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◎サイレントプライド

Jiromaru

ジョッキーマスターズを2連覇した河内洋騎手の話をしたからには、再び東京競馬場に姿を見せた怪物オグリキャップについて触れないわけにはいきません。オグリキャップを語る上で、どうしても外せないレースは、感動の引退レース有馬記念、そしてホーリックスとの死闘を演じたジャパンカップ、そして奇跡の勝利を収めたマイルチャンピオンシップでしょう。このマイルチャンピオンシップにはオグリキャップの本質が詰め込まれていますね。

前走の天皇賞秋でオグリキャップはまさかの敗戦を喫してしまいます。4コーナーでヤエノムテキに外から閉められてしまい、ようやく抜け出して猛追したものの、スムーズにレースを進めた武豊スーパークリークをわずかに捕らえることが出来ませんでした。鞍上の南井克己騎手はレース後、「天皇賞は、スーパークリークに負けたのではなく、ヤエノムテキに負けた。負けたんです。どれだけ悔しいか…、楽に勝っていたのにね」とコメントしました。

そういった伏線があっただけに、手応えの悪い南井オグリキャップが馬群に包まれ、武豊騎手の乗るバンブーメモリーが直線で抜け出してしまった時には、またもやオグリキャップは負けてしまうのかと誰しもが思いました。武豊騎手の騎乗は完璧に計算し尽されていて、バンブーメモリーはそれに応えるべく末脚を伸ばし続け、もはや勝負あったという瞬間でした。どう楽観的に見ても、オグリキャップがあそこから逆転するのは到底不可能だったのです。それでも、南井騎手は諦めずにオグリキャップを追い続けました。ゴール前50m、私たちはまさかのシーンを見ることになります。オグリキャップの勝負根性に火がついたのです。

1989年マイルCS

長い写真判定の後、勝利が確定した瞬間、南井克己騎手は泣きました。

「ゴール板を駆け抜けていくときの根性を凄いなって思いましたよ。オグリキャップは僕のために勝ってくれた。僕はオグリキャップに救われたなって。オグリキャップは根性で勝った。僕以上の根性でね。それで僕は泣いたんですよ。」

何度観ても、鳥肌の立つレースです。馬が負けたくない、勝ちたいという意志を持っていることを、私たちが思い知らされたレースでもありました。オグリキャップは地方から来て中央のエリート馬を倒したからだけではなく、最後まであきらめずに走って、奇跡のようなレースを何度も何度も見せてくれたからこそ、私たちの心が震えたのです。そして、これからもずっとこうして、私たち競馬ファンの記憶の中で走り続けるのでしょう。

さて、今年のマイルチャンピオンシップは混戦模様ですね。天皇賞馬ウオッカを下したスーパーホーネットが1番人気ですが、その他の伏兵馬も揃って、どの馬が勝っても不思議ではありません。こういう時こそ、マイル戦での実績を中心として、真のマイルのチャンピオンに相応しい馬を見つけていかなければなりませんね。

本命は◎サイレントプライドに打ちます。マイル戦で通算6勝を挙げているように、最も得意とする舞台です。もちろん、中距離戦での勝ち星もありますので、どちらかというとスタミナに支えられたマイラーということになります。フレンチデピュティは今年大ブレイクしましたが、特に大一番での底力が光ります。さらに母父のサンデーサイレンスによって、軽さとスピードが強化されているのも心強いですね。この馬の先行力はここから来ています。

安田記念は腰の疲れが取れずにパスしましたが、結果としてはそれが吉と出たようです。完調ではなかった前走を叩いて、反動が心配されましたが、逆に調子をグングン上げて来ているようです。中間も元気一杯で、最終追い切りも腰の不安など一切感じさせない力強い動きでした。外枠を引いたので、ジワッと先行できるのもいいですね。早めに先頭に立って、そのまま押し切ってくれるはずです。久しぶりに後藤浩輝騎手の涙を見たいものです。

一か八かの面白い存在だと思っているのが、ダービーで2着したスマイルジャックです。神戸新聞杯と菊花賞では引っ掛かってしまい凡走をしてしまいましたので、マイル戦への短縮はプラス材料になるはずです。うまく折り合っていければ、こうした首を低く使う馬はチョッとやソッとでは止まらないので、好勝負に持ち込めるかもしれません。ただ、秋2走のあまりの引っ掛かり振りを見て、もしかすると春の疲れが抜け切っておらず、苦しくて引っ掛かっているのではとも思えます。もともと一戦級の古馬マイラーと激突するマイルCSは3歳馬にとって苦しい舞台なので、少しでも疲れがあるようであれば勝ち目はありませんよね。この馬もマイル戦での連対率は100%です。

ブルーメンブラットの前走、府中牝馬Sは強いレースでした。最終追い切りでも素晴らしい動きをしていたように、春の疲れが抜け切って、最高の仕上がりにありましたね。その後、反動が出るのかと心配していましたが、中間の動きや姿を見る限り杞憂に終わりそうです。まあ牝馬のことなので、昨日に絶好調でも今日下降線を辿るということもあるのですが。また、馬体にも牝馬らしい柔らか味が戻ってきて、溜めて行ければ鋭い末脚を使ってくれそうです。ただ、この馬はマイルの連対率が50%を切っているように、本質的には短距離で良さの出る馬です。体調は良くても、勝ち切るまでは難しいと評価しました。

スーパーホーネットは毎日王冠が最高の出来だっただけに、天皇賞秋をパスして備えたとはいえ、毎日王冠ほどの走りは期待できないでしょう。パドックで観ていた私の友人たちも、恐ろしいほど素晴らしい出来にあったと言っていました。最高の仕上げの先には、まるでコインの裏表のように、あっと驚く凡走が待っていることもあります。立ち写真を見ても、冬毛が伸びてきていて、体調が下降気味なのかなと邪推してしまいます。昨年のマイルCSで、あの最強マイラーであるダイワメジャーに迫ったように、実力はこのメンバーでは上ですが、体調という面での心配が大きいので本命には出来ませんでした。実はこの馬もマイル戦での連対率が50%を下回っています。

非常にレベルの高かった天皇賞秋で最先着したカンパニーも、有力候補であることに間違いはありません。あわやディープスカイを差し切らんばかりの末脚でした。もちろん、3強との力差は見た目以上にありますが、このメンバーならば乗り方次第でチャンスもあるはずです。差しては届かないので、横山典弘騎手が思い切って先行してくるようであれば怖い存在です。

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Comments

治郎丸さん、こんにちは。

先週は、ポルちゃん残念でしたね。
直線で外から切れ込んでくるポルちゃんに目を奪われました(笑)。
アクシデントは残念でしたが、次が楽しみになりましたね。

ところで、スズカフェニックスに騎乗予定だった武ジョッキーの
今年の運のなさは尋常ではないですね。
当時をリアルタイムでは知りませんが、メジロマックイーンの降着
の年くらい酷いのではないでしょうか?
大事に至らないことを願わずにいれません。

さてマイルCSですが、◎はマルカシェンクにします。
関屋記念の再現、サッカーボーイの河内調教師、マイルの福永ジョッキー
に期待します。

〇はウオッカを負かしたスーパーホーネット、▲は内枠を活かしてほしい
スズカフェニックス、あとはサイレントプライド、キストゥヘヴン、
スマイルジャックまで買いたいと思います。

マイルCSは堅い印象がありますが、今年はどうでしょうか?

Posted by: onion | November 23, 2008 at 03:03 PM

onionさん

こんばんは。

ポルちゃんがまたやってくれました。

なかなかアクシデントを引き起こしてくれる馬です(笑)。

それにしても、武豊騎手はまた落ちてしまったのですか。

武豊騎手ほどの人でも悪い時もあるのですね。

とにかく無事を祈りますが。

今年のマイルCSは末脚勝負のレースになりましたね。

それにしても、ブルーメンブラッドはよほど体調が良かったのでしょう。

前走でパワーアップしていた馬体がさらに増えていましたから。

藤岡騎手は安全に乗りすぎた嫌いがありました。

まあ枠も枠だけに仕方ないと言えばそうなのですが。

来週はもうジャパンカップですね。

ウオッカとディープスカイとメイショウサムソンのダービー馬の激突が楽しみです。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 24, 2008 at 12:12 AM

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