« ウオッカ復活記念:壁紙無料プレゼント企画 | Main | 集中連載:「調教のすべて」第13回 »

「君は野平祐二を見たか?」

Kimihanohirayuujiwo 3star

作曲家の坂本龍一氏は、「自分のやっていることの98%は10代に吸収したことでできている」と娘に宛てた手紙に書いた。98%とまではいかないが、私の競馬に対する考え方や情熱なども、実は十代の頃に身につけたものがほとんどであり、その多くを野平祐二という人物に大きく影響されている。私の競馬観は野平祐二のそれだと言っても過言ではないだろう。

野平祐二は日本の競馬を大きく変えた男の一人である。昭和の後半、世界にはほど遠かった日本競馬を今日のレベルにまで高め、しかも底上げした。騎手としては、騎乗数の少なかった時代に1339勝を挙げ、リーディングジョッキーにも輝き、スピードシンボリと共にヨーロッパ競馬に挑戦した。調教師としては、20世紀最強馬であるシンボリルドルフを管理し、ダービーやジャパンカップを含む数々のG1レースを制した。

野平祐二が生きた日々は、まさに日本の競馬にとって最もエポックメイキングな時代であった。だからこそ、この本には、尾形藤吉、和田共弘、保田隆芳、加賀武見、栗田勝、武田文吾、藤澤和雄、柴田政人、岡部幸雄という、日本の競馬を語る上で外すことの出来ない男たちの名前が登場する。まるで明治維新が日本という国を大きく変えたように、彼らが切り拓いてくれた道があるからこそ、私たちは今こうして競馬を楽しむことができる。

しかし、ダビスタで競馬を覚えた昨今の競馬ファンは、野平祐二らが生きた激動の時代については意外や知らない。著者の木村幸治氏は、そのような状況を、皮肉を込めてこう綴る。

やがて日本一の騎手となり、英仏米豪の競馬で実戦を経験し、二十世紀の日本競馬史で史上最強馬といわれる馬の現役生活に付き添った。この野平祐二が騎手として生き、調教師として馬に添った間に、日本競馬はその相貌を変えたのである。その事実を競馬に深くかかわった人は知っているが、競馬を馬の血統や馬券の世界だけでいとおしみ続けた人の多くは知らない。

かつて私は、競馬の師にこんな質問をしたことがある(不遜にも)。

「本物の予想家とそうでない予想家の違いは?」

師はためらうことなくこう答えた。

「起源(origin)を知っているかどうかだ。」

当時は全く意味が理解できなかったが、今は少しだけ分かるような気がする。私の周りを見渡してみると、競馬だけに限らず、その道に通じている人は必ずその道の起源を詳しく知っている。その道が好きだからこそ、その道がどこから来て、どこへ向かっているのかを知りたいのは当然のことだ。起源を知ることが馬券の当たり外れにどう関わるのかは未だに分からないが、起源を知りたいという知的探究心が本物の予想家とそうでない予想家を隔てるのだろう。この本のタイトルは、「君は日本競馬の起源を知っているか?」という著者の問いかけでもある。昔のことなんか知っても予想には何の役にも立たないと思っているそこのあなたにも、せめてこの本だけは読んで欲しい。この1冊だけでいい。


関連エントリ
ガラスの競馬場:「口笛吹きながら」

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

a http://002evolves.blogspot.com

Posted by: az1nbudazg | June 27, 2010 at 11:32 PM

Your website is very the most informative. I loved your website a lot. Thank you.

Posted by: payday loans calgary | July 02, 2010 at 04:19 PM

www.glassracetrack.com is great! Payday Loans Online Get Quick Money Into Your Account With Great Ease The requirements to obtain one of these payday loans are that the borrower must have a job and be over age It really doesnt get any more basic than that

Posted by: toronto payday loans | July 12, 2010 at 05:59 AM

Your web publication is great. Say thanks to you so much for providing a huge amount of helpful info. I most certainly will bookmark your website and will be definitely coming back. Once again, I recognise the value of your work together with delivering so much powerful facts to the people.

Posted by: loans canada | August 25, 2010 at 11:18 AM

pqlluoiczovejrshhbauhtthdcsendswnjp

Posted by: payday loans bc | September 02, 2010 at 10:57 AM

Post a comment