
今年の秋華賞は、ポルトフィーノが除外になってしまった影響でユキチャンの鞍上が急遽変わったりと、レースが近づくにつれますます混沌としてきました。桜花賞馬のレジネッタやオークス馬のトールポピーが出走してきているにもかかわらず、どうも小粒なメンバーのドングリの背比べに思えて仕方ありません。馬券的には悩ましさ半分、面白さ半分といったところでしょうか。
本命は安藤勝己騎手の騎乗する◎オディールに打ちます。この馬の春クラシックシーズンは、体調が本物ではなかったゆえの不完全燃焼でした。そのことは、彼女の馬体重を見ると分かりますね。阪神ジュべナイルフィリーズ後休養に入りましたが、休み明けのチューリップ賞ではマイナス8kgの馬体重での出走となりました。おそらく放牧後の調整がうまくいかなかったのだと思います。
阪神ジュべナイルF 446kg
↓(休養)
チューリップ賞 438kg 休み明けにもかかわらず馬体が大幅に減った
↓
桜花賞 442kg 反動で凡走してしまった
↓
オークス 440kg 馬体が回復せず
↓(休養)
ローズS 450kg ようやく本来の体調へと回復した
チューリップ賞ではなんとか3着と意地を見せましたが、次走の本番桜花賞では、休み明けをマイナス体重で走った反動がモロに出てしまい、常に力を出し切るタイプのこの馬にしては珍しく、12着と凡走してしまいました。次走のオークスの時点でも、桜花賞で減った馬体重は戻っておらず、距離も長かったり直線で不利があったこともあり、意地を見せたものの5着と敗れてしまいます。結局、春のクラシックシーズンは体調が回復することなく終わってしまったのでした。
ところが、夏の放牧を経て、体調が上向いてきたのでしょう。休み明けのローズSには、プラス10kgの馬体重での出走となりました。ようやく、オディール本来の馬体へと回復したのです。ローズSでは馬場の悪い内を通らざるを得なかったこともあって、4着と負けてしまいましたが、休み明けということを考えれば満足できる内容でした。
この体調の変化は、オディールの調教過程を見ることによっても読み取ることが出来ます。同じ叩き2戦目である桜花賞と今回の秋華賞を比較してみると、いかに桜花賞時の体調が悪かったかが分かります。
桜花賞時
2008/03/30(日) 栗 坂 良 57.2-42.8-28.4-14.3 馬也
2008/04/02(水) 栗 坂 重 52.1-37.9-25.0-12.8 強め
2008/04/06(日) 栗 坂 良 57.0-42.4-28.3-14.2 馬也
2008/04/10(木) 栗 坂 重 57.5-41.2-26.8-13.2 馬也
秋華賞
2008/10/08(水) 栗 坂 良 53.6-39.2-25.9-13.2 一杯
2008/10/12(日) 栗 坂 良 55.8-41.3-27.0-13.4 馬也
2008/10/16(木) 栗 坂 稍 54.9-39.8-26.2-13.5 強め
桜花賞時は前走のチューリップ賞から1ヶ月以上も間隔があったにもかかわらず、4本の時計中3本が馬なりによるものです。わずか1本しか強めに追うことが出来ていませんでした。休み明けをマイナス体重で好走した反動があって、馬体を維持するだけで精一杯だったことが伝わってきます。
それに比べ、今回の秋華賞に至る調教過程は順調といってよいでしょう。前走のローズSからちょど1ヶ月という間隔の中で、3本の時計を出して、そのうち2本が強め(一杯)に追われています。しかも、ローズS後、1本目の時計が強めに追われてのものですから、いかにレース後の反動が少なかったかが分かりますね。
マイナス体重で出走してきた春のステップレースとは違い、今度は叩いての上積みが期待できるはずです。もちろん、体調が良ければそれだけで勝てるということではありませんが、春のG1レースで体調が優れなかった中でも勝ち馬とは0.8秒差、0.4秒差と大きく負けているわけではなく、本来の力が発揮できるとなれば、先着を許した馬たちを逆転できる可能性も十分にありますね。あとはレースの流れ次第でしょうか。京都競馬場の2000m内回りで行われる秋華賞は、ちょっとしたことでレースの綾が生じやすいので、どれだけ上手くレースの流れに乗れるかがポイントです。そのあたりは、百戦錬磨の安藤勝己騎手に任せておけばいいでしょう。
レジネッタはクイーンSとローズSを叩かれて、春の実績馬の中では最も順調に来ている1頭でしょう。桜花賞は展開に恵まれた部分もありますが、オークスでも3着と好走しているように、このメンバーでは力上位であることは明らかです。ただし、決め手に欠けるところがありますね。クイーンSにしても、ローズSにしても、自力で勝ち切れるほど力が抜けていない分、仕掛けどころが難しかった感じです。タメた方がいいタイプですが、タメすぎても届かないですし、早めからエンジンをかけすぎてもゴール前でガス欠になります。トライアルでどちらものパターンで失敗をしていますので、今回こそは小牧太騎手が絶妙の仕掛けどころで乗ってくるでしょう。小牧太騎手が完璧に乗って、レジネッタも完全に力を出し切って、さあ勝てるかどうか。そういったレースをしてくれるはずです。
トールポピーは前走ローズSがあまりにも不甲斐ない負け方でした。オークスを勝ったのはこの馬の実力ですが、やはり3歳の牝馬にとって、府中の2400mで目一杯の走りをするということは、とても過酷なことなのだと思います。同じことはダービー馬にも言えることですが、そこからわずか5ヶ月で、再び絶好の出来に持ってくることは意外と難しいものです。最近のオークス馬で秋華賞をも制したのは、スティルインラブとカワカミプリンセスぐらいしか思い出せません。そのスティルインラブは3冠馬ですし、カワカミプリンセスにしても桜花賞を使っていなかったことで余力が残っていたということでもあります。それを考えると、トールポピーの前走の負け方や中間の入れ込み具合を見ると、オークスの疲れが癒えていないのかもと心配しています。
桜花賞、オークスともに2着のエフティマイヤは、クイーンSでは不甲斐ない競馬だったように私には思えました。馬体重が増えたこと自体は好ましいことなのですが、ギリギリに見せた時に好走してきた馬だけに、前走のような馬体で臨んでくるようでは力を出し切れるかどうか疑問です。調教後の馬体重を見る限りでは、春のような絞り込まれた馬体で臨めるとは思えませんので、私としては評価を下げたいところです。
ローズSの上位組について簡単に触れておくと、マイネレーツェルは外枠を引けなかったことが残念ですね。力をつけてきていることは確かですが、前走は外枠を引けてスムーズに運べたことが、気性の激しいこの馬にとっては大きくプラスに働いたと思います。今回は馬群の中でレースをしなければならないのは確実で、それをはね返して勝ちきれるだけの成長があるかどうかは疑問です。ムードインディゴについては、前走でかなり仕上がっていましたから、大きな上積みは期待できないでしょう。春の実績馬がここに照準を合わせてくる以上、どこまで好戦できるかどうかといったところでしょう。
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