点ではなく線として

以前、「勝つためには勝つ気で乗らないこと」という安藤勝己騎手の思想を紹介したが、自分で記しておきながら、その思想の真意をはかりかねていた。というよりも、無欲・無心を貫くことによってこそ勝ちは向こうから転がり込んでくる、という意味に曲解していたのである。その解釈は間違ってはいないが、決して正しくもないと今は思う。
そんな風に思い直したのが、今年の夏、シンガポールに旅打ちに行った時ぐらいだろうか。簡単に説明すると、その日の勝負レースを外してしまった私は、その後のレースで、応援する日本人ジョッキーの乗る馬を買い続けるという安易な馬券に終始した。競馬新聞を見てもよく分からないという理由を付けて、その日の競馬を勝ちに行こうとしなかった。その反省を踏まえ、翌日のマレーシアではわずかに負け分を取り戻すことが出来たが、勝ちに行かない、変にあきらめの良い自分に嫌気が差した旅であった。
勝とうという意志がなければ勝つことは出来ない。武豊騎手の凄さは勝とうという意志の強さと頭の良さだと私は思うが、もちろんそれは安藤勝己騎手にも当てはまる。その安藤勝己騎手が、勝つために乗っていないとは到底思えない。そんなこと当たり前のことである。もしかしたら、47歳になった今でも、他のどのジョッキーよりも勝とうという意志は強いのかもしれない。その勝つことに対するハングリーさが、安藤勝己というフロンティアを支えているといっても過言ではないだろう。
それでは、勝つ気で乗らないということが負けてもいいと思って乗るという意味ではない以上、安藤勝己騎手の言う「勝つためには勝つ気で乗らないこと」とは、一体どういう意味なのだろうか。
私たちは目の前にある場面をなんとか勝とうと強く意識してしまうため、余計な小細工をしたり、実はそれほど安全ではないにもかかわらず安全に見える方を選択してしまったりする。そうではなく、ひとつひとつのレースにおいて勝とうとせず、全体を通した騎乗の中で勝てばいい。そういう意識で乗れば、ひとつひとつのレースにおいても、また最終的には全体を通しても勝つことが出来る。これが安藤勝己騎手の真意だと私は思う。
点ではなく線として勝つことを意識する。なんとなくその意味が分かりつつあったのに、相も変わらず私は点として勝ちに行ってしまっている。JCダートは勝負レースであったにもかかわらず、諸般の事情でレートを下げてみたり、ジャパンカップでは前日まで勝ち馬を本命にするつもりが最後は勝つ確率が高いと思われた方を選んでしまった。
後にも先にも競馬は続いていくのであり、今日の負けが全ての負けではない。今日負けることが全体の勝ちにつながることは意外と多い。今日負けることを恐れるからこそ、全体としても大きく負けてしまうのだ。点で負けても線で勝てばよい。そのためには、点ではなく線として勝つことを強く意識しなければならない。線として勝とうとするからこそ、点としてはヤマを張ったり創造的に振舞ったりすることも出来る。私にとって、来年に持ち越しの大きな課題ができた。

追記
今年も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
おかげさまで、今年も楽しくブログを書き続けることができました。
この後は、「K-1 Dynamite!!」でも観ながらのんびりと年を越すことにします。
また来年も一緒に競馬を楽しんでいきましょう!

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ダイワスカーレット有馬記念
Comments
今年もお疲れ様でした!!
いつも拝見させていただいてます!!
来年もすばらしいブログ作り頑張ってください!!
人気ランキング5位の↓なんかヒドイですからね。
http://yohanesu.blog41.fc2.com/
東京2歳優駿牝馬で3連複当てたとか言ってるけど嘘。
ランキング発表は、5→14、7、15、10、2、12、9。
ちなみに、東京大賞典もメイショウトウコンが相手になかったにもかかわらず当たったことにしていました。
こんな卑怯なサイトに負けないように頑張ってください!応援しています!!
Posted by: わき | December 31, 2007 at 06:46 PM
こんばんは。
今年は治郎丸さんにお会いできて
すごく嬉しかったです(*^_^*)
けん♂は特に(←ここ強調)嬉しかったみたいですよ。
大阪でのライブでは競馬の知識がまったくない私が
ライブに参加してご迷惑をかけたのではないでしょうか。
かなり・・いえ・・少しだけ反省しています(笑
実はあの時・・出会う前の治郎丸さんのイメージと
だいぶ(かなり)違ったのでびっくりしてたのですよ。
どんなイメージだったのかは内緒です(*^_^*)
今年一年本当にお疲れ様でした。
来年もよろしくお願い致しますm(__)m
良いお年を!
Posted by: けい♀ | December 31, 2007 at 07:23 PM
こんばんは。
今年も一年本当にお世話になりました。
こちらのサイトで競馬の楽しさを教えて頂いたおかげで
本当に楽しく充実した日々を過ごさせて頂いています(^^)
いくら考えても悩んでも尽きない面白さがありますよね。
理屈でどうこうなるわけではない、とは思いながらも
そこをなんとか!と挑戦していく喜び・・(マゾじゃないですよ:笑)
来年もじっくり勉強させて頂きながら、競馬を楽しんで
いきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
あと数分で新年ですね。
2008年も競馬とともに!
良いお年をお迎えください。
Posted by: けん♂ | December 31, 2007 at 11:46 PM
治郎丸さん
あけましておめでとうございます。
Giber du Mariのカウントダウンライヴで年越しのQuinaです。
マリさんと二回も握手できて、2008年、スタートは上々です(笑)。
2007年は、貴ブログ「ガラスの競馬場」とメールマガジンでの楽しい記事の数々、それに渋谷ライヴ、競馬場ライヴ、その他諸々のライヴと、とても有意義な時間を共に過ごしていただき、本当にありがとうございました。
「ガラスの競馬場」やライヴを通じて、他の皆様ともお知り合いになれたことも、とても嬉しく思います。
2008年も素晴らしい一年にしましょう!
※昨年のラストバトル@TCK、また企画いたしますので、ぜひご参加ください。
新年三ケ日は競馬を忘れて、「24」シーズンⅥ一気観となります(笑)。
Posted by: Quina | January 01, 2008 at 01:07 PM
わきさん
明けましておめでとうございます。
昨年中はお世話になりました。
これからも競馬の楽しさ、奥深さを伝えていければと思っていますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします!
Posted by: 治郎丸敬之 | January 01, 2008 at 05:39 PM
けい♀さん
明けましておめでとうございます!
昨年はライブでお会いできたことが何よりのイベントでしたね。
けん♂さんだけではなく、けい♀さんにも参加頂いたことは、私にとってとても嬉しいことでした。
逆にこちらの方が、ためになる話ができたかどうかと反省しております。
今年もまたお会い出来るといいですね。
私のイメージがどんなだったかも興味ありますし(笑)
Posted by: 治郎丸敬之 | January 01, 2008 at 05:43 PM
けん♂さん
明けましておめでとうございます!
昨年はライブでお会い出来たことを本当に嬉しく思いました。
脚を運んでくださったことに感謝しておりますが、反面、参考になる話ができたかどうかと今でも思い悩んでおります。
これからも、お互いに刺激を与え合いながら、素晴らしい競馬ブログを作り上げていきたいですね。
ここ2年くらい、私は競馬にもがき苦しんでいますが、それでも競馬は大好きで離れられないのですよね。
これはマゾでないとやってられないゲームなのかもしれません(笑)
今年もまたお会い出来る日を楽しみにしております。
本年もよろしくお願いいたします。
Posted by: 治郎丸敬之 | January 01, 2008 at 05:47 PM
Quinaさん
明けましておめでとうございます。
マリさんと、2回も握手できたのですか!
それは何よりの年越しライブだったと思います。
昨年は何から何まで本当にお世話になりました。
おかげさまで、とても楽しく素晴らしい一年を過ごすことが出来ました。
たくさんの方々とも知り合えたことも、また私の財産になることでしょう。
また馬券駅伝やりたいですね(こんどこそ襷をつなげましょうw)
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: 治郎丸敬之 | January 01, 2008 at 05:50 PM