古馬になってから牡馬と互角以上に渡り合ったエアグルーヴ

「最強の牡馬は?」と問われると返答に困るのですが、「最強の牝馬は?」という質問には何の迷いもなく答えることができます。私の知る限りにおいて、エアグルーヴこそ最強の牝馬であり、それは私が生きている限り変わることはないでしょう。そのぐらい、エアグルーヴは不世出の強い牝馬でした。
エアグルーヴの強さは、「古馬になってから牡馬と互角以上に渡り合った」ということに集約されます。牝馬にとって、古馬の牡馬と戦うことは非常につらいことです。牝馬と牡馬では威圧感がまるで違うため、ほとんどの牝馬は古馬の牡馬と戦うともみくちゃにされてしまい、3歳時の輝きは色褪せ、古馬になって全く走らなくなってしまいます。苛酷な戦いによって、心臓発作や心不全を起こしてしまうことさえあります。それほど、古馬の牡馬と戦うこと自体が、牝馬にとっては厳しいことなのです。逆に言うと、古馬の牡馬と互角以上に渡り合ってこそ、最強牝馬の称号を得るに相応しいということですね。
最強牝馬として名前が挙がる、テスコガビーやメジロラモーヌと比べても、その点が圧倒的に違うところだと思います。我が愛しのヒシアマゾンも有馬記念とジャパンカップで2着と健闘しましたが、牡馬とまともにぶつかり合ったという点においては、エアグルーヴには敵わないことを認めざるを得ません。休み明けの中、直線で手前を替えずに勝ったオークスも凄かったのですが、それよりも、充実期にあったバブルガムフェローを競り落とした天皇賞秋は衝撃的なレースでした。牝馬特有の切れ味で差し切ったのではなく、最後まで牡馬の超一流とビッシリと叩き合い、競り落としての勝利でした。
1997年天皇賞秋
サイレンススズカが引っ張った超ハイレベルな一戦をぜひご覧ください。
そして2年連続で2着に好走したジャパンカップは、今振り返ってみても、いや、時が経つにつれて、その価値の高さが身に染みます。負けたとはいえ、ジャパンカップでまともにぶつかり合った相手は、あのピルサドスキーとエルコンドルパサーですよ。ピルサドスキーに負けたジャパンカップは前述の天皇賞秋から1ヶ月も経たないうちのレースでしたし、エルコンドルパサーに負けたジャパンカップも最盛期を過ぎた5歳時のものです。
エアグルーヴを管理した伊藤雄二調教師は、エアグルーヴのことを“競走族”と表現しました。牝馬は牡馬と比べて気分を損ねやすかったり、体調の変化が大きかったりするのですが、まれに優れた“競走族”である牝馬は男性的な感じがするそうです。性格的にもそうなのですが、馬によってはフケ(発情期)を見せない馬もいるのです。エアグルーヴが“競走族”であることを、伊藤雄二調教師は2戦目(いちょうS)にして既に見抜いていたといいます。
とはいっても、エアグルーヴが男馬と見分けがつかないようなゴツイ馬だったのではなく、普段は人懐っこくて可愛らしい牝馬だったそうです。ふっくらとした、牝馬らしい馬体は今でも印象に残っています。“競走族”なんて言われましたが、母馬としてもアドマイヤグルーヴというG1ホースをしっかりと出しましたね。重ね重ね、素晴らしい牝馬だと思います。
ヴィクトリアマイル。古馬の牝馬にとっては大切なレースですね。古馬の牡馬と戦わなくてよいということだけで、牝馬にとっては心身に掛かる負担が減ります。当然、古馬の牡馬に交じって好レースをしてきた牝馬がいれば、いつもと違って何と楽なレースだと感じることでしょうね。牡馬相手にダービーを勝った伝説のウオッカが、久しぶりに牝馬同士のレースに出走してきます。ここでどんなレースを見せてくれるのか、とても楽しみにしています。

菊花賞2
有馬記念
阪神大賞典
天皇賞春1
天皇賞春2
宝塚記念1
宝塚記念2
宝塚記念3
凱旋門賞1
凱旋門賞2
ジャパンカップ
ファイナルフライト1
引退式
ハーツクライ
伝説のウオッカ
メイショウサムソン
スイープトウショウ引退記念
アドマイヤムーン
ダイワスカーレット桜花賞
ディープスカイ
ウオッカ安田記念
伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
Comments
エアグルーブは強い馬でしたね、ディープとの間の娘が楽しみです。
でウオッカ、スカーレットがいないここでは負けられませんよね、ダービーを勝った強い馬だから牝馬同士では負けられませんね。
あの天皇賞は興奮しました、スズカも本格化前でしたがバブルやロイヤル・タッチなんかもいましたからね。
しかしジャパン・カップは悔しかった、あんなパドックで馬ッケなんか出している馬には負けないと思っていたのですが・・・・・。
Posted by: 和人 | May 15, 2008 at 11:00 PM
和人さん
こんばんは。
和人さんは、この時代あたりの話題には強いですねぇ。
エアグルーヴは主観的にも客観的にも本当に強い馬でした。
しかし、それにしても、ジャパンカップまで2着するとは…
(ピルサドスキーは馬っけを出していましたねw)
ヒシアマゾンと比較しても、エアグルーヴの方が総合力が上だったはずです。
もう二度とこんな牝馬出てこないですよね。
Posted by: 治郎丸敬之 | May 16, 2008 at 01:12 AM
こんばんは♪(^-^*)/ハロ~!
壁紙の際には本当にありがとうございましたm(_ハ_)m
僕にとって「最強の牝馬は?」という質問をされた際には『エアグルーヴ』と『スイープトウショウ』で悩んでしまいます(>▽<;;
スイープの宝塚記念勝ちも素晴らしい内容だったと思います。その年の秋のG1、天皇賞(秋)、JC、有馬記念を勝ったゼンノロブロイ
後に有馬記念(あのディープに先着!!)、ドバイシーマクラシックを勝ったハーツクライ
宝塚やJCに覇者のタップダンスシチーなどをおさえて勝った内容には本当に感動しました。
スイープの壁紙を頂いた際にチラッと書きましたが、この宝塚の馬連を1点で取った影響や、2005年のエリ女で自信の本命にして勝ってくれた影響が大きいとも思いますがo(^▽^)o
Posted by: ハロ | May 16, 2008 at 11:33 PM
ハロさん
ハロー(^-^*)/
スイープトウショウも素晴らしい身体能力を持った牝馬でしたよね。
肉体的な資質だけであれば、エアグルーヴと互角かそれ以上のものを持ち合わせていた気がします。
おてんばが過ぎて(笑)、なかなか人間の思うとおりには走ってくれなかったこともありましたが、宝塚記念の勝利はエアグルーヴの天皇賞秋と同じくらいの価値のある勝利だと思います。
それを的中されたハロさまにとっては、一生の思い出に残るレースと牝馬なのでしょうね。
そういったレースやサラブレッドがたくさんいることが、私たちにとっての財産です。
今週のヴィクトリアマイルはどんなドラマが生まれるのでしょうか。
お互いに馬券も当てて楽しみましょう!
Posted by: 治郎丸敬之 | May 17, 2008 at 01:09 AM