シビれた。
by Ruby
フェブラリーS2009-観戦記-
大方の予想通り、エスポワールシチーがハナを奪い、有力馬たちも積極的にポジション争いに加わったため、前半47秒0-後半47秒6という息つく間のない厳しいレースとなった。前に行った馬もなかなか止まらず、ある程度の位置に付けていないと勝負にならないという、極めてハイレベルな争いであった。これだけ厳しい流れになると、スピードが足りない馬はもちろん、マイル以上のスタミナに欠ける馬も最後には脱落してしまう。それにしても、ゴール前の内田博幸騎手と安藤勝己騎手、ルメール騎手の壮絶な叩き合いにはシビれた。
勝ったサクセスブロッケンは、好発から自然な形でポジションを取り、マイルの速い流れに折り合いがピタリと付いていた。最後の直線に向いて、一瞬はカジノドライヴに離されたものの、鞍上の叱咤激励に応えるように食らいついて、最後はスタミナと底力にものを言わせてゴール前で差し切った。昨年秋のシーズンは、疲れが完全には癒えていない状態で走って古馬の壁に阻まれてしまったが、ここに来て体調が戻ってきたことが大きい。そして何よりも、この馬自身の成長が著しい。ようやく7歳世代に引導を渡した形となり、これからはこの馬とカジノドライヴがダート界を引っ張っていく存在となるだろう。
内田博幸騎手にとっても会心の勝利だったに違いない。東京大賞典と川崎記念と2戦手綱を取り、いずれも引っ掛かりがちであったサクセスブロッケンを、今回は敢えて出して行かなかった作戦が功を奏した。スタートが決まったことも幸いした。馬のリズムに合わせながら、勝ちポジを取り、直線に向いてカジノドライヴを目標に追い出してからの迫力は、さすが元南関東ナンバーワンジョッキーである。年始はなかなか勝てずに心配されたが、これでもうエンジン全開といったところだろう。
惜しくも2着に敗れたカジノドライヴは、あとひと踏ん張りが利かなかった。最後にカネヒキリとサクセスブロッケンに内と外から来られて、追い比べて負けてしまったのは、これまで叩き合いをした経験がなかったゆえであろう。そういう経験が一度でもあれば、もう一歩前に出られた可能性もある。それでも、これだけの厳しいペースを追いかけて行って、最後まで粘ったのだから、ダート馬としての資質や将来性の高さは十分に示したといえる。安藤勝己騎手もエスポワールシチーとの距離を計りながら、後続の手応えを確認し、ギリギリまで追い出しを待った最高の騎乗であった。
カネヒキリはG1レース8勝の記録を逃してしまったが、それでも最大の賛辞を送りたい。昨年の秋から高いレベルのレースを勝ち続け、目に見えない疲れも溜まっていただろう。内枠を引いて、苦しいポジションを走らなければならなかったことも、この馬にとっては運がなかった。やはりG1レース7勝の壁を超えるのはなかなか難しい。それでも、最後まで諦めずにファイトする姿を見て、この雷神の精神の強さと崇高さを思い知った。ルメール騎手もこの馬の力を最大限に引き出していた。
エスポワールシチーの快走には驚かされた。やや重の脚抜きの良い馬場になったこともプラスに働いたのだろうが、この時計を作り出して、自らも4着に粘ったのだから褒められるべきである。速いペースではあったが、最後の直線に向くまで、気持ち良く走っていた姿が印象的であった。フェラーリピサもあわやという見せ場を作ったが、最後の直線では伸び切れなかった。これだけ厳しい流れになってしまい、スタミナ不足を露呈してしまった。
2番人気のヴァーミリアンも伸び切れずに6着。馬体にも翳りが見えてきて、中間の調教でも精彩を欠いていたように、競走馬としての峠を越してしまった感は否めない。ドバイへの2度の遠征も含め、長きにわたって一戦級で活躍してきた疲れが出てきているのだろう。それでも、この馬がカネヒキリにも並ぶとも劣らない最強のダート馬の1頭であることは間違いない。
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凱旋門賞2
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ダイワスカーレット有馬記念
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Comments
しびれましたね。
カネヒキリは短期間でのGⅠ連戦の疲れがあったと思いますし、最後に狭い所を通らされたのも影響があったと思います。
カジノドライブは急遽出走枠を得た事で若干仕上げが足りなかったのも影響したのだと思います。
賞金が足りていて、出走が確定している状態でレースに挑めていれば・・・と思われる内容でした。
サクセスブロッケンはマイルの流れが現状合っているのだと思います。距離が長くなると折り合いを欠いてしまうが、流れが速ければ折り合いをつけれて かつスタミナを生かせる今回の流れが向いたのだと。
今後はカジノドライブ中心にダート界は流れていくでしょうが、カネヒキリもまだまだ負けてはいないでしょう。
ヴァーミリアンはやや翳りが見えてきた様に思えます。
Posted by: はやひで | February 24, 2009 at 12:14 PM
はやひでさん
シビれましたね~。
今年初のG1レースでいきなり素晴らしいレースを堪能しました。
馬も凄かったですが、ジョッキーの追い比べも凄かったですね。
上の写真の内田騎手の追い方、中央の騎手は真似できませんよ。
今年は果たしてどんなレースが見られるのでしょうか。
あと1ヵ月後に始まるクラシック戦線を想像するだけで、ワクワクします。
Posted by: 治郎丸敬之 | February 24, 2009 at 11:43 PM
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