjf07_2好発の武豊レジネッタが先制攻撃を仕掛ける形で、マイネブリッツがハナに立ち、途中からエイシンパンサーが先頭に踊り出たレースは、前半46秒2、後半47秒6という前傾ペース。新阪神マイルコースは3コーナーから4コーナーがゆったりと流れることが多いが、今回はジョッキーたちがそのことを多分に意識しすぎた結果、まさかのハイペースとなった。外枠を引いたジョッキーたちが、スローに流れることを嫌い、前々へと位置しようと積極的に動いたことの影響も大きい。そのため、早熟のスピード馬たちが直線の坂で力尽き、後発の中距離馬が逆転した。

勝ったトールポピーは、中団後ろからレースの流れに乗り、最後はきっちりと全馬を差し切った。追い切りでも首を上げたりする仕草を見せていたように、乗り難しいところのある馬だが、道中が息をつくところのない流れになったおかげで、かえって悪い部分を出すことがなかった。他馬に比べ、スタミナでは優位に立つだけに、今回のような底力を試される厳しい流れはまさにピッタリであった。

池添騎手は差し馬に乗せるとさすがに巧い。道中で慌てることなくトールポピーを流れに乗せ、他馬が動き始めた4角でも仕掛けのタイミングを遅らせて、直線に向いてから落ち着いて追い出していた。スイープトウショウから教えてもらった、差し馬に乗って我慢することの大切さを見事に実践していた。

2着に突っ込んできたレーヴダムールは展開の利を得たことは否めないが、それでもキャリア1戦であったことを考慮すると好走中の好走である。スタートで立ち遅れたが、かえってハイペースに巻き込まれることがなかった。新馬戦もレベルの高いレースであったが、タイムを2秒以上縮めたように、マイラーとしての資質が非常に高い。中間も調教のピッチを上げてきていたように、前走からかなりの上積みもあったのだろう。パドックでも、とても2戦目とは思えない落ち着き、かつ柔らかい歩様でしっかりと歩いていた。

エイムアットビップは一瞬あわやと思わせるレース振りで、惜しい3着。レースの流れを見極め、行きたがる馬をなだめながらここまで持ってきた福永騎手の腕が光った。オディールを目標として、スタミナを最後まで温存したことが最後のひと伸びに繋がっていた。これぐらい落ち着いたレースが出来れば、今後も楽しめそうな馬である。

1番人気に推されたオディールは、安藤勝己騎手が正攻法の競馬をしたが、最後は力尽きて4着。予想外のハイペースとなり、マイル以上のスタミナを要求されるレースになったことが、この馬にとっては凶と出た。それでも最後まで踏ん張っており、この馬の能力も高い。

シャランジュは道中ピタリと折り合いが付き、最後の直線でもしっかりと伸びている。最後の直線の入り口でニシノガーランドに寄られたのは痛かったが、突き抜けるまでの力はなかった。レジネッタは、これだけの速いペースを前半から攻めての6着だけに、力があることを証明した。アロマキャンドルは3コーナーで外から内ラチにぶつけられてしまい手応えがなくなった。レースにならなかったのは確かだが、これだけのハイペースではまともに走っていても苦しかったか。ラルケットもスタートで出遅れた上に、道中もバタバタしてしまい、力を出し切れなかった。

photo by mighty

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (80)

Nダンサーの鉱脈を探ってみよう

Rudolf

いきなりで申し訳ありませんが、人のふんどしを借りて寄り道してよろしいですか?

いや、10月27日付け朝日新聞(夕刊)に載った「漢字んな話」(前田安正氏)というコラムがあまりに興味深かったので、是非治郎丸さんに紹介したくて今日までとっておいたんです。

漢字んな話に移る前に治郎丸さんに質問。おやじはよく「晴雨不問は名馬の条件」なんてほざいてますが、名馬の条件ってなんだと思います?いくつか挙げてみていただけますか・・・うむうむなるほど。

で、漢字んな話です。「がんじょう」という言葉には今は「頑丈」という漢字を当てますが、江戸時代までは「五調」と書いて「がんじょう」と読ませたそうなんです。この「ごちょう(五調)」というのが元々は昔の名馬の条件だったそうです。

ひづめ、性質、体格、血統、生産地。

この5つを「五調(ごちょう)」といって、5つそろって丈夫でたくましい名馬が誕生すると昔の日本人は考えたようです。そして、たくましい名馬を連想させるということで「五調」を「がんじょう」と読んだそうです。

いかがですか、5つの名馬の条件。もちろん昔の話ですので在来馬の名馬の条件ですが、そっくりそのままサラブレッドの名馬の条件に当てはまるような気がして驚いた次第なんです。インティライミはひづめの病に悩まされましたね。もっとも美しいダービー2着馬だけれども名馬の域には達していないのかもしれません。性質は従順な方がいいのか、かん性がきついのがいいのか、おやじはサムソンのようなかん性のきつい馬が名馬だと思ってます。サラブレッドの理想体重は480キロなんておやじの若いころいってたけど、ウソうそ。血統がなければ競馬は成り立ちません。生産地も大事ですね、牧草の栄養分やミネラル分、そして水は大地が育むものですね。いい土地で育った馬はやっぱり強い。

平家物語には10頭ほど名馬が登場するんですか?木曾義仲や義経を鞍上にすえてずいぶん格好がよろしいが、体高は120センチあまり。これが在来種なんですな。おやじが跨ると足が地についてしまいます。プッ。今笑い声が聞こえました。木曾義仲や義経の馬を見る目と武豊が馬を見る目が同じ、なんて想像するとなんだかうれしくなってしまいます。ネアルコやリボーを育てたFテシオだって「五調」という言葉にうむ、うむとうなずくかもしれません。

明治時代、北海道に渡って牧場を開いた人たちには四国の武家が多かったという話を聞いた覚えがあります。案外、今の競馬の隆盛を支えているのは日本の伝統的な馬文化なのかもしれません。おやじもパドックで芦毛馬の調子を見るとき、連銭芦毛(れんぜんあしげ)なんて古い言葉をブチブチいいながら、銭形の模様を探しています。

あっ、忘れてました。第2回マルゼンスキー記念ですね。マルゼンスキーが記念碑的レコードを打ちたて今尚その血を送り続けるレースということで、去年、勝手におやじが命名してみました。去年はスペシャルウィークの母親を通して、1番人気3着のオースミダイドウをこのレースに送りこんでいます。さて今年はどうなりますか。

先週のウオッカ記念は良血馬がそろって前評判よりもうんといいレースだったと思います。レースの質は血の質なんですね。おやじの馬券は外れましたがなぜか満足しています。

先週に続いてちょっと2歳ステークスと朝日杯の過去5年間の父系の勢力をみてみましょうか。大種牡馬なき後の今が大切なときなのでしつこくやらせてくださいね。
※数字は全出走馬にしめる各父系の割合です。
( )の中は3着までに入った全馬にしめる各父系の割合です。
         

2歳S朝日杯登録馬
Nダンサー 30%(20%) 15%(33%) 20%
ターントゥ 44%(47%) 41%(47%) 50%
ネイティブ 11%(20%) 18%(7%) 15%
ナスルーラ 8%(6%) 22%(13%) 12%
異系 7%(7%) 4%(0%) 4%


やはりターントゥの勢いは凄いですね。うーむ、凄いとも言えるし、こういう偏りは問題だとも言える。この数字をながめてみて面白いと感じるのはNダンサーです。( )の数字をみると2歳Sに比べて朝日杯でNダンサーがうんと力を発揮していることがわかりますね。マイルCSや安田記念でもNダンサーは健闘していて、その血は底力を生かしながらマイルで勢力を温存しようとしているのかもしれません。この辺りがNダンサーの強かなところです。出る杭は出させておいてしっかり大切なポジションだけは確保しておく。おやじには真似できねえや。今、我々はNダンサーと名づけられたエクリプスを見ているのかもしれませんね。そんな気がしました。

登録馬の父系をみると、ここ5年の勢力図と変わらないような気がします。注目はこの5年少数精鋭で臨んで結果をだしてきたNダンサー系の馬です。探鉱夫になったつもりでこの血統を探ってみましょう。メリーナイス、アイネスフージン、サクラチヨノオー、ナリタブライアン、朝日杯がダービー馬を育てた栄光を思い出しながら。

なんて言ったら、いつしか時も杉村春子、あした(朝)も、はや夕べとはなりぬるかな、と叱られそうですね。朝日杯はすっかりクラシックとは無縁のレースになってしまいました。ところがどっこい、今秋、朝日杯の卒業生がきちんと仕事をしてくれましたね。うれしかった。スワンSのFリシャールとマイルCSでDメジャーを追い詰めたSホーネット。どちらもNダンサー系の良血(母系がいいこと)馬でした。くんくん、金鉱はこの辺りに埋まっていそうだな。

待てよ、リシャールとホーネットの年の3着馬は確か、くんくんAデジタルの弟だったな。先週のエイムアットビップのようにAデジタル産駒はレースを使うごとに走るようになる。もしかして金鉱はここにあるのかもしれませんな。くんくん。

ターントゥの鉱脈はすでにこの5年を振り返ると掘り尽くされた感があります。かつてはフジキセキのような宝石がごろごろ埋まっていたものですが・・・。すでに朝日杯では無人と化した鉱脈ですがもう一度さらっておくべきか。

もうひとつ、マルゼンスキーが今年はどんな名前でこのレースにエントリーするか、これも楽しみです。去年はオースミダイドウという名前で3着賞金を彼岸にもって帰りましたね。恐るべしマルゼンスキー。くんくん、金鉱はこの辺りにも埋まっていそうだな。

名馬の宝庫だったことを思うとちょいとさびしい今年の朝日杯、治郎丸さんの楽しみ方はいかに。おやじは、日本のマイルG1の基本、Nダンサーの鉱脈をまず探ってみようと思います。幸いなことにおやじは花粉症ではないんですよ、くんくん。あれは高等な人類の罹る病気です。くんくん、おやじは今週も元気です。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (87)

申し込みを締め切らせていただきました。

「21世紀の馬券戦略ライブ」CDの申し込みを締め切らせていただきました。このCDを聴いて頂くことで、ひとりでも多くの方々の競馬の世界が広がることを願います。「プロフェッショナル馬券術ライブ」の報告は、アンケート等をとりまとめてからになりますので、もうしばらくお待ちください。

Dream as if you'll live forever.
Live as if you'lldie today.
永遠に生きるかのごとく夢を抱き、
今日死ぬかのごとく生きよ
James Dean

ある方から教えてもらった、最近好きな言葉です。

| | Comments (78)

◎アロマキャンドル

Jiromaru

そうですよね。ロジータ記念とかホクトベガメモリアルという冠もありますよね。競馬は馬が一生懸命走ってくれて初めて成り立つものですから、サラブレッドに対する愛と感謝を忘れてはいけません。それでは、阪神ジュべナイルF改めウオッカ記念でいきましょう。

ルドルフおやじさんはノーザンダンサー系とネイティヴダンサー系から2頭ずつですか。特に出走馬の母系を丁寧に解説していただいたので、各馬の特徴がより分かりやすく見えてきましたよ。あのレスター・ピゴット騎手がニジンスキーよりもサーアイバーの方を高く評価していたなんて初めて聞きました。サーアイバーというのは、そんなに優秀な馬だったのですね。知らなかったなあ。

レスター・ピゴット騎手は、言わずと知れた20世紀後半における世界最高の騎手です。18歳の時にネヴァ-セイダイで英ダービーを勝ち、25歳で初めてチャンピオンジョッキーになりました。そして、ジョッキーを引退するまでに、なんと英ダービーを9勝、通算5300勝という大記録を収めました。

レスター・ピゴット騎手の馬を見る目(選馬眼)は、並大抵のものではなかったそうですね。ピゴット騎手ほどのジョッキーになると、大きなレースになれば、必ずと言ってよいほど3、4頭の有力馬への騎乗依頼があります。その中で、最も勝てる可能性のある馬をチョイスしなくてはならないのですが、ほぼ100%の確率で、勝てる馬を見極めることが出来たそうです。

たとえば、先ほどのお手馬サーアイバーは二千ギニーと英ダービーの2冠を制していますが、英ダービーの1ヶ月後に行われたアイルランドダービーでは、ピゴット騎手は騎乗をしていません。彼が選んだのはリベロという馬で、リベロに乗ったピゴット騎手は見事サーアイバーを下してアイルランドダービーに勝利を収めました。サーアイバーの能力をそれだけ評価していた上での選択だったのであれば、英ダービーを勝ったサーアイバーの調子落ちを完全に見極めていたのでしょう。

また、サラブレッドだけではなく、人間の見極めも恐ろしいほどに正確だったそうです。人間と言ってもジョッキーのことです。ピゴット騎手が来日した際、「あの騎手は誰だい?」とピゴット騎手に聞かれた競馬関係者が、「あの子ですか?あの子はつい最近デビューしたばかりで、まだ見習いのようなものですよ。名前をお教えするほどの騎手ではありませんよ。」と答えたところ、「いや、あの騎手はもの凄く上手いよ。」とピゴット騎手が反論したそうです。もうお分かりかと思いますが、その騎手とはデビューしたての福永洋一騎手だったそうです。天才は天才を知るのでしょうね。

そんなピゴット騎手ですが、晩年の1987年に脱税の容疑で3年の実刑判決を受けてしまいます。ジョッキークラブに届けている以上の騎乗料を受け取っていたということや所得の過小申告、所得隠しのための海外の会社の摘発など、脱税が悪質で長期にわたっていたという罪です。ピゴット騎手は1年間の刑務所生活を送ったのち、仮釈放を経て、2年後の1990年の秋にはジョッキーとして復帰します。そして、なんとその10日後、ロイヤルアカデミーに乗って、ブリーダーズカップマイルを勝利してしまったのですね。

このブリーダーズカップマイルでの勝利は、英紙「レーシングポスト」が2006年に企画した歴代ベスト騎乗の2位にランクインしています。1位はフレッド・ウィンター騎手が勝った1962年のパリ大障害です。これは障害好きのイギリスの競馬ファンらしいチョイスですが、2位にこのレースが入っているのは驚きでした。パット・エデリー騎手がダンシングブレーヴで勝った1986年の凱旋門賞(4位)よりも上なのですよ。それだけ伝説のジョッキー、ピゴットが復活したということが衝撃的だったのでしょう。とても55歳とは思えない、迫力ある追い出しですよね。

1990年ブリーダーズカップマイル

そんなピゴット騎手がニジンスキーよりも強いとしたサーアイバーと、シャダイアイバーは同族なのですね。この前マイシンザンのところで少しお話したガレオンの母で、仔のアイシーゴーグルからはエアジハードも出ています。日本が輸入した屈指の牝系というのも大いに頷けます。そのシャダイアイバーにターゴワイス→サンデーサイレンス→フレンチデピュティと掛けて出たのがアロマキャンドルで、ロイヤルスキー→エリシオ→タヤスツヨシと掛けたのがカレイジャスミンですね。

どちらにするか迷いましたが、私の本命は◎アロマキャンドルに打ちます。ルドルフおやじさんもおっしゃるように、この馬の強みはマイル戦を走って、既に2勝を挙げているということです。さらに直線に急坂のあるコースを経験しているということもプラス材料になります。特に、いちょうSで重賞クラスの牡馬を相手に振り切ったことには価値があります。ペース自体は速くありませんでしたが、道中で外から来られても折り合いを欠くこともなく、最後までしっかりと伸びていました。昨年よりこのレースは新阪神マイルコースで行われていますが、外回りで行われる分、距離の感覚的には東京のマイル戦に近いものがあると思います。いちょうSの勝ち馬とウオッカ記念との結びつきは、これまで以上に強くなっていくのではないでしょうか。

内枠を引きましたので、出たなりで好位を確保できそうですし、あとは直線に向いてからゆっくりと追い出すだけです。アロマキャンドルは、追われると重心が低くなっていく走りがいいですね。こういう馬はなかなか渋太いですし、最後までバテませんよ。心配は初めての長距離輸送になりますが、こればかりはどうなるか分かりませんので、心配しても仕方ないかなと思います。それよりも、長距離輸送を控えているにもかかわらず、ニューポリトラックのコースを使用して、2週続けて手加減されることなくシッカリと追い切られていることに注目したいですね。

1番人気に推されそうなオディールは、安定して力を発揮できるタイプです。行きたい時に行けて、控えたい時に控えられる馬ですので、ジョッキーも安心して乗れそうです。前走のファンタジーSは時計も速く、レベルの高いレースでしたので、今回のメンバーでもこの馬が中心になることは間違いありません。距離が伸びてパタッと止まる馬でもありませんし、血統的にもマイルが長いということはないはずです。

ただ、この馬に本命を打たなかったのは、馬体を見る限りにおいて、やはり距離が伸びて良いという馬ではないと思ったからです。これはファンタジーSで2着だったエイムアットビップにも言えることなのですが、馬体がコロンとしていて、スピードを生かす短距離馬のそれですので、距離が伸びる今回はそこに他馬の付け入る隙が生まれるのではないでしょうか。そうはいっても、今年G1レース7勝の記録が懸かっている熟練の安藤勝己騎手が乗りますので、そこをどう御してくるかが見ものです。

トールポピーはこのメンバーの中では、最もゆったりと走られる馬です。角居調教師がそのようなレースを選んできたからですが、外から見る以上に乗り難しい馬ですので、長い距離から使って正解だったと思います。少しずつ競馬を覚えて、前走も惜しいースでしたね。ただ、ウオッカと臨戦過程が似ていますので人気になるのは仕方ありませんが、私はウオッカよりも遥かに脆さを抱えた馬だと考えています。最終追い切りの動きを見ても、首を急に上げたりして幼いところを見せています。スムーズに走らせることが出来れば良いのですが、G1レースの厳しい中でどうでしょうか。

穴として興味があったのがシャランジュです。前の手紙にも書きましたが、どちらかというと村田一誠騎手に魅力を感じます。ここにきて成長著しいジョッキーですので、ここは大きなチャンスかなと思います。シャランジュ自身も、デイリー杯では道中で不利がありながらも5着と好走していますし、牝馬同士ならば大きな力差は感じません。内枠を引きましたので、無理に下げたり上げたりせずに折り合いに気をつけて乗れば、直線であわやというシーンを作ることもあるのではないでしょうか。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (86)

もういうことのないオディールの素晴らしい血!

Rudolf

歩く将軍、いましたよね。地方馬のターフでの活躍がなぜかうれしかった。あのころは確か中央よりも地方の方が調教技術は上だ、なんて言う人もいましたね。おやじも半分以上は納得していました。ロッキータイガーの父ミルジョージはとてもいい種牡馬でしたね。今何してるのかなあ。

今週のJFも来週のFSもインフルエンザの影響でもうひとつ盛り上がりに欠けるような気がしますね。強い馬はまだ眠っているようです。われらがPOG馬(といっても治郎丸さんの指名ですが)のポルちゃんもラブちゃんも雌伏して力を蓄えているところですね。ラブちゃんは2戦2着2回という成績ですがオークスに間に合えばおもしろい馬ですな。そんなにおやじを香港に連れて行きたいのかい、いい仔だねえ。

さて今回の手紙では父系別に有力馬を見ていきたいと思います。

<Nダンサー系>
オディール。安藤騎手が乗るのでこの馬が1番人気に推されるのでしょうね。これはJF2着馬のキュンティアの娘だったんですね。キュンティアの血統というのが凄くてですね、おばに80年代のG1を勝ちまくったミエスクがいるんです。スターバレリーナの父ソヴィエトスターとの激戦は有名です。もしミエスクの直系(孫)なら見たこともないようなお金で取引される血です。ミエスクの仔には日本でもお馴染みのキングマンボがいますね。もういうことのないオディールの素晴らしい血!父の黒船にも阪神コースの適性を感じます。

ファンタジーSは確かに軽いスピードに乗った馬が勝つ、本番には直結しにくいレースですね。オディールの買えない理由のひとつはファンタジーSを勝ったということです。しかし今秋の京都コースはスピードだけでは押し切ることのできないグッド馬場だったと思います。それはエリザベスやマイルCSの1、2着馬の血統が教えてくれていますね。どうでしょうか、今年のファンタジーS組は案外侮れないのかもしれませんよ。

アロマキャンドル。父のフレンチは好調ですね。こういう血統に日本の競馬も追いついたんですな。母系はオークスを制したシャダイアイバーの直系です。社台がこのオークス馬にアイバーと名づけたのは世紀の名馬、サーアイバーと同じ一族だからなんです。今では伝説となったサーアイバーの主戦、レスター・ピゴットはニジンスキーよりもサーアイバーを高く評価していたそうです。日本に輸入されている牝系のなかでも屈指の牝系です。治郎丸さんはこれを狙ってるのかなあ。この馬の買える理由は治郎丸さんのおっしゃる通り、前走で強い(かもしれない)牡馬を退けている点ですね。マイルを2走しているのもオディールより好感がもてます。が、おやじはこの馬を見ていない、線香臭いおやじにはアロマキャンドルは少し似合わないかもしれないと思ってます。

レジッタ。これもフレンチ。母系の活力は出走馬のなかでもっともあるんじゃあないかなあ。近親にステークスウィナーがずらっと並んでいます。母系を見て馬を判断するときは今の活力をとるか、かつての活力をとるか、迷うところです。まあ、おやじは欲張りだから昔の活力のソロソロをとって馬券の妙味を味わうことにしています。当たりの感激を味わったことは少ないのですが・・・

ヤマカツオーキッド。ヤマカツスズランの娘ですね。名門フラストレート系、ソロソロに期待するならこの馬かなあ。父ダンスは今年その本質をはっきり示したような気がします。かん性(気の強さ)の強さが露わになってきました。気の悪いところを見せなければいいのですが。

レーヴダムール。われらのサムワントゥラブの2戦目は圧巻でした。パドックも見たのですが後肢の踏み込みが深くて雰囲気のある馬です。何の雰囲気かというと、お○も○なんですよ。ところが機嫌が初めから悪くて出遅れ、後方をふてくされて追走。それでいて2着というのは直線だけで追い上げたものなんです。○お○のでしょ。ラブちゃんを新馬戦であっさり退けた馬というわけで、レーヴダムールの買える魅力は大きいですね。父のファルブラウは中山のJCを勝った馬なので地味な印象をもっていましたが、やわらかい感じの馬を出していると思います。スピードと底力のうまく調和した良い種牡馬かもしれません。

ラルケット。これもファルブラウですね。ルドルフの一族は案外地味なんですが、最近活力を取り戻し始めたようですね。

<ターントウ系>
エフティマイア。混戦といわれた新潟2歳Sを制した馬だけあって勝負強い面がある馬かもしれませんね。ところが前走の京王杯2歳Sでは惨敗を喫してしまいました。陣営からは「前走は度外視」というコメントが出されています。重馬場にのめって競馬にならなかたったというのです。おやじはこれを度外視しないんですな。むしろ大きな買えない理由と考えるんです。G3なら良馬場で巻き返しというのは許されますが、重馬場で入着できない馬が底力を試されるG1で好走するのは難しいと思います。治郎丸さんもサムソンは本当は重馬場が苦手だと教えてくれましたね。

カレイジャスミン。父タヤスツヨシはこの馬でおおきなチャンスを得ました。母系はアロマキャンドルと同系です。古馬になってさらに力を発揮するタイプかもしれません。

ハートオブクイーン。良血です。ボールドアンドエイブルというとてもよい種牡馬が出る一族が地方競馬にいるというのが競馬の不思議ですね。

<ネイティブダンサー系>
エイムアットビップ。このピップエレキバンのような名の馬が2番人気になるのでしょうか。3番人気か?この母系はマイリー系でした。しかもイットーの直系ということで驚いています。もうだめかと思っていたのでやはりうれしいなあ。それにしてもこの血統はこの10数年不振を極めていましたねえ。オディールの母キュンティアはJF2着馬でした。イットーもJFの前身レース阪神3歳Sの2着馬です。1着がキタノカチドキだから価値は高い。今回のJFでオディールとビップで1、2番人気を分け合うのならちょっとした因縁話になりますね。

この牝系の魅力は卓越したスピードでしょう。ビップの前走の逃げをみてこの牝系の速さを思い出しました。逃げるところまで逃げて、そこにゴールがあったという趣。ちょっと切なくなるような、そんな逃げをうつ馬は今はいませんねえ。カムイオーはいますが牝馬に大物が出る牝系なので、この馬ヒョットするかもしれません。エイムアットヒョット、ちと苦しい。

父のアグネスデジタルがネイティブダンサーなんですな。ネイティブダンサーの速くて強くて、不気味という特長をそなえている。しかしこういう馬がネイティブDの種牡馬として失敗してきた。ヒョットはAデジタルの命運を握っていると思います。こらー!こらー!なんていいながらすべてをひっくり返すネイティブダンサーの爽快な力をデジタルは見せてほしいものです、おやじに。

ヴァリアントレディ。父ウォーエンブレムの切れ味はすばらしい。残念なことに受胎率が悪いそうですが、さすが社台が導入した種牡馬ですね。おやじが馬主なら、大金持ちの馬主なら、この馬に種付けを申し込みます。有馬で大金持ちになる予定なので待っててね、牝馬10頭連れてくからね。ネイティブダンサーのよさをそのまま伝えられる種牡馬です。

ヴァリアントレディの母系はNダンサーの母ナタルマから出ています。しかもNダンサーのクロスをもたないという100%ナタルマ。ナタルマの血統は結構輸入されているのですが、これほど清潔なナタルマはなかなかお目にかかれません。おやじは暇だから血統表を見るのですが、もし時間があればヴァリアントの血統表をご覧ください。Nダンサーがない。こんなすばらしい血統をおやじははじめて見て感激しています。おやじが馬主なら、けちな馬主ならもったいなくってJFでは無理させません。ヴァリアントレディ、名の通り価値ある女の子です。

エイシンパンサー。父コロナドズクエストも早世して産駒は少ないようですね。こちらはエンブレムとはちょっと趣が異なって、一発大物タイプの種牡馬かもしれません。ダービーを勝つか、未勝利でどんじりか、そんな魅力のある種牡馬かなあ。パンサーの母系はタイランツクヰーン系の本流です。トキノミノルやマックスビューティーが出てますね。この血統は決してコンスタントに走る馬を出す血統ではないのでパンサーに過剰な期待を寄せることは控えておくことにします。JFを好走するとすれば1着でしょう、そうでないときは凡走するかもしれません。

トラストパープル。父のマイネルラブは奮闘してますね。条件戦ではいい馬を出しています。良い牝馬にめぐり合えばもっといい仔を出せる種牡馬ですが、どうも牝馬には恵まれてはいないようですね。マイネルラブに愛を!

<ナスルーラ系>
トールポピー。牡馬相手に好走したこと、マイル以上のレースを勝っていること。買える魅力の多い馬ですね。兄のフサイチとは違ってこの馬はグレイソブリン系らしい切れ味をもっていると思います。うーむ、治郎丸さんはこれでいきますか・・・

マイネブリッツ。パラダイスクリークってしぶといですね。ここにもいた、という趣。リバーマンの強いクロスをもっているというユニークな馬で、母系はいいですよ。いかにもマイネル好みの血統だと思います。前走はレッツゴー霧島に勝っています。うーむ、距離が問題となりそうですが、穴ならこれかもしれません。

はい、終わりましたよ、治郎丸さんねてませんかあ。
馬券作戦は4点の3連複でいきます。

Nダンサー系2頭+ネイティブD2頭の良血を狙います。
◎オディール
○ヴァリアントレディ
△エイムアットビップ
▲レーヴダムール

つまんないなと思っていたJF、案外おもしろいレースになりそうです。
ところでJFという呼び方はよくないですね。
先週でしたかハイセイコー記念というレースがありましたね。地方競馬には愛があるなあ、馬に対する感謝があるなあ、JF改め「ウオッカ記念」でどうか、お願いします。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (81)

« November 2007 | Main | January 2008 »