2つのレースの共通点は?-抽選クリア馬編-

前回で「展開」について取り上げたので、今回は阪神ジュべナイルFと朝日杯フューチュリティのもうひとつの共通点であった「抽選をクリアしてきた馬」について説明したい。
阪神ジュべナイルFを勝ったトールポピーと朝日杯フューチュリティSを勝ったゴスホークケンは、どちらも抽選をクリアしてギリギリで滑り込んで出走してきた馬である。前者は12分の6、後者は直前で回避馬が出て8分の1の抽選をくぐり抜けての出走であった。阪神ジュべナイルFに至っては、2着に食い込んだレーヴダムールも抽選をクリアして出てきた馬である。
歴史を振り返ってみても、抽選を見事クリアしてきた馬や、回避馬が出たことによって滑り込みでギリギリ出走できた馬が、本番でもアッと言わせてきた例は意外に多い。思い返せば、トールポピーと同厩舎の先輩ウオッカも、昨年の阪神ジュべナイルFでは抽選をクリアして優勝したクチである。また、最も記憶に鮮明に残っているのが、これは抽選ではなくもう少し複雑な背景があるのだが、ギリギリ出走が叶った菊花賞を制したスーパークリークであろうか。特に2歳戦~クラシックレースにおいては、抽選をクリアした馬、滑り込み出走が叶った馬たちの活躍は枚挙に暇がない。なぜこれほどまでに、出走すら危うかった馬たちが本番で好走してしまうのだろうか?
それは抽選をクリアした馬、滑り込み出走が叶った馬たちは運がいいからである。ということではなく、彼ら彼女たちの「ローテーション」と「成長曲線」に秘密が隠されているのだ。
まず「ローテーション」については、抽選をクリアしてきた馬は、これまでの出走過程において無理を強いられていない馬が多いということである。多いと書いたのは、全ての馬がそうではないからである。本番に出走する権利を取るために、何度もレースに出走してそれでも抽選待ちになってしまった馬もたくさんいるはずだ(こういう馬は能力的に疑問符がつく)。そのあたりは1頭1頭を検証する必要があるが、トールポピーはキャリア3戦、ゴスホークケンは2戦、レーヴダムールに至ってはわずか1戦である。
これが何を意味するかというと、これらの馬たちは、本番であるG1レースに合わせたローテーションを組んで走らされてきたのではなく、自分たちの仕上がりに合わせて大事に使われてきたということである。人間の都合ではなく、馬優先の余裕を持たせたローテーションであったということだ。あくまでもその延長線上に、たまたまG1レースがあったということに他ならない。だからこそ、そこまでの過程において無理をさせてきていないからこそ、馬に余力が十分に残っているということになる。
次に「成長曲線」についても、余裕を持たせたローテーションということとリンクしてくる。馬の仕上がりに合わせるとは、馬の成長に合わせたローテーションということである。特に若駒の間は、レースを使うことによって、成長を大きく阻害してしまうことがある。2歳戦~クラシックにかけて、数多くのレースを使うことは、マイナス材料にこそなれ、決してプラス材料にはならない。レース経験の少なさは、馬の能力と騎手の手綱で補うことが出来る。つまり、本番のレースに出走するために、馬をキッチリ仕上げて勝ってきた馬たちに比べ、成長を阻害しない程度のゆったりとした仕上がりで走ってきた馬たちは、上積みが見込めるばかりではなく、本番のレースへ向けて上向きの成長カーブで出走してくることが可能になるのだ。
これらのことからも、余力が十分に残っていて、上向きの成長カーブを辿っている馬が、もし抽選をクリアして出走することが出来たとしたら、本番でも好走する確率が高いことは自明の理であろう。これが2歳戦からクラシック戦線においては、抽選をクリアして出走してきた馬、滑り込みで出走してきた馬には大いに注目すべき理由である。
ただひとつ問題なのは、抽選が行われる木曜日までは、どの馬が出てくるか分からないという点である。そう考えると、抽選待ちのある2歳戦からクラシック戦線のG1レースは、出走馬が決まってから予想をし始めたほうがいいのかもしれない。
菊花賞2
有馬記念
阪神大賞典
天皇賞春1
天皇賞春2
宝塚記念1
宝塚記念2
宝塚記念3
凱旋門賞1
凱旋門賞2
ジャパンカップ
ファイナルフライト1
引退式
ハーツクライ
伝説のウオッカ
メイショウサムソン
スイープトウショウ引退記念
アドマイヤムーン
ダイワスカーレット桜花賞
ディープスカイ
ウオッカ安田記念
伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
ロジユニヴァース
Strongest Vodka
カンパニー
Keiba is beautiful
Comments
そうですね。朝日杯の時は事前予習してたのですが、除外対象が多くゴスホークケンの名前は金曜日まで新聞に載らなかったですからね。
そこで始めて、「この馬なら勝ち負け出来るかも?」とそれまでの予習が全くの無駄になってしまいました。
結局は外しましたけど。。。
(;´Д`)
Posted by: はやひで | January 11, 2008 at 06:13 PM
はやひでさん
こんばんは。
返事が大変遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
今、田舎から帰省したところです。
ネットのない環境に1週間以上もいて、とてもよい静養となりましたよ。
さて、今回の抽選馬の活躍はとても勉強になりました。
私はかなり速い段階から予想を詰めていきますので(ブログの関係もあって)、そのやり方だと今回のようなケースには対応できないことになります。
やはり、抽選待ちがある中では、もう少し予想を始める段階を後倒しにしなければならないなと痛感しましたね。
今年は抽選のあるクラシックに関しては、少しやり方を変えていきたいと思います。
Posted by: 治郎丸敬之 | January 14, 2008 at 10:59 PM