◎スズカフェニックス

ドバイワールドカップが行われていますね。一度は行っておくべきと思いながら、一度も行ったことがないのですが、ドバイはぜひとも行ってみたい国です。ライブリマウントが挑戦した当時(1996年)は、まるで違う惑星で競馬が行われているような隔世の感がありました。しかし、ここ最近は日本馬の挑戦も多くなり、ドバイが遠い異国のことではないような気がするから不思議です。個人的にはヴァーミリアンの走りに注目しています。フェブラリーSを勝ったことがかえって不安材料(あの時点で仕上がっていた?)に思えますが、カーリンを筆頭とする化け物たちが集まったドバイワールドカップで、どこまで勝負になるか楽しみでなりません。
さて、日本では高松宮記念が行われます。サンアディユだけではなく、昨年のスプリンターズSの覇者アストンマーチャンのリタイアもあり、少し寂しいメンバー構成になってしまったことは否めません。まあ、そんなことばかり言っていても始まりませんので、スプリント界に新星が誕生することを期待しましょう。
1番人気は昨年の覇者スズカフェニックスでしょうか。昨年は4コーナー手前から動き、他馬を強引にねじ伏せるような形での圧勝でした。これまで何度も書いてきたことですが、スズカフェニックスはマイル戦の重賞を勝っているように、決して生粋のスプリンターではありません。しかし、G1レベルのマイル戦となると底力(スタミナ)不足を露呈してしまうため、G1レースであればスプリント戦の方が向きます。別の言い方をすると、マイルのG1ではわずかに勝ち切れないのですが、こういう馬がスプリントのG1レースに矛先を向けてくると、負かすのは容易ではないということです。素直にこの馬に◎を打ちたいと思います。
ただ、ひとつだけ気になることがあります。それは口向きの悪さです。体調が優れなかったこともあるのでしょうが、特に昨年のマイルCSの直線ではササるような面が目立っていました。前走でローレルゲレイロを負かせそうで負かせなかったのも、口向きの悪さゆえかもしれませんね。武豊騎手は簡単に乗っているように見えますが、案外と操縦の難しい馬だと思います。そういう意味もあって、福永騎手がどうこうということではなく、テン乗りがプラスになる馬ではありません。もしこの馬が勝ったら、その時は福永騎手に惜しみない拍手を送りたいですね。また、サニングデールで勝ったようなレースが出来れば、最内枠は決して悪い枠ではないと思います。
ファイングレインは3歳時にNHKマイルCを2着しているように、この馬も決して生粋のスプリンターではありません。しかし、マイル戦では最後に詰めの甘さが出てしまうため、今年から思い切ってスプリント戦で終いを生かす競馬をしたのが功を奏し、想像以上の爆発力があることが証明されました。しかも、マイル戦を走られるだけのスタミナに支えられた末脚は、まず不発に終わることはありません。淀短距離Sはスプリント戦にしてはスローに流れましたが、それでも先行集団を一気に飲み込んだように、どのような展開でも安定して伸びてくることが出来ます。
もちろん、中京競馬場は直線が短いので、脚を余してしまう恐れもあり、乗っている方も観ている方もヒヤヒヤさせられるかもしれません。ただ、G1レースともなると速い馬が集まっていますので、自然とペースは速くなり、遅くてもミドルペースには流れるはずです。たとえミドルペースになったとしても、最終週で時計も掛かってきていることも味方して、ゴール前ではギリギリ届くはずです。幸騎手も道中は内枠から馬群の中でレースを進め、4コーナーまでに少しずつ外に出しながら位置取りを上げ、最後の直線は大外に持ち出してくるはずです。おそらく、スズカフェニックスよりも外に出す形になるでしょう。そうなれば、勝機は訪れるのではないかと考えています。
スーパーホーネットの最終追い切りは絶好の動きでした。ラスト1ハロンを12秒1とまとめて、最後までしっかりと伸びていました。動きを見る限り、休み明けによる仕上がりの悪さは全く心配ないでしょう。あとは久々のレースで、いきなりスプリントのペースに対応出来るかどうかということでしょう。追走するだけでレースが終わってしまうということも往々にしてありますから。
ローレルゲレイロは、ようやく良い頃の粘り強さが戻ってきました。阪急杯は展開に恵まれた面もありましたが、最後までバテることなく走り抜き、スズカフェニックスの追撃を抑えました。最終追い切りも持ったままで上がってきたように、究極の仕上がりにあります。雨が降って馬場が悪くなれば、この馬で仕方ないのではないでしょうか。ただ、良馬場であれば、末脚が弱い分、よほど良いペースで行けなければ、勝ち切ることは難しいと思います。
キンシャサノキセキは、中間にザ石のアクシデントがあったこともあり、最終追い切りは坂路コースで目一杯に追われる、一か八かの調教を課されてきました。これまでの走りを見る限り、成長力に疑問がありましたが、究極の仕上がりであれば、道中ピタリと折り合って、突き抜ける可能性もあるのではないでしょうか。この馬がG1を獲るとすればスプリント戦しかないと昔から考えていましたし、真ん中から少し外の絶好枠を引きましたので、今回狙い目は十分にあると思います。ただ、どうしても当日にならなければ仕上がりは分かりませんので、現時点で本命を打つことは出来ません。
*このエントリーをアップした時はファイングレインに◎を打っていましたが、前半でモタつく感のあるファイングレインに比べ、スズカフェニックスの方が前のポジションでレースを運べる可能性が高いと思い直し、本命を変更しました。ファイングレインも捨てがたいのですが、ヴィクトリーロードを通られるスズカフェニックスに期待します。
関連エントリ
・競馬考察ブログ:高松宮記念
・けいけん豊富な毎日:高松宮記念最終予想
by Ichiro Usuda





暮れの阪神大賞典の4コーナー。キーストンは突然もんどりうって倒れます。折れた肢を引きずりながらも、気を失った騎手のもとまで歩き、鼻づらを押しつけて無事を心配したシーンはあまりにも有名です。寺山修司はキーストンの骨が折れた音が、遠い異国にいる李が拳銃で撃たれた音に聞こえたそうです。キーストンには安楽死処分が採られ、李の消息もそれ以来プッツリと途切れてしまいました。







これは余談になるが、馬を歩かせることを常歩(なみあし)というが、常歩は意識して歩くことなので、馬はこれが好きではない。しかし、人に引かれて歩くときは必ずそうするのだと教えておくと、馬は勝手な行動をしなくなり、人間の指示に素直に従うようになる。それによって、人も馬もより安全になるだけではなく、レースに行ってもジョッキーの合図にきちんと応えて走られる馬になる。
by sashiko
by sashiko

「名騎乗ベストテン2007」栄光の第1位は、岩田康誠騎手がアドマイヤムーンで制したジャパンカップである。岩田康誠騎手は馬が道中で引っ掛かってしまったことを反省し、松田博調教師は最後の直線で仕掛けたタイミングが速かったと指摘するが、それでも私はベストレースだったと思う。スタートからゴールまで徹底的に攻め抜いて、アドマイヤムーンを紙一重で勝利に導いた、岩田康誠騎手の真骨頂とも言うべき騎乗であった。ほんのわずかでも守りに入る気持ちが出てしまえば、その分だけポップロックとメイショウサムソンの餌食になっていたはずである。






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