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未来は誰にも分からない

Wtsatuki08

一寸先は闇。この言葉の意味を、競馬の予想をしている時ほど強く感じることはない。これまでの経験やあらゆるデータ・理論を用いても、数分後のレースでどの馬が勝つか分からない。この馬だ!と錯覚することもたまにあるが、ひと呼吸置いて、本当にその馬が来るの?と自らに問い直してみると、急に不安になる。どの角度から考えてもこの馬が勝つ、という未来を予測できたことなど、私はいまだかつてない。よほどの天才かバカでない限り、誰だってそうだろう。

数分後の未来すら分からない私たちにとって、唯一できることは、点を繋げる(つなげる)ということだ。アップルの創業者でありCEOであるスティーブ・ジョブスの有名なスピーチを聴いて、ますますそう思った。ジョブスがもし大学を中退していなければ、カリグラフィの授業には出席していなかっただろうし、アップルだけではなく現在のコンピューターにこれだけ美しい文字(フォント)はなかったに違いない。

それはジョブスが未来へ向けて線を繋げたということではなく、未来から見るとたまたま点が線として繋がっていただけのことだ。それでも、未来へ向けて点を繋げることができない以上、私たちに出来るのは、その点が未来に向けて線として繋がるということを信じることだ、とスティーブ・ジョブスは語る。

これは私の勝手な解釈だが、ジョブスの言う“未来へ向けて点を繋げること”は、私の今年の抱負「点ではなく線として勝つ」とかなり近い意味を持つのではないだろうか。決して負け惜しみではなく、目の前の敗北が未来における勝利につながるということである。ジョブスが裕福な家庭に生まれ、優秀な成績で順調に大学を卒業していたら、アップルという創造的なブランドがこの世界に存在していたかどうかは疑問である。

私たちは過去・現在・未来という一本の線上に、当たり前のように生きているように思っているが、本当は一歩先のことなど全くもって分からない。わずか数分後の未来さえ分からないのだから、過去や現在についても、本当に分かっているのかさえ疑問でもある。

たとえば、ほとんどの馬券は“当てた”のではなく、“当たった”のではないかということである。馬券が当たった時、私たちはあたかも自分の思考過程(予想)や馬を見る目が正しかったゆえに結果がついてきたと考えるが、そうではなく、たまたま-まるで交通事故のように-現実が私たちの嗜好に衝突したのではないか、と考える方が自然なのではないか。もちろん、全てがそうと言い切ってしまうと自己否定にも繋がりかねないが、私たちがコントロール出来ると思っている領域は、現実的には私たちが想像している以上に少ないのだ。

私は今年から、これまでにない新たな観点からの予想を試そうとしている。いや、新たな観点というよりは、既に世の中存在していたにもかかわらず、気が付かれることのなかった観点である。大袈裟に言えば、リンゴが木から落ちるのを見てニュートンが重力の存在を確認したように、私は新しいパラダイムを獲得したのだ。フェブラリーSでワイルドワンダーを本命にしたのも、この皐月賞でレインボーペガサスに印を打ったのも、ある一貫した理由によるものである。この実験を点として捉える限りは、まだまだ実験の結果が現実には及ばないということになるが、点が繋がっていずれ線となることを確信しているからこそ、私のこの外れ馬券は無駄にはならない。

最後にもう一度だけ言おう。

未来は誰にも分からない。

未来へ向けて点を繋げることができない以上、私たちに出来るのは、その点が未来に向けて線として繋がることを信じることだけだ。

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Comments

こんにちは。

新たな試み・・・興味津々です。
行き当たりばったりな考察ではなく、筋の通った理屈のある
選択を繰り返すことは長い目で見て正着であると
私も思います。

複合的な要素(ある意味運も含めて)の集合体である競馬の場合、
一回、一回のレースを全て正解していくのは
不可能に近いですよね(^^;
結局のところ、正解を導くためのパターンを
いかに作り上げるか、とそれをブレずに繰り返すことが
正着なんだろうなぁと常々考えています。

まぁ一番の問題は「正解を導くためのパターン」を
いかに作り上げるかなわけで・・・
これには日々の積み重ねによる試行錯誤が絶対に必要・・。

「何事も先達はあらま欲しきことなり」
治郎丸さんの実験を楽しみにしております(^^)

Posted by: けん♂ | June 21, 2008 at 03:24 PM

けん♂さん

ありがとうございます。

未来は誰にも分からないと書きつつ、新しいパラダイムの発見などという矛盾を抱えていますが、それでも世に出すに値するレベルまで練り上げていきたいと思っています。

>結局のところ、正解を導くためのパターンを
>いかに作り上げるか、とそれをブレずに繰り返すことが
>正着なんだろうなぁと常々考えています。
→おっしゃる通りだと思います。

あまりパターン化してしまうと奥行きを失ってしまいますが、ギャンブルである以上、ブレを少なくするパターン化も必要なのでしょうね。

どこが落としどころか難しいのですが、そろそろかなと思っています。

近いうちにけん♂さんとも競馬についてゆっくり語りたいなあ。

それまでけん♂さんに負けないよう私も精進します(^^)

Posted by: 治郎丸敬之 | June 22, 2008 at 01:10 AM

治郎丸さん

私も馬券を“当てたい”との思いで買い結果“当たった”ということに気づきました。毎回勉強になります。改めてありがとうございます。
ある馬券本で馬券は”外れるもの”ということに気づいてから収支プラスになったというのがありました。私は”外れるもの”という考えは受け入れられませんでしたが。

今週から”当たった”ことでレースと予想を振り返ることができました(土日だけですが・・・)。そして自分のスタイル確立させたいと思います。

Posted by: hagi | June 22, 2008 at 10:14 PM

ご無沙汰しています。
ガラスの競馬場でまさかスティーブ・ジョブズの名前を目にするとは思いませんでした。
彼の独創的な発想にはいつも驚かされます。
人間国宝にしても良いと思います。

今回も興味深いエントリーで、同じ思いを感じていた私はコメントせずにはいられませんでした。
と言いましても、私の場合は一口馬主での体験なのですが「この馬だ!」と思ってから、更に吟味を重ねに重ね、「出資をやめた馬」が結果的に未勝利で終わり、「出資した馬」がそれなりに走ってくれている現状を振り返った時に、「一歩違えば未勝利勝ちもままならない馬ばかりだった、こうして一口を楽しめているのもちょっとした運なんだなぁ」と思っていました。
テングになって「俺の選択が良かったんだ」などと思っていた事もありましたが(苦笑)

「選んだのではなく、たまたま選べたんだ」‥最近、漠然とこう思っていました。
治郎丸さんのおっしゃっている、「ほとんどの馬券は“当てた”のではなく、“当たった”のではないかということである。」に非常に共感しました。

過去の無数の点が今現在への線となる。
点から何かを気付く事が出来た時、ひとつ成長するのではないかと思います。
今、自分が判断する際に大事にしているのは○○とタイミングです。
(○○とは、治郎丸さんの最初のライブで聞かせてもらった事です。ズバリ書いてよいか判断に迷ったので伏せ字にしました。。。)
タイミングは馬券には必要ないかもしれませんね。
新たなパラダイムを発見との事で、そちらも興味深いお話です。

Posted by: M | June 23, 2008 at 06:43 PM

hagiさん

こんばんは。

お仕事などお忙しい中、コメントありがとうございます。

当てたいという思いはとても大切ですが、当たったという認識からしか学べないこともあると思います。

これは本当に本気で競馬に取り組んだ者にしか分からない領域ですよね。

hagiさんのスタイルを確立させて、またお会い出来る時に教えてください。

今週の宝塚記念も楽しみましょう!

Posted by: 治郎丸敬之 | June 24, 2008 at 01:28 AM

Mさん

こんばんは。

コメントありがとうございます。

スティーブ・ジョブスには惹かれるところがありましたが、このスピーチを聴いてからファンになってしまいました。

出来れば、自分のノートPCもマックに買い換えたいぐらいに思っています(笑)

一口馬主の件、興味深く拝読しました。

おっしゃる通り、特に馬選びは全ての偶然や縁が絡み合っての結果ですよね。

そこに実力のようなものも存在することは確かですが、私たちが思っている以上に、運の要素は強いと思っています。

現実は私たちが思っているよりも複雑で豊かですからね。

○○とタイミングの件、気を遣わせてしまってスイマセン(全然OKですよ!)。

それにしてもタイミングというのはなるほどと思いました。

確かにありますタイミング。

今打たなければならないと知りつつも、次の手に回してしまって後悔することが何度あったか。

馬券はこちらが思ったタイミングよりも少し前に来ることが多いようです。

あっ、それは安田記念のウオッカの馬券のことでしたw。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 24, 2008 at 01:35 AM

こんばんは。

Mac欲しいですよね~。
特に新しいMacはすごく引かれるモノがあります。
ジョブズの作ったマシンには、他にNeXTという凄いマシン(当時)があったのですが、こちらは廃れてしまいました。
これも凄いワークステーションだったんですヨ。

話は変わりまして、タイミングのお話ですが、馬券でも”買いのタイミング”がありましたね。
馬券には必要ないかも、などとアホな事を書いてしまいました。。。

治郎丸さんのコメントでハッと気づかされました。
ありがとうございます。

私にとって安田記念のウオッカは狙いピッタリのタイミングでした(^_^)v

Posted by: M | June 24, 2008 at 11:24 PM

Mさん

そうですよね。

電化製品店に行くたびに、マックの製品の美しさに惚れ惚れしてしまいます。

NeXTというワークステーション(?)のことは知りませんでした。

Mさんはそちらの方面に詳しいのですね。

馬券のタイミングの話ですが、Mさんぐらいの上級者であれば、もしかすると最も大切なのはタイミングなのかもしれませんね。

どのタイミングで狙い打つか、簡単そうで難しい話ですが…

最近、調子良さそうで何よりです。

宝塚記念もお互い楽しみましょう!

Posted by: 治郎丸敬之 | June 25, 2008 at 12:14 AM

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Posted by: o389jtesh2 | June 27, 2010 at 11:32 PM

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