メイクレビュー
この夏からの新企画として、新馬戦、未勝利戦を勝ち上がった馬を中心に取り上げていく「メイクレビュー」を始めたい。若駒戦における情報や新馬の見方などを知りたいという声も多く、ご要望に少しでも応えられればと思う。ただ、全てのレースをレビュー(回顧)するのはキリがなく、またあまり意味もないと思うので、その走りにキラッと光るところのあった馬をピックアップしていきたい。未来のスターホースの原石を少しでも早く見つけることが出来れば、これ以上の喜びはないだろう。ちなみに、「メイクレビュー」はメイクデビューをもじったものある。
なぜこの夏の時期から始めるかというと、なんといっても近年、有力馬(素質馬)の始動が格段に早まりつつあるからだ。私が競馬を始めてからずいぶん長い間、有力馬(素質馬)は秋にデビューするのが常であった。かなり古い話になるが、7冠馬シンボリルドルフは夏の新潟でデビューを飾ったのだが、当時はかなり珍しいというか型破りなローテーションとされていた。早い時期にレースに使うこと、また使うために早めに仕上げてしまうことで、その馬の成長を阻害してしまうという考え方が多くの競馬関係者に浸透していたからである。
今年のダービー馬ロジユニヴァースは、7月6日、阪神4R、芝1800m戦でデビューした。その後、3ヵ月の休養をはさみ、プラス26kgと大きく成長した馬体で札幌2歳Sを圧勝した。そして、その後はご存知のとおり、皐月賞での大惨敗を乗り越え、ダービーで見事に復活を果たした。2歳夏の新馬戦を制した馬が、およそ1年後、成長のピークが早すぎても遅すぎても勝つことが難しいダービーを勝つのだから、時代は変わったと考えるべきなのだろう。
育成時代の環境が大きく変わり、かなり早い時期からバリバリと乗り込まれて入厩してくるため、どの馬も自然と使い出しのタイミングが早くなる。そうなると、有力馬(素質馬)といえども悠長なことを言っておられず、前倒しのローテーションで勝ちに(賞金を稼ぎに)行かなければならない。たとえ素質が高くとも、何としても勝ち上がりたい馬たちが溢れる秋のレースでは、除外等の憂き目にあってしまうことも少なくないからだ。だからといって、勝つことと成長を促すことのバランスのさじ加減を少しでも間違えると、あっと言う間に早熟馬やクラシックに間に合わない馬が出てしまう。現状で考えうる限りにおいては、ロジユニヴァースのように、夏に1戦だけ走って賞金を追加しておくのがベストであろう。
また、夏でもマイルや1800mの新馬戦が組まれたことも大きい。たとえ馬が既に仕上がっていて、いつでも勝てる状態になっていたとしても、クラシックを目指す馬を1000mや1200m戦でデビューさせることには不安がある。サラブレッドの原体験となる新馬戦で体感したレースのリズムは、その馬の将来の距離適性を規定してしまうことが多いからだ。シンボリルドルフは1000m戦でデビューしたのだが、野平祐二調教師は主戦の岡部幸雄騎手に「1000mのレースだけど、1600mのつもりで乗ってくれ」と伝えたという。現在の番組編成においては、そのような余計な心配をしないで済むようになり、ロジユニヴァースのように1800mという適切な距離でデビューすることが出来るようになったのだ。
このような時代の移り変わりに合わせ、夏からの新馬戦にも注目していきたい。どのような形で始まり、どのような形で終わるのか私にも分からないが、来年のクラシック戦線へとつながる布石を探しつつ、その中で若駒戦の見方や楽しみ方を少しずつ紹介していければと思う。
新馬戦が始まり、新しい競馬の幕が開ける。

菊花賞2
有馬記念
阪神大賞典
天皇賞春1
天皇賞春2
宝塚記念1
宝塚記念2
宝塚記念3
凱旋門賞1
凱旋門賞2
ジャパンカップ
ファイナルフライト1
引退式
ハーツクライ
伝説のウオッカ
メイショウサムソン
スイープトウショウ引退記念
アドマイヤムーン
ダイワスカーレット桜花賞
ディープスカイ
ウオッカ安田記念
伝説の天皇賞秋
ダイワスカーレット有馬記念
Comments
非常に楽しみな企画ですね(^^)
やはり新馬戦の頃から見続けて期待してきた馬が
クラシックでぶつかる、というのが一番楽しいと
思いますし、そこから馬への思い入れ、愛情に
つながっていく気がします。
春になってバタバタ慌てないよう(爆)
私も準備していかねば・・・(^^;
どういう視点で「大物候補」を見つけていかれるのか
大いに参考にさせて頂きたいと思います。
よろしくお願いいたします♪
※個人的にフジキセキ産駒の牝馬に今年は期待しています。
目算が当たればいいんですけど(笑)
Posted by: けん♂ | July 08, 2009 at 12:11 PM
新企画楽しみです♪
一時、2歳戦がまったく当たらない時期があって
敬遠していたことがありました。
翌年のクラッシツクが全く楽しくなくなりました^^;
若駒は突然走ることもあるので、馬券的に難しい
こともありますが、幸い昨年からpogを始めたことも
あって、2歳戦は注目しています。
なんとなくですが、走り方に大物感が漂う馬。スピード
感のある馬がやっぱり強いんだなぁ~と思いました。
自分の目でレースを見て、判断するのが正しいと思うし
クラッシツクに向けて楽しくなります。
次郎丸さんの若駒レビュー楽しみにしています。
Posted by: ナルトーン | July 08, 2009 at 05:22 PM
メイクデビューをもじってメイクレビューですね。
最近知ったのですが、あまり評判の良くない「メイクデビュー」という愛称は、ジョイスの翻訳家・柳瀬尚紀が命名したそうですね。「G1出走馬 馬名読本」という本まで出してるほど競馬好きだったなんて知りませんでした。
毎週しっかり若駒はチェックしてますが、チェリーソウマのインパクトが強すぎて……。あんなシベリアンハスキーみたいな目をした強い馬って過去にもいたのですか? TVのパドックで見た時は、白目を剥いてるのかとびっくりしてしまいました。
メイクレビュー、楽しみにしてます!
Posted by: Gachalingo | July 09, 2009 at 12:13 AM
けん♂さん
こんばんは。
ご無沙汰しております。
自分のPOG馬を紹介するよりも、
新馬戦をレビューした方が喜んでいただけるかなと思い、
2年前ぐらいからやりたかったコーナーです。
大物候補を見極める方法は至ってシンプルなのですが、
そこに色々と味付けをしていければと思います。
フジキセキ産駒の牝馬ですね。
私は敢えて挙げれば芦毛かなぁ。
お互いに新馬~クラシックを楽しみましょう!
Posted by: 治郎丸敬之 | July 09, 2009 at 02:16 AM
ナルトーンさん
こんばんは。
ご無沙汰しております。
POGがこれだけ流行っているので、
新馬戦のレビューはやった方が喜んでいただけるかなと思いました。
さすがに全頭を網羅するのは難しそうですが、
おっしゃる通り、実際のレースを観て大物感のある馬をピックアップしていきたいと思います。
>自分の目でレースを見て、判断するのが正しいと思うし
>クラッシツクに向けて楽しくなります。
そうですよね。
昨年、札幌2歳Sでロジユニヴァースを観た時のような感動を少しでも共有できれば幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: 治郎丸敬之 | July 09, 2009 at 02:20 AM
Gachalingoさん
そうなんですよ。
もじっているので英語的にはアウトです(笑)
柳瀬さんは「優駿」でも馬名プロファイラーというコーナーを担当されているように、競馬が大好きな方です。
ご存知かと思いますが、私は将棋というゲームに興味があって、その中でも羽生善治という存在を追っかけているのですが、
今から10年以上前に羽生さんと柳瀬さんが対談した「盤上の海、言葉の~」という本が素晴らしかったので、その頃より柳瀬さんの名は頭のどこかに必ずありました。
チェリーソウマはゾクッとするような顔の馬ですね。
どこかノーザンテーストを思い起こさせるような。
なかなか仕上がりは早そうなので、
ぜひ重賞で活躍する馬になってもらいたいものです。
Posted by: 治郎丸敬之 | July 09, 2009 at 02:28 AM