勝利のエンブレム
by M-style
秋華賞2008-観戦記-
エアパスカルが前半1000mを58秒6のペースで逃げ、途中からプロヴィナージュが引き継ぐ形でレースを引っ張り、全体的に引き締まった流れとなった。それでもプロヴィナージュが最後まで残ったように、今の京都の絶好の芝は前に行った馬がなかなか止まらない。そして、速い流れにもかかわらず中団は団子状態で流れたため、外を回した人気馬はなし崩し的に脚を使い、内で脚を溜められた馬にとっては願ってもいない展開となった。
勝ったブラックエンブレムに騎乗した岩田康誠騎手は、内枠を生かして積極的に好位を取りに行き、前が速いとみるやスッと抑えて最高のポジションを確保する、非の打ち所のない騎乗であった。内が詰まりやすい4コーナー手前でも、有力馬が外を回ってくれたおかげで、前後左右に馬1頭分のエアスポットが出来たように、運にも恵まれた。スタートからゴールに至るまで、思い描いていた通りのレースだったのではないだろうか。ジョッキーの腕が試される小回りコースの舞台で、その実力をいかんなく見せ付けた結果となった。
数少ないウォーエンブレム産駒として、ブラックエンブレムは初のG1勝利馬となった。栗東に滞在したことがプラスと出て、明らかに体調がアップしていたことが大きい。春の桜花賞当時は、追い切りが出来ないほどギリギリの状態であったが、ひと夏を越しての成長もあり、栗東に滞在した今回は中間に3本の強い追い切りをこなせていた。また、前走のローズSで不良馬場に脚を取られて惨敗したことにより、人気の盲点になっていた感もある。本来はオークスで4着したほどの実力馬であり、良馬場で一変した。
2着に突っ込んだムードインディゴは、直線の差し脚の勢いは勝ったかと思わせるものであった。勝ち馬の後ろの位置で競馬をしていたが、結果的には4コーナーで外を回したことが裏目に出てしまった。とはいえ、ムードインディゴも福永祐一騎手も最後まで力を出し切った。今回は勝った相手があまりにも完璧すぎた、悔いは残るが仕方ない、というのが正直な気持ちではないだろうか。
プロヴィナージュは佐藤哲三騎手に導かれて、あっと驚く波乱を演出した。まるでタップダンスシチーがファインモーションのハナを奪った2002年の有馬記念を思い出させるような、積極的なレース運びであった。とにかくプロヴィナージュの渋太さを存分に生かそうと、一か八かの騎乗をした佐藤哲三騎手らしい思い切りの良さに尽きる。
1番人気に押されたオークス馬のトールポピーは、4コーナー手前ですでに手応えがなくなっていたように、今回は全く勝負にならなかった。オークスで全力を尽くして勝ったことによる肉体的、精神的な疲れが癒されていないのだろう。オークス馬、ダービー馬の秋の不振は幾度となく繰り返されてきた歴史でもあり、これは天皇賞秋に出走する予定のディープスカイにも当てはまることなので、今後ともしっかりと覚えておきたい。
レジネッタとオディールは外枠が堪えていた。スタートからの位置取りに苦しんだ上、中団で馬群が固まってしまったことで外々を回らざるを得ず、脚を溜めることが出来なかったばかりか、知らず知らずのうちにスタミナまで奪われてしまった。秋華賞は小回りコースで行われる珍しいG1レースだけに、極端なハイペースにでもならない限り、大外枠を引いた差し馬は苦しいレースを強いられるということである。
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凱旋門賞2
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伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
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カンパニー
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Comments
こんばんは。
ウォーエンブレム産駒は数が少ない割りに
好走する馬が多いですね(^^)
元になる数字の規模が違うので単純比較するのは微妙ですが
【芝レースの複勝圏率】
ウォーエンブレム 35.4%
サンデーサイレンス 33.0%
アグネスタキオン 32.4%
とSS系をも上回る安定感を見せています。
SS系のようにあらゆる局面に対応する万能さは
持ち合わせていないものの(短距離、雨に極端に弱い)
マイル~中距離まででは40%近い複勝圏率!
ある意味大物が出やすい血統なのかもしれませんね(^^)
今年は種付けが出来たそうなので今後順調に産駒が
出てくるようになったら凄いことになりそうです。
秋華賞は競馬は馬の力だけでなく、位置取り、仕掛けどころなど
騎手の判断も重要だと再認識させられるレースでした。
それと馬を取り巻く厩舎の努力、工夫も本当に重要ですね。
菊花賞はどんなレースになるのでしょうか・・。
今週も楽しみですね(^^)/
Posted by: けん♂ | October 21, 2008 at 03:07 AM
初めてコメントさせていただきます。
京都2000m内回りの下記内容
「さらに、勝負所である3コーナー入口と4コーナーが狭くなっているため、馬が密集しやすいという特徴もある。この地点でゴチャついて不利を被ってしまった馬は、直線の短さを考えると、余程力が抜けていない限り挽回することは難しい。外枠から、外々を回った馬が意外と好走しやすいのも、ここに理由がある。」
と
「秋華賞は小回りコースで行われる珍しいG1レースだけに、極端なハイペースにでもならない限り、大外枠を引いた差し馬は苦しいレースを強いられるということである。」
のコメントが真逆ですね。
私はここ10年の結果から外枠の方が走りやすい、今年は特別との判断ですがどうなんでしょう。
いずれにしても難しいコース、重賞ですね。
Posted by: どんぐり | October 21, 2008 at 11:33 PM
けん♂さん
改めて的中おめでとうございます。
本当に凄いですね。
もちろんウォーエンブレムも凄いです(笑)
種付けが嫌いでも遺伝力は素晴らしかったブランドフォードのような名馬になる可能性もありますね。
それから、ブラックエンブレムだけのことかと思っていましたが、ウォーエンブレム産駒は全体的に雨に極端に弱いのですね。
勉強になりました。
それにしても秋華賞は難しいレースですね。
岩田騎手はそんな難しい中で、基本に沿った乗り方をして気が付いたら結果を出していたという感じでした。
らしいというか、まいったと言うしかありません。
さて、今週の菊花賞もまた混戦模様です。
また新たなビッグヒットを期待していますよ!
Posted by: 治郎丸敬之 | October 22, 2008 at 01:09 AM
どんぐりさん
こんばんは、初めまして。
いや~、そこに気付かれたとはさすがですね。
どんぐりさんはかなりのベテランと見ました。
おっしゃる通り、レースの前後で書いていることが矛盾しているところがあります。
正直に言うと、レース前から違和感のようなものがあったのですが、今回は外枠に重点を置いてトップジョッキーの安藤勝己騎手に賭けてみました。
その違和感とはおそらくオディールの枠があまりにも外過ぎるのではないかということです。
スタートしてから第1コーナーまでの長さや小回りコースということを考えると、18番枠はどうなの?という違和感でした。
そして、実際にレースを観て、安藤勝己騎手でさえ中途半端なレースになってしまったことで間違いに気付いたということです。
詳しくはいつか馬券の失敗学に書きたいと思っているのですが、小回りコースは内が有利が基本で、ただ馬群が密集してしまうので外が有利になる場合もあるというスタンスが正しいかなと今は思います。
今年は各ジョッキーが外を意識して外を回したため、無欲で内を進んだトップジョッキーの岩田騎手が勝ったというレースでしたね。
いずれにせよ、おっしゃる通り、秋華賞は難しいレースであるということです(笑)。
レベルの高いご意見ありがとうございました。
Posted by: 治郎丸敬之 | October 22, 2008 at 01:18 AM
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