もっと褒められていい
by Deliberation
オークス2008-観戦記-
エアパスカルが外枠からやや強引にハナを奪い、前半74秒3-後半74秒5という淀みない流れを作り出した。展開的に大きな有利不利のないミドルペースに、やや重まで馬場が回復したことも加わって、最終的には力通りの決着となり、完成度で上回る桜花賞組が上位を独占した。
トールポピーは前走に比べ、ふっくらとした体つきに仕上がっていた。桜花賞で惨敗した後のケアが上手く行ったのだろう。まともに走れば能力上位の馬だけに、前走こそ番狂わせであって、今回は順当勝ちと言ってよい。かき込むようなフットワークの馬だけに、馬場がやや重まで回復したのも功を奏した。最終追い切りで行きたがって口を割っていたのも、調教では走りたい気持ちを極限まで我慢させて、レースで爆発させるという、角居流のやり方であったのだろう。レース後に首を激しく上下させる仕草は父ジャングルポケット譲りであるが、極限の力を出し切った後だけに、精神面でのケアは十分に行われるべきである。
池添謙一騎手の見事な手綱捌きには唸らされた。ポイントはスタートしてから1コーナーにかけての進路の取り方で、外枠から馬群を縫うようにして、1コーナーを回るまでに内ラチ沿いに取り付いた。内を開けてしまったレッドアゲートの内田博幸騎手やエフティマイアの蛯名正義騎手とは対照的であった。そこからは内々の経済コースで脚を溜め、3コーナーから4コーナーにかけて少しずつ外に持ち出した。直線で焦って内に切れ込んでしまった粗相には目をつぶるとして、まさに府中のチャンピオンディスタンスを勝つためのお手本のような乗り方であった。
エフティマイアは桜花賞に続き、僅差の2着を確保した。こうして結果が出てしまえば、実力を過小評価されていたということなのだろう。私も早熟のマイラーと見ていただけに、この馬の頑張りには驚かされた。蛯名騎手の落ち着いた騎乗も光った。ギリギリまで追い出しを我慢したが、それでも最後はトールポピーの底力の前に屈してしまった。欲を言えば、6番枠からのスタートだっただけに、トールポピーに内の進路を取られていなければ、もう少し際どかったのではないか。
勝ち切るまでの勢いは感じさせなかったものの、レジネッタは桜花賞がフロックではなかったことを証明した。道中ではしっかりと折り合いもついて、最後までしぶとく伸びている。こういった力の要る馬場も苦にしないタイプであり、さすがG1ウィナーといった完成度の高さを見せてくれた。最後の直線で前をカットされてしまったのは残念だが、勝った馬とは脚色が違った。
松岡騎手の積極的な騎乗もあって、ブラックエンブレムは最後まで伸びて力を出し切った。桜花賞時は追い切りを行わなかった(行えなかった)ように完調ではなかったが、今回は中間にじっくりと乗り込まれ、この馬の力を発揮できる出来にあった。G1レースを勝つには、もう少しパワーアップすることが望まれる。
1番人気に推されたリトルアマポーラは、外を回ったこともこたえたが、馬場が渋ったことにより、持ち前の切れ味を殺されてしまった。良馬場の内枠であれば、もう少し上の着順には来ていたはずである。後ろから行かざるを得ないだけに、乗り難しい馬でもあり、今回は全てが悪い方向に出てしまった。クイーンCで減っていた馬体が前走でも戻り切っていなかったように、全体的に小さく見えたし、輸送の影響も少なからずあったのかもしれない。

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