死ぬまで18歳
逃げたくはないが逃げないと良さが出ないコンゴウリキシオーがハナに立ち、前半800mが46秒2という昨年よりも僅かに遅いペースを作り出した。後半の800mが46秒5だから、ほぼ平均ペース、このメンバーとしてはスローペースで流れたため、後ろから行った馬にとっては苦しい展開となり、積極的に乗られた馬たちが上位を占めた。
ダービー以来の勝利となったウオッカは、全ての要素が見事に噛み合った。最大の勝因は、海外遠征明けでどん底であった前走をひと叩きされ、体調は驚くほどに回復し、馬自身の精神面にもゆとりが生まれていたことだろう。また、伸び伸びと走られる府中コースに加え、内枠を引いて馬場の良いところをロスなく回ってこられたことも大きい。直線に向くや、あっという間に馬群を割って他馬を引き離し、ゴールまで伸び切った。ようやく、あの強かった頃のウオッカが戻ってきた。
ウオッカの体調が驚くほどに回復したと前述したが、まだ回復途上であったこともまた事実である。回復途上で安田記念を勝ったということは、この後、更に体調が上向くことが予測されるので、ぜひとも宝塚記念に出走してほしい。昨年の宝塚記念には出走するべきではなかったが、今回は出走しても良いのではないかと個人的には思う。
岩田康誠騎手の勝ちに行った騎乗も見事であった。敏感な牝馬にテン乗りだったにもかかわらず、腹を括ってスタートから出して行った勇気には、いつものことながら頭が下がる。もし先行してバテてしまえば非難に晒されるのを承知の上で、それでも攻めた思い切りの良さは、馬を抑える技術とバテても最後まで持たせることが出来るという自信に裏付けられているのだろう。
今回の岩田康誠騎手の騎乗を見て、他の騎手はどう思っただろうか?ヴィクトリアマイルの時に同じ先行策を取っていたらバテしまっていたかもしれないし、今回の安田記念で抑えて後ろから差しても届いていたかもしれない。馬の体調や出走メンバー等が異なる中での比較はナンセンスだが、今回のような乗り方でウオッカを勝たせたという事実は大きい。そろそろ、多くのジョッキーが自身の騎乗スタイルを見直す時期が来ているのではないだろうか。
アルマダは香港勢では唯一、馬体重が増えていたように、日本の環境にも慣れ、持てる能力を十分に発揮していた。今回はウオッカの瞬発力について行けなかったが、最後まで渋太く伸びていた。内が伸びる馬場で不利になりがちな外枠から、思い切って先行したホワイト騎手の好判断も光った。さすが香港ナンバーワンジョッキーである。短期免許を取得して日本で騎乗するプランもあるようなので、ぜひとも期待したい。
エイシンドーバーは、福永祐一騎手が内枠を利して、最大限の成果を引き出した。決してスパッと切れるタイプではないが、いい脚を長く使っている。もちろん馬自身が力をつけていることもあるが、今回に限っては、好枠とジョッキーの冷静な騎乗が功を奏した。
1番人気に推されたスーパーホーネットは、ここ最近のレースでは珍しく、直線で伸びを欠いた。馬体重の推移からも分かるように、前走がピークの体調であった。上積みがないばかりではなく、体調が下降線を辿っていては、G1メンバーの中ではさすがに苦しい。
グッドババは、当日の馬体重マイナス15kgが表すように、明らかに馬体が萎んでいた。昨年の安田記念時と同じ体重であり、香港ではコンスタントに500kg台で走っているところを見ると、単純に輸送を苦にするタイプなのだろう。パドックや返し馬レース前にすでに勝負は終わっていた。また、5連勝を達成した前走のチャンピオンズマイルが、ピークの出来であった。
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