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◎ボンネビルレコード

Jiromaru

もう10年以上も前のことになりますが、私がまだ暇をもて余していた頃、よく南関東の地方競馬場に足を運んでいました。よくと言ってもほとんど毎日なのですが(笑)、当時はネットで馬券を買うことなど出来ませんでしたので、大井、川崎、船橋、浦和とまるで武者修行をするかのように転戦していましたね。当時はまさに的場文男騎手や石崎隆之騎手といった脂の乗り切ったトップジョッキーたちが鎬を削っていて、2人を絡めた馬券を買っていればまず外れないという時代でした。

私は今でも南関東の競馬場に行くと、競馬新聞を見て、まず初めに「的場文」という名前を見つけます。どれだけパドックで入れ込んでいようと、覇気のない返し馬をしようとも、的場文男騎手が乗る馬は買わなければなりません。人気馬であればあっさりと勝ち、人気薄であれば2着へと突っ込んできます。「大井の天皇」と呼ばれているように、特に大井競馬場での豪腕には凄みすら感じさせますね。大袈裟かもしれませんが、「的場文」という男が乗る馬の馬券だけを買っていれば、まず負けて競馬場を後にすることはないのです。

的場文男騎手は1973年に大井競馬の第5レースでデビューしました。私が生まれる前から競馬に乗っているのですね…。大井で初めてのリーディングを獲得したのは、10年後の1983年。2002年には363勝を挙げて、念願の全国リーディングを獲得して、地方競馬の頂点に立ちます。続く2003年も335勝を挙げ、地方競馬全国リーディングと共に、地方競馬最優秀騎手賞も受賞しました。内田博幸騎手に抜かれるまで、なんと20年近くにわたって大井競馬のトップに君臨し続けていたのです。

そんな中、のちに日本の競馬における年間最多勝利数記録を打ち立てることになる内田博幸騎手は、ほとんど目立たない存在でした。私にとっても、内田博幸騎手といえば、ソコソコ人気になるけれどほとんど来ない、という印象でした。「石崎さん、的場さん、厳しいところでもまれたから、今の自分に自信が持てる」と内田博幸騎手が語っているように、特に的場文男騎手への尊敬の念は強く、内田博幸騎手の勝つことに対する執念は、数々のレースで揉まれたことによって叩き込まれたものです。この2人の壁は非常に高く険しいものでした。

ところが、私がしばらく地方競馬をお休みしている間に、いつの間にか内田博幸騎手はこの高く険しい壁を登り切ってしまいました。2004年には南関東のリーディングを奪取し、2006年には524勝を挙げて年間最多勝利数記録を塗り替えたのです。そして、満を持して今年から中央競馬への参入が決まり、はや現時点では関東リーディングジョッキーのトップをひた走っています。

地方競馬で培った実力を、中央でもリーディングを取ることによって証明しようという内田博幸騎手。大井競馬場が世界一の競馬場と信じて、大井に残って戦い続ける的場文男騎手。この2人の間には私たちには見えない強い絆があります。的場文男騎手がボンネビルレコードを駆って勝利したかしわ記念を見て、内田博幸騎手が「負けられないという気持ちと共に、大きな励みとなる」と語っていました。内田博幸騎手は的場文男という男の背中を見て大きくなり、今現在もその背中に励まされ続けているのです。JBCクラシックとJCダートのどちらも乗られる騎手をということで、ボンネビルレコードの手綱は的場文男騎手から内田博幸騎手に受け継がれました。内田博幸騎手にとって、今年のJCダートだけは負けられない戦いです。

本命は◎ボンネビルレコードに打ちます。前走のJBCクラシックは大敗してしまいましたが、レコード決着となった日本テレビ盃を休み明けにもかかわらず激走してしまったことによる反動が出たものです。この馬は地方のG1しか勝っていませんが、バランスの良い馬体を見ても、決してゴツいパワー優先のダート馬ではありません。砂が深くてパワーを要する園田競馬場よりも、一定のスピードとスタミナを問われる阪神競馬場の方が合っているはずです。最終追い切りの動きもなかなか好印象でした。前走とは明らかに体調は違いますね。あとはペースが速くなってくれれば、この馬の底力と勝負根性が生きてくるでしょう。内田博幸騎手がどのあたりで馬群の中にもぐり込み、どのあたりから仕掛け始め、ゴール前でどのように有力馬たちを飲み込むのか、地方競馬トップの腕をとくと堪能したいと思います。

フェブラリーSの時にも書きましたが、ヴァーミリアンはスピードとスタミナ、そしてパワーが非常に高い次元で融合された最強のダート馬です。私の知る限りでは、あのクロフネに匹敵する搭載エンジンを持っています。はっきり言って、この馬を負かすことは簡単なことではありません。体調が優れなかったドバイでは結果が出ませんでしたが、それでもこの馬がワールドクラスの馬であることは間違いありません。前走の楽勝を見る限り、衰えを心配するのはおろかでしょう。さすがのサクセスブロッケンも、この馬とまともに走っても勝ち目はありませんね。ただ、私の中でひとつだけ心配材料があります。それは追い切りの動きが芳しくないということです。元々、調教ではあまり走らない馬ですが、今年の川崎記念を回避した時の動きに近い気がしました。昨年と違って、ドバイ遠征の疲れが完全に癒えていないのかもしれません。

サクセスブロッケンはヴァーミリアンの後継者になりうる存在です。馬体やフットワークからは、どう見ても芝の方が走りそうですが、そうでないところにこの馬の特異性を感じます。敢えて挙げると、体全体に力が付ききっていないからこそ、ダートの方が走りやすいということなのでしょう。ヘイルトゥリーズンのクロスを持っているので、早くから頭角を現しましたが、父シンボリクリスエスということを考えても、来年はさらに凄い馬になっているはずです。常識的に考えると、この時期の3歳馬が古馬と1kgの斤量差で走るのは相当に厳しいはずです。とはいえ、坂路の追い切りで51秒台が出たように、ひと夏を越して、体全体に力が付いてきた面も窺えます。藤原英昭調教師によって施された調教が実を結び、古馬の壁を打ち破ることが出来るとすればこの馬をおいて他にありません。

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Comments

こんにちは。
ボンネビルですか。やはり的場騎手とのコンビが見たかったな~と思います。
自分は◎サンライズバッカスにしました。
とにかくG1ではほとんど崩れませんし、
去年の2100Mよりは今年の条件の方が合うと思います。
前が速くなりそうな展開も向きそうで、忘れかけられたG1馬が復活…というのも夢があります!笑
○はやはりヴァーミリアンで。
普通に走れば勝てると思いますが、岩田騎手が気になります。。
先週の落馬からリズムが悪い気がしてなりません。
それ以外は不安要素はないです。
▲はブルーコンコルド。
この馬も条件変わった恩恵を受けそうな馬ですね。
なんとか10億円馬になって欲しいです。
△はワイルドワンダー、サクセス、ワンダー、闘魂で。
ワイルドは善戦はするので3着くらいには来そうな感じです。
サクセスは3歳代表として頑張ってほしい、
ワンダー、闘魂は前が飛ばしてくれれば突っ込んでくるでしょう。

馬券はバッカス-ヴァーミリアンの馬連で!

Posted by: keigo | December 07, 2008 at 02:47 PM

keigoさん

こんばんは。

サンライズバッカス惜しかったですね~。

メイショウトウコンが来た展開だけに、バッカスにもチャンスがありましたよね。

それにしても、カネヒキリは強かったし、ルメール騎手は上手かった!

ヴァーミリアンは体調自体が本調子ではなかったのではと思っています。

おっしゃるように岩田騎手が運に恵まれなかったことも加わって惨敗してしまいましたね。

今年のJCダートはG1ということでハイラップを期待していましたが、終わってみれば普通のオープンの流れでした。

Posted by: 治郎丸敬之 | December 08, 2008 at 12:41 AM

カネヒキリ好きでしたがさすがに買えませんでした(笑)
全盛期ならもっと楽勝していたかと思います。
それにしてもルメール騎手はすごいですよね。

Posted by: さとし | December 08, 2008 at 12:48 AM

さとしさん

お気持ちお察しいたします(笑)

おっしゃる通り、全盛期であれば突き放していたでしょう。

今回はルメール騎手が上手く乗ったこともあっての勝利でした。

いや、それでも3年ぶりの屈腱炎を克服しての勝利は凄い!

Posted by: 治郎丸敬之 | December 09, 2008 at 02:03 AM

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