いつもウオッカが助けてくれる
by Deliberation
ヴィクトリアマイル2009-観戦記-
ショウナンラノビアが逃げた前半46秒7-後半45秒7というスローペースに、先週からの高速馬場が加わったことにより、前に行ってかつ内で脚を溜められた馬に有利なレースとなった。勝った馬は別格として、2着以下は枠順と道中の位置取りが明暗を分けた。
1分32秒4はヴィクトリアマイルのレースレコードあり、7馬身差で後続を突き放したウオッカ自身が作り出した時計と言ってよい。まるでドバイの鬱憤を晴らしたかのような完勝であった。心配された海外遠征による疲れなど微塵も見せず、ウオッカはスタートからゴールまで元気一杯に駆け抜けた。昨年時よりも肉体的には仕上がっていたが、精神的に参ってしまっていても自然な状況であっただけに、今回はウオッカの闘争心の強さがより一層際立ったレースであった。ウオッカにこれだけ本気で走られては、他の牝馬はなす術がない。歴代1位の獲得賞金女王となり、これで名実ともにエアグルーヴを超えたといってもよいだろう。
武豊騎手も、流れるように美しくウオッカをゴールまで導いた。思うように結果が出ず、自身の不調説もささやかれる中での完勝だけに、武豊騎手とはいえど失いかけていた自信やプライドを取り戻したのではないだろうか。そもそも周りのレベルが上がっただけで、武豊騎手の技術レベルが落ちているわけでも、肉体が衰えてきているわけでもない。強い馬に乗れば強い競馬が出来るのだ。「苦しいときにいつもウオッカが助けてくれる」という勝利インタビューを聞き、デビュー以来、日本の競馬を背負ってきたジョッキーの孤独と矜持を思い、少し胸が熱くなった。
2着に入ったブラボーデイジーは力を付けてきている。今回は相手が強かったとしか言いようがないが、抑え切れない手応えで先行し、最後までしっかりと走り切ったレース振りは大いに評価できる。前走は不良馬場、今回はパンパンの良馬場とまるっきり異なる条件に、これだけスムーズに対応できたことも驚きである。父から柔らかい筋肉から繰り出されるパワーを、母父から前向きな気性に乗るスピードを受け継いでいる。将来性豊かな牝馬の新星が登場した。
ショウナンラノビアはマイペースで逃げられたことが功を奏した。柴田善臣騎手が逃げると、本当にゆっくりと逃げる。これだけゆっくり逃げられるジョッキーも珍しい。肉を切らせて骨を断つという形にはならないが、今回のように力以上の結果を出すこともままある。
ウオッカの対抗と目されていたカワカミプリンセスとリトルアマポーラは、外枠が完全に仇となった。外々を回された挙句、前が止まらないペースと馬場だから、もうどうにもしようがない。さらに、カワカミプリンセスにとってもリトルアマポーラにとっては、マイル戦の瞬発力勝負では分が悪い。それでも勝ち負けできる力が備わっていなかったということでもある。

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Comments
興奮しました!!僕も精神的にドバイを引きずっている気がしていたもので・・・・。
しかし強かったですね、よほど府中の水があっていると見えますね。
そうなんですよね、地方騎手や若手がうまくなってきていたので、今までの感覚ではいけなかったのですが最近になって豊も大分アジャスト出来てきたかなと感じます。
今週のオークスは、ディアジーナに父の仇をうってほしいです!!
Posted by: 和人 | May 20, 2009 at 04:25 PM
和人さん
こんばんは。
ウオッカ強かったですね。
直線半ばから、笑ってしまいました。
武豊騎手も吹っ切れたのではないでしょうか。
ディアジーナはメジロマックイーン最後の大物になれるのか、このレースが重要になってきますね。
どんなレースになるのか、今から楽しみです。
Posted by: 治郎丸敬之 | May 21, 2009 at 12:16 AM
おはようございます。
先日は書き込みできませんでしたが、
予想的に外していたのでまぁよかったです(汗)
さてウオッカですが、強かったですね。
スタートを切った瞬間もう勝ったなと思いました。
きっちり折り合って鞍上との息もぴったりでしたね。
とにかくウオッカの為にあったようなレースでした。
インタビューも少し感動してしまいました。
あれだけ期待していたドバイのあの負け方から衰えた
とか、武豊は…などと様々な憶測が飛び交いましたが、
それを一蹴するような勝ち方だったので武豊騎手はそうとう嬉しかったでしょう。
最近も重賞で乗れてないなどと言われて本当に何かを失いかけていたんだなぁと思いました。
久々に「強いものは強い!」というようなレースを見れて安心しました。
Posted by: keigo | May 21, 2009 at 07:10 AM
keigoさん
こんばんは。
ウオッカ、強かったですね。
おっしゃる通り、スタートしてからの推進力の凄さを見て、半分くらい勝利を確信しました。
ウオッカと武豊騎手のためにあったようなレースでしたね。
どこかの若手ジョッキーとは違い、競馬ファンを幸せにするようなインタビューでした。
ジョッキーの勝利インタビューはあああるべきだと思うのですが、それは私が競馬おやじだからでしょうか。
>久々に「強いものは強い!」というようなレースを見れて安心しました。
全く同感です。
今週のオークスも楽しみましょう!
Posted by: 治郎丸敬之 | May 22, 2009 at 01:34 AM