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天下一品

Takaraduka09 by echizen
宝塚記念2009-観戦記-
誰も行かないんだったら俺が行くよ、と言わんばかりのダービージョッキーを外から交わし、コスモバルクが玉砕覚悟の逃げを打った。前半1000mが59秒ジャストとやや速めだが、2番手以降はおよそ平均ペースで流れた。展開に有利不利が少なく、どこから行った馬でも力を発揮できる、紛れの少ないレースとなった。

勝ったドリームジャーニーは、ディープスカイを終始マークして、直線だけであっという間に突き抜けた。2歳時に軽く飛んだと表現された末脚は、古馬になってからさらに力強さを増し、3年という歳月を経て、再び頂点へと上り詰めた。母父メジロマックイーン譲りの成長力に加え、父ステイゴールドからは旺盛な闘争心を見事に受け継いでいる。特に今回の宝塚記念は、420kg台の馬とは思えない、馬体のボリュームと筋肉の盛り上がりを誇示していた。今年に入って4戦を使われつつ、最高の体調にあったことは間違いない。ゴール前では抑える余裕も見せて、本当に強い競馬であった。

池添謙一騎手は完全にドリームジャーニーを手の内に入れている。道中での折り合いの付け方から仕掛けどころまで、文句なしの騎乗であった。こういった後ろから行く馬に乗せると本当に上手い。チャンスがあると思えば思うほど、仕掛けのタイミングを我慢することは難しく、分かっていても、気持ちが先に動いてしまう。デュランダルやスイープトウショウといった名馬たちに、無心を演じることを教えてもらったのだろう。勝負どころでスッと馬を動かす技術も天下一品である。

サクラメガワンダーは正攻法の競馬で勝ちに行ったが、勝ち馬の切れ味に屈してしまった。とはいえ、昨年の鳴尾記念あたりからの成長は著しく、このメンバーに入っても見劣らないだけの力を付けている。クラシックでも期待された馬だが、祖母サクラクレアーから流れる血脈がようやく6歳にして開花してきた。もう少しトモに筋肉がついてくれば、最後のひとふん張りが利き、G1のタイトルにも手が届くのではないだろうか。夏を越しての成長を楽しみに待ちたい。

1番人気に推されたディープスカイは、4コーナー手前ですでに手応えが怪しくなり、直線に向いて勝ち馬に交わされると、全く抵抗できなかった。馬体は絞れ、最高の仕上がりを見せていただけに、不甲斐なさだけが残った。数字的には体調は戻っているだけに、考えられる敗因としては、ダービーを勝ったことによる精神的なダメージをまだ引きずっているということだろうか。細かいことを言えば、今回も道中で舌がハミを越しかけていたように、ハミ受けの悪さが出てきているように映る(安田記念の最終追い切りでもそのような仕草は見られた)。それもこれも走ることに対して苦しがっているからである。この結果を受けて、凱旋門賞うんぬんの前に陣営が採るべき選択肢はひとつ。厩舎に置いておくのではなく、勇気を持って放牧に出すことだ。

カンパニーは外枠発走からスッと先行し、4番手で見事に折り合った。最後は上位3頭に交わされてしまったが、この馬の力は出し切っている。今回は体調も良く、悔いのないレースであっただろう。アルナスラインは馬体重こそマイナスではあったが、最終追い切りでバタバタしていたように、前走時に比べると仕上がりが優れなかった印象を受けた。追い切りで動かないこの馬にとっては、天皇賞春からおよそ2ヶ月という間隔の長さが裏目に出てしまった。

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◎ディープスカイ

Jiromaru

ウオッカの回避は残念でしたが、どこかに安心した自分がいます。昨年の有馬記念は出なければならないと強く主張して、今でもそう思っているのですが、今回の宝塚記念については無理をする必要なかった素直に思います。もし出走していたとしても、おそらく良いことはなかったことでしょう。ファンの期待に応えることも名馬の大切な役割ではありますが、あくまでも自身が無事であってこそです。

宝塚記念といえば、どうしてもライスシャワーのことが思い起こされてしまいます。あの年は阪神競馬場が改修されていたため、宝塚記念は京都で行われました。皮肉なことですね。その年の宝塚記念だけは、京都のパンパンの良馬場でレースが行われたのです。7歳馬にして天皇賞春で復活したライスシャワーは、余勢を駆って出走してきたものの、肉体的にはピークを過ぎていたのではないでしょうか。春シーズンの最後のG1レベルの激しく厳しいスピードレースについていけず、淀のターフに散ってしまいました。

雑誌「優駿」に「馬を愛する人たちの宝物」というコーナーがあります。ライスシャワーを管理した飯田好次元調教師は、彼が最後に履いていた蹄鉄だけはどうしても捨てられず、今でも大切に持っているそうです。蹄鉄の溝には、あの日の京都競馬場の土が付いたまま。「ライスシャワーは、私に一番の喜びを与えてくれた馬、というか人です。この小さい蹄鉄を見ると、小柄な身体でよく頑張ったなと思います」と語りました。ステイヤーとはいかなる者かをライスシャワーから教えてもらった私は、このエピソードは涙なしに読めませんでした。

アグネスタキオンの急死にも驚かされましたね。ノーザンファームの吉田勝己氏の強烈なバックアップが種牡馬としての成功の最大要因だと思いますが、もちろんアグネスタキオン自身の能力も優れていたということでしょう。ダイワスカーレットとディープスカイという2頭の牝馬と牡馬チャンピオンを出しました。この2頭に共通するのは、瞬発力だけではなく、スピードの持続力もあるという点ですね。あらゆる条件のレースに対応できる柔軟さを備えているということです。つまり、馬場が軽くても重くとも、スローペースだろうがハイペースだろうが、常に最高のパフォーマンスが出来るのです。

弔い戦という意味合いは全くありませんが、本命は◎ディープスカイに打ちます。前走はウオッカに完敗でした。相手が強すぎたということもありますが、この馬自身が少し太目残りだったということが主な敗因です。単なる太目残りかというと少しニュアンスは違い、体調が上向いてきている中での大幅な馬体増(+14kg)ということです。なぜ大幅な馬体増になったかというと、中2週の宝塚記念へ向けて僅かに緩めに仕上げられたということに加え、休み明けの産経大阪杯におけるマイナス体重(-8kg)が理由です。

何度も書いてきましたが、昨年秋のディープスカイのパフォーマンスは素晴らしいのひと言に尽きます。ダービーの疲れが抜け切らない中、ウオッカやダイワスカーレットなどの古馬を相手にあれだけの走りをすることは容易ではありません。体調が戻り、古馬になって馬がもっとシッカリしてきた暁には、もはや日本には相手はいないだろうと思わされました。

しかし、ジャパンカップを2着した後、休養をはさみ(放牧には出されなかったのですが)、休み明けの産経大阪杯を楽しみにしていたのですが、あっさりとドリームジャーニーに差し切られてしまいました。私が気になったのは、負けたことではなく、マイナス体重でした。マイナスと言っても天皇賞秋と同じ馬体重なのですが、今から振り返ると、あの時点ではまだ昨年の疲れが完全に抜け切っていなかったのでしょう。そして、ひと叩きされた効果もあり、劇的に体調が上向きになってきていた途中が安田記念だったということです。調教の負荷よりも、ディープスカイの回復力の方が上回ってしまったということです。

ジャパンカップ 518kg 
(休み明け)
産経大阪杯   510kg 休み明けにもかかわらず馬体減
安田記念    524kg 休み明け前の馬体重に戻った!

馬体重の読み方については集中連載「馬体重は語る」に書いたので、ここで詳しくは説明しませんが、まさに今回は復調しているレースになります。馬体重の基本原則「当日の馬体重の増減が馬の<体調>に影響を及ぼすのは、その日のレースにおいてではなく、レースの後になる」からです。ここをキッチリ勝って、海外に行くのか、それとも国内戦に専念するのかを決めて欲しいですね。個人的には、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念の3連勝が可能な馬だと思っています。

ドリームジャーニーはここに来て再び成長していますね。朝日杯FSを勝った時は単なる早熟馬かと思っていましたが、そうではありませんでした。馬体が大きく成長し、立ち写真を見る限り、生涯最高の出来にあるのではないでしょうか。この馬がここまで長きにわたって活躍できるのは、母父メジロマックイーンの成長力と考えることもできますが、それ以上に父ステイゴールドの勝ち気な気性を受け継いでいるからこそだと思います。ステイゴールドは小さい身体で7歳まで第一線で走り続けた馬ですが、その原動力は底知れぬ闘争心だったといいます。年齢を重ねても、常にテンション高くファイティングポーズを取り続けた馬でした。そんなスピリットをドリームジャーニーも受け継いでいるのでしょう。一瞬の脚を生かす馬だけに、ディープスカイに比べて乗り方は難しいのですが、ドリームジャーニーを手に入れている池添騎手を背にどこまで迫れるでしょうか。


関連リンク
「ガラスの競馬場」:執念の馬
「ガラスの競馬場」:ディープスカイの無類の末脚が

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「馬券のヒント」がPDFで読める!

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「馬券のヒント」がPDFで読めるようになりました。今すぐに読みたいという方、または自宅に直接届くのは困るという方のために、PDFでダウンロードしていただけるようになりました。精魂込めて作った本ですので、本当は手に取っていただける形でお届けしたいのですが、どうしてもという方はPDFダウンロードをご利用ください。まぐまぐマーケットからご購入いただけます。

「馬券のヒント」は、2006年にメルマガ配信を開始し、100のヒント(馬券戦術)を100日連続で皆さまにお届けしたものです。期間限定、しかもバックナンバーを公開しておりませんでしたので、「最初の100のヒントを教えて欲しい」という要望をたくさんの方々から頂戴しておりました。ほぼ3年越しになりますが、新たなヒントやコラムを加え、加筆修正して、皆さまにお分けします。

全90ページ(!)の中に、治郎丸敬之が数々の実戦を通して手に入れてきた知恵を詰め込んでみました。もちろん、これらはあくまでもヒントであり、絶対的なものではありませんが、明日からでもすぐに使っていただけるノウハウとなっています。馬券に迷ったり、困ったりした時に、手助けになるツールとして使っていただければ、これ以上に嬉しいことはありません。

馬券のヒントの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
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以下、メルマガ読者の方々からの、「馬券のヒント」に対する感想の一部を紹介させていただきます。

私は全く気づいてませんでした
馬券のヒントですが、楽しく読ませていただいています。始まって、第1回のメルマガが届いた時は、短っ!というのが第一印象でした(爆)。いつもの治郎丸さんの文章を読みなれているからでしょうね。いちばんあーなるほどと思わされたのは、「牝馬が夏に活躍する本当の理由」ですかね。平坦だから、というしっかりとした答えがあるにも関わらず、私は全く気づいてませんでしたからね。まさに目から鱗でした。「予想して馬券を買う専門家は?」と「競馬は無限なり、個を立てよ」はこれからも教訓として忘れないようにしたいと思います。
KAWABATAさん

さっそく私の馬券術にも取り入れていきたい
「馬券のヒント」楽しく拝見しておりました。途中からの購読でしたがとても参考になりました。東京競馬場の排水システムは知っていたつもりですが、インコースから乾いていくのは盲点でした。さっそく私の馬券術にも取り入れていきたいと思います。この記事につきましては、私の記事とともに後にブログの方で紹介させていただきます。(もちろん出典を明記した上で)馬券のヒントの方は一時充電なさるそうですが、ブログの方も楽しみにしております。

衝撃的でした
「馬券のヒント」が終了ということで、本当にご苦労様でした。始めは100件が非常に長いと思っていたのですが、終わってしまうとけっこうアッという間であったような気がします。さて、「馬券のヒント」での感想をお伝えしたいと思います。ざっと見渡して思い浮かんだのは以下の2つです。「馬のウォーキング」と「逃げ馬の法則」です。まず、馬のウォーキングは始めの頃に、「パドックで順番どおりに歩けない馬は消し。」ということを全く考えたことも無かったので、衝撃的でした。今では自然に順番を気にして見ています。次に逃げ馬の法則です。つい最近までは追い込み馬のかっこ良さに魅せられて馬券を買っていた部分がありました。しかし、最近になって「なぜわざわざ後方からレースさせて、コースロスさせてまで外を回るのだろう?」「前にいた方が楽じゃないか?」という素朴な疑問があったので、逃げ馬という言葉にピンと来て選びました。でも、やみくもに逃げ馬が良いわけでは無いし、と悩んでいた中での内容であったので今後参考にしたいと思っています。
K.Tさん

「へ~そうなんだ」といった事ばかり
いつも馬券のヒントを読ませていただいております。毎回「へ~そうなんだ」といった事ばかりで、最近は秋競馬も始まり自分の競馬の予想に「馬券のヒント」に書いてあるような事も組み込みながらやってます。とにかく、ためになるし、いろいろと勉強になる事ばかりでこれからも、がんばってください!
Geselさん

引出しの多さに頭が下がりました
馬券のヒント100配信お疲れ様でした。そして、これだけのヒントを出せる治郎丸さんの引出しの多さに頭が下がりました。ヒント自体はシンプルなんですが、こういう基礎的な考えの集積が的中の閃きになると思いました。例えばヒント95は菊花賞のアドマイヤメインの取り捨てには有効でしたね。わたしの悩みは馬券の買い方でしたが、予想に自信がでれば馬券種に左右されなくなるんじゃないかと最近は思うようになりました。
OGINOさん

ロジカルな考え方には感服
メルマガ「馬券のヒント」を読ませていただいてます。治郎丸さんの競馬に対する観察眼とロジカルな考え方には感服いたします。まさに「馬券のヒント」として活用させてもらっています。「決断」とは自分が選び取った状況に腹をくくること。これは、競馬だけにとどまらず素晴らしい表現だと思います。
kzhrさん

はっと気づかされるコメント
いつも「馬券のヒント」楽しく読んでいます!はっと気づかされるコメントから、つい忘れがちになってしまっていたことなどなど本当に参考になっています。ただ毎週2~3通くらいだと適量で復習も容易な気がします(私の場合は保存してあるのをたまに見返すので)。それではこれからもよろしくお願いいたします!!
HARADAさん

あげればキリがないほど参考になりました
治郎丸さんの引き出しの多さに改めて感心しきり、の毎日でした。終了してしまうのは残念ですが第2弾に期待してお待ちいたしております。個人的に励まされたのは037号。2歳馬について手探りで考察している中、持ち時計を利用することに効果があるという考え方を裏打ちしてもらったので安心?しました(^^;まだ始まったばかりの06新馬戦線ですが期待できそうな馬をこれからも探していきたいと思います。他にも斤量の話だとかあげればキリがないほど参考になりました。本当にありがとうございますm(__)mこれからもよろしくお願いいたします。
KENさん

ホースレースのバイブル
第1回から100回まで継続のご苦労考えると、そんなに簡単なことではなかったことと思いますが、本当にご苦労様でした。そして有難うございました。 これからも私のホースレースのバイブルとして大切に保管したいと思ってます。「自分にしか買えない馬券を買うこと。」これに尽きます。 自分の馬券に対する意思の反映は如実に出ますね。 私も悩みに悩んで結局無難な買い方をして、何度も悔しい思いをしています。もちろん、それで結果当たったこともありますが、100%納得できず、もやもやは必ず後まで残ります。馬券は自分の信念をもって、これからも潔く行きたいと思っています。 そのことが治郎丸さんから強くメッセージとして伝わってきました。それにしても、秋華賞はお見事でした。 自分の意を忠実に反映し、分析に裏づけされた結論を断固貫いた結果だと思います。私の馬券スタイルもこんな風にありたいと、共感いたしました。
MATUOさん

馬券のヒント、恐るべし
メルマガ楽しく読ませて頂きました。ありがとうございました。非常に勉強になりましたし、勝ち馬券を得るためには色々と考えなくてはならないのだなと、改めて思いました。馬券のヒントの中で私が一番、心に響いたのは【牝馬が夏に活躍する本当の理由】ですね。シーイズトウショウが函館で勝てるのにスプリンターズSで勝てない(もちろん相手の強さが違うなどもあると思いますが・・・)理由がはっきりとわかりました。また、【芦毛の馬の買い時】というのも【牝馬が夏に活躍する本当の理由】ほどではありませんがとても頭の中に残っています。今年の神戸新聞杯のフサイチリシャール(結果的には距離適正などもあったのか、馬券に絡むことは出来なかったですが)の激走はまさにこの通りでしたね。治郎丸さんの馬券のヒント、恐るべし、と思いました。
AKOさん

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「馬券のヒント」(全90ページ)を1260円(税込み)でお分けいたします。期間限定になりますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください

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質問メールも受け付け致します。この本をお読みいただいて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたらメールにてドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご質問、ご感想お待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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ドリームジャーニーが究極の仕上がり:5つ☆

アルナスライン →馬体を見る
長距離馬らしくないコロンとした体型なので、距離短縮はマイナス材料にはならない。
リラックスして立てているが、馬体全体からどこか重苦しさを感じる。
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インティライミ →馬体を見る
スカッとコンパクトにまとまった馬体は、とても7歳馬とは思えない。
スペシャルウィーク産駒だけに、絞れやすい時期は大歓迎だろう。
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カンパニー →馬体を見る
良く見せない馬だったが、年齢を重ねるごとに全体のシルエットが良くなってきた。
前走に比べても、さらに上昇していて、この馬自身のピークといえる出来。
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サクラメガワンダー →馬体を見る
栗毛ということもあり毛艶は良く見えるが、欲を言えば馬体に丸みが欲しい。
目の周りの表情を見ると、少し夏負けしているのかも。
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スクリーンヒーロー →馬体を見る
普段は全く良く見せない馬だが、少しずつバランスは良くなっている。
ただ、腹が巻き上がって映り、力感には欠ける馬体。
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ディープスカイ →馬体を見る
前走時よりもトモの張りが増し、臨戦態勢は整った。
究極の仕上がりということではないが、力を出し切れる及第点の出来にある。
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ドリームジャーニー →馬体を見る
腰高でアンバランスだった2歳時に比べ、付くべきところに筋肉がついた。
毛艶、メリハリ、バランス等、文句なしで、まさに究極の仕上がり。
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マイネルキッツ →馬体を見る
いかにもステイヤーらしい馬体で、距離短縮はプラスには働かない。
前走の好調を維持しているようで、この馬の力を出し切れることは可能。
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モンテクリスエス →馬体を見る
突っ張って立っており、腰が高い立ち姿もバランスが悪い。
パワーには溢れるが、スピード勝負になってどこまで対応できるか。
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集中連載:「調教のすべて」第29回

次に、調教における「変化」について述べていきたい。「変化」とは、今回の調教がこれまでとは違うということである。決して他馬の調教とのヨコの比較ではなく、その馬自身の過去の調教と今回の調教とのタテの比較ということだ。タテの比較をする以上、それまでの調教を観ている必要があるし、覚えていなければならない。そうしなければ、調教における「変化」には気づけない。

調教における「変化」のひとつ、初時計は前走後に肉体的な反動があったかどうかを知るひとつの目安となる。実戦のレースを走り、どれぐらい間が開いて時計を出し始めたかに着目する方法である。もし反動が出てしまい、肉体的な疲労が取れていなければ、当然のことながら乗り出しは遅くなる。たとえ馬場で乗られていたとしても、時計になるだけの調教が出来ていなければ、前走の反動の大きさが察せられるだろう。逆に、レース後すぐに時計を出せている馬は、元気一杯で、レースによる疲れがほとんどなかったということを意味する。

たとえば、2009年の安田記念のウオッカの乗り出しのタイミングをみてみたい。5月17日に行われた前走のヴィクトリアマイルを、ウオッカは2着馬に7馬身差をつけ圧勝した。ドバイからの遠征帰りということもあって、反動が心配されたが、ウオッカはなんとレース翌週の5月24日には初時計を出して見せたのである。

5/24(日) 栗坂 良 62.4-44.7-28.9-14.4 馬也

Tyoukyou36レース後は疲れを取ることに専念するため、これまでウオッカは翌週に時計を出すことは滅多になく、2週間後に初時計を出すことが多かった。そのウオッカが、ヴィクトリアマイル後は、翌週に馬なりの軽めながらも時計を出した。これは陣営が思っていたよりも反動が少なく、疲労もほとんど見られず、体調が良かったことを意味している。今年の安田記念に臨むにあたっては、最終追い切りの動きの良さばかりが強調されたが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に初時計も大きな意味を持っていたということである。

実は、昨年(2008年)の安田記念もヴィクトリアマイルの翌週には時計が出ていた。昨年はヴィクトリアマイルこそ負けてしまったが、海外遠征帰りをひと叩きされ、安田記念に向けて順調この上ない調整が出来ていたことが分かる。また、いまや伝説のレースとなった2008年天皇賞秋に臨むにあたっても、前哨戦である毎日王冠の翌週に時計を出していたことは記憶に新しい。

このように、レース後、どれぐらいの期間(日数)が開いて初時計が出たかを見ることは、前走の反動があるかどうかを見極める目安となるのだ。もちろん、個体差があるので、その馬が普段はどれぐらいから時計を出し始めているかを知っておく必要がある。いつもはレース後の回復に時間が掛かる馬が、翌週から時計を出してくるという「変化」があった場合には、レースにおける反動がなく、体調もすこぶる良好と判断してもよいだろう。

ちなみに、残念ながら回避となってしまったウオッカだが、宝塚記念に臨むにあたっての初時計は6月19日であった。安田記念(6月7日)から12日後。7馬身差で圧勝したヴィクトリアマイルの後よりも、安田記念の後のほうが反動は大きかったということを意味する。もし宝塚記念に出走していたなら、果たしてウオッカは私たちにどんな走りを見せてくれただろうか。こういったタラレバが尽きないのも、また競馬の楽しみのひとつである。

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(第30回へ続く→)

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阪神2200m

Hanshin2200t1

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。

3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。

枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

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宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Takara

■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【4・3・0・4】、天皇賞馬に限っては【3・3・0・0】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

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最強牝馬ウオッカ壁紙無料プレゼント!

宝塚記念への出否は微妙な状態ですが、牝馬として初の獲得賞金10億円超えとG1レース最多6勝を記念して、ウオッカ壁紙無料プレゼント企画を行います。ダービーから始まり、復活の安田記念、伝説の天皇賞秋を経て、ウオッカの壁紙としてはこれで4枚目の「作品」となります。

ウオッカの最大の魅力は、牝馬らしい美しさと、牝馬らしからぬ強さにあると思います。美しさという点においてはヒシアマゾンに匹敵するものがあり、強さという点においてはエアグルーヴに並び、もはや超えたと言ってもよいではないでしょうか。この2つのアンビバレントな要素を併せ持ち、常に一線で闘い続けているからこそ、これだけ多くの人々の心を魅了するのでしょう。

今回の「作品」は、特にウオッカの肉体の強さと美しさを切り取っています。安田記念のレース後、検量所前で撮影された写真です。もう手を伸ばせば届きそうなほど近くに、ウオッカの鍛え上げられた芸術品のような肉体が、今レースを終えたばかりの熱気を発して動いています。スラリと真っ直ぐに伸びた長い手脚、極限まで鍛え抜かれた柔らかくも強い筋肉、そして各パーツの見事なまでのバランス、どれを取ってもサラブレッドとして理想的な肉体です。手を伸ばして触ってみたいという衝動に駆られるのは私だけではないはずです。

Vodkawallpaperimg
ウオッカの肉体の美しさと強さに手が届くような感覚を味わえる「作品」です。
ガラス越しに見守るファンの熱気もヒシヒシと伝わってきますね。

壁紙は2サイズ(「1024*768通常版」と「1280*768ワイド版」)で用意しております。ご希望の方にはどちらのパターンも差し上げますので、お気軽にお申し出ください。

また、壁紙をプレゼントさせていただくにあたって、いつもアンケートにお答えいただきありがとうございます。今回のアンケートは、「あなたが今まで好きになった(もしくは好きな)牝馬は?」です。ぜひ好きな理由も教えてください。頂戴した声は「ガラスの競馬場」に掲載させていただきたいので、その際のハンドルネームも教えてください。

■応募方法は以下の通りです
件名を「最強牝馬ウオッカ壁紙無料プレゼント企画」とする。
本文に、
①ご希望のサイズ「1024*768」か「1280*768」を必ずご記入ください。
②簡単なアンケートに答えください。
「あなたが好きな牝馬は?」
③好きな理由も教えてください。
④「ガラスの競馬場」に対するご意見やご感想も教えてください。
⑤掲載させていただく際のハンドルネームを教えてください。

内容が確認でき次第、壁紙画像(JPG)を添付して返信いたします。

→ご応募はこちらから

・応募期間は7月5日(日)までとさせていただきます。
・メールアドレス(個人情報)を第三者に開示をすることは決してありません。
・画像の著作権はPhotostudが所有します。また、商用目的の無断複製、転載を禁止します。

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集中連載:「調教のすべて」第28回

Tyoukyou35

また、調教で「動かない」ことには、その馬自身の完成度が高くないという理由もある。まだ競走馬としての体が出来上がっていないため、実戦ではレースセンスの良さでカバーできても、どうしても調教で速いタイムを出したり、抜群の動きを披露したりすることが難しいのだ。

たとえば、今年のダービーで4番人気に推されたアプレザンレーヴは、最終追い切りの時点で、陣営から調教では「動かない」というコメントが出ていた。

追い切り後の池江泰朗調教師のコメントは以下の通り。

調教では動かない馬だけれど、今日は気分良く動いてくれた。もうやることはない、満足できる状態です。(中略)2400メートルは最適。前走の様な競馬をしてくれれば」(スポーツ報知)

なぜアプレザンレーヴが調教で動かないかというと、ダービー時点では競走馬として成長途上であったということに尽きる。馬体だけを見ても、父シンボリクリスエスの3歳春時点と比べても、明らかに完成度が劣っていることが分かる(写真参照↓)。競走馬としての資質やレースセンスは非常に高い馬なので、青葉賞まではなんとか勝ち上がって来たが、やはりダービーという完成度を競う舞台で勝ち負けするのは難しかったのだ。陣営から「動かない」という言葉が頻繁に出てくるということは、アプレザンレーヴの完成度が高くないということを暗に意味していたのである。

シンボリクリスエス
Sinbori 引用元:競馬ブック

アプレザンレーヴ
Apurezan 引用元:競馬ブック

その他、調教で「動かない」ことには、年齢によってズブさを増している、蹄鉄が薄くなっている、○○コースでは動かない、など様々な理由が存在するが、最も多いのは先に挙げた2つ(「体調が良くない」「完成度が高くない」)である。よって、調教で「動かない」馬はほとんど走らないのである。「ケイコでは動かない馬だから…」、「元々動かない馬だから…」、「実戦タイプだから…」という調教の動きが悪いことを示唆するコメントが出てきたら、その馬は消しと考えてもよいだろう。

ただし、ひとつだけ例外はある。それはその馬がステイヤー(長距離を得意とする馬)であるケースである。基本的にステイヤーはゆったりとしたフットワークで走る馬が多く、気性的にもおっとりしているので、調教のような短い距離で速いタイムを出したり、抜群の動きを見せたりすることはない。

たとえば、私の中でステイヤーというと真っ先に出てくるのがライスシャワーという名前であるが、この馬は本当に調教では動かなかった。500万下の条件馬と併せ馬をしても、食らいついていくのが精一杯という具合。どこにでもいそうな小柄な馬だったので、もし菊花賞や天皇賞春を制したライスシャワーということを知らずに調教だけを見ると、誰もが走らない下級条件馬と認識したはずである。

つまり、ステイヤーが調教で「動かない」ことに関しては、その馬の特徴として大目に見るべきなのだ。3000mを超えるレースになってくると、ほとんどが調教で「動かない」馬たちであることも珍しくない。逆に言うと、調教で「動かない」馬は、もしかすると生粋のステイヤーかもしれないと可能性を探ってみることも、また楽しみのひとつではないだろうか。

(第29回へ続く→)

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集中連載:「調教のすべて」第27回

Tyoukyou34_2ここまで調教での「動き」について述べてきたが、最後に、調教で「動かない」馬について書いてみたい。

結論から言うと、調教で「動かない」馬は走らない。厳密に言うと、調教で「動かない」馬とは、そのレースに臨むにあたっての調教で陣営から「動かなかない」という意味のコメントが出てきた馬である。コメントケースとしては、「ケイコでは動かない馬だから…」、「元々動かない馬だから…」というものから、「実戦タイプだから…」というものまで、どのコメントにも語尾に…のニュアンスがつく。詰まるところは、今回は調教での「動き」が悪かったことを示唆しているのである。

調教で「動かない」ことには、いくつかの理由が存在する。最も多い理由としては、ただ単純に体調が良くないからである。調子の良い馬は手脚が伸びているので、ゆっくり走っているように見えても自然と速いタイムが出るのとは対照的に、体調の悪い馬はフォームにも伸びやかさがなくなり、また精神的にも疲れているため前進意欲に欠ける走りとなる。時計が遅いということではなく、馬の「動き」自体が悪くなるということだ。その「動き」を見た陣営は、決して体調が悪いのかもとは口が裂けても言えず、前述のコメントでお茶を濁す。

たとえば、国内ダートG1レース6勝した実績を誇るヴァーミリアンの陣営から、昨年(2008年)のJCダート以降、追い切りで「動かない」というコメントが頻繁に出てくるようになった。「ヴァーミリアン 動かない」で検索するとたくさん出てくる中のひとつ、JCダートでのコメントは以下のとおり。

「凄くいい雰囲気。攻めで動かないのはいつものことだから」と古川助手の表情も明るい。(中略)3月のドバイ遠征以来だった前走・JBCクラシック(園田)でも、逃げて勝ちパターンに持ち込んだサクセスブロッケンを首差でねじ伏せる貫禄のレースぶり。左前ザ石の影響で「万全とは言えない状態」だった昨年のこのレースもレコードで圧勝。「何の不安もない」今年、舞台が東京から阪神に替わっても、ダート最強馬の座を簡単に明け渡すつもりはない。(スポニチ 2008年12月6日)

圧倒的な1番人気(2.2倍)に推された実戦では、最後はカネヒキリに出し抜けを食らい、メイショウトウコンには後ろから差され、まったく強さを見せることなく3着に敗れてしまった。第1コーナーで挟まれて苦しいレースを強いられたこともあったが、それまでのダートでの鬼のような強さを思えば、考えられないほどの凡走であった。次走の大井で行われた東京大賞典でも敗れ、翌年(2009年)のフェブラリーステークスに臨んだヴァーミリアンだが、ここでもまた陣営から「調教で動かない」という言葉がちらほらと聞こえてきた。案の定、2番人気に推されたものの、見せ場なしの6着と惨敗を喫してしまった。

ヴァーミリアンには目に見えない疲れが少しずつ出始めていたのだろう。2度にわたるドバイ遠征や国内のG1レースを勝ち続けてきたことによる肉体的、精神的な疲労が、2008年のJCダートを境として噴出してしまったのだ。全盛期に比べ、衰えもあったのかもしれない。確かにそれほど速い時計の出る馬ではなかったが、陣営からこれほどまでに「動かない」という言葉が出てくるということは、もうヴァーミリアン自身が黄色信号を発していたということに他ならない。

(第28回に続く→)

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最後は心臓で走る。

Logiuniverse01

横山典弘騎手は私が初めて好きになったジョッキーである。競馬を始めた頃、ナムラコクオーやヒシアマゾンなど好きな馬は何頭かいたが、好きなジョッキーはいなかった。好きになる理由がなかったのだろう。実際に走っている馬には感情移入できても、その背に跨っているジョッキーにまで意識が向かなかった。競馬は馬が主役なのだから、当然といえば当然のことだ。

きっかけは突然に訪れた。1995年の札幌記念、横山典弘騎手は1番人気のトロットサンダーに騎乗した。勝てるものだと思い、私はトロットサンダーの馬券を買っていたが、横山典弘は小回りコースを意識してか、早目に動き出したものの、直線では伸び切れずに7着と惨敗した。「ジョッキーは何やってるんだ、下手くそだなあ」とド素人の私は小声でつぶやいた。

レース後、横山典弘騎手のコメントが私に衝撃を与えた。正確には覚えていないが、「俺が下手に乗ったせいで負けてしまった…」という旨の発言をしたのだ。今となっては私のこの衝撃は伝わりにくいだろうが、当時、自分のミスで負けたなどとコメントするジョッキーなど皆無に等しかったのだ。そんなことをすれば、馬券を買ったファンからどれだけ野次られるか分からないし、調教師からの騎乗依頼が減ってしまう恐れもある。そんな時代の中、正直に己の非を語った横山典弘騎手に、私は男としての潔さと職人としての強い矜持を感じ取り、このジョッキーを応援したいと素直に思ったのだ。

今年、横山典弘騎手がダービーを勝てた理由は2つあると思う。

ひとつは騎乗観の変化である。こちらにも少し書いたように、騎乗に対する考え方が変わってきたということだ。もう少し具体的に述べると、ポジションについての意識が変化してきた。今年に入ってからの(特に重賞などの)大レースにおける騎乗を観ると、それが良く分かる。馬のリズムを大切にしながらも、勝つためのポジションを積極的に取りに行っている。腕っぷしが強く、追えるジョッキーと評され、芝の追い込み馬が好きだと語っていた横山典弘騎手が、ロジユニヴァースで内を突いて勝った事実が全てを物語っている。

もうひとつは心である。「変な言い方かもしれないけど、勝っちゃダメだったんだ。怖さも知らずに。こんな重みは感じなかったかもしれないし、あのころなんてはっきり言って感謝の気持ちなんてなかったから。ここまで勝てなかったのが、自分なりに分かった気がする」、とダービージョッキー横山典弘騎手は語る。

ここでいう心とは感謝の気持ちということではない。そんな単純なものではなく、横山典弘騎手はメジロライアンで勝てると思って2着に敗れたダービーから、長い歳月をかけて心を鍛えたのだ。極限の状況で最高のパフォーマンスが出来る強い心を。19年前の横山典弘はロジユニヴァースを同じようにゴールまで導けただろうか、いや。

頭で考えることなんてたかが知れている。
最後は心臓で走るのだ。
馬もジョッキーも、そして私たちも。


Logiuniverse02

今年のダービーの壁紙を無料でプレゼントします。「優駿」で活躍中のPhotostudと「ガラスの競馬場」によるコラボレーション作品です。ゴールした瞬間の横山典弘騎手の恍惚の表情がなんとも言えません。壁紙は2サイズ(「1024*768通常版」と「1280*768ワイド版」)で用意しております。ご希望の方にはどちらのパターンも差し上げますので、お気軽にお申し出ください。

また、壁紙をプレゼントさせていただくにあたって、いつもアンケートにお答えいただきありがとうございます。今回のアンケートは、「あなたの好きな騎手は誰ですか?」です。好きな理由もぜひ教えてください。頂戴した声は「ガラスの競馬場」に掲載させていただきますので、その際のハンドルネームも教えてください。

■応募方法は以下の通りです
件名を「横山典弘ダービー初制覇記念壁紙プレゼント企画」とする。
本文に、
①ご希望のサイズ「1024*768」か「1280*768」を必ずご記入ください。
②簡単なアンケートに答えください。
「あなたの好きな騎手は誰ですか?」
③好きな理由も教えてください。
④「ガラスの競馬場」に掲載させていただく際のハンドルネームを教えてください。

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・応募期間は6月末日までとさせていただきます。
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・画像の著作権はPhotostudが所有します。また、商用目的の無断複製、転載を禁止します。

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<京大式>パドック入門

Kyoudaisiki 4star

「パドックでは馬の脚元を見よ」と著者の久保和功氏は言う。私はパドックでは気配を見るべきだと考えているが、もちろん脚元も見るに越したことはない。ここでいう気配とは、馬の仕上がり具合や踏み込みの深さから精神状態まで、あらゆる要素をひと言でまとめたものである。そこには多かれ少なかれ個人の主観や直観が入ってくる。だからこそ、時には正しく、時には大きく過つ。しかし、馬の脚元を見ることは、知識や経験を必要とするが、極めて客観性が高い。だからこそ、本気でパドックに立ち続ける気があるならば、馬の脚元も見るべきなのだ。

第2章では、「ソエ」、「骨瘤(こつりゅう)」、「蹄鉄」、「裂蹄」、「エクイロックス」など、馬の脚元を見るにあたってのポイントが、具体的な事例と併せて紹介されている。たとえば、「ソエ」はパドックで横から脚元を注意深く見ると、ポコッと管骨(膝と球節を結ぶ骨)の前面が膨れているのが分かるという。初戦は腫れが確認できない場合でも、一度実戦を経験することにより、「ソエ」が大きく腫れあがることもある。これから夏競馬に入り、特に若駒の新馬戦や2戦目は要注意ということである。私はソエが出ている馬は、調教とセットで確認することにしている。「ソエ」が出ている=走らない、ということではなく、「ソエ」が出ているので調教が満足に行えていない馬は、やはりレースでも凡走することが多いからだ。パドックで「ソエ」が出ていて、なおかつ調教の軽い馬は消しである。

個人的には、メイショウサムソンがパドックで大外を周回している時は買い、という見方は面白いと感じた。気合乗りが良く、前進意欲に満ち、踏み込みがしっかりとしている馬であれば、自然とパドックで歩くスピードも速くなる。パドックでは順番に歩かなければならないため、歩くスピードの速い馬はなるべくパドックの外側を歩き、遅い馬はパドックの内側を歩くことで調整する。この見方を著者は他馬とのヨコの比較ではなく、メイショウサムソンの他のレースとのタテの比較をしたのである。メイショウサムソンの調子が良い時ほど、パドックで外を回しているということである。このように、パドックに立ち続けることで、見えてくることは数知れないだろう。

また、「腰が甘い」馬をパドックで見つけるポイントも大変勉強になった。そのポイントとは、トモが流れるということで、「腰が甘い」馬は後肢の蹴る力が弱く、それがパドックでの歩様にも表れるということだ。具体的には、前肢の動きに後肢がついてゆかず、後肢に重心が残ったままになるような歩き方のことだ。さらに腰を落とすように突然つまずく馬も、「腰が甘い」馬であることが多いという。「腰が甘い」馬は、阪神や中山競馬場など急坂のあるコースで伸び切れないことが多く、消しのひとつの材料になる。たとえば、スイープトウショウは「腰の甘い」馬で、だからこそ直線が平坦な京都競馬場に良績が集中したのだ。

最後にひとつ。パドックで馬を見て、予想することにチャレンジしたことのない競馬ファンは皆無であろう。パドックには何か答えのようなものがあるという本能が、私たちをパドックに導く。そして、ある者は答えを見出せないままそこを去り、ある者はいつしか答えを見出さんとそこに立ち続ける。本書はパドックに立ち続けた著者が、これからパドックに立たんとするチャレンジャーたちに、そのエッセンスを伝えようとする入門書であり、応援の書でもある。

追伸
ご存知の方も多いでしょうが、著者の久保和功氏は「ハイブリッド競馬新聞」という新しいタイプの競馬新聞を発行されています。数年前、この「ハイブリッド新聞」が出てきた時には、これ以上の馬柱はあり得ないなと思わせられました。それほど完成度が高かったのです。それ以来、大きなレースの馬柱が頭の中に入っている私ですが、馬柱が必要なレースにおいては私もこの「ハイブリッド新聞」を活用させてもらっています。無料公開レースもあるので、まだの方はぜひ使ってみてください。

ハイブリッド競馬新聞はこちら↓
Kubovsakagi

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あっぱれ

Yasuda09 by echizen
安田記念2009-観戦記-
大外枠からダッシュ良く飛び出したローレルゲレイロから、一昨年の2着馬コンゴウリキシオーがハナを奪い、前半800mが45秒3というハイペースでレースを引っ張った。力を要する馬場であったことも手伝って、上がり3ハロンが36秒1と掛かり、先行した馬にとっては苦しい底力勝負となった。ダービー馬であるウオッカとディープスカイの2頭がワンツーを決めたのも、当然といえば当然の結果といえる。また、ドバイデューティフリーに参戦したウオッカが地元で勝利を飾り、アジアマイルチャレンジの最終戦に相応しい決着でもあった。

勝ったウオッカは、力の違いをまざまざと見せ付けた形となった。前走同様、ゲートを飛び出し、あっという間に先団につけると、あとは追い出しのタイミングだけという絶好の手応え。馬群を抜け出すのには苦労したが、武豊騎手がなんとかスペースを見つけると、あっという間に先に抜け出していたディープスカイを捕らえてみせた。前走で走りすぎたことの反動を心配していたが、全くの杞憂であった。個人的に大好きな馬だけに、小さなことが気になってしまう。精神的に参ってしまうどころか、ドバイ遠征で世界の強豪に揉まれたことで、心臓が鍛えられ、あらゆる面で強さを増している。

武豊騎手は「下手に乗った」と言うが、あそこはレースの綾だけに仕方ない部分もある。外に出すという安全な方に意識が行っていたため、内に空いた1頭分のスペースを後ろにいた四位ディープスカイに入られてしまった。今回はウオッカの力が抜けていたから差し切れたが、もしディープスカイが真っ直ぐ伸びていたら危なかった。とはいえ、馬を操って瞬時に前に出す技術があってこそ、ギリギリの状況でも慌てることなく仕事をすることが出来た。昨年は岩田康誠騎手に乗り替わって結果を出されたレースだけに、この安田記念の勝利は格別に違いない。

ディープスカイはウオッカを前に見る最高の形でレースを進めていた。最後の直線を向いて、1頭分だけ空いたスペースにスッと入った時の脚はさすがで、四位騎手の判断にも迷いがなかった。ただ、1頭だけになってしまった後、少しフラついてしまったように、結果的には馬体が少し太かった。前走が休み明けにもかかわらず馬体重が減っていたため、そのことも仕上げに影響を与えたのかもしれない。ビッシリと攻めて、馬体が絞れ、もう少しトモに筋肉がついてくれば、脚を溜めてビュッと抜け出す競馬が出来るようになる。完成までもうすぐだ。

見せ場を作ったファリダットは、安藤勝己騎手の腹を括った騎乗が功を奏した。距離に不安のある同馬の力を最大限に発揮するために、練りに練った末の作戦だろう。最後方から最後の直線に全てを賭け、あわや大金星かと思わせる末脚を繰り出した。もう少しスタミナがあれば、突き抜けていただろう。このように道中で脚を溜める走りが出来れば、これから先のスプリントG1につながっていくはずである。来年の高松宮記念が楽しみになった。

末脚が不発に終わったスーパーホーネットにとっては、上がりの掛かる激しい競馬が応えたようだ。マイル戦の瞬発力勝負には滅法強いが、これだけ底力を問われる内容になってしまうと、ダービー馬2頭と真っ向から渡り合うのは正直厳しい。ウオッカとディープスカイが内枠から経済コースを進めたのに対し、スーパーホーネットは外を回る形で脚を溜められなかったのも苦しかった。前走をひと叩きされ、最高の体調で臨んだだけに、もはや完敗といってよい。

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CBC賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Cbc

■1■パワータイプの短距離馬を狙え
3月の開催からそれほと期間が開いておらず、この時期の中京競馬場の芝はかなり傷んでいて、力を要する馬場となっている。スプリント重賞のわりには時計が掛かるのはそれゆえで、当然のことながら、スピードだけではなくパワーが勝つためには要求される。

また、ダート上級条件戦が手薄になる時期でもあり、前走がダート戦という馬の参戦も多い。パワーが求められる舞台だけに、意外な好走をして穴を開けるはこういったタイプだろう。たとえば昨年の勝ち馬スリープレスナイトは前走のダート戦を快勝してきた馬で、父クロフネ譲りのパワーとスピードを生かして、秋のスプリンターズSまで制してしまった。

■2■先行馬が有利
前半3ハロンの平均タイムは33秒4、後半が34秒1という、短距離の重賞にしては珍しく、フラットなミドルペースになりやすい。中京の1200mは最後の直線が318mと短く、平坦であることも手伝って、前に行ける先行馬にとって有利なレースとなりやすい。切れる馬ではなく、ハミをしっかりと噛みながら前へ前へと推進し、スピードの持続力に優れる短距離馬を狙いたい。

■3■前走1400m組の巻き返しに注目
開催時期が6月に移行してからの3年間で、前走が1400mだった馬が2勝している。しかも平成18年のシーズトウショウは6着、平成19年のブラックバースピンは12着からの巻き返しである。ちなみに、昨年の3着であったテイエムアクションも前走1400m組であった。時計の掛かる馬場であることを含め、1200mの字ズラよりも粘りこむスタミナを要求されるということだろう。1200mがギリギリという馬よりも、少し距離適性が長めの馬を狙うのがベター。

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◎ディープスカイ

Jiromaru

今年の安田記念はダービー馬が2頭も揃い、見応えのあるレースになりそうです。伏兵馬も多士済々で、この春、最もレベルの高い争いが繰り広げられる予感がします。先週のダービーはドラマチックな結末に終わりましたが、今週はゴール板まで息つく暇のない、壮絶な叩き合いを期待したいものです。

まずは海外遠征帰りのヴィクトリアマイルを快勝したウオッカから。前走は思っていたよりも仕上がっていたようで、馬なりで先頭に立つと、武豊騎手が軽く追っただけで、2着馬になんと7馬身もの差を付けてしまいました。馬体を見る限りは仕上がっていたのですが、海外遠征による精神面での疲労を心配していましたが、全くの杞憂に終わりました。

ただ、牝馬同士のレースだったとはいえ、あまりにも走りすぎたような気がします。あのレースを観て、違和感を覚えた方は私だけではないでしょう。まるでウオッカ自身はヴィクトリアマイルが引退レースだと勘違いしていたような、スタートからゴールまで全く隙のない完勝劇でした。2度の海外遠征を経てさらに強くなったという見方も出来ないこともありませんが、私にはそうは思えません。陣営の思惑に反し、ヴィクトリアマイルで100%の出来に仕上がってしまったのです。最高潮に達したサラブレッドの体調は、あっという間に下降線を辿ります。

中間の調整を見る限り、乗り出しも早く、前走の体調をそのまま維持しているように映りますが、本当の疲れは目には見えないものです。追い切りは素晴らしい動きをしているではないかという反論もあると思いますが、一流馬はたとえ体調が悪くても、調教ぐらいの速さの追い切りではうんともすんとも言わないものです。追い切りで1番時計を出していても、実は体調が悪くて、実際のレースでは凡走してしまった一流馬など数え切れません。これは「馬券のヒント」にも書いたのですが、一流馬の動きに騙されてはいけないということです。

次世代にバトンを渡す時期が来たのではないか、と私は思います。1頭のサラブレッドに入れ込んでしまうことが少なくなってしまった最近の私にとっても、我が愛しのヒシアマゾンを重ねてしまうほど大好きなウオッカですから、出来るだけ美しい形でバトンを渡してあげて欲しいと願うのです。いずれ世代交代の波はやってきます。

バトンを受け取るのはディープスカイをおいて他にありません。以前、スペシャルウィークと重ねてしまうとコラムでも書きましたが、昨年秋の走り(天皇賞秋、ジャパンカップ)を見て、この馬の強さを確信しました。どちらのレースも敗れてしまったものの、あの時点では最高の走りだったと思います。ダービーの疲れを引きずり、完調ではなかった中での走りだけに、まさに負けて強しでした。昨年のジャパンカップ後、すぐに休養に入ったことも良かったと思います。ゆっくりと休養をはさみ、じっくりと調整が施されています。疲れが取れて、この馬の力を最大の発揮できるようになれば、どれだけの末脚を見せてくれるのでしょうか。今年はディープスカイの年だと思っています。

距離不足が心配されているようですが、そもそもこの舞台のG1レースを勝っています。速い流れになれば、なおさらこの馬の切れ味が生きますね。外枠からローレルゲレイロが行きますし、このメンバーですからスローのヨーイドンにはならないはずです。ペースやコースの特性から、安田記念は瞬発力ではなく持続力が問われるレースです。ディープスカイは素晴らしい末脚を持っているので、瞬発力に長けている馬だと思われがちですが、マイル戦であればスタミナを持続力に転化できます。そう、渋った馬場で行われたNHKマイルでの走りのように。例年に比べ、今年は少し時計の掛かる決着になりそうで、ディープスカイにとってはますます好都合です。

スーパーホーネットにも十分にチャンスはあります。矢作調教師が「2強ではなく3強」だと豪語するのも分かる気がします。昨年の安田記念、マイルCSとともに1番人気に推されたものの敗れていますが、どちらも前哨戦で力を使い果たしていたことが敗因です。昨年の安田記念ではステップレースの京王杯SC、マイルCSではウオッカを下した毎日王冠が最高の出来に仕上がっていました。スーパーホーネットにG1レースを勝つ力がないということではなく、前哨戦でピークに仕上がって強いレースをしてしまって、本番におつりが残っていないというパターンを繰り返してきたということです。

今年は違うようです。昨年の反省を生かして、マイラーズCを快勝したのち、京王杯SCをスキップして安田記念1本に備えてきました。またマイラーズCで仕上げ切ることなく、80%ぐらいの出来でした。前哨戦をひと叩きされ、ようやく最高の出来でG1レースに臨むことが出来ます。これで負ければ諦めもつくでしょう。2歳時に朝日杯フューチュリティSで2着した時には、まさかここまでの馬になるとは夢にも思いませんでしたが、鍛えられて少しずつ成長したのですね。藤岡佑介騎手にとっても、G1獲りのチャンスです。

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パワー漲るローレルゲレイロ:5つ☆

アブソリュート →馬体を見る
まさに筋骨隆々の、正四角形に近いシルエット。
毛艶も良く、前走の輸送で減った馬体も回復している。
Pad4star

ウオッカ →馬体を見る
前走時はドバイ遠征帰りにもかかわらず、かなり仕上がっていた。
そこから比べると、馬体全体に力感が欠けているように映る。
Pad3star

カンパニー →馬体を見る
この歳にして、ようやく馬体が枯れてきて良い雰囲気。
馬体のシルエットが伸びて、府中のマイル戦はベストの条件か。
Pad3star

スーパーホーネット →馬体を見る
いつも良く見えない馬で、走って良さの出るタイプだろう。
表情からは気迫が伝わってきて、ひと叩きされて完全に仕上がった。
Pad4star

ディープスカイ →馬体を見る
どこと言って欠点のない、非常にバランスの取れた好馬体。
欲を言えば、後肢(特にトモの部分)の肉付きが物足りないか。
Pad4star

スマイルジャック →馬体を見る
茄子に楊枝を刺したような馬体だったが、ここにきて少し成長が見られる。
余分な部分が削ぎ落とされて、ゴール前での粘りが期待できる。
Pad3star

ローレルゲレイロ →馬体を見る
前走時も良かったが、今回はさらに筋肉が盛り上がりパワーが漲っている。
最高潮は間違いなく、あとは腰高の馬体ゆえの距離の心配のみ。
Pad5star

ファリダット →馬体を見る
バランスの良い馬体だけを見ると、スプリント戦よりもマイルが適鞍だろう。
ただ、精神的に真面目すぎるため、現時点では少し長いか。
Pad3star

トウショウカレッジ →馬体を見る
胴部に長さがあって、短距離路線で活躍している馬とは思えない。
後ろ肢の筋肉の付き方に不満はあるが、年齢を感じさせない好馬体。
Pad3star

スズカコーズウェイ →馬体を見る
いかにもパワータイプといった、力感に溢れる立ち姿。
闘争心に溢れる表情からも、現在の勢いが伝わってくる。
Pad3star

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「馬券のヒント」のお届けについて

書籍「馬券のヒント」のお申込みをいただき、ありがとうございます。私の予想以上に申込みが集中しており、先着順に順次送らせて頂いていますが、ご心配をお掛けしております。先週お申込み頂いた方々には、今週中にはお届けできる見込みですので、どうかお待ちください。その他、不明な点などございましたらメールにてご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。

「ガラスの競馬場」治郎丸敬之

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東京1600m

Tokyo1600t

向こう正面の直線入り口からのスタートで、第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は566mとかなり長い。スタートしてから緩い下りが続くことも加わって、前半から速いラップが刻まれることになる。“向こう正面でスピードが出てしまうこと”、“「直線が長く坂があること”の2つの理由によって、連対馬中の逃げ馬の比率が約12%という、「日本で最も差し馬が有利なコース」である。

コーナーの数が2つしかないことと、複合カーブであることによって、同じ1600mでも、中山競馬場のそれと比べるとごまかしが利かないコース設定になっている。マイル以上の「スタミナ」が要求され、スピードだけで押し切るのは難しいコースである。

スタート地点がバンク状になっているため、外枠の馬は内の馬の出方を見ながらレースを進めやすい。そういった意味では外枠が有利であるが、2002~3年の改修によって3~4コーナーのカーブが全体的に緩くなり、4コーナーでは内が開きにくくなった。そのため、後から行った馬は前が壁になるか、もしくは外を回さざるを得ない。内を通った先行馬に有利となるコースである。

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信じ続けたものだけが救われる。

Derby09 by Ruby
ダービー2009-観戦記-
馬場を叩くように降った雨の影響で、ダービーとしては珍しい不良馬場でレースは行われた。ジョーカプチーノが若さに任せて飛び出し、前半1000mが59秒9という暴走ペースでレースを引っ張った。馬群は縦長になり、後続は平均的なラップで走ったことになるが、ここまで上がりが掛かると前に行った馬にとって有利な、後ろからでは差しにくい流れとなった。とはいえ、上位に入線した馬は力のある馬ばかりで、皐月賞とは対照的に、まさに力通りの決着となった。

勝ったロジユニヴァースは、前走の皐月賞の鬱憤を晴らすような圧勝劇を演じた。皐月賞で落ちるところまで落ちて、下手に好走しなかったことが功を奏したのだろう。6週間の間に、短期放牧を経て、陣営の懸命なケアが実り、なんとかダービーに間に合った。もちろん、この馬の生命力も高かった。2歳時に2度の関西遠征をして、ラジオNIKKEI杯をもぎ取ってくるほどの関東馬であり、終わってみれば力が違ったということだ。久しぶりに関東から超がつく一流馬が誕生した。

横山典弘騎手にとって、念願の初ダービー制覇となった。本人も今年はチャンスだと思っていたし、最後のチャンスかもしれないと感じていたはず。ここ10年以上にわたる、関東馬の劣勢のあおりを最も受けた騎手と言っても過言ではなく、もし関西に所属していれば武豊騎手との実績は逆になっていたかもしれない。それほどに一流の技術を持ったジョッキーなのである。忸怩たる思いを胸に秘め、関東の競馬を10年以上にわたって支えてきた騎手だけに、関東馬でダービーを勝ったことは何ものにも代えがたい喜びに違いない。

リーチザクラウンも武豊騎手の手綱に導かれて、自分の力を最後まで出し切った。2番手につけたが、ジョーカプチーノが飛ばしてくれたおかげで、この馬としては単騎で逃げる形となり、折り合いもつけやすかったのではないか。元々能力の高い馬だけに、自分の走りさえ出来ればやはり強い。直線では一旦先頭に立ち、あわやというシーンを作り出した。ただ、勝ったロジユニヴァースにはラジオNIKKEI杯でも負けているように、現時点での力差は大きかった。そして最後に、武豊騎手が内を開けたことについて。武豊騎手にとっては珍しいことではあるが、勝ち負けを超越した、中央の競馬を共に背負ってきた同志に対する無言のリスペクトが感じられる、美しい行為であったと私は思う。

アンライバルドは自分のレースを全くさせてもらえなかった。最内枠のロジユニヴァースがあっさりと最高のポジションを確保したのに対し、アンライバルドは後手後手を踏んでしまったように、1コーナーに入る際のポジション取りが勝敗を大きく分けたレースであった。元来難しい面を秘めた馬だけに、道悪の中で揉みくちゃにされてしまい、走る気を完全に喪失してしまった。スプリングS、皐月賞と、岩田康誠騎手の神業的な手綱捌で勝ち続けてきた勢いはあったが、肝心のダービーでモロさを露呈してしまった。

それにしても、競馬というゲームはドラマチックに作られていると改めて思った。神が創ったのではないかと思わせるほど、ひとつひとつの糸が綿密に織り成されて結末を作り上げていく。昨日の大敗が今日の勝利につながり、今日の栄光が明日の敗北を予感させる。世の中の大勢はあっさりと覆され、信じ続けたものだけが救われる。しかし、信じ続けられる者は少ない。これが競馬なのである。そして、故寺山修司が「競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのだ」と語ったように、これが人生なのかもしれない。今年のダービーは私たちに多くのことを教えてくれた。

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安田記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Yasuda

■1■外国調教馬の活躍
平成5年から国際競走として行われ、当初は欧州調教馬が大勢を占めていたが、ここに来て香港調教馬の活躍・台頭が目立つ。過去10年で外国調教馬の成績は【2・2・2・18】。香港から2頭の勝ち馬が出ている。もちろん、勝負になると思うからこそ遠征してくるわけで、たとえ人気がなくとも要注意である。

香港競馬はオセアニア産のスピード馬を輸入しながら、全体のレベルも年々上がっている。短距離路線に関して言えば、日本よりは層が厚く、スプリント戦ではすでに歯が立たないというのが現状だろう。マイル戦では、贔屓目に見てほぼ互角といったところだろうか。府中のマイル戦はスタミナも必要とされるため、サイレントウィットネスやグッドババのような小回りが得意なスプリンターではなく、少し長めの距離を得意とするブリッシュラックのようなマイラーを狙うべきである。

■2■高松宮記念勝ち馬の不振

平成12年 キングヘイロー    3着(3番人気)
平成13年 トロットスター    14着(4番人気)
平成15年 ビリーヴ       12着(9番人気)
平成17年 アドマイヤマックス 12着(4番人気)
平成18年 オレハマッテルゼ  10着(1番人気)
平成19年 スズカフェニックス  5着(1番人気)

高松宮記念が3月に施行されるようになった平成12年以降、高松宮記念勝ち馬が安田記念に出走してきた際の成績は上の通り。キングヘイローの3着が最高着順であり、スズカフェニックスそれ以外の馬は二桁着順に惨敗している。高松宮記念勝ち馬が安田記念で活躍できない理由としては、以下の2つが考えられる。

1、高松宮記念勝ち馬は本質的にはスプリンターである
当たり前のことだが、高松宮記念を勝つような馬は本質的にはスプリンターである。安田記念が行われる府中の1600m戦はマイル以上のスタミナを要求されるため、スプリンターはガス欠を起こしてしまう。また、中京競馬場1200mコース(小回り)と東京競馬場1600m(大回り)では、道中の流れが全く違うため、前走で高松宮記念を勝つようなリズムで走った馬は、安田記念ではリズムの違いに戸惑い、凡走してしまうのである。

2、高松宮記念を目標に仕上げられているため余力が残っていない
高松宮記念は、レースを使い込んで仕上げてきた馬が勝つ傾向がある。そのため、2ヶ月後の安田記念までに余力が残っておらず、体調が下降線を辿ってしまう馬が多い。

■3■馬場の内外でのトラックバイアスに注目
安田記念は、馬場が傷んできた時期に行われるため、馬場の内外によって有利不利が出てきてしまう傾向がある。たとえば、ブラックホークが大外から差し切った平成13年、アドマイヤコジーンが復活した平成14年は、馬場の内側の傷んだ場所を通らねばならなかった馬が直線で失速し、馬場の外を回ることができた馬にとって有利になった。対照的に、アグネスデジタルがレコードで勝利した平成15年は、仮柵が移動されたため、今度は内側の馬場の良い部分を通った馬が有利になった。このように、枠順や通った場所によって勝敗が分かれてしまうことが多く、馬場の内外での差(トラックバイアス)に注目するべきレースである。

しかし、今年はダービーウィークに引き続き、安田記念もCコースで行われるため、馬場の内外の差(トラックバイアス)はほとんどないと考えてよいだろう。

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