« ためいきの日曜日 | Main | 中山1600m »

ワンダーホース

Jiromaru

今年で第60回を迎える朝日杯フューチュリティS(旧朝日杯3歳S)ですが、第2回の優勝馬があのトキノミノルですから、どれだけ歴史が深いかがお分かりになると思います。数々激闘が演じられ、たくさんの名馬が生まれました。朝日杯フューチュリティSで最も強い勝ち方をしたのは?と聞かれれば、マルゼンスキーとお答えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は迷わずグラスワンダーと答えます。

グラスワンダーはマルゼンスキーの再来と呼ばれた馬です。朝日杯フューチュリティSを含む、2歳時の4戦でつけた着差は合計で16馬身半。新馬戦でこの馬を見た時の、あの弾むような走りは忘れられません。鞍上の的場均騎手がほんのちょっとだけ手綱を緩めただけでグーンと加速する様は、まさに1頭だけ次元の違うエンジンを搭載した外車が走っているようでした。新馬戦を3馬身、オープン戦を5馬身、京王杯3歳Sを6馬身という圧勝につぐ圧勝で、朝日杯フューチュリティSに臨んできたのです。

のちにスプリンターズSを制するマイネルラブや、ヨーロッパのG1を勝利したアグネスワールドなど、素質ある外国産馬が多く集まった非常にレベルの高いレースでした。案の定、2歳戦とは思えないハイペースでレースは進み、いくらスピード自慢の外国産馬たちとはいえ、追走に手一杯になる馬もたくさんいる中、グラスワンダーだけは、まるで調教で走っているかのような涼しい顔をして、体を弾ませるように、余力十分に走っているではありませんか。的場均騎手の手綱はピクリとも動いていません。

最終コーナー手前で、的場均騎手からのゴーサインが出た時、グーンと加速していくグラスワンダーにマルゼンスキーを重ねた競馬ファンもいたことでしょう。普通のサラブレッドの肉体に、まるでもうひと回り筋肉をコーティングしたような異次元の馬体から繰り出される走りには、月並みな表現ですが背筋がゾクッとしました。着差こそ2馬身半でしたが、2着のマイネルラブ以下を子供扱いしての完勝でしたね。

1997年朝日杯3歳S

「1分33秒6・・・!」という断末魔のような実況が、今でも頭の中に残っています。

そんなグラスワンダーですが、実はとても人懐っこくて、大食漢だったそうです。人の気配を察すると遊んでくれと前掻きをして、どれだけ厳しい調教を課しても、カイバを与えれば与えるだけ食べたそうです。よく遊び、よく食べるがグラスワンダーの強さの秘密だったのかもしれません。食べ過ぎて大きくなった馬体が脚元の故障につながったのは愛嬌ですが、それでも何度も復活して有馬記念を2連覇したのですから、まさにワンダーホースですね。父としてもスクリーンヒーローがジャパンカップを制して、これまたワンダーでした。

クラシックを目指す素質馬は、朝日杯フューチュリティSを回避して、ラジオたんぱ杯2歳Sに向かう傾向が強くなってきていますが、本当に強い馬であればそんなことは関係がないことをグラスワンダーが証明しています。息子のセイウンワンダーは偉大な父に追いつくことが出来るのでしょうか?今年の朝日杯フューチュリティSは、久しぶりに本当に強い馬が現れるのでしょうか?そして、どのようなワンダーが待っているのでしょうか?

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

グラスワンダーはスペシャルウィークと並んで
大好きな馬でした(^^)

あまり有力な繁殖牝馬が集まらないようで
産駒は苦戦していましたが、ここにきて
スクリーンヒーローがJCを勝つなど
急激な躍進をしてきているのでこれからが楽しみですね。

サクラメガワンダーの活躍があったために種付け頭数が増え、
来年が過去最多の産駒がデビュー予定になっているので
大物が出るなら来年かなぁと考えていましたが
セイウンワンダーが一足早く活躍してくれそうです。

母父の影響が強い感じですがその分
切れ味がありそうですよね(^^)

ワンダーな朝日杯になることを私も期待しています♪

Posted by: けん♂ | December 18, 2008 at 01:21 AM

けん♂さん

私もあの世代はどの馬も大好きでした。

とても個性的な馬たちでしたから。

あとはセイウンスカイの仔に走ってもらいたいという個人的な思いはありますが、どうにも難しそう…

セイウンワンダーはPOGの最終候補に残っていた馬で、新潟2歳Sを勝たれたときには秘かに悔しい想いをしていました(笑)

ここも勝たれてしまうと、また悔しいだろうなあ。

いずれにせよ、ワンダーな朝日杯を楽しみにしたいですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | December 18, 2008 at 11:12 AM

Post a comment