« January 2008 | Main | March 2008 »

集中連載:「調教のすべて」第3回

それでは最初に、調教時計の見方から説明してきたい。新聞等によって若干の違いはあるが、基本的な部分は変わらないので、ここではnetkeiba.comの表記方法を用いて、昨年の宝塚記念に臨むアドマイヤムーンの調教時計を示すと、以下のようになる。

アドマイヤムーン
6/09(土) DW 重 助手      73.5-57.3-42.2-12.0 ⑨ 馬なり
6/10(日) 栗坂 稍 助手      55.8-41.3-27.7-13.9   馬なり
6/13(水) DW 良 岩田   85.4-69.0-53.7-39.5-11.2 ⑨ 一杯
6/16(土) DW 稍 助手 (7)98.4-69.2-55.0-41.1-12.7 ⑨ 馬なり
6/21(木) DW 良 助手 (7)95.6-66.5-52.5-38.3-11.5 ⑨ 一杯

一番左から簡単に説明すると、「調教が行われた日」、「コース」、「馬場状態」、「騎乗者」、「タイム」、「走ったコースの内外」、「追われ方」となる。これだけではあまりにも簡略すぎるので、ひとつずつ詳しく述べていきたい。

「調教が行われた月日」を見てもらうと、宝塚記念に臨むにあたってのアドマイヤムーンの最終追い切りが6月21日(木)に行われたことが分かる。1週間前追い切りは6月13日(水)で、それ以外、中間は3本の時計を出している。

調教は基本的に毎日するものだが、ダクやキャンターで馬場を回るような軽い調教は調教時計としては扱われない。具体的に言うと、1ハロン15秒以上で走った調教は調教時計として公表されることはない。上のアドマイヤムーンの例で述べると、香港遠征から栗東に戻ってきてから宝塚記念までの間に、1週間前追い切りと最終追い切りを含め、1ハロン15秒以下の速さでの追い切りが計5本あったということになる。

それから、ふと疑問に思った方もいるはずなので説明しておくと、宝塚記念に臨むにあたってのアドマイヤムーンの最終追い切りは木曜日に行われている。通常、最終追い切り、そして1週間前追い切りは水曜日に行われるのが一般的である。それは土曜日のレースに出走する馬も、日曜日のレースに出走する馬も同じである。全休明けの火曜日に軽めの運動で体を作り、水曜日に最終的な追い切りをかけるというわけである。それでは、なぜアドマイヤムーンの最終追い切りは木曜日になったのだろうか?

結論から述べると、それほど深い意味はない。日曜日のレースに出走する馬で、たまに木曜日に最終追い切りをかけられるケースがあるが、ほとんどが天候やコースの馬場状態の問題であることが多い。水曜日は雨が降って下(馬場)が悪くなりそうだからとか、周りになるべく馬の少ない混雑していない中で追い切りたいとか、そういうほんの些細な理由である。

たとえば、ディープインパクトのラストランとなった有馬記念に臨む過程において、陣営は最終追い切りを木曜日と予定していたが、急遽水曜日に変更した。この際、池江泰郎調教師はこうコメントした。

「朝になって調教を変えることはありますから。木曜が妥当だとは思っていましたが天候が悪い感じもあったので。先週速い時計を出しているから、いく分ゆっくりとね。予定通りの調教ができました。」

暮れの時期の天候不順を考慮して木曜日に変えたものを、慎重を喫して、再度普段どおりの水曜日に変更したのだ。そして、ジャパンカップ時には及ばなかったものの、フランスに遠征する前とは比べものにならない時計と動きでディープインパクトは最終追い切りを終えた。

Tyoukyou04

木曜追いには、脚元や蹄に不安があったり、馬体が細化してしまっていて、回復を1日でも待ってから追い切りたいという理由もあるにはあるだろう。しかし、そこまでの状態であれば情報として伝わってくるはずで、特に何もない状況での木曜追いには深い意味はない。水曜日に追い切りをしなければならないという決まりがない以上、いつ追い切るかはあくまでも調教師の判断である。

(第4回に続く→)


関連エントリ
ガラスの競馬場:言葉にできない
ガラスの競馬場:集中連載「調教のすべて」第1回

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (100)

かつてクロフネ以外に私は知らない

Febs08 by M-style
フェブラリーS2008-観戦記-
ダート初参戦のヴィクトリーが先頭を奪い、前半の1000mが59秒1という、超がつくほどのハイペースを創り出した。多少時計の掛かる馬場だったことを含めると、1分35秒3の勝ち時計は速く、レース全体のレベルも高く、実力が如実に反映されるレースとなった。

勝ったヴァーミリアンはスタートを決め、絶好の位置取りを一瞬にして確保した。スターとしてからの80mが芝だったことも有利に働き、この時点で勝負あった。テンが速いだけではなく、ハイペースの中盤を難なく追走し、直線に向いて馬なりで先頭に立つと、最後はひと伸びふた伸びしての圧勝であった。プラス7kgの馬体重からも、わずかに太目残りで完調一歩手前だったにもかかわらず、この内容だから恐れ入る。

これほどまでに高い次元でスピードとスタミナが融合されたダート馬を、かつてクロフネ以外に私は知らない。この後、上手く調整することが出来れば、昨年以上の充実を見せる今年こそ、ドバイワールドカップを勝つ本物のチャンスだろう。

武豊騎手の自信満々の手綱捌きも目立った。スタートの巧さは言うまでもないが、ドバイのレースをイメージしながら、ワイルドワンダーのポジションを潰してしまうあたりの強かさはさすが日本のトップジョッキーである。他の騎手に対して全く隙を作らない騎乗をしながらも、それを何事もなく回ってきたように見せるあたりが心憎い。

8歳馬のブルーコンコルドは、最近には珍しく、道中の行きっぷりが抜群であった。マイルの距離が合っているということ以上に、体調が戻っていたということが大きい。最終追い切りを坂路コースからDWコースに切り替えたことも功を奏したのだろう。最後のひと追いで、馬がキッチリと仕上がっていた。全盛期と比べると迫力はなくなったが、馬自身がレースを知っているし、これだけ厳しい流れを最後まで踏ん張ったのだから、本当に頭が下がる。

ワイルドワンダーはスタートで一瞬出負けしたことにより、獲りたかったポジションを武豊ヴァーミリアンに先を越されてしまった。同じ位置取りで、ヴァーミリアンの外を回ってはとても敵わないので、一旦後ろに下げ、一瞬の脚を生かす作戦に切り替えた岩田康誠騎手の判断は見事であった。仕掛けをもうすこし我慢しても良かったが、あれだけ馬が前に行く気になってしまっては仕方ないか。4コーナーでは、ヴァーミリアンと同じ手応えで回ってきたものの、最後はスタミナ切れを起こしてしまった。勝ちに行かなければ2着はあったが、勝ちに行っての3着と好評価したい。

ロングプライドは行き脚がつかず、レースの流れに乗り切れなかった。今回のような速いペースになってしまうと、ついて行くだけで脚を使ってしまい、持ち前の切れ味を生かすことが出来ない。同じことはメイショウトウコンにも当てはまり、スローの瞬発力勝負に強い同馬にとっては、道中のペースが速すぎて、逆に差し脚を失ってしまっていた。

リミットレスビッドは好走と凡走を繰り返す馬だが、今回は最後までキッチリと走っていた。高齢馬になると、手を抜いたり、気を抜いたりして、連続して走らない傾向が出てくるのは仕方のないことである。短い距離であればまだまだ力上位であることを改めて証明した。

フィールドルージュはどうしたのだろう。スタートしてから行き脚がつかなかったように、もうこの時点で故障を発生していたに違いない。絶好調だった川崎記念と遜色ない雰囲気でパドックを歩いていただけに、最後まで走らせてあげたかった。


関連エントリ
ガラスの競馬場:G1じゃない!?

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (6)

集中連載:「調教のすべて」第2回

平成19年11月16日、美浦トレーニングセンターに、ニューポリトラック馬場が完成した。そして、わずか1ヶ月も経たないうちに、ゴスホークケンが朝日杯フューチュリティSを逃げ切り、ニューポリトラック調教馬として初めてのG1勝利を飾った。奇しくも、ミホノブルボン以来となる、朝日杯ヂューチュリティSの逃げ切りであった(正確に言うとミホノブルボンは押し切り)。例年に比べ、極端なハイペースにならなかったことは確かだが、それでも逃げ切りが難しい朝日杯フューチュリティSを押し切ったのだから、ゴスホークケンの強さは素直に評価してよいだろう。

ゴスホークケンは新馬戦を1分34秒9という好タイムで圧勝するや、次走、いきなり重賞である東京スポーツ杯に目標を定めた。そこではキャリア1戦にもかかわらず、初戦の勝ちっぷりや、迫力たっぷりの馬体から溢れ出る素質が高く評価され、何と1番人気に支持されることになった。しかし、プラス12kgの馬体重で出走し、レースでは2番手を追走したものの、直線では伸び切れずに4着を確保するのが精一杯という結果に終わってしまった。

惨敗を喫してしまった理由は明らかである。ゴスホークケンは東京スポーツ杯に臨む中間、左前脚の球節に骨膜炎が出てしまい、思い切った調教が出来なかったのである。もちろん、そんな状況の中でも、斉藤誠調教師は精一杯の仕上げを施し、勝つ意志を持ってゴスホークケンを出走させたのだろうが、現実はそんなに甘くなかった。

ここで、ゴスホークケンが東京スポーツ杯に臨むにあたっての調教内容(1週間前と最終追い切り)を、朝日杯フューチュリティS時のそれと比較してみたい。

東京スポーツ杯
11/07 南D良 田中勝 72.3-56.1-41.1-12.1 ⑦ 馬也 (1週間前)
11/14 南D良 田中勝 68.0-53.6-40.2-12.3 ⑥ 馬也 (最終追い切り)

朝日杯フューチュリティS
11/29 美ポ 中谷 81.4-66.6-53.3-39.8-11.5 ⑦ G強 (1週間前)
12/05 美ポ 中谷  65.0-50.4-37.2-11.6 ⑥ 馬也 (最終追い切り)

調教内容の見方については後ほど詳しく説明するが、まず気が付くのは、追い切りが行われたコースの違いである。東京スポーツ杯が行われた時点では、まだニューポリトラック馬場は完成していなかったので当然だが、南Dコースで追い切りが行われている(Dコースとはダートコースのこと)。実は、ゴスホークケンはデビュー戦の前はウッドチップコースで追われていたのだが、後ろ肢の踏み込みが深い同馬は、ウッドチップ(木片)で蹄の裏を傷めてしまった。そのため、東京スポーツ杯ではダートコースで追い切られたのである。

しかし、蹄の裏を傷めただけではなく、左前脚の球節の骨膜炎を患っていたため、脚元に負荷の掛かりやすいダートコースではビッシリと追い切ることが難しく、1週間前も最終追い切りも馬なりの調整に終始せざるを得なかった。たとえ馬なりでも、しっかりとした時計が出ていれば問題ないのだが、時計的にも5ハロンで68秒0という、重賞に臨むにあたってはいささか物足りない内容であった。この調教内容では、当日のプラス20kgは、成長分を含めても重め残りと考えて間違いないだろう。それでも1番人気になったのは、ゴスホークケンの素質が買われたということもあるが、案外、調教の内容について無関心な競馬ファンの存在もあったのではないかと邪推する。

ニューポリトラック馬場が朝日杯フューチュリティS前に完成したことは、ゴスホークケンにとって大きな福音になった。1週間前の追い切りでは、6ハロンから長めに行って、ゴール前で強めに追うことが出来た。これもクッション性が良く、蹄の裏を傷めることのないニューポリトラック馬場だからこその強気の調教であった。1週間前に長めから強く追われたゴスホークケンは、最終追い切りの時点でほぼ仕上がっており、馬なりで5ハロン65秒、ラストの1ハロンも追うことなく11秒6というスムーズな走りであった。

Tyoukyou03 by M-style

ニューポリトラック馬場でキッチリ追い切られたことによって、ゴスホークケンの体調は明らかに一変した。回避馬が出て8分の1の抽選をくぐり抜けたことや、レースではすんなりハナに立ち自分のペースで走れたことも勝因のひとつではあるが、ゴスホークケンが力を出し切れる体調にあったことが大前提であることは言うまでもない。もしニューポリトラック馬場が11月16日に完成していなければ、ゴスホークケンではない他の馬が朝日杯フューチュリティSを勝っていたのではないだろうか。

ミホノブルボンやゴスホークケンのように、競走馬はどのようなハードとソフトで調教されるか(されたか)によって、競走成績だけではなく、その運命さえも変わってくると言っても過言ではない。つまり、どのような施設を使って、どのような内容のトレーニングをしたかが、その馬の成績や能力に直接、反映されるということである。だからこそ、調教師を筆頭とした関係者たちは、どのような調教を施すべきか常に頭を悩ませている。そこには成功もあれば、大きな声では言えない失敗もたくさんあるに違いない。もちろん、レースの結果を予想する立場にいる私たちも、馬の体調や能力を見極めるために、調教を見ない手はないだろう。いや、自分がまるで調教師になったように見るべきなのである。

(第3回へ続く→)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (93)

◎ワイルドワンダー

Jiromaru

遅くなりましてすいません。フェブラリーS攻略のポイントは“体調”と書いた途端、ダイワスカーレットが回避してしまいました。馬の故障は偶然ではなく、肉体面や精神面の不調が原因となって起こることがほとんどです。ダイワスカーレットはフレグモーネになった経緯もあり、今回のことも含め、ここは少し放牧に出して休ませてあげる必要があるのではないでしょうか。前回の手紙にも書いたとおり、連勝が途切れた馬というのは肉体的、精神的な疲れがドッと噴出してしまうことが多いです。そこをゴマカシて使っても良い結果は出ないと思います。

本題に入る前に、まずはダート競馬における血の話をさせてください。フェブラリーSはダート競馬でも芝に対応できるぐらいのスピード能力が問われるレースですが、基本的に、ダート競馬と芝の競馬は別物です。それゆえ、ダートを得意とする馬と芝を得意とする馬に分かれ、また当然のことながら、ダート競馬と芝でチャンピオンクラスを生み出す種牡馬も2つに分かれます。

かつてノーザンテーストが1990年代に総合リーディングサイヤーかつダート部門のリーディングサイヤーに輝きましたが、これはかなり稀なケースです。あのサンデーサイレンスでさえ、総合リーディングとダートのみを同時に制したことはないのではないでしょうか。もちろん、走る馬は芝の競馬を使われるということを考慮しても、総合リーディングとダート部門を統一することは極めて難しいのです。

総合リーディングとダート部門のリーディングサイヤー上位5頭を、1990年から5年おきに並べてみます。

1990年
総合リーディング         ダート部門
1位 ノーザンテースト      ノーザンテースト  
2位 ミルジョージ         ブレイヴェストローマン
3位 トウショウボーイ      マルゼンスキー
4位 モガミ             ノーザンディクター             
5位 ノーザンディクター     ミルジョージ

1995年
   総合リーディング     ダート部門
1位 サンデーサイレンス   ノーザンテースト
2位 ブラインズタイム     ブライアンズタイム
3位 ノーザンテースト     キンググローリアス
4位 トニービン         ブレイヴェストローマン
5位 リアルシャダイ      ホリスキー

2000年
総合リーディング         ダート部門
1位 サンデーサイレンス    アフリート 
2位 ブライアンズタイム     ジェイドロバリー
3位 トニービン          サンデーサイレンス
4位 オペラハウス        ブライアンズタイム             
5位 ジェイドロバリー      アサティス

2005年
総合リーディング         ダート部門
1位 サンデーサイレンス    ブライアンズタイム 
2位 ブライアンズタイム     アフリート
3位 フジキセキ          フジキセキ
4位 ダンスインザダーク     サンデーサイレンス             
5位 サクラバクシンオー     バブルガムフェロー

そして、昨年(2007年)のリーディングは以下のとおりです。

2007年
総合リーディング         ダート部門
1位 サンデーサイレンス    ブライアンズタイム 
2位 アグネスタキオン      クロフネ
3位 ダンスインザダーク    フレンチデピュティ
4位 ブライアンズタイム     フジキセキ             
5位 フジキセキ          アフリート

こうして見ると、ノーザンテーストやサンデーサイレンスの凄さが手に取るように分かりますね。特にサンデーサイレンスのリーディングサイヤーとしての息の長さには驚かされます。またダート部門のリーディングこそ獲っていませんが、その直仔であるフジキセキやバブルガムフェローらがダート部門の上位に食い込んでいるように、種牡馬としても万能を十分に発揮しています。サンデーサイレンス系という言葉が世界的なものになる日は近いのではないでしょうか。

そして、もうひとつ、サンデーサイレンスの陰に隠れがちですが、ブライアンズタイムの種牡馬としての能力も際立っています。特に、ダート部門におけるブライアンズタイムには、サンデーサイレンスに通ずるものがありますよね。ナリタブライアンやサニーブライアンなど、芝のチャンピオンクラスも多く輩出してきた種牡馬ですが、芝よりもダートに滅法強い産駒を出すということです。晩年になって、その傾向はますます強くなってきている感すら覚えます。

ブライアンズタイム産駒は昨年(2007年)計111勝を挙げましたが、その内、83勝がダート戦でのものです。つまり、ほとんどの勝ち鞍がダートでのものということです。そんな中、数少ない芝の勝ち星の中になんとG1レースの勝ち鞍が含まれています。すぐにピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、そうです、ヴィクトリーの皐月賞です。晩年のブライアンズタイムの産駒であるヴィクトリーが、芝のG1レースを勝ったということはもの凄くレアなことだったのですね。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、フェブラリーSの予想をしたいと思います。前回の手紙では4強の不安点について触れましたが、ダイワスカーレットが回避して、残った3頭の馬はいずれもダートの鬼と言ってもよい存在でしょう。その中でも、ヴァーミリアンはもう私がここで語る必要のないほどの最強馬です。私が見てきたダート馬の中でも、これだけスピードとスタミナが高い次元で融合されているダート馬は思いつきません。ドバイは苛酷な舞台ですが、それでもこの馬ならと思わせてくれます。

今回の1600mという距離に関しても、レコード決着となったJCダートを勝っているように、このあたりでスピード負けすることはないでしょう。スタートがそれほど速くない馬ですので、行き脚がつきやすいという点において、外枠に入ったことはかえって吉と出るはずです。極端なスローにならない限り、スムーズに外を回して直線に向けば、勝利はすぐ近くにあるのではないでしょうか。

唯一の問題は、やはり体調ということになります。JCダートの時の体調には及ばない、完調手前の状態にあることは間違いなく、それでも勝ち切れるかどうかですね。完調手前と言っても、最終追い切りで坂路52秒台が出ているように、この馬の力は出し切れるほどには仕上がっていると判断しました。

それでも、ヴァーミリアンを負かすとすればという意味で、本命は◎ワイルドワンダーに打ちます。父ブライアンズタイム×母父サンデーサイレンスという血統は、まさにダートの鬼っ子のそれです。実は昨年のダート部門リーディングブルードメサイヤーはサンデーサイレンスなのです。サンデーサイレンスは母系に回っても、父方の種牡馬の良さを引き出すということなのでしょう。ワイルドワンダーのごつい馬体を見ると、父のパワーとスピードが伝わっていますし、もちろんサンデーサイレンスからスタミナも受け継いでいるようです。

JCダートは道中でハミを噛んでしまったことが最後に響きましたが、それでも距離が短縮されればと思わせてくれる内容でした。そこから休養をはさみ、根岸SをステップとしてフェブラリーSを本番として狙いを定めてきたことが窺われます。前走で大幅に減った馬体重ですが、ヒ腹が太くなりやすいこの馬にとって、キッチリ仕上がっていたとプラスに解釈してよいのではないでしょうか。絞れにくい時期だけに、太目が残ってしまうよりは、仕上がっていた前走から現状維持の方が仕上げやすいということでもあります。前走の反動さえなければ、ヴァーミリアンよりも前に付けて、一歩先に抜け出すことが出来るのではないでしょうか。

ブライアンズタイム産駒ということでは、ヴィクトリーも面白い存在です。血統的な傾向からすると、もしかして本当はダートでこそ力を発揮するという可能性もあるのではないでしょうか。皐月賞を勝った馬が、もしダートが滅法得意であったとしたらどうなるでしょう。ブッチギリとは言いませんが、あのダートの鬼ヴァーミリアンを苦しめることもあるかもしれません。基本的な乗り方としては、スタートをポンと出て、逃げもしくは先行したいですね。その方が砂を被る心配がありませんし、ヴィクトリーのスピードが活きると思います。

ただ、ここ数戦、スタートで遅れてしまうことが多いため、もしかすると中団以降からの競馬になるかもしれません。たとえそうなったとしても、砂を被ったことにより、かえって折り合いが付いてしまうこともありますので、行きたがる癖のあるヴィクトリーにとってプラスに転じる可能性もあります。ヴィクトリーのやんちゃな気性が砂を被って良い方向に出るか、それとも悪い方向に出るか、実際に走ってみなければ分かりませn。音無調教師のコメントにあるように、「魅力はあるけど、アテにはならない」が実際のところでしょう。それでも、今回は人気になりませんので、思い切って狙ってみても面白い馬です。

ドラゴンファイヤーは、滑り込みで出走できたこと、安藤勝己騎手を確保できたことなど、運がこの馬に向いてきましたね。JCダートは初G1レース挑戦だったにもかかわらず、古馬を相手に6着と健闘しました。人気に応えることは出来ませんでしたが、あの時点では良く走っていたと思います。前走は休み明けや行き脚がつかなかったことが重なり、凡走してしまいましたが、この中間の動きは一変しています。ポリトラックコースで好タイムを連発しているように、ここに向けて順調に仕上がりました。好レースが期待できるのではないでしょうか。

4歳馬のロングプライドも、前走の平安Sをひと叩きされて、完調でここに臨んできます。中間はBコースで緩めずに乗り込んできましたので、前走のように最後に失速ということはないでしょう。追い達者のペリエ騎手ですので、最終コーナーを前目の位置取りで回ることが出来れば、ゴール前ではあわやというシーンも見られるかもしれませんね。

メイショウトウコンも前走の平安Sでは58kgを背負い、太目残りながらも、2着に踏ん張りました。絞れてくれば、好勝負必至です。何よりもこの馬は、スローの瞬発力勝負に滅法強い馬ですので、逃げ馬不在の今回は展開が向くかもしれません。道中が団子になって、先頭から後ろまでそれほど離れていないようなレースになれば、この馬の強烈な末脚が発揮されるはずです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (6)

「21世紀の馬券戦略ライブ」CDの再販売を開始します。

21cdimg_1
Sityou*MP3形式(約4分間)

「21世紀の馬券戦略ライブ」CDの再販売を開始いたします。一人でも多くの方に、この集大成ともいえる馬券戦略をお伝えしたいと思っているのですが、いかんせんCD等を作成するまとまった時間が取れない都合で、限定販売にさせていただいていることをご理解ください。

一昨年から昨年にかけて、「21世紀の馬券戦略ライブ」と「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」の2本のライブを開催させていただきました。タイトルからもお分かりの通り、後者が具体的な戦術(技術)論だとすると、「21世紀の馬券戦略ライブ」はもう少し大きな視点の戦略論となります。

戦略は戦術の土台(基礎)であり、戦略がなければ競馬で勝つことは出来ないと私は考えています。いくら技術的な知識があっても、どのように考え、どのように賭けるかを知らなければ元も子もないからです。それはトレーニング方法を知らないスポーツ選手がガムシャラに練習しても上手くならないばかりか、下手をすると体を壊してしまうことにも似ています。

・どの馬に賭けるかと同じくらい、どのように賭けるか迷ってしまう
・予想は当たっていたのに馬券は儲かっていない
・いくら予想をしても結論が出ない(決断ができない)
・自分の納得のいく予想が出来ない

こういう悩みのほとんどは、この戦略部分を知ることで解決できます。もちろん、十人いれば十人の予想法や賭け方があり、どれが正しいとは言い切れないのですが、それでも「基本」というものがあるのもまた事実です。その「基本」から外れてしまうと、いくら予想しても無駄になってしまうということですね。

もう少し具体的に言うと、回収率をアップさせる効果的な馬券の賭け方や買い方、予想に臨むに当たっての手順やポイント、そして最も大切な「思考の流れ」について詳しくお話しています。とても基本的なことですが、おそらく今まで誰も教えてくれなかったことですし、書店で手に入る本には書いていないことです。特に第3部の内容については、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

21livereal02_1 「21世紀の馬券戦略ライブ2006秋 in 渋谷」 →ライブの模様はこちら

以下、ライブに参加してくださった皆さま、ライブCDを購入してくださった方々の中で、掲載の承諾を得たものになります。*個人情報の問題もありますので、お名前はイニシャルにして掲載させていただいております。

『なるほど、すばらしい』
さて、内容についてですが『なるほど、すばらしい』です。私もにわか競馬ファン?の例に漏れずいろいろな馬券本を読み漁りいわゆる投資法も実践してきましたがここまで深いものはなかったですね。(ここでいう深いとは細かいという意味ではありません)大数の法則にもふれてありますが私が過去目にしてきた他の多くの本は法則を紹介するがその後には決まって都合の良いデータと見当違いの公式や馬券購入方法を延々とならべるだけの中身の薄いものばかりでしたが、「21世紀の馬券戦略ライブ」の中では本質を突いたことが非常にシンプル(ここ大事)に紹介されていて治朗丸さんもCDで言っておられましたがこれを実践するだけでも間違いなく収支は改善されますね。網羅思考と直観思考については言っておられたことは大方、理解できたと思ってますからもうちょっと競馬を勉強してからだなと・・・。そうでないとあまりにも精度が悪すぎて(汗)しかしこの内容で3,500円は破格の値段ですね。こちらとしてはありがたいですが(笑)近々、またライブをされるみたいですね。都合がつきませんで行けれませんがまたこのような形で(CD)で提供してくださることを願って応援しております。ありがとうございました。
(M様)

Mの法則の今井さんの次に出会った
CD届きました。ご連絡できてなくてすいませんでした。手間賃にも及ばないような価格で提供していただき感謝します。ガラスの競馬場の治郎丸さんに出会ったのは、馬券を購入することになってから、悩み出したときにたどり着いた2つ目の出来事です。1つ目は、Mの法則の今井さんです。馬券を絞っていく方が、最終的な勝ちに近いということですね。まだ、サラっとしか聞いていませんが、楽しい競馬のバイブルとして何度も聞いてみます。昔は、にわかMの法則で、ハズしまくっても最終的に勝つ!みたいな攻めの馬券が買えていたのですが、最近は、守りの競馬に入ってしまって、ほんの少し勝つか、少し負けるかの馬券しか買えなくなりました。なんか、無難に馬券して、無難に勝って、無難に負けて、、、、、楽しいか?オレ?。昔の馬券も今の馬券も人生を終わりにするような競馬はしていないので問題はありませんが、やっぱり始めたころの馬券の方が数倍自分もイキイキしてたし、楽しかったです。そんなモヤモヤ馬券をしてるスランプ期?に、ガラスの競馬場に出会いました。平均配当のデータは、ビックリです。期待値は、単勝が1番あると聞いたことありますが、間違ってますか?)ワイド登場した頃は、「なんで、馬単とか3連単とか先ににやらねーんだ!」って、みんな言ってたと思います。私も思ってました。馬券戦略の3ページ目の平均配当を見て、私が最近感じていたことの回答が出た気がしました。「ワイドは、(・∀・)イイ!!」です。そして私の構想「攻めて守る馬券」のアイテム(守り方)にピッタリです。馬連、馬単で攻めて、同一目で、ワイドで守る!これを買い目を絞って買っていきます。あと、ちゃんと収支をつけないといけないことを反省します。回顧が重要なこともわかっていますが、なかなかできません。ネットに自分の予想や買い目を乗せると馬券が堅くなり、当たらなくなりますが、これは「直感」を大事にする逆手にもとれますので、早めにバンバン載せていくのもアリですね^^。面識もないのに、フレンドリーな書き方、またダラダラ乱雑な書き込み読んでいただきありがとうございました。メルマガにも登録させていただきました。楽しく拝見させてもらいます。
(M様)

「なるほど!」と、独り言を言ってしまった
競馬一年生のSです。テキストを広げて聴いているとなぜか自分もそこにいるような感覚…。不思議体験でした。まだ全部を聴いたわけではないですけれど3つのルール+1は今週、小倉記念から実践してみようと思います。聴いてるときに思わず「なるほど!」と、独り言を言ってしまったのは内緒ですよ。では結果はどうあれまたメールさせて頂きます。
(S様)

お金をだしてCDを買った価値があるかな(いやそれ以上の価値があったかも)
ライブCD全部聞かせて頂きました。参考になる部分がたくさんあり、まずは100レース分実践してみようと思っています。ありがとうございました。それと他の人の大局観を聞くのは勉強になりますね。私も冶郎丸さんの大局観をみてなるほど~と思いました。まあ自分の考えを大切にしたいので直観を変える気はありませんけどね(汗) これでお金をだして冶郎丸さんのCDを買った価値はあるかな(いやそれ以上の価値があったかも)と思っています。ありがとうございました。また何かあったらお願いします。
(H様)

覚悟して精進していこうと思います
一通り聞かせていただきました。個人的には『馬券を買う』という欲求に耐えることができるのかが問題かと思います。どうやって勉強(研究)をして直観力を上げていくのか(そもそも上げていけるのか)。その間、いかにお金を回していけるか。そして、単勝に限らず大きく賭けるだけの経済力がない状態ではやはり大きな配当に目がくらんでしまうと思うんですよ(笑)。それもたくさん買ってしまう理由のひとつでしょうね。そこをいかに耐えて大きな勝負をできるだけの直観力を身につけることができるか。精神力の勝負ですね。まさに修行ですが、その先には何が待っているのでしょう。先の見えない道へ足を踏み入れてしまっているのですから、覚悟して精進していこうと思います。
(Murao様)

この話聴いてからホント競馬がわかってきました
CDとテキストいただきました@また聴いてます><んー正直言って、この話聴いてからホント競馬がわかってきました。 何にか?それは予想してもわからない。ということです。当てることって難しいということです。それをふまえて、単勝を主に勝ってますが、単勝を2点など、幅をきかせてやってます。そして自分の好きな馬を買う!見る!応援してる馬が勝つってホントに嬉しいです!そして自信のないレースは買わないようになりました。それは競馬を続ける上でいいことだと思いました^^またライブとか交流しましょう!!CDありがとうございました~
(T様)

少し謎が解けたというか、自信を取り戻した気がします
CDですが、もう何回も聴かせていただきました。直感を信じるって、本当だと思います。私は本当によくあるんです。最初にこの馬がいいんじゃないかなぁと、浮かんだときその馬が来ることは多々ありました。私もレースが近づくにつれ、網羅思考になっていき、最終、よくわからない馬券を買ったりすることが多々あるんですよね。このCDをいただいたおかげで、少し謎が解けたというか、自信を取り戻した気がします。これからもどうぞ、素晴らしいHP更新&馬券のヒント続けてください。この度は、どうもありがとうございました。
(M様)

これからの処生のためにも必要な観点だと感じました
ライブCD拝聴いたしました。20世紀の馬券戦略は要素分解、21世紀の馬券戦略は統合の視点が必要、ということ特に印象に残ったキーワードは2つ、「大局観を持つ」、「個を立てる」。これは馬券以外の(大げさに言うと)これからの処生のためにも必要な観点だと感じました。この概念をいかに馬券で体現できるか。ここが難しくて奥が深いところでしょうね。思考と感性を磨きながら取り組んでみたいと思います。とりいそぎ感想まで。これからもよろしくお願いいたします。
(S様)

大事さが改めてわかった
CDを視聴させていただきました(まだ2枚目までですが)。一枚目の絞り込む理由とかいきなり実践してみようかと思います。というか、大事さが改めてわかったというか。わかっていてもなかなか実践できなかったので常に頭にいれてやってみようと思います。それと2枚目、流れの話ですがちょっと難しいですけど、確かにと思い当たる節が多数ありました。すぐ思いつく流れ、「自分の予想の流れ」ですね。予想がいいときと悪いときの流れってありますよね。何しても当たらない、見たいな。これも絞込みの作業をすればかなり違ってくるのではないかと思います。何度か聞いてみて、ご質問等すると思いますのでよろしくお願いします。
(I様)

にわかに信じられないですがまず100レース試してみたい
ライブCDの通り単勝買いにしてから、なかなか調子がいいです!好きな馬、想いを乗せた馬一頭に勝負を託す醍醐味がなんとなく分かってきた気がします。直観を使って結論を出す という内容が非常に印象的でした。考えて考えて最後の最後(馬体重見て、パドック見て)で結論を出すという流れが当然の競馬の予想の流れであると思っておりました。まだ、にわかに信じられないですが(体の中にすっと入ってこないですが)、まず100レース試してみたいと思います。レース前はあまり考えすぎず直観で結論を出して、レース後に頭を使うように心がけてみます(反省することに頭を使うようにします)。単勝で勝負するという話も非常に参考になりました。わたくしは三連単をメインに勝負していたため、今年の春のG1は散々な結果でした。まさに「揺らぎ」を思いっきり被った結果でした。そんな中、競馬の醍醐味は、やはり「誰が一番強い馬なのか」を当てるという「単勝」に行き着くのかなとも感じておりました。これからは、直観+単勝をメインにかけてみたいと思います。貴重なCDありがとうございました。また、ホームページの方も参考にさせていただいております。今後ともよろしくお願い致します。以上にて失礼致します。
(U様)

私の教則本とさせていただいております
次郎丸さん、ライブCDを送っていただいた後、メールをいただいておりましたが、返信もしないままになっておりました。ご無礼をお許し下さい。送っていただいたCDは、私の教則本とさせていただいております。初心者(アンカツさんの1つ上のオヤジですが)ですので、解らない部分もあるのですが、少しずつ解きほぐして行こうと思っております。ところで、メイショウサムソン、素晴らしいですね。ゲートを出てからゴールまで、まるで勝利の女神に導かれるように、彼らの前には道標があったようにも思えます。不利を受けた馬達は吹き飛ばされたようにも見えましたよ。競馬っておもしろいですね。地方在住でも楽しめる環境に感謝しつつ、サラブレッドの熱さを私の心に刻み込んだ、故アンバーシャダイに感謝し、そして、競馬のロマンを伝えてくれる次郎丸さんのブログを教本として、これからも楽しんでいきたいと思っております。今後もご教授の程よろしくお願致します。
(K様)

買い方自体が刺激的でした
買い方自体が刺激的でした。解説がはじめは抽象的で、少し?が出ましたが、皆さんの質問を交えてのやりとりで少し輪郭が分かった気がしました。競馬を続けているうちに、いろいろと馬券の買い方が変遷していったのですが、今回のライブでまた変化が起きそうです。点数を減らす決断力をつける努力をします。(Y様)

後から痛い目を見たことでしょう
競馬新聞やTVを見て予想して、運が良ければ儲けられればと、競馬を楽しい夢のように思っていたおろかさがしみじみわかりました。ここに来ないまま、仮にたまたま当たったとしても、後から痛い目を見たことでしょう。それがわかった上で、では何をすればいいのかがわかるのがこの戦略ライブですね。競馬で勝って楽しむという夢を「あってほしい現実」にしたかったら参加すべきですね。(T様)

馬券に対する考え方が変わった
馬券に対する考え方が変わったし、すごくタメになりました。その馬券を買う意味を再考してみようと思いました。「21世紀の思考法」で聞いた話は、今後意識して行ってみようと思います。また機会がありましたら、ぜひ参加させていただきたいと思います。(M様)

悩みに対して前向きになる勇気がでた
悩みは簡単には解決されませんが、悩みに対して前向きになる勇気がでました。その意味で、解決に向かうはずです。そして、自分なりのスタイルを見つけたいと思います。今まで目を背けてきた、「理由探しの限界」を直視しようという勇気をもらいました。もっともっと競馬を見て、経験を積んでいこうと思います。次の機会楽しみにしています。
(jirobacks様)

自分の考えを再確認できた
大変ためになり、自分の考えを再確認できました。「結論から考える」は勉強になった。ブログいつも楽しみにしてみていますので、これからも面白い記事をお願いします。
(Y様)

特に複雑系の話は大変参考になりました
これまで私が断片的に行ってきた(考えてきた)馬券の買い方について、よく整理していただいた。本日のお話は思い浮かんでいた部分もあったので、大分すっきりしました。特に複雑系の話は、意識していたこともあり、大変参考になりました。
(K様)

今日で方向が決まりました
直観をつめていくこと。網羅思考的に有力馬を広げていくとダメだということを再確認しました。これからは馬を絞り込んでいきます。オッズで変えてはいけないことも、心に残りました。直観の中に正しい答えがあることが多いというのは、うすうす気付いていましたが、今日で方向が決まりました。競馬とは関係がないですが、ブラックボックスのイメージは人生で役立ちそうです。今日で何を意味している図で、何に適応されるのかよく分かりました。
(N様)

競馬以外にも使える広がりのある話でした
大変セミナーの進め方もお上手だし、人前で話すことに慣れていらっしゃるようにお見受けいたしました。資料等も分かりやすくまとめられていますし、ビデオなども使われていて、色々な角度から、競馬というジャンルにおいてはかなり難しいと思われる話ですが、頭に入りました。今日のお話は、競馬以外にも使える広がりのある話でした(特に21世紀の思考法)。月下の棋士のように、駒が光って見える如く、馬柱の馬名が光って見えるといいですね。
(H様)

競馬にマンネリ気味だった私には良い刺激になりました
けっこう長い時間でしたが、楽しかったです。集まった人たちも皆良い人で、雰囲気も良かったです(怪しい雰囲気だと嫌だと少し心配しておりました)。競馬にマンネリ気味だった私には、良い刺激になりました。
(I様)

自分の頭の中で少しモヤモヤしていたものがまとまった気がする
自分の頭の中で少しモヤモヤしていたものが、まとまった気がする。直観思考の大切さ、自分が網羅思考に陥らないようにしたいことと、考え続けることが必要なのだと思った。自分は考えることをやめている。
(T.I様)

今日のテキストを家に帰ってからも読み直したいと想いました
「分からないことを分かること」これはなかなか奥深い言葉でした。自分なりに掘り下げて、理解したいと思います。<感情>を磨くこと、これも意外でしたね。今日のテキストを家に帰ってからも読み直したいと想いました。
(I様)

自分にうまく取り込んで昇華させたい
私は馬の精神状態を読み解くというMの法則という考え方で5~6年競馬を見ています。長年その考え方を使ってきましたので、逆に固定観念に捉われてしまうようになってしまいました。あるいは、必要以上に難しく考えることも増えました。直観思考という考え方を自分にうまく取り込んで、昇華させたいと思います。
(O様)

「ゆらぎ」を抑えることがヒントになりました
競馬中級者くらいになったと思っていましたが、まだまだでした。また競馬は複雑なゲームであることを認識することができ、「ゆらぎ」を抑えることがヒントになりました。今日から、直観思考を実践してみたいと思います。ありがとうございました。
(H様)

成程…と思いました
皐月賞は取りましたが、予想の根拠としては恥ずかしいほどに情けないもので、とても声に出して言えないものでした。馬券は取るには取りますが、どうも自分の予想に「ブレ」を感じて、その修正をしたいと思っていたところ、先のライブの告知を拝見して、参加させていただくことにしました。結果、得ることはとても大きかったです。特に「めりはり」をつける箇所は、成程…と思いました。
(匿名希望)

テキストは何回も読みました
初めまして。先日、「21世紀の馬券戦略ライブCD」を購入したNです。仕事が忙しいので、合間をぬって、1枚目のCDを聴講しました。テキストは何回も読みました。自分の知っている情報や知らない知識があり、大変勉強になっています。これから2枚目のCDを聴講するところです。また、名刺も頂き、案内の文書には、直筆?のサインもあり、この方は信頼できる方だと感じています。今後、いろいろと質問をさせて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。競馬というものについて、今まで自分なりにいろいろと研究・勉強してきました。次郎丸さんのホームページの記事や情報も、全部目を通しましたよ。すごいなあと思っています。これからも、いろいろと勉強させて頂きます。また、近いうちにお会いして、いろいろとお話できたらいいなぁと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
(N様)

「21世紀の馬券戦略ライブCD」の具体的な内容は以下のとおりです。

Disc1 幸せな競馬勝利者になるために知っておくべき3つのルール+1(43分)
■競馬は儲からない!?
■確実に負けていく人、勝てるチャンスが残された人
■回収率が大幅にアップする3つのルール+1
■コース設定に基づきめりはりを決める
■本命に賭け続けるとどうなる?
■同じ点数でも賭け方によって効果が違う
■質疑応答

Disc2 競馬~『複雑』なゲーム(36分)
■競馬は『複雑』なゲーム
■20世紀の競馬理論とその限界
■「複雑系」ゲームの2つの攻略法
■ノースフライトの安田記念
■どれぐらい競馬が分かっていますか?
■競馬は無限なり、個を立てよ!

Disc3 21世紀の思考法(57分)
■結論から考える
■網羅思考と直観思考
■上級者と羽生の決定的な違い
■正しい答えを高い確率で出すためには?
■途中で思考が行き詰ってしまった場合、どのように決断するか?
■競馬の予想で一歩抜け出すために
■質疑応答

21cdimg_1
Sityou*MP3形式(約4分間)

ライブCDの内容は、CD3枚(合計137分)と当日使用したテキスト(23ページ)になります。

私個人の都合で大変申し訳ないのですが、今回は50部限定とさせてください(これ以上作る時間がありません…すいません)。料金はライブの参加費であった3500円のみ(税込み、送料、代引き無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。安くて心配と思われるかも知れませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めました。早めになくなってしまうことが予想されますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください

Button

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1_2メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。

Step2_2お申し込み確認メールが届きます。

Step3_2お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。

Button

追伸
クラシック競走の足音が少しずつ聞こえてきました。この機会に、競馬について見直してみたい方、またさらなるレベルアップをしたいという方は、ぜひ「21世紀の馬券戦略ライブ」CDを聴いてみてください。私のかなりの自信作です。第1部を聴いて実践するだけでも、回収率が大幅にアップするはずですよ。

また、質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたら私宛のメールにてドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

| | Comments (0)

ヴァーミリアン、メイショウトウコン共に5つ☆

ヴァーミリアン →馬体を見る
脚元のバンテ-ジは気になるが、全体的なバランスや立ち姿は問題なし。
JCダート時は馬が長く見えたが、今回はシッカリ造ってきていて、マイル戦にも対応できそう。
Pad5star

ヴィクトリー →馬体を見る
兄リンカーンがそうだったように、体つき、表情ともにまだ幼さを残す。
ダート適性よりも、現在は精神的な部分が走る方に向いているかどうかが全て。
Pad3star

クワイエットデイ →馬体を見る
ダート馬らしくない、全体的に緩やかで伸びのある馬体。
肉体的な衰えは感じられず、ここも好走を期待しても良いだろう。
Pad4star

フィールドルージュ →馬体を見る
全体のバランスが良く、全く無駄のない馬体で、これが高齢まで走られる理由のひとつ。
体型から距離短縮はプラスに働かないが、今の勢いなら克服可能。
Pad4star

ブルーコンコルド →馬体を見る
昨年のJCダート時よりは良くなったが、全盛期に比べ、筋肉量が落ちている。
それに伴って、漲っていた気迫も失われたように感じる。
Pad3star

ボンネビルレコード →馬体を見る
これといって特徴のない馬体で、いつも強調材料に欠ける。
Pad3star

メイショウトウコン →馬体を見る
昨夏から使い込んでいるが、馬体の張り、気迫ともに翳りは見せない。
今回も力強い立ち姿で、脚の長い体型は府中コースにピッタリ。
Pad5star

ロングプライド →馬体を見る
ほぼ完成された馬体を誇るが、逆にこれといった強調材料もない。
パンチ力不足は否めないが、この馬も府中コースは合うだろう。
Pad3star

ワイルドワンダー →馬体を見る
中間楽をさせたのか、前走時に比べ、メリハリに欠ける印象を受ける。
コロンとした体型からも、マイルは適距離であるが、ギリギリでもある。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (85)

激しい舞台には芝は生えない

Jiromaru

フェブラリーSは大好きなレースのひとつです。なぜって、もちろん馬券的にも得意なのですが、時期的にちょうどG1レースが待ち遠しくなった頃に行われるじゃないですか。有馬記念が終わって新しい年を迎え、そろそろ生活も落ち着いてきたので競馬で勝負したいなぁと思い始めた時、フェブラリーSが目の前に現れるわけですよ。あと1ヵ月なんてとても待ちきれません。

フェブラリーSがG1レースに格上げされてから11年が経ちました。ダートのG1レースが少しずつ定着していることが感じられます。そもそも、日本で行われているレースは、ダートが約2万5000に対し、芝は約1600しかないのですから、日本の競馬のほとんどはダートで行われていることになります。本来はメジャーなはずのダート競馬ですが、つい最近まで、芝で走らなかった馬がダートに行くというイメージが強かったですよね。ここ数年は芝でG1を取ったアグネスデジタルやアドマイヤドンのような馬の優勝もあり、私たちの意識も少しずつ変わってきています。

「激しい舞台には芝は生えない」という、私の大好きな大井競馬場のキャッチフレーズが昔ありました。今年のフェブラリーSは、昨年の最優秀ダート馬ヴァーミリアン、桜花賞など牝馬3冠を制したダイワスカーレット、川崎記念で連勝を決めて勢いに乗るフィールドルージュ、待ちに待ったダート短距離でG1を狙うワイルドワンダーなど、多士済々のメンバーが揃いました。まさにスタート後80mより先は芝が生えていない、そんな激しい舞台になりそうな予感がします。

さらに、激しいだけではなく、波乱の舞台となることも十分にあり得ます。というもの、上に挙げたヴァーミリアン、ダイワスカーレット、フィールドルージュ、ワイルドワンダーのそれぞれに、不安要素があると私は考えているからです。4強の強さは言わずもがなですので、今回は敢えて不安点に的を絞って書いていきたいと思います。

まずはヴァーミリアンから。飛節炎のため川崎記念を回避しましたが、もし出走していれば負けていた可能性もあったはずです。そもそも昨年暮れの東京大賞典も怪しかったのではないかと思います。JCダートはレコード決着となったことも含め、極めて激しいレースでした。そのレースであれだけの走りをした馬が、反動もなしに、コンディションを維持するのは難しかったはずです。JCダートの後、体調は下降線を辿っており、そんな中でも東京大賞典はなんとか勝ったのですが、やはり川崎記念の前は動きも悪かったように、疲れが限界に達していました。それが飛節炎という形で出てしまい、故障にまで至らなかったのは幸いでした。川崎記念を回避したことによって、だいぶ体調は上向きになってきているようですが、それでも完調は望めません。石坂調教師の「上位には来れる」というコメントは、額面どおり受け取ってもよいのではないでしょうか。

ダイワスカーレットは前走で連勝が途切れたことが気になります。連勝が途切れた馬は、それまでキッチリと仕上げられてきた反動がドッと噴出してしまうことがあります。肉体的にも精神的にも、我慢してきたものがフッと切れてしまう感覚です。もちろん、ダイワスカーレットほどの一流馬になれば、普段の動きからはその気配を読み取ることは難しいのですが、いざレースに行ってみると思わぬ凡走をしてしまうということです。フェブラリーSは芝並みの時計で決着しますので、ダートに関しての適性云々は全く心配はいりません。それよりも、連勝が途切れた後ということについては、疑ってかかった方がいいと思います。

フィールドルージュは調教であまり動かないタイプの馬です。特に厳寒期には、こういうタイプの馬は絞り切れないという不安を常に抱えています。しかも、川崎記念のフィールドルージュは私の知る限り最高の状態でしたから、そこからひと息入れて、馬体を一旦緩めてしまっていますので、今回どこまで仕上げ直してこられるでしょうか。

ワイルドワンダーは、前走が予想以上に仕上がっていました(マイナス8kg)。反動の心配はあっても、上積みはないことは確かです。中間の追い切り過程を見ても、前走の状態を維持することに努めている様子が窺われますし、パドック写真を見ても、正直に言って前走の方が立派に見えました。この馬のベストの馬体重をどう解釈するかがポイントですが、前走を叩いて良化という考えは捨てた方が良いかもしれません。

以上、人気を背負うであろう4頭の不安点を挙げてみました。書いた後からみると、どの馬も体調に不安ありということですね。どの馬も完調にあれば、ここは突き抜けるだけの実力を持っており、東京1600mダート戦は元々、実力が正直に出やすいコースだけに、今年のフェブラリーS攻略のポイントはズバリ“体調”ということでしょう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (105)

フェブラリーSをラップから占う

Febs

まずはほとんどの有力馬が出走していた昨年のJCダートから。前半57秒7-後半61秒9というラップ構成は馬場状態を考慮しても、過去のJCダートの中でも最もレベルの高いレースのひとつである。力が正直に反映されたレースでもあり、このレースで上位入線した馬が、その後も活躍しているのは当然である。

JCダート(レベルS)
7.1 - 10.7 - 11.9 - 11.7 - 11.5 - 11.9 - 12.6 - 12.3 - 12.5 - 12.0 - 12.5(57.7-61.9) 2:06.7
川崎記念(レベルB)
6.9 - 10.9 - 12.3 - 14.0 - 13.2 - 13.8 - 13.8 - 11.5 - 12.0 - 12.8 - 11.9(64.2-62.0) 2:13:1

幸いにも川崎記念が同じ距離(2100m)で行われているので、比べてみてもらいたい。前半500mまではほぼ同じようなラップを刻んでいるが、中盤は明らかに川崎記念のラップが緩んでいることが分かる。小回りの川崎競馬場は、どうしてもスピードを緩めてコーナーを回らざるを得ないため、ペースが必然的に緩んでしまうからである。JCダートで2着したフィールドルージュの力を持ってすれば、ゴール前余力を持っての勝利も当然で、JCダート後に急激に強くなったというわけではない。

ガーネットS(レベルB)
12.0 - 10.3 - 10.8 - 11.4 - 12.2 - 13.7(33.1-37.3) 1:10.4
12.1 - 10.3 - 11.3 - 12.3 - 12.7 - 13.5(33.7-38.5) 1:12.2 500万下

年明けのガーネットSは例年通り「上がり不問のレース」となり、逃げたタイセイアトムが逃げ切った。同日に行われた500万下のレースと比べてみると、時計の差(1秒8)と同じ、もしくはそれ以上のレベルにあり、決してレベルが低いということはない。

根岸S(レベルC´)
12.2 - 10.7 - 11.4 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 12.5(34.3-36.4) 1:22.7
12.2 - 10.8 - 11.4 - 11.8 - 12.5 - 12.6 - 12.9(34.4-38.0) 1:24.2 500万下

参考
2001年根岸S ノボトゥルー(レベルB´)
12.5 - 10.7 - 11.2 - 11.8 - 12.2 - 12.1 - 11.6(34.4-35.9)

その証拠にタイシンアトムは根岸Sでも2着に粘ったわけだが、このレースを同日の500万下と比べてみると、それほどレベルの高いレースではないことが分かる。ノボトゥルーが勝った2001年のレースラップと比べてみても、前半を34秒3で行ったのであれば、少なくとも後半は35秒台でまとめて欲しかった。内枠で砂を被って厳しいレースになってしまったワイルドワンダー以外の馬は、本番であるフェブラリーSには繋がらない内容であった。

平安S(レベルA)
12.5 - 11.2 - 12.4 - 12.4 - 12.8 - 12.3 - 12.2 - 12.3 - 12.9(48.5-49.7) 1:51.0
12.5 - 11.6 - 13.1 - 13.2 - 13.2 - 12.7 - 12.4 - 12.4 - 12.5(50.4-50.0) 1:53.6

平安Sは前日に行われた500万下のレースと比較してみると、そのレベルの高さが分かる。どちらも時計の出やすいやや重馬場で行われたものだが、この2つのレースには時計以上のレベル差がある。勝ったクワイエットデイも十分に評価して良いし、ここで負けたメイショウトウコンやロングプライド、ボンネビルレコード、ドラゴンファイヤーの巻き返しも期待できる。


関連エントリ
ガラスの競馬場:根岸Sの分析

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (61)

豪腕

Kisaragi08 by echizen
きさらぎ賞2008-観戦記-
メジロガストンが引っ張ったレースは、前半48秒6-後半48秒0という京都1800mに典型的な平均ラップで流れた。どの枠でも、どの位置からでもチャンスのある、まさに展開いらずのレースで、最後は各馬一線の迫力のある追い比べとなった。

勝ったレインボーフェニックスは、ペリエ騎手にビッシリと追われ、最後までしっかりと伸び切った。大外枠からスムーズにレースを進められたことが最大の勝因であろう。これまで全て1番人気に推されていたように、素質を高く評価されていた馬だが、今回は芝で未勝利であったことに加え、休み明けということで人気の盲点となっていた。今回のレースで、芝でも走れる、いや芝の方が走るということを証明した。また、ペリエ騎手の豪腕が目立ったレースでもあり、ゴール前では全盛期のペリエ騎手を見た気がした。

スマイルジャックも僅かに負けてしまったが、最後までシッカリと伸びている。スタートしてから最後の直線に向くまで、絶妙な位置取りを進んでいたように、小牧太騎手のほぼ完璧な騎乗が光った。これで負けたのだから、勝ち馬には力負けを認めるべきだろう。もうワンパンチ足りない印象だが、スマイルジャック自身も前走の若竹賞を叩いて体調がアップしていたし、伸び伸びと走ることのできるコースの方が合っていたのだろう。

ヤマニンキングリーは藤田伸二騎手に導かれ、最後はあわやと思わせる伸びを見せた。成長分を含めても少し重め残りだったはずで、それでもここまで来たのだから、さすがにレベルの高い黄菊賞を勝っただけのことはある。器用さに欠ける馬だけに、直線の長いコースならば、これからもその末脚を十分に生かす競馬が出来るはず。この馬にとっては次走が試金石か。

レッツゴーキリシマは57kgを背負って頑張ったが、この馬にとっては少し距離が長かったのだろう。テンから少し掛かり気味で先行したように、前走でマイルを使っていたことがマイナスに出てしまった。もちろん、休み明けであったことも引っ掛かった原因のひとつではあるので、叩いた次走は折り合えるだろうし、距離も2000mぐらいまでなら十分にもつ馬である。

ダイシンプランは最後方からよく伸びたが、前も伸びていたので届かなかった。能力は高いだけに、もう少し気性が大人になって、レースにしっかりと参加できるようになれば怖い1頭である。アルカザンは道中折り合いも付いて直線に向いたが、最後は休み明けの分、伸び切れなかった。

圧倒的な1番人気に推されたブラックシェルは、スタートから立ち遅れて、最後は外から伸びて来たが、わずかに差を縮めるのが精一杯。最終追い切りの動きも重く映ったように、プラス10kgの馬体重が示すとおり、少し太目残りでの出走であった。この時期の坂路コースの調教馬は絞り切れないことがあるので、これからも注意して見るべきである。


関連エントリ
ガラスの競馬場:集中連載「一流の騎手とは」

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

勝負の世界には運も必要

いよいよクラシックシーズンの足音が聞こえて来る時期になりました。そういえば、ちょうど10年前のきさらぎ賞を制したのが、私の大好きなスペシャルウィークです。当時、実はまだ1勝馬の身だったのですが、回避馬が続出したことにより、幸運にもきさらぎ賞に出走するチャンスが回ってきましたのです。しかし、そこに至るまでの道のりは決して幸運なものではありませんでした。

Specialweek_2新馬戦を快勝したスペシャルウィークは、2戦目として500万下のレースを狙っていました。ところが、1997年暮れから1998年初めにかけては、異常ともいえるほどの除外ラッシュでした。これは小倉競馬場の改修工事によって、例年よりも開催が少なかったことが大きな理由だったのですが、どの馬も抽選に通らなければ出走が叶わないという状況でした。

そこで、ほとんどの陣営はどうしたかというと、一度除外されれば次の抽選では有利になるシステムを利用して、とりあえず登録だけするという作戦を採りました。当然、スペシャルウィーク陣営も、とりあえずという形で500万下の白梅賞に登録したのです。除外される確率の方が圧倒的に高いのですから、まずは除外されてから、次はどこを狙うか考えようということですね。

ところが、なんと抽選に通ってしまったのです。白梅賞に出走できるようになったものの、除外を前提に考えていた陣営は、スペシャルウィークの体をキッチリとは作っていませんでした。どう贔屓目に見ても、あと1本追い切りが足りないというのが本音でした。その証拠に、白梅賞の馬体重は8kgも増えていて、さすがのスペシャルウィークの能力を持ってしても2着が精一杯でした。

完全に予定が狂ってしまった陣営は、クラシックに間になんとか合わせるために、少しでも賞金を加算しようとしました。次走は手堅く自己条件のつばき賞を選んだのです。ところが、皮肉なことに、今度は抽選に落ちてしまい、つばき賞に出走することが出来なくなってしまったのです。そんな時、管理していた白井調教師は、もしかしたらスペシャルウィークは運に見放された馬なのかもしれないと思ってしまったそうです。というのも、スペシャルウィークは産まれてすぐに母親を失くし、乳母に育てられたという過去があったからでした。

しかし、スペシャルウィークは幸運な馬でした。つばき賞を除外された結果、きさらぎ賞に出走することができ、そのきさらぎ賞で堂々の勝利を収めたのです。競馬の世界にタラレバはありませんが、もし白梅賞に勝っていたら…、もしつばき賞を除外されていなかったら…、スペシャルウィークはダービーを勝つことが出来たのでしょうか。答えは誰にも分かりませんが、勝負の世界には運も必要だということは確かですよね。

スペシャルウィークに調教で初めて跨った武豊騎手と白井調教師の間に、こんなやり取りがあったそうです。面白いエピソードなので紹介しておきます。

白井調教師(ニヤリと笑みを浮かべて)
「どうや、豊君。あの馬、ダンスパートナーに似て…」
武豊騎手(少し興奮気味に)
「先生、あの馬、ダンスインザダークにそっくりですよ!」
白井調教師(意表を突かれた感じで)
「えっ、いや、ダンスパートナーに似てへんか?」
武豊騎手(極めて冷静に)
「全姉弟ですからね。でも男馬ですから、ダンスインザダークに似ていますよ。」

スペシャルウィークという1頭の新馬を賞するにあたって、白井調教師がダンスパートナーの名を口に出し、武豊騎手がダンスインザダークの名を挙げ、どちらも譲らなかったところが面白いですよね。その2頭は全姉弟なので、どちらのイメージも正しかったのだと思います。ただ、白井調教師にしてみれば、かつて自分の厩舎にいたサンデーサイレンス産駒の大物ダンスパートナーの後継者と考え、武豊騎手にしてみれば、昨年惜しくも取り逃がしてしまったダービーで乗ったダンスインザダークのリベンジを夢見たのでしょう。

さて、今年のきさらぎ賞は、私たちにも期待を抱かせてくれるスペシャルウィークのような馬が誕生するのでしょうか。2歳時に無理をしなかった素質馬が続々と出走してきますので、楽しみは大きく膨らみます。

1番人気は武豊騎手が手綱を取るブラックシェルでしょう。前走の福寿草特別で、ファリダットとキングスエンブレムを並ぶまもなく抜き去った末脚には驚かされました。ホープフルSは中山のコース形態もあって早めに動かざるを得ませんでしたが、ギリギリまで我慢すればかなり切れるということを証明しました。松田国調教師も「キングカメハメハに似たタイプ」と言っているように、広々としたコースで力を発揮する馬なのでしょうし、これからまだまだ変わってくる可能性を秘めています。あえて凡走する理由を探すとすれば、大型馬だけに、この時期は絞るのが難しいということでしょうか。坂路コースでの追い切りも少し鈍く見せましたので、まだこの時点ではキッチリ仕上げてこないだろうという意味も含め、太目残りで負けてしまうことも考えておいた方がいいですね。

本命は武豊騎手がスペシャルウィークのたとえとして挙げた、ダンスインザダークの仔◎アルカザンに打ちます。2戦2勝と底を見せていない魅力はもちろんですが、何と言っても、京都2歳Sを勝ちながら無理をせずに休ませた陣営の余裕を評価したいですね。馬体が緩く、未完成なところが目に付いたのですが、前走後に放牧に出したことによって、ひと回り成長したように映ります。追ってから渋太く伸びる馬ですので、京都1800mの持続力を要求されるコースも合っていると思います。外枠も味方につけて、良い脚を長く使いながら、最後は差し切るシーンも期待してもいいのではないでしょうか。最終追い切りの動きは100%という感じは受けませんでしたが、ここを勝つようなら将来はかなり有望だと思います。

1勝馬でも面白いのはマッキーバッハでしょうか。新馬戦はまだまだ余裕を感じさせる勝ち方でした。追ってまだまだ伸びそうという印象を受けましたし、わずか1戦のキャリアで出走してくる石坂厩舎の心意気も買いたいと思います。昨年はオーシャンエイプスを出走させ、圧倒的な1番人気に祭り上げられたものの凡走してしまいましたが、今年は逆にリラックスムードで出走できるはずです。展開次第では勝ち負けにまでなるかもしれません。

ダイシンプランは岩田騎手の期待の馬です。新馬戦は最後方から差し切って、身体能力の違いを見せつけるような走りでした。極端な競馬をした反動が出た前走ですが、ほとんど走っていませんので、あれがこの馬の実力ではないでしょう。本気で走れば重賞クラスだと思います。ただ、現状としては若さが目立ちますので、レースに行って走ってみないと好走凡走が分からない部分があります。どれぐらいの人気になるのか分かりませんが、狙いづらい馬ではあります。


関連エントリ
血統フェスティバル:きさらぎ賞2008予想
馬流天星の若駒戦予想情報:きさらぎ賞

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (81)

集中連載:「調教のすべて」第1回

Tyoukyou01

「もし坂路コースがなければ、ミホノブルボンはダービーはおろか、たった1勝することも出来ずにターフを去っていたかもしれない」

2冠馬ミホノブルボンを管理した、故戸山為夫調教師の弁である。

栗東トレセンに坂路コースが出来たのは、今からおよそ20年前のこと。今でこそ関西馬が強くなったのは坂路コースのおかげともてはやされているが、完成当初の調教師たちの反応は冷ややかなものであった。実際に、坂路コースを使って追い切られる馬などほとんどいなかった。そんな中、故戸山為夫調教師は、坂路コースに活路を見出し、坂路コースに己の調教師生命を賭けた一人であった。

父マグニチュード、母カツミエコーという、これといって目立ったところのない短距離血統のミホノブルボンは、当時、1億円以上の煌びやかな血統を誇る高馬が続出する中、1000万にも満たない価格でひそやかに取引された安馬であった。しかも、脚元には不安があり、頭が高く、走る姿勢が悪かった。

しかし、ミホノブルボンは故戸山為夫調教師によって坂路コースで鍛え抜かれた。「坂路の申し子」と呼ばれ、通常1日2~3本の厩舎が多い中で、1日4本、多い時には1日に5本も登坂することもあった。ミホノブルボンのトモは異常なほどに発達し、幾層の山のように盛り上がっていた。私もパドックで実際にミホノブルボンを見たことがあるのだが、他馬の2倍の大きさがあると言われたお尻から伝わってくる力強さに、しばし圧倒されたものだ。

何と言っても、今でも記憶に残っているのは、惜しくも3冠を取り逃がした菊花賞である。玉砕的に逃げたキョウエイボーガンにペースを乱されながらも、希代のステイヤーであるライスシャワーに最後の最後まで食い下がった走りは、まさに負けて強しであった。それでも、故戸山為夫調教師はジョッキーであった小島貞博に対し、「どうしてミホノブルボンを信じることが出来なかったのだ?」と諭したとされる。この菊花賞を最後にミホノブルボンは引退してしまったが、坂路で内容の濃い調教を積み重ねることによって、距離までも克服できることを証明したのである。

もし坂路コースがなければ、脚元に不安のあったミホノブルボンをここまで鍛え上げることは不可能であっただろう。頭の高い走法も改善されることなく、スタミナのロスも大きかったに違いない。3000mの距離など論外で、もしかすると血統どおりマイル戦でパタッと止まってしまうような馬で終わっていたかもしれない。冒頭の言葉は決して謙遜ではなく、数々の名馬を坂路コースで育て上げてきた故戸山為夫調教師の本音であったように思える。

故戸山為夫調教師は、ちょうどミホノブルボンが入厩してきた頃に食道ガンに冒され、引退する前に息を引き取った。「私から馬を取ったらガンしか残らない」と冗談を言いながら、坂路調教で馬を鍛え上げることに執念を燃やし続けた。スパルタ調教と酷評されても、馬は鍛えて強くなるという信念を曲げることは決してなかった。そのおかげで、今日の坂路調教の基礎があると言っても過言ではない。故戸山調教師の試行錯誤が、現在の坂路コースのノウハウにつながっているのは確かなのである。

(第2回へ続く→)


おまけ
YouTube:時代を熱くした馬、ミホノブルボン

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (338)

きさらぎ賞の分析

Kisaragi

過去10年の優勝馬だけではなく、連対馬からもG1ウィナーを輩出しているように、クラシックへ向けての試金石となる一戦。2歳時に無理をしなかった素質馬が狙いを定めて出走してくるため、レベルの高いレースとなりやすい。

実はこれといった傾向はないのだが、ひとつだけラップ構成から垣間見えるレースの特徴がある。勝ち馬や全体のタイムはほとんど関係ないので、過去10年のラップと前後半4ハロンのタイムだけを時系列に並べてみたい(一番下が2007年のラップ)。

12.7-11.9-12.2-13.0-13.0-12.4-11.8-12.3-12.0(49.8-48.5) 後傾ラップ
12.9-11.1-12.1-12.6-12.5-12.1-11.6-12.1-12.1(48.7-47.9) 平均ラップ
13.0-11.1-11.6-12.3-12.4-12.1-11.6-11.8-12.1(48.0-47.6) 平均ラップ
12.7-11.3-11.7-12.1-12.6-12.5-11.7-11.7-11.6(47.8-47.5) 平均ラップ
12.5-11.0-11.5-12.4-12.4-12.2-11.9-11.9-11.8(47.4-47.8) 平均ラップ
12.8-11.4-12.0-12.6-12.9-12.4-11.8-11.8-11.9(48.8-47.9) 平均ラップ
12.9-11.3-11.5-12.1-12.5-12.5-11.8-11.7-11.7(47.8-47.7) 平均ラップ
12.9-11.8-11.9-12.5-12.4-12.0-11.6-11.4-12.0(49.1-47.0) 後傾ラップ
12.8-11.0-11.5-12.2-12.5-12.5-11.9-11.3-11.7(47.5-47.4) 平均ラップ
12.8-11.3-12.3-12.9-12.4-12.1-11.3-11.4-12.3(49.3-47.1) 後傾ラップ

前後半のラップの差が1秒以上ない場合を平均ラップとして考えると、過去10年中で僅か3レースのみが後傾ラップとなる。それ以外の年のレースは平均ラップで流れていて、スローペースになりやすい近年の傾向を考えると、かなり珍しい部類のレースに入る。

なぜこのような平均的な流れになるかというと、京都1800m(外回り)というコースの形態に理由がある。京都1800mは、向う正面を延長したポケットの最深部からスタートするため、スタートから最初のコーナーまでの距離がなんと912mという長さになる。この数字を見てピンときた人はさすがだが、つまりレース全体距離の半分が最初の直線に費やされるということだ。

これだけ直線が長いと、どうしても逃げ・先行馬が息を入れずに気分良く行ってしまうため、前半部分が速くなりやすい。しかし、その代わりに後半が遅くなるかというとそうでもなく、3コーナーを回ってからゴールまでは下り一辺倒になるので、後半も同じように速い上がりでの勝負となる。つまり、全体的に淀みのないラップが刻まれ続ける、厳しいレースになるということだ。

よって、このレースを勝ち切るためにまず問われるのは、1800mという字ズラ以上のスタミナである。過去の勝ち馬から菊花賞馬が2頭、ダービー馬が1頭出ていることは、あながち偶然でもないだろう。そして、もうひとつ問われるのは、速いラップを長く刻み続けることの出来る持続力である。マイル戦でスピードを生かす競馬を得意とする馬や、一瞬の差し脚で勝負する馬は狙いを下げた方が賢明である。


関連エントリ
けいけん豊富な毎日:きさらぎ賞(展開分析)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (84)

力を信じて

Silkroads08_3シルクロードS2008-観戦記-
抑える競馬をすると踏んでいたアストンマーチャンが逃げ、創り出したのは、前半33秒7―後半35秒4という前傾ラップ。特に3ハロン目も10秒8というG1レース並みのハイラップを刻んでおり、この辺りで先行集団にいた馬たちは、最後の直線で軒並みバテてしまった。

勝ったファイングレインは、スタートから自分のペースでレースを進め、最後は桁違いの末脚で全馬を差し切った。マイル以上の距離になると甘さを見せる馬だが、底力の不足を補えるこのくらいの距離が合っている。高松宮記念は開催5日目で馬場も傷んでくる時期なので、今回こうした馬場で結果を残せたことは大きい。直線が短い高松宮記念は仕掛けどころが難しいが、幸騎手には今日のように馬の能力を信じて乗って欲しい。

コパノフウジンが久しぶりに好走した。前走で惨敗したことによりハンデが軽くなっていたこともあるが、レースの流れに上手く乗り、最後はステキシンスケクンの猛追を凌ぎ切った。先行争いが激しくなるのを横目に、馬のリズムに合わせて走らせた、藤岡祐介騎手の当たりの柔らかい騎乗が目に付いた。

ステキシンスケクンも、差しに回って好走した。気難しいところのある馬だけに、あの先行争いに巻き込まれてしまっていたら、おそらく着外に消えていただろう。ペースを読み切って、馬の新たな面を引き出した岩田康誠騎手の絶妙の手綱捌きであった。

1番人気に推されたアストンマーチャンは、休み明けをあれだけのペースで飛ばしては失速もやむを得ない。高松宮記念のことを考えて、抑える競馬を試してくると思っていただけに、逃げて惨敗とは何ともやるせない。今回のレースにおいて勝つ確率の高い乗り方をしたということなのだろうが、それではなぜ武豊騎手に手綱を戻したのか分からないし、少なくとも次走へ繋がる負け方(乗り方)には見えなかった。

アイルラヴァゲインも不甲斐ない負け方であった。休み明けにしては体も出来ていただけに、ハイペースを追走したとはいえ、とてもG1を意識できるような走りではなかった。ペールギュントはルメール騎手が積極的に攻めすぎたことが裏目に出てしまった。普段どおりの終いを生かす競馬をしていれば、上位に食い込んでいただろう。ただ、これはあくまでも結果論で、乗り方と展開次第で、次回の巻き返しは期待できる。

upper photo by Deliberation


関連エントリ
ガラスの競馬場:勝ちに行ったのは

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (90)

神の視点を持つアスリート

Kaminositen

「名騎乗ベストテン2007」の第2位は、安藤勝己騎手が勝った安田記念である。

最後の直線、手綱を通して伝わってくるダイワメジャーの手応えを感じながら、前を逃げるコンゴウリキシオーの脚色を測りつつ、後続の差し馬の動きを背中の目で見る。コンゴウリキシオー1頭に相手を絞って馬体を併せに行くか、それとも後続の差し馬か。両者が内外に大きく離れている以上、ターゲットを誤ればすなわち敗北に繋がる。ほんのコンマ1秒の判断の遅れさえ命取りになるのだ。下手をすれば、コンゴウリキシオーを捕らえられないばかりか、後ろの馬にも差されてしまうという最悪の事態にもなりかねない。

そのような状況の中で、安藤勝己騎手は極めて冷静に、後続から差し馬が迫ってこないと瞬時に判断するや、コンゴウリキシオー目がけてダイワメジャーの手綱を解き放った。最後はまるで全てを計算しつくしたかのように、ダイワメジャーが首だけ前に出たところがゴールであった。この神がかり的な騎乗を見て、私は世阿弥の「離見の見」という言葉を思い出した。

舞の心得に、「目前心後」というのがある。これは「目では前を見て、心を後ろに置け」ということだ。見物席から見られるわが舞台姿は、いわば自分にとっての「離見」である。それに反して自分の意識は「我見」である。「「離見」に立った「見る」ではない。離見の見とはなにかというと、それは観客席から舞台上を見るのと同じに自分を見ることが出来るのだ。わが姿を見ることができてはじめて、左右前後も見ることが可能となろう。「離見の見」の真理をしっかりと体得してこそ、美しい舞が舞えるだろう。(「花鏡」)

「離見の見」は、一流のアスリートであれば誰もが経験することだろう。たとえば、元F1レーサーの中嶋悟は、調子の良い時は、時速300kmを超えるレース中においても、自分の前後左右の車の位置関係が手に取るように分かったという。サイドミラーやバックミラーで確認しているわけではなく、まるでレースを真上から見ているような感覚があったそうだ。そのような視点があってこそ、初めて美しいパフォーマンスが生まれてくる。中嶋悟も安藤勝己も、さながら神の視点を持つアスリートなのである。

また、安田記念に代表される一連のレースにおいて、あたかも安藤勝己騎手の意のままに馬が動いているような感覚に陥ることがあるが、そこにも卓越した馬を御する技術があることは言うまでもない。特に2007年は、これまでに比べ、さらに手綱を短く持ちながら馬を御することを意識して試みていたように見えた。

日本のジョッキーは、馬が引っ掛かってしまうのを恐れて、つい手綱を長く持ってしまうものだが、安藤勝己騎手は敢えて手綱を短く持ち、手綱を通してしっかりとコントロールすることで馬を御そうとチャレンジした。春先には京都金杯のキンシャサノキセキや阪神大賞典のドリームパスポートなど、引っ掛けられて失敗したレースも目に付いたが、その試みが結果として最高勝率、年間G1レース6勝という記録に結びついたと思う。

それからもうひとつ。引っ掛かっているように見えても最後までバテないのは、実は安藤勝己騎手がエンジンをかけながらブレーキも踏んでいるというテクニックを使っているからである。ある程度ハミをかけて馬を怒らせながら、かつ一方では手綱をガッチリと抑えて行かせないという絶妙なバランスの上に成り立つスタイルである。これはあの岡部騎手が全盛期に見せてくれたスタイルとかなり似ている。

安藤勝己騎手は「技術的には止まっている」と謙遜するが、そんなことはないだろう。安藤勝己騎手は今なお進化しつつ、いよいよ円熟の域に達しようとしているように私には思える。もし岡部幸雄騎手を知らない新しい競馬ファンがいるとすれば、これから数年の安藤勝己騎手の騎乗を見ればいいと思う。そんな幸せな時代に、私たちは生きている。

2007年安田記念

たまには中国語の実況でお楽しみください(笑)

関連エントリ
けいけん豊富な毎日:騎手の能力値(個性がはっきり)
ガラスの競馬場:「安藤老子」

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (68)

涙が出るほど悔しい敗戦

Jiromaru

先週の日曜日は、降雪の影響で東京競馬場での開催が中止になりました。今日の競馬もどうなるか分かりません。この時期は、どうしても開催が危ぶまれることが多いですよね。

これはメルマガにも書いたことですが、降雪の影響ということでは、エルコンドルパサーが勝った共同通信杯を私は思い出してしまいます。芝1800mからダート1600mへと条件を変更して行われました。新馬→500万下とダートで連勝していたエルコンドルパサーにとって、ラッキーな変更だなあと思った記憶がありますが、その後の走りを見ると、そんなことは全くありませんでした(笑)。強い馬はどこで走っても強い。エルコンドルパサーは大切なことを教えてくれましたね。

とはいえ、あの共同通信杯を観て、まさか1年後に、エルコンドルパサーが凱旋門賞であんな走りを見せると想像した人は少なかったのではないでしょうか。エルコンドルパサーは3歳の夏を経て急激に成長し、4歳時にヨーロッパに渡り、様々な経験を重ねつつ、さらに進化していきました。凱旋門賞での強さは尋常ではありませんでしたよね。もしかすると、あくまでももしかするとですが、全盛期のエルコンドルパサーは、あのディープインパクトよりも強かったかもしれません。

凱旋門賞ではモンジューに差されてしまいましたが、最後は差し返していますし、3着以下を大きく離しています。モンジューとエルコンドルパサーの2頭の力が明らかに抜けていました。モンジューは近年のヨーロッパ最強馬の1頭ですので、それだけでもエルコンドルパサーの強さが分かります。しかも、エルコンドルパサーは逃げて目標にされてしまいましたので、なお負けて強しの内容だと感じました。

私の尊敬する故野平祐二調教師は、凱旋門賞での蛯名騎手の騎乗について、最後の直線で追い出すときの体の使い方が硬かったと語っていました。もちろん、蛯名騎手にもっと大きくなってもらいたいための激励の言葉です。世界に手が届きかけた瞬間だっただけに、蛯名騎手に力が入ってしまったのも当然ですけどね。私も思わず「エルコンドル!エルコンドル!」と叫んで、テレビに向かって身を乗り出してしまいましたから。

1999年凱旋門賞

世界の壁に最も手が届きかけた瞬間でした。

あれから10年近く経った今、もう一度見てみると、わずかに仕掛けが早かったのかなと私は思います。最後の直線に向いて、あとワンテンポ、ツーテンポ追い出し我慢出来ていれば…。岡部騎手がディープインパクトの凱旋門賞の時、「まだまだー!」と思わず声に出してしまったのは、エルコンドルパサーの敗戦からも繋がってきているのですね。両者ともに、涙が出るほど悔しい敗戦でした。

さて、今週はシルクロードSです。高松宮記念に向けての始動戦となりますが、お天気や馬場状態も含め、混沌としたレースになりそうです。スプリンターズS馬と3着馬が出走してきましたが、共に休み明けであることに加え、56kgと57kgという斤量を背負っています。牡馬としての基準で考えると、アストンマーチャンは58kgを背負っていることになります。実力馬とはいえ、今回のレースに関しては、付け入る隙はありそうです。

エルコンドルパサー産駒のアイルラヴァゲインは、ここで賞金を加算しなければ本番への出走が危うく、最終追い切りは併せ馬でビッシリとやっていましたので、8、9分ぐらいには仕上がってくるイメージで良いと思います。あとはこの馬の力次第ですが、どちらかというと直線に坂路があるコースの方が向いているパワータイプだと思いますので、京都競馬場がどうでしょうか。それから、時計の掛かる馬場状態はプラス材料ですが、陣営も言うように、重・不良馬場はあまり得意ではないのかもしれませんね。

アストンマーチャンは前走(スワンS)惨敗の後、すぐに放牧に出ました。その即断のおかげで、精神的にかなりリフレッシュして戻って来られたように映ります。気持ちで走る馬なので、このままうまく本番を迎えることが出来れば、好走は間違いないでしょう。ただ今回は、当然のことながら、目一杯の仕上げでは臨んできません。いわゆる、走られる状態での出走でしょう。

そして、おそらく、今回からは抑えて競馬をするはずです。武騎手のことですから、高松宮記念のことを考えると、逃げグセがついてしまっているアストンマーチャンに、もう一度抑えて走ることを教えて乗るはずです。結果として勝つかもしれませんが、陣営としては、勝ち負けよりも先に繋がる走りを期待しているレースです。

そこで、本命は◎クールシャローンに打ちます。昨年秋から、着実に力を付けてきており、前々走の京阪杯では積極的に先行して、サンアディユからわずか0.2秒差の6着に粘っています。前走にしても、勝ったファイングレインの切れ味に屈してしまいましたが、それでも最後まで粘っています。力を付けてきた理由としては、ソエが治まって、キッチリと稽古が出来るようになったことが第一に挙げられます。この中間の追い切りも、BコースとCウッドで2本ビッシリと追われていますので、いよいよ本格化といったところでしょうか。

馬場が悪くなることに関しては、正直なところ走ってみなければ分かりませんが、キングヘイロー産駒で頭が多少高い馬なので、もしかしたら得意である可能性もあります。脚質的にも、何が何でも逃げなければならないという馬ではないので、アイルラヴァゲインやアストンマーチャンの出方次第では、逃げることも下げることも出来ると思います。いずれにせよ、長谷川騎手には積極的な競馬を心掛けて欲しいものです。強気で乗れば、実力馬2頭に先着できるチャンスは十分にあるはずです。もしかすると、この馬も強い4歳牝馬の1頭として名乗りを挙げるかもしれません。

ペールギュントにとって現在の適距離は1200m戦です。マイルまで持ちそうな体型ですが、マイル戦だと気持ちが切れてしまうのでしょう。高松宮記念のように、気持ち良く走って、脚の使いどころが嵌れば、G1レースでも好勝負になるだけの実力の持ち主です。ただし、自分で競馬を作れない弱みがありますので、ルメール騎手が思い切って乗って、一か八かの勝負をしてくるのではないでしょうか。

関東では、共同通信杯が行われますが、もしかすると雪が降ってダート1600mに変更になるかもしれません。個人的にはサダムイダテンに注目していますが、エルコンドルパサー同様、この馬もダートに替わっても問題なさそうですね。中村厩舎からようやく出た大物だけに、フォーティーナイナーの後継者になるべき走りを期待しています。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

シルクロードSの分析

Silkroads

高松宮記念が2000年から3月下旬に移動したことにより、ステップレースのひとつであるシルクロードSも4月→2月下旬と開催時期が変更になった。この後、阪急杯でもう一度叩くかどうかは馬次第だが、高松宮記念を目指す短距離馬たちにとっては、今年の始動戦という意味合いを持つレースである。

■休み明けの馬は割引
厳寒期の始動戦という意味合いもあって、休み明けの一流馬たちは無理をして仕上げてはこない。その上、重いハンデを課せられるので、苦戦を強いられることになる。対して、2ヶ月以内にレースを使っている馬たちは、コンディションを維持しており、ハンデもそれほど重くはないはずで、一流馬相手にも好走が可能となる。ちなみに、過去8年の連対馬全ては、前走で昨年の12月以降のレースに使われていた。前走からの間隔が開きすぎている馬は割り引いて考えた方が賢明か。

■淀短距離S組は負けた馬を狙え
番組のローテーション上、淀短距離Sが最も有力なステップレースとなる。ところが、淀短距離S→シルクロードSという連勝は今までにない(2着が最高)。それは淀短距離Sが別定戦で、シルクロードSがハンデ戦であることと関係があるだろう。淀短距離Sで負けて、ハンデが軽くなったシルクロードSで勝つというパターンはこれからも続くだろうし、その逆もまた然りである。

■京都1200m
スタートから最初のコーナーまでの距離は316mと長くも短くもなく、極端なハイペースにはならないことが多い。そして、3コーナーの丘を越えると、あとはゴールまで下り坂が続く。直線が中山競馬場並に短いこともあって、最も逃げ切りやすい芝1200mコースとなる。とはいえ、やはり重賞ともなると前半が速くなるので、目標にされやすい逃げ馬よりも、先行・差し馬を狙うべき。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

天国のどこか

先日の根岸ステークスで、トウショウギアが競走を中止した。関係者にとって、馬は家族の一員であり、愛する家族を失った悲しさは私たちの想像を絶するだろう。サラブレッドはレースで走るために生まれてきたことは分かっていても、悔やんでも悔やみきれない思いがあるに違いない。

競走馬の怪我や故障は、年齢、性別、クラス、ジョッキー、枠順、レースの間隔、気温など、様々な要因が複雑に絡み合って発生する。*詳しく知りたい方はこちら(英文PDF形式)

その中でも、馬場状態は大きな要因となる。芝コースにおける怪我や故障の発生率は、馬場状態が良から不良になるほど低くなり、一方、ダート馬場におけるそれは、良から不良になるに従って逆に高くなる。つまり、道中のスピードが速くなればなるほど、骨折のリスクが高くなるということだ。特にダートの不良馬場は、スピードが増加するだけでなく、滑ってバランスを崩しやすくなるから、最もリスクの高い馬場状態のひとつと考えてよいだろう。

だからといって、開催を1週間延期していれば…、などと野暮なことを私は言わない。どうするかというと、いつも一編の詩を思い出すのだ。「競馬漂流記」(高橋源一郎著)の中で紹介されている「天国のどこか」という詩のさわりの部分。

天国のどこかにある、その競馬場はいつもいいコンディション
花の香りが漂い、内馬場の池はまるで鏡のよう
太陽は光り輝き、優しい風が吹く
ごらん、あのエメラルドの海は
枯れることのない深い芝だ

ほら、パドックに馬たちがやって来る
あの芦毛はネイティブダンサー
あの黒い馬はダークスター
あのちっちゃいのはノーザンダンサー
いつも堂々としているスウェイル

この競馬場では
誰も苦しまない
誰も傷つくことはない
馬たちはただ全力で走るだけだ
ここでは誰もラシックスなんか使わない
鞭打たれることもなければ
注射を打たれることもない
病気も骨折も苦痛も死も
もう馬たちには追いつけない
さあ走っておいで
友よ
きみが地上で走るのを止めたところから

Keibahyouryuuki

関連エントリ
馬券日記オケラセラ:「割り切れぬ感情こそ大切に」
ガラスの競馬場:「サイマー!」

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (94)

「ラップギア」 

Rapgear 4star

自慢でも何でもないが、エッセイ本から理論本に至るまで、競馬に関する書物には大体目を通しているつもりだ。しかし、理論本に関しては、最後まで読むかどうかは、最初の前提を読んで決める。前提というのは、戦略的な部分のことである。前提が間違っていたらその先が正しいことはまずないので、そういう本は最後の理論的な部分までわざわざ読み進めることはないと思っている。

雑誌『競馬最強の法則』で取り上げられて以来、「ラップギア」は大きな反響を呼んできたが、まずはその前提が素晴らしい。1章では競馬(馬券)に対するスタンス、2章ではラップギアの成り立ちについて述べられているが、著者である岡村信将氏のスマートさ(頭の良さ)が伝わってきて、ここまで読むと先が読みたくて仕方なかった。長くなるが、その前提をほんの少しだけ紹介したい。

なぜなら、的中率と回収率は「ある程度反比例するもの」だからだ(もちろん、その予想理論が正しいことが大前提である。理論が間違っていれば、的中率と回収率が下がる方向で反比例することもあるだろう)。的中率を突き詰めれば回収率が上がらないし、回収率のみを追求すると的中率が恐ろしいことになる。追い求めるべきふたつの道が反比例するからこそ、競馬は難しい。
(中略)
決して当たりすぎてはいけない。当たりすぎるということはつまり、長期的に見るとそれだけ平均配当が下がっていることになる。これは本人が意識しようがしまいが、間違いのないところだ。もちろん可能なら、的中率100%、回収率1000%なんて予想を出してみたいが、それは私には一生かかっても、何度生まれ変わってもできそうにない。

ここにサラリと書かれていることは、競馬界においては実は当たり前とされていないことでもあるが、全くもって真実である。そこで、岡村氏は「回収率120%超を前提としての的中率20~30%」のバランスを目指すと語る。その簡単に見えるが困難な道を、「ラップギア」という理論を元に切り拓いていくというのだ。

これは余談だが、岡村氏は救いがたいデータ好きで、小学生の頃から野球選手の推定年俸を割り出していたそうだ。打率や長打率、盗塁数、入団年数などのデータを基に、落合や宇野や郭源治の年俸を小学生が決めていたという逸話には笑ってしまった。私も小さい頃から野球が好きで、甲子園球場に行って、スコアカードをつけながら高校野球を観戦していた小学生だったので気持ちはよく分かる。

ところで、本題のラップギアの理論部分だが、タイム理論の新革命と銘打つだけのことはあって、当然のことながら画期的かつ面白い。簡単に説明すると、ラスト3ハロンのラップの増減に焦点を当てた理論で、すべてのレースラップを「▼7▼3△5」という簡潔な記号で表しながら、馬やコースの適性を「瞬発戦」「平坦戦」「消耗戦」の3つに分類しながら解き明かしていくというものである。

正直に言うと、ラップの増減という未開拓のファクターを、ここまで現実のレースや馬にリンクさせられたということが、私にとっては衝撃であった。これは想像でしかないが、おそらくありとあらゆるラップパターンを組み合わせて試してみて、「ラップギア」の理論に収束していったのだろう。実際に使っていくと、たとえば瞬発戦になりやすいレース(コース)には瞬発馬が集まりやすい等という難点は出てくるが、シンプルであるがゆえに様々な応用も利くだろうし、何よりも、これまでに私たちが気付かなかったラップの盲点をあぶり出してくれるのではないかという期待もある。

さらに、巻末にあるコースとJRA現役馬のデータ、各競馬場の距離別データの量にも圧倒された。著者だけでなく、この本に携わっている取材班の血の滲むような努力とこの本に賭ける想いが伝わってくるようである。久しぶりに考えさせられる熱い理論本に出会えて私は嬉しかった。近くの書店でもアマゾンでもいいので、この黄色い表紙の「ラップギア」をぜひ手に取って、まずは読んでみて欲しい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (83)

最有力候補に

Negisi08
根岸ステークス2008-観戦記-
降雪による中止明けの1戦で、ダートは水が浮きそうな泥んこ馬場でレースは行われた。ここまでの不良馬場になってしまうと、まともに泥を被ってしまう(被らざるを得ない)位置でレースを進めた馬にとっては厳しいレースとなる。

そのような状況の中でも、勝ったワイルドワンダーは、飛んでくる泥をモノともせず、最後の直線で爆発的な差し脚を発揮した。JCダートで引っ掛かっても4着した実力は本物であることを証明した。精神的にも強い馬なのであろう。体型的なことを考えると、マイルのG1フェブラリーSは適鞍であることは間違いなく、最有力候補にのし上った。唯一の心配材料は、マイナス8kgとキッチリ仕上がり過ぎていたように見えたことぐらいか。

タイセイアトムが刻んだ34秒3-36秒4というラップは、馬場を考えると、およそ淡々とした平均ペース。外枠と馬場を味方につけたことは確かだが、タイセイアトムは4コーナーも持ったままで、一瞬勝ったかと思わせる力強い走りであった。坂路調教でのパワーアップがそのままレースに繋がっている。スタートしてからムキになって走らなかったように、精神面での成長も大きい。スピードに溢れる馬だけに、これ以上距離が伸びてプラス材料にはならないが、もしフェブラリーSに出走してくるのであれば目を離せない馬の1頭である。

アドマイヤスバルは、トウショウギアの故障事故に巻き込まれるような形で、道中で一気にポジションを落としてしまった。もはや万事窮すの状況であっただけに、あそこから最後の直線だけで3着まで追い上げてきたことには驚かされた。あのまま流れに乗っていれば、勝ち負けになっていたことは間違いない。少し間隔が開いて、馬体も増えていたように、ひと叩きした次走での巻き返しに期待したい。

マイネルスケルツィは4コーナーまでは完璧な内容であったが、最後の直線で伸びを欠いた。プラス16kgの馬体が示すとおり、本番に向けて余裕を残した仕上げだったのだろう。この敗戦を負け過ぎとみるか、本番へお釣りを残したとみるかは人それぞれであるが、今回のレースに限っては見せ場もなく、期待外れの内容であった。

トーセンブライトもカフェオリンボスも、内で泥を浴びる厳しい展開の中、最後まで良く伸びてきているように、さすがダート歴戦のツワモノである。メイショウバトラーも勝ちパターンに持ち込んだが、最後は力尽きてしまった。年齢的なものか、疲労が残っているのか、ここにきて少し勢いが落ちてしまっている。トウショウギアはぬかるんだ馬場に脚を取られたのだろうか。非常に残念である。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

いつでも変わることが出来る

Sii by M.H

「名騎乗ベストテン2007」の第3位は、四位洋文騎手がアサクサキングスで勝った菊花賞を挙げたい。もちろん、ウオッカで制したダービーも素晴らしいレースであったが、巧く乗ったという点に関してはこちらのレースの方を評価したい。

60秒6-63秒7-60秒5 
60秒7-63秒6-60秒8

菊花賞(3000m)のラップタイムを、前半中盤後半の1000mずつに分けたものである。上は平成15年に安藤勝己騎手がザッツザプレンティで勝った菊花賞、下は四位騎手がアサクサキングスで勝った菊花賞である。驚くほどに、ラップ構成が酷似していることが分かる。

京都3000mは、前半と後半の1000mが60秒台のフラットで中盤が極端に緩む展開になると、後ろから行く馬にとっては差し込みづらいレースとなる。スローに落として逃げるよりも、ある程度のペースで前半部分を引っ張った方が、瞬発力勝負にならないということ。また、中盤の緩んでいる部分で逃げ・先行馬がスタミナを回復するため、容易には止まらないということである。

そんな展開の中、ザッツザプレンティに乗った安藤勝己騎手が早めに動いて押し切ったように、四位騎手もアサクサキングスに残り800mの時点でゴーサインを出した。この時点で勝負あったと言ってもよいだろう。この展開を読み切っていたとしても、G1レースで、あの時点から動き出すのは勇気と決断力が要ることだ。ダービーを勝った四位騎手の自信がもたらした名騎乗であった。

デビュー当初より、四位騎手の馬乗りとしての評価は高かった。四位騎手は馬上でのバランス感覚が特に優れていて、どの馬に乗っても、馬と四位騎手の重心がピタリと落ち着く。俗に言う「鞍はまり」が良いということである。「鞍はまり」が良いからこそ、馬は背中に負担を感じることなく走ることが出来る。人馬一体となって走る姿は見た目にも美しく、四位騎手が乗っている馬はすぐ判別出来たほどである。

ただひとつだけ、インタビューでの受け答えがどうしても好きになれなかった。勝利ジョッキーインタビューで、嬉しさを表さなかったり、つれない返答をしたりと、見るに堪えないことが多かったように記憶している。悪気はなかったのだろうが、競馬を知らない人が見る可能性もあるテレビ等でのインタビューにもかかわらず、ああいう受け答えをすることに憤りに近いものを感じたこともある。競馬の騎手は当たり前の受け答えすら出来ない奴らだと思われるのは、一競馬ファンとして悔しい。

しかし、ある雑誌の対談で、四位騎手と松岡騎手との間にこんなやり取りがあり、私は感激した。(以下、敬称略)。

四位
「それにしても、昨日の皐月賞は惜しかったねえ。」
松岡
「悔しかったです。」
四位
「レース後、ヘルメットを叩きつけていたもんね。」
松岡
「はい、つい興奮してしまって…。」
四位
「自分でもわかっていると思うけど、命を守る道具を叩きつけたらダメだよ。まあ、まだ若いし、直線では一旦、ヴィクトリーを交わしていたわけだから、熱くなる気持ちも分かるけどね。」

関東の若手のホープに対し、命を守る道具の大切さを優しく諭した四位騎手に、私は大きな成熟を感じた。その後のダービーにしても、菊花賞にしても、その立ち振る舞いは堂々とした見事なものであった。喜びを噛み締め、馬を労い、関係者に敬意を表し、競馬ファンに感謝する。ダービーを勝つと、人間はこうも変わるものなのだろうか。いや、変わったからこそ、ダービージョッキーになれたのだ。人間はいつでも変わることが出来る。

関連エントリ
ガラスの競馬場:「誕生」

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (86)

ごぼう抜き

Jiromaru

あっと言う間に2月になってしまいました。今月末にはもうフェブラリーSが行われるかと思うと、嬉しいやら、待ち遠しいやらで、少し上機嫌になってしまいます。今週の根岸Sも、フェブラリーSへと繋がっていくステップレースのひとつですので、よーく目を凝らして観ていきましょう。

根岸Sといえば思い出してしまうのが、ブロードアピールのあの強烈な追い込みです。まるで1頭だけ芝の上を走っているのではないかと思うぐらいの、次元の違う末脚で全馬をごぼう抜きにしてしまったレースですね。追い込み馬列伝の企画があると、必ず上位に推されるレースでもあります。シルクロードSを勝っているように、芝でも走る馬でしたが、とにかくダートの短距離戦での追い込み力は圧倒的でした。

2000年根岸ステークス

*最後方大外から進むオレンジの帽子の馬に注目ください!

ブロードアピールの父ブロードラッシュはヒムヤー系の種牡馬です。これはルドルフおやじさんの受け売りですが、ヒムヤー系はエクリプスから出て、細々と現代まで生き延びてきたアウトサイダーです。アメリカでこそ血は今なお大切に守られているのですが、世界的には傍流の傍流になってしまっています。それでも、スピードを失っていないのがこの系統の凄いところですね。

たとえば、ダイワメジャーの母母父クリムゾンサタンはヒムヤー系の種牡馬です。ダイワメジャーはサンデーサイレンス産駒の中でも異質のスピード馬でしたが、それは母系にこの傍流ヒムヤー系がひそかにかかっているからではないでしょうか。同じ父サンデーサイレンス、母父ノーザンテースト産駒のデュランダルとタイプが全く違うのは、このあたりの血脈に理由があるのかもしれません。もちろんダイワスカーレットにもヒムヤーの血は流れています。

そういえば、今年の根岸Sのメンバーにも、ヒムヤー系ブロードラッシュの産駒であるノボトゥルーが出走しますね。もう12歳ですか。最近は思うような結果を残せていませんが、7年前にこの根岸Sを勝って以来、ずっと走り続けているのですね。馬を傷めない森調教師の手腕には、本当に頭が下がります。

さて、明日の根岸Sですが、フルゲート16頭が揃って激しいレースとなりそうです。スプリント的な要素が問われるということ、差し馬にとって有利な展開になりやすいということを頭に置いて予想をしていきたいと思います。

まず圧倒的な人気を集めるであろうワイルドワンダーですが、この馬の前走(JCダート)は強かったですね。道中で引っ掛かる場面がありながら、最後まで粘って見せ場を作りました。あの速いペースで引っ掛かるのですから、距離短縮がプラスに出ないはずはありません。上手く勝負どころでエンジンを掛ければ、もの凄い爆発力を見せてくれるでしょう。今のところ、フェブラリーSの本命候補です。

もしこの馬が負けるとすれば、矛盾するように聞こえるかもしれませんが、前走からの一気の距離短縮でしょうか。間隔も2ヶ月開いていますので、いきなりのスプリント戦のペースに戸惑ってしまうかもしれません。それでも、連対を外すシーンはイメージしにくいのですが、人気を背負う今回は敢えて頭としては嫌ってみました。

そこで、思い切って本命は◎シンボリグランに打ちたいと思います。はっきり言って、ダート適性は未知です。こればかりは走ってみないと分かりません。ただ現状として、芝のレースではどうしても切れ不足で勝ちきれませんので、陣営がダートに活路を見出してきた選択は正しいと思います。とはいっても、近走の芝のレースでもそれほど負けているわけではありません。阪神Cにしても、スムーズなレースではなかった割に、スズカフェニックスと0.3秒差ですし、3走前のオーロカップでは西の京都牝馬Sで人気になるであろうブルーメンブラッドと好勝負しています。中間の追い切りでも美浦の坂路コースレコードを楽々と更新したように、体調はすこぶる良好です。久しぶりのダート戦ですので、砂をあまり被らない外枠も良いでしょう。

タイセイアトムのガーネットSは非常に強いレースでした。中間も坂路コースをグイグイ上がってきているように、引き続き絶好調です。スピードだけではなく、ここに来てパワーアップも著しく、陣営からドバイの言葉が出るのも不思議ではないですよね。たとえ200m距離が延長されたとしても好勝負になるはずです。確かに、行くだけ行くという脚質は心配材料ではありますが、前半600mを34後半ぐらいまでに落として走ることが出来れば、粘りこみも十分可能でしょう。もちろん、雨が降って馬場が渋れば、この馬にとってチャンスは広がります。

アドマイヤスバルもここに来て力をつけています。腰がパンしてきて、追い切りでも自然と好タイムが出るようになってきましたね。神無月Sと霜月Sの2連勝は、共に中身も濃いものでした。スッと好位を確保できますし、折り合いもピッタリとつきます。父アドマイヤボスは兄にアドマイヤドンがいて、ダートで走る産駒を出してきているのが面白いところですね。鞍上の村田一誠騎手も今年注目しているジョッキーのひとりですので、どのような騎乗をしてくれるか楽しみです。

リミットレスビッドはどうでしょうか。年末の兵庫GTは強いレースでしたが、気持ちで走る馬だけに、反動が出ていないか心配です。9歳馬という年齢自体は心配していませんが、どうしても連続して勝つのは難しいかなと。その点で言うと、メイショウバトラーの方が面白いかなと思います。近走は思ったよりも走っていませんが、リズムを取り戻してくれば怖い1頭です。

前走初ダートを楽勝したマイネルスケルツィも面白い1頭でしょう。ダートに転身したことが結果的に吉と出ました。父グラスワンダーは、ダートでもかなりのところまで行けたんじゃないかと言われていた馬で、マイネルスケルツィにもその血が流れているのでしょう。芝のレースだと、どうしても切れる脚がありませんので、先行して押し切るしか戦法がありません。なかなか重賞クラスではそういう競馬はさせてもらえませんので、先々を考えるとダートで正解でしょう。今回はスタートしてから芝コースがない1400mですので、行き脚がつくかどうか心配ですが、ここで差す競馬を試してみると、フェブラリーSにも繋がりそうです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (87)

根岸ステークスの分析

Negisis

2001年より、年明けの東京ダート1400mに条件が変更された。このレースを制し、3週間後の本番フェブラリーSも制覇した馬にはノボトゥルーとメイショウボーラーの2頭がいる。平安ステークスと並び、これからもフェブラリーSに向けての重要なステップレースになることは間違いない。

■前走ダート1200m組
昨年は京都金杯から臨んできたビッググラスがあっと言わせたが、1400mで行なわれた過去7年の勝ち馬のうち、ビッググラス以外の勝ち馬は全て前走ダート1200m戦組であった。スプリントとマイルの中間的な距離だが、根岸Sに関して言えば、勝つためにはスプリント的な要素がまず問われる

■差し馬有利
過去のレースを観ると、差し馬―差し馬の決着が目立つ。サウスヴィグラスとメイショウボーラーが押し切ったレースでさえ、2着には差し馬が突っ込んできている。ただ単にこの2頭は圧倒的に力が抜けていたということで、基本的には差し馬が有利な展開になりやすい。そのことは、過去6年(中山で行われた2003年は除く)のレースラップを見てみれば明らかである。

2001年 ノボトゥルー
12.5-10.7-11.2-11.8-12.2-12.1-11.6(34.4-35.9)
2002年 サウスヴィグラス
12.5-10.7-11.2-11.8-11.9-12.1-12.6(34.4-36.6)
2004年 シャドウスケイプ
12.3-10.9-11.6-12.1-12.3-12.1-12.7(34.8-37.1)
2005年 メイショウボーラー
12.5-10.9-11.6-12.3-11.9-11.7-12.1(35.0-35.7)
2006年 リミットレスビッド
12.2-10.8-11.6-12.1-12.3-12.2-12.5(34.6-37.0)
2007年 ビッググラス
12.5-10.8-10.9-11.7-12.0-12.7-12.9(34.2-37.6)

スプリント的な要素が問われると前述したが、展開という面において、スプリント戦であるガーネットSとは性格がわずかに異なる。ガーネットSは前半3ハロンが32秒台後半から33秒台で流れ、後半3ハロンがガタっと37秒台に落ちる、前後半の落差の平均が4.5秒という「上がり不問」のレースである。それに対し、根岸Sは前半3ハロンは34秒台から35秒台で流れ、後半3ハロンは37秒あたりに落ちるが、前後半の落差の平均は約2秒という、「普通のハイペース」である。

ガーネットSのような「上がり不問」のレースでは、直線に向いた時には全ての馬がバテてしまっているような状態なので、前に行った馬がそのまま残りやすい。しかし、根岸Sのような「普通のハイペース」では、後ろからレースを進めた馬は脚が十分に溜まっているので、ハイペースで前が潰れた時に一気に襲い掛かることが出来るということだ。つまり、ガーネットSで前に行って好走したような馬は根岸Sでは疑ってかかるべきで、逆にガーネットSを後ろから行って届かなかったような馬は根岸Sで狙って面白いということである。もちろん、ガーネットSだけではなく、基本的には短距離の差し馬を狙うべきレースである

関連エントリ
ガラスの競馬場:「上がり不問」のレースを制するのは?

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

« January 2008 | Main | March 2008 »